11 Okt-

5:00に目覚ましで起きたが、5:15までベッドを出れなかった。

寒い・・・。

しかし荷物も整えねばならないし、何しろ今日の行程は一番頭を悩ませて決めたのだ。

寸分のズレも許されない。

強引に自らを起き上がらせる。

さぁ行け。

行くんだ偽スナフキン。

・・・。

癒しの旅なのに・・・。

この旅は癒しの旅のハズなのに・・・。

・・・。

 

起きろ偽スナフキン!

出撃なんだぞ!

立てよぅオイ!!

 

この戦いが終わったら
