7 Oct-
いよいよ出発の日が近づいてきた。 去年のGWにUKを訪れて以来、この2年で早5回目となる海外逃亡。 その旅ごとに反省し、知識を得、対策を練れなければ学習がない。 毎度毎度いきなり使えなくなってヒヤヒヤさせてくれる、 我がVISAカード1枚にお支払いの運命を委ねるのはあまりに心許ないため、 今回旅立つにあたり、JALカード(これもVISA)を申し込んでおいた。 利用航空会社が不明なうちではあったが、何やらETCの機能まで盛り込まれているというので、 こいつは都合が良いと判断したのだ。 しかし待てども待てども届かない。 さすがにこれでは間に合わないと思い、出発を3日後に控えた水曜日、JALに問い合わせた。 そしたら木曜日の発送だという。 金曜日、ドキドキしながらポストを開けると、見事に不在通知が入っていた。 っしゃ! ひと安心して荷物を詰める。 今回も関空発となるので、一旦実家に帰省することとなった。 その実家への帰り道、郵便局でカードを受け取ると、 届いたのは我輩が期待していたクレジットカードではなくて、 ただのETCカードだった。 何じゃこりゃ!! ETCカードはもう持ってまっせ!! ガックリしながら、VSのETC車載機にいつものETCカードを差し込んだ。 結局、またしても突然へそを曲げるVISAカードと、 海外では一度も役に立ったことのないJCBカードを持参することになったのである。 ちなみにこれは帰国後に知ったのだが、JALカード+ETCカードの組み合わせだったんだな。 クレジットカードだけで全て機能すると思っていたので、帰国後も余計にガッカリした。 実家に着き、荷物の最終準備をする。 やはり荷造りがヘタクソなので、早くもリュックはパンパン。 向こうで荷物を捨てて減らすしかない。 本当はスーツケースで行きたいところなのだが、移動しながら観光をする日があるので、 ロッカーに入ってくれないと困るのだ。 ちなみに、今回から導入することになった服を圧縮できるビニール袋。 これは実に使い勝手が良い。 今後はぜひ使いまくることにしよう。 そんなこんなで、ベッドに入ったのは1:55だった。 7:55関空集合のため、5:30に起床。 毎度のことながら朝早いのが関空発のネックだ。 あ、集合といっても、断じて団体ツアーではないぞ。 さぁいよいよ出発だ。 実家の最寄駅から関西国際空港駅までは乗り継ぎしつつ向かうのだが、 とある駅で乗り継ぎ列車に乗り込むと、酒クサイ。 見ると、学生と思しき人間がダウンしていた。 何たることかと若者の堕落ぶりに失望しながら、これの書き出しを考えていた。 途中の駅でたくさん人が乗ってきたので、前述の若者も起こされることになった。 暴れるかと思ったらおとなしく座り直したので、まだマシな人種なようだ。 しばらくこれを書き、ふと彼を見ると・・・もしかして吐いてるのか? 君、吐くのをこらえてるのか? もう顔がムーミンになっちゃってるじゃない。 げげっ その口からあふれ出てるのはおゲロか? あーもう君最悪だよ。 もう最悪!! 見てるこっちが限界だよ。 あー前かがみになっちゃって。 そんな態勢になったら君終わってるよ。 あー手からこぼれ落ちてるよ。 万が一にも被害があっては大変なことになると思い、席を離れた。 行く末を暗示するものでないことを祈る。 天王寺からの、はるか3号の自由席は思った以上に満席で、 仕方なくデッキの喫煙コーナーの前に立った。 もはや動くスペースは無く、タバコのニオイに耐えた。 う~む、かつてない最悪なスタートだ。 しかし耐えろ、耐えるのだ偽スナフキン。 彼もムーミンになって な~に、この先には桃源郷が待っているのだ! 7:47関空着。 カウンターで行きの航空券(希望どおりの窓側!)、帰りのチケットの控え、 ホテルのバウチャー、それにユーレイルセレクトパスを受け取る。 今回の旅のミソは、このパスだ。 有効期間2ヵ月のうち6日、4ヵ国の国鉄運行列車が乗り放題になるというもの。 今回はこいつで列車を乗り倒す計画となっている。 このパス、26歳以上は無条件で1等車用のものしか買えない。 1等車というのは日本でいうグリーン車のこと。 グリーン車乗り放題パスなのだ。 これはまさに北海道旅行で東北が我輩に見せつけた乗り放題パスなのである。 ジーパンが擦り切れるまで乗り倒してやる! ちなみにパスにはガイドブックが付いている。 パスが利用可能な路線マップも付いており、これは是非計画段階でいただきたかった。 出国審査を終え、いつものようにスタバへ向かい、チョコスコーンとホットココア。 別に腹は減ってないし喉も渇いていない上に、 本日はお腹の調子も良くないので、飲み食いしない方が良いぐらいなのだが、 これは儀式だ。 旅の全ての無事を祈りながら食べる。 次回の旅の改善点は、この儀式用に小銭を持ってくることだな。 毎度のことながら釣りのジャリ銭がうっとおしい。 しかし寄付はしないケチな我輩なのであった。 トイレを済ませ、さぁ行くかとゲートに向かおうとしたら、今までと違って南ゲートからの搭乗だった。 慌てて反対側に歩き、本屋で雑誌をバラ撒きながらNumberを購入。 33ゲートに着いた時には、すでに搭乗は始まっていた。 ダメだ。 前回のスペインのピリピリした気分に比べて油断しすぎている。 気を引き締めなければ。 今回はルフトハンザ航空。 JALカードではマイルは貯まらなかったわけだ。 帰ってきたらANAのマイレージカードを作ろう。 途中逆風が強くて時間が掛かるらしく、出発時刻は10分早まっていた。 席は主翼のやや後ろで、前述の通り窓側。 よくやった阪急交通社! 初めて行きの景色が楽しめるぞ! 座ってしばらく、テレビが付いてないことに気付いた。 ムムッ これはいただけない。 窓側じゃなかったら退屈でくたばるところであった。 さて、長時間の戦闘態勢を整え、Numberを読む。 奇しくも今週末はF1鈴鹿サーキットの頂上決戦であった。 今年こそF1を見に行こうと思っていただけに、日程がかぶってしまったのは実に残念である。 特集記事を読んでいると、飛行機はゆっくり動きだした。 いよいよだ。 いざ行かん癒しの旅へ! Here we go!! こうしてLH741便は10:04、大空高く飛び立ったのであった。 旅立ちの時にしてすでに寝不足な我輩は、さっそくNumberを読みながらウトウト。 意識を取り戻したら早くも12:00。 昼飯が準備されようとしていた。 「Fish or beaf?」 偽「ビーフ!」 出てきたのがコレ。 しかしコレは隣のオバハンが頼んだフィッシュであることが判明。 お互いまだ箸をつけてないからということで、交換することになった。 これが正真正銘のビーフ。 確かに肉だ。 この隣のオバハンも独り旅なんだろうか。 「行く町ごとに情報をプリントアウトしてきましたのよ~。 はいコレあなたの分」 「やー、ご苦労さんなこってす」 なんてやってるお気楽ツアー連中とは違って、実に堂々としている。 む・・・。 このビーフ、重い。 ケーキは残そう。 ・・・そして、まだあと9時間もあるのか? 映画は好きなのを観れないし、ロクな音楽は流れてないし、 前回のKLMオランダ航空と違ってやることの無いフライトだ。 もうひとつ言うなら、早くメシを下げてくれ。 本も取れやしない。 「レッドワイン?ホワイトワイン?」 「お茶?お茶?」 アチャーッ!アチャーッ!に聞こえるぞ。 どうでもいいから早く下げろ! イライラしてたら便意をもよおしてきたのでトイレへ。 機内の中程のトイレはいつも満員だが、後方のトイレはいつも空いてる。 みんな知らないのだろうか。 さて・・・もう認めよう。 我輩の腹の調子は最悪だと。 これは緊張感からくるものではないと。 一体どうしてくれるんだ。 はぁ・・・。 しばらくして、映画が始まった。 Cars。 ちょっと観てみたかったから好都合だ。 差し支えなければ日除けを下ろしてくれだと? 景色が見れないのでは、 腹の調子が悪いにもかかわらずトイレに行きにくい窓側に座ってる意味が無い。 いつもみたいに電気消さないし、差し支えあるので窓は開けておいてやろう。 と思ったのも束の間、電気が消され、外人スッチーに 放送聞こえねぇのかバカ野郎! とばかりにバシャッと窓を閉められた。 うぅ・・・。 しかしそんなことではめげない我輩は、時々窓を開けたり閉めたりし、 最終的には4分の1開けておいた。 高い金払って年に何回かの飛行機に乗ってるんだ。 しかも我輩は、空から異国の景色を眺めることに至高の喜びを感じる男の子なのだ。 その上、今回は景色を見る時のためだけに新聞契約時にもらった でっか字コンパクト世界地図帳 を持参しているぐらいなのだ。 窓を開けて何が悪い!! だったら景色を見るのを忘れるぐらいの映画をオレに観せろ!! 見ろ、これはアムール川だぞ。 我輩を感動させたあの流氷は、ここから流れ出てくるのだぞ。 窓を閉めたらコレが見れなかったんだぞ! やはり窓は開けるべきなのだ! そんなこんなで15:25、Cars終了。 まだ6時間11分もある。 ウスチカメノゴルスクの北東辺り。 ってどこやねん。 そうだ、ユーレイルセレクトパスの使い方をマスターせねばならない。 もちろん予習はしてきたが、利用ガイドで復習し、万全を期すか・・・。 と言っても5分で万全となってしまったではないか。 退屈だ。 KLMの素晴らしさを知ってしまった我輩には、 もはやUKの時よりマシじゃないかなんていう謙虚な気持ちは毛頭無い。 再びNumberを手に取り、いつもなら斜め読みで終わるところを 一字一句読み飛ばすこと無く、 読み飛ばしてしまったら数行前から読み直すほど、 舐めるように読みふけった。 それぐらいヒマなのだ。 今の我輩なら、ドラゴンボールの打撃音まで読み飛ばすこと無く読んでしまうに違いない。 知らんうちに次の映画が始まったが、全く観る気無し。 ふてくされてインドポップスを聞きながら景色を眺めた。 どうでもいいけど、機内音楽の中には必ずインドポップスが入ってるね。 16:40、おやつが出てきた。 ・・・サンドイッチか。 我がお腹の調子を考えると、これを食うのは自殺行為だろうか。 しかし腹は減っている。 エーイままよ!! ゆっくりゆっくり、しっかり噛んで食う。 我輩はメシを食うのが相当早い。 しかし今日はお腹を刺激しないようにせねば。 機嫌を損ねられると大変な目に合うからな。 そしてオーリンジジュースもゆっくりゆっくりじわじわ飲んだ。 我輩は飲み物もゆっくり飲めない人間なのだが、 ここで腹痛の神の試練に合うと、富士山の時のようになってしまう。 ヒヤヒヤのおやつタイムが終わり、ふと外を見ると海が見えてきた。 ロシアも果ての方まできたようだ。 ここまできたら、あともう少しだ。 ただもう少しの我慢とはいえ、さっきからガキがうるせー。 旅の気分を台無しにする泣き赤子。 まさか飛行機、しかも国際線で遭遇することになろうとは。 誰か泣き声を吸収してシャットアウトするマスクを開発してくれ! 外は一面の雲になっちゃったし映画はつまらんし地球の歩き方を読む気にもなれず、 またしても退屈な時を過ごした。 地球の歩き方、読まないならリュックに入れて預けてしまえばよかった。 重いだけだ。 チッ。 くだらん映画が終わって、飛行時間もあと2時間22分。 おしぼりが配られ、晩飯タイム。 魚しかないというので魚で我慢した。 しかしよく見たら隣のオバハン、 ソーセージ食っとるやないけ!! お前が最後の一個をためらいもなく食ったというのか!? うぅぅぅ・・・。 最後の最後まで良いこと無いなぁと思いながら、じっくり味わいつつ魚を食った。 ウマくはないのをじっくり食うのは結構ツライ。 しかもあまりにじっくり食ったせいか、 食後のコーヒーを楽しんでいるうちに食器の回収に来たため、 コーヒーは一気飲みするハメになった。 思ったよりアッチャー!! 我がお腹よ、穏便に頼む! と祈りながらコンパクト地図帳と飛行マップを照らし合わせて時間を潰した。 ところで、突然だが。 地図帳で上まで行ったら下から出てくると思ってるヤツ、 君たちはドラクエのやり過ぎだ。 違うぞ。 さぁ間もなく着陸だ。 フランクフルトは小雨とのこと。 聞いていたJ-POPチャンネルも良いタイミングでラスト曲。 ラストを飾るのはマツケン阿波踊り。 エーライヤッチャ 乗客全員が心の中で絶叫乱舞する中、LH741便は現地時間で14:39(日本時間21:39)、 マツケンパワーで予定より30分も早くフランクフルトに着陸。 ただ、客を降ろす許可が出ていないということで、しばらく機内で待たされた。 飛行機というのは色々めんどくさいのだな。 さて、今日はさらに乗り継いでスイス・チューリヒまで行く。 当初はフランクフルトから南下していく計画だったが、 現在フランクフルトがフェア期間中ということで、宿泊代がバカ高いのだ。 しかしスイスから回ってくればそれが回避できるようなので、迷わずそうしたというわけだ。 チューリヒ行きは17:55発だからトランジットは何と3時間もある。 フランクフルトともなればショッピングも楽しめるだろう。 車雑誌やらも思う存分立ち読みできるはずだ! 何しろ観光が始まるとショッピングの時間など全く無いのだ。 できる時にしておきたい。 全てを・・・全てを充実した旅にするのだ! さぁ行くぞフランクフルトショッピング! Guten Tagドイツの皆様!! 我輩が偽スナフキンです!! 意気込んで突撃したフランクフルト国際空港、 しかしそこで我輩を待ち受けていたのは、 ツーフロアあるとはいえあまりに狭いショッピングフロアだった。 何じゃこりゃ!! 買い物なんてできねーYO!! 本屋はッ本屋はッ!? あ~っと小さい! 本屋も小さい!! 何やねんコレーッ!!(T_T) フランクフルト国際空港の狭いフロアに偽スナフキンの断末魔の叫びが響き渡ったのであった。 こんな所に3時間もいろというのか・・・。 そうだ。 もしかしたら手荷物検査の先にちゃんとしたフロアがあるに違いない。 きっとそうだ。 そう信じて保安検査に向かうと、 「17:55発?この先にはノーレストラン、ノーショッピングよ?」 No~ッ!!(T_T) バカな・・・そんなバカな。 これで良いのかフランクフルト!! 結局狭い本屋には5分もいられず、ブランドショップも3回ほど回った。 それでもまだ1時間半以上ある。 チキショウッ! あんなに早く着くんじゃねーよルフトハンザッ!! 怒っていたら腹が減ってきた。 そうか、日本時間ではすでに22:00過ぎ。 腹も減るか。 チューリヒまでのフライトは1時間だし、 機内食はよく出てもサンドイッチ程度であることが予想される。 しかもチューリヒ着は18:55。 街に出るのは20:00過ぎになる見込み。 色々確認することがあるし、メシを食う時間があるとは思えない。 っていうか、店は閉まってるだろう。 どうせ時間を持て余しているのだから、今のうちに食うか。 下の階には立派なゲーテの像があるその名もゲーテカフェがあるけど、 今我輩の前にあるのは世界のMだな。 偽「ハンバーガーにファンタのS」 2ユーロ。 出ました必殺世界のM。 メシで困ったら世界の合い言葉M。 初日から伝家の宝刀抜きまくり。 斬りまくり。 滑走路を眺めながらハンバーガーを食い、20分前にゲートへ向かった。 ここでも暇だったので新聞を取る。 何だかせっかくの旅行なのにヒマヒマ書いてると悲しくなってくるぞ。 新聞の一面はクジラのストランディング。 にしても、恐るべきボリュームだ。 政治、スポーツなどがそれぞれ別冊になっており、しかもそれぞれが分厚いのだ。 ドイツ人は毎朝こんなのを読んでるのか? ドイツ人、侮れぬ。 ようやくにしてボーディングタイムになり、 バスで護送された空港の一番果てには小さな飛行機が停まっていた。 これか。 かろうじてプロペラではないが、無骨で小さな飛行機だ。 これも窓側、羽根の下だ。 下ってのはあまりないな。 席は空きまくり。 まぁ列車で移動できる距離だから、飛行機に乗るまでもないのかもしれない。 日本人は我輩だけだ。
ポーン。
「ペラペラペラペラペラリーノ」
さぁきました何も分からない機内放送。 これぞ海外。 ようやく実感がわいてきた。 気張っていくぜ! 18:06離陸。 機内ではチョコが配られたのみ。 コーラを飲んだらもう着陸だ。 眼下にはスイスの牧歌的な景色が広がっている。 18:43スイス・チューリヒ国際空港着。 来たぞスイッツァーランド! Guten Abend!! さっそく入国審査へ向かう。 スイスはシェンゲン協定に加盟していないので、ここで入国審査となる。 貨幣もユーロじゃなくてスイスフラン(以下CHF。1CHF=約96円)だ。 一瞬でパスして荷物を受け取る。 今回は出迎えが無いので、自力でホテルにたどり着かねばならない。 土産物屋や本屋に立ち寄りながら鉄道駅へ。 まずは窓口でユーレイルセレクトパスのバリデーションをする。 バリデーションとは、簡単に言えばパスを有効にするスタンプを押してもらうこと。 後は自分で使う日付を入れて使うだけ。 日本では馴染みの無い手順なだけに、ミスの無いよう完璧にこなさねばならない。 偽「このパスを明日から使いたい」 「明日からね?」 偽「うむ」 窓口の女性が間違った日付を入れては大変だ。 ペンの動きをじっと睨む。 ヨシヨシ。 「ここにパスポートのナンバーを自分で入れてね」 偽「自分で?」 「そう」 それはホテルで落ち着いてからやろう。 さて、次はチューリヒ市街地のホテルに向かわねば。 まずは切符だ。 このまま窓口で買うのは簡単だが、それでは味気ない。 窓口の上の電光掲示板にも 「自動券売機の方が早いアルヨ」 と、もちろん英語で表示されている。 さっそく券売機の前に立ち、英語表示にする。 行き先はZurichHB (HauptBahnhof 、チューリヒ中央駅)だ。 スイスフラン紙幣をねじ込み、見事2等車の切符をGET。 たかだか切符を買っただけだが、やはりチャレンジした方が達成感があるな。 で・・・どの列車に乗れば良いのだ? 全く分からん。 中央駅なんだから通過することはないだろうが、通るかどうかが分からない。 しばらく行き先表示を眺めていると、もうすぐS16線の電車が来るらしい。 行き先の下に表示されているのは停車駅か? チューリヒ中央駅もある。 慌てて近郊路線図を見に走る。 うむ、S16線は確かに空港から中央駅を通ってもう少し先まで行くようだ。 今なら間違っていてもまだリカバリーがきく時間帯だし、とりあえず乗ってみるか。 チューリヒ中央駅までの駅名を暗記し、電車に飛び乗った。 背もたれにファーストクラスと書いてあるから、 たぶん我輩の切符で座っちゃダメな席なんだろうが、 気付いたときには座っていたので気にしないことにする。 次の停車駅がチューリヒ中央駅方面だったのでひと安心したら一気に眠くなってきた。 窓ガラスに写った我が目を見て驚いた。 真っ赤に血走っておるではないか。 しかし今寝ると寝過ごす可能性120パーセント。 気合いで目を明けていたら3駅で着いた。 まずはコインロッカーを調べに行く。 出発初日にして、すでにパンパンのこのリュックが、 果たしてコインロッカーに入るかどうかが 今回の旅の命運を握っているといっても過言ではない。 思ったより小さいな・・・。 入れてみる。 う~ん・・・エイヤァッ!! 何とか入らなくはない。 5CHFか。 何か買い物をして金を崩さねば。 とりあえず駅を出てホテルへ向かう。 場所はGoogleMapで予習してきた。 ・・・ハズなんだけどもどっちなんだ。 おぼろげな記憶を頼りに橋を渡り、ズンズン歩いていく。 我輩は方向感覚に比較的自信がある方だ。 見ろ、一発で着いたぞ。 偽「ハロー。チェックインプリーズ」 ぬをっ 何と可愛らしい子なんですか。 「前にこのホテルを使ったことある」 偽「ノーアイディドゥント」 じゃあこれを書いてとカードを渡された。 どこに何を書けと? 何て不親切な用紙なんだ。 言われるがままに書いていく。 誕生日は・・・確か欧州は日・月・年の順だったな。 19,5,1979と。 「1979?(笑)」 笑うとこか? まぁこういう時に笑われているのは、 キュート過ぎて27歳に見えないという笑いだ。 笑うとバリかわゆいな。 神様ッ 何で彼女は
スイス人じゃなかったらどうだと言うんだ偽スナフキン。 聞かせてもらおうか。
あ・・・いえ・・・何でもありません。 うをっ 何だ今のは。 天の声か!? 無事チェックインを終え、鍵を受け取り105号室へ。 この部屋、天井に電気がありませんが。 これがスイススタイルか? まぁいい。 重い荷物を放り投げて、貴重品をセーフティボックスにぶち込み、夜景を見に街に出る。 坂を下って川沿いに歩いていくと尖塔が見えてきた。 何とも美しい眺めじゃないの。 とりあえずあそこに向かうか。 写真を撮りながらどんどん歩いていく。 どうやらメインストリートらしく店も多い。 欧州の店は閉まるのが早いが、ショーウィンドーは明るいままなので、 ウィンドーショッピングを楽しんでいる人多し。 これはこれでなかなかオシャレだ。 ちなみに前に書いたかもしれないが、 ショーウィンドーを見て気に入った商品があったら店に入るというのが暗黙のマナーらしい。 日本みたいにとりあえず店に入って何でもベタベタ触るのはよろしくないのだと。 これは実にスマートだし、非常に見習うべきだと思う。 それは後日、強く思わされることとなる。 で、川沿いに建つ3つの教会。 これがチューリヒの見所の全てであろう。 地球の歩き方にもそれ以外の見所は見当たらない。 断言しよう。 これがチューリヒの全てだ。 まだホテルへ帰るには早いと思い、チュリっ子でにぎわう通りを散策。 カフェはまだまだ大にぎわいだ。 そういえば明日は朝早いので、ホテルの朝飯が食えないから何か買って帰らないと。 スタバに立ち寄り、水とパンを2つ買った。 1つは晩飯だ。 コインロッカー用に5CHFコインもGET。 万全の態勢でホテルに帰った。 預けた鍵を受け取りにカウンターに行ったら、美女はオッサンになっていた。 もう22:00だし、そんなもんか。 「おやスマなさい」 それはスマップ以外使っちゃダメなの!! 油断ならねぇオッサンだ。 部屋に戻り、荷物の整理。 前述の通り明日の朝は早い。 我輩のいう「朝早い」ってのは、普通の人の3割増で早い。 従って、さっさと荷物を整えて、とっとと寝なければならない。 幸いテレビがどうやってもつかなかったので、 テキパキと作業は進められ、23:30には就寝となった。 Zzz・・・ |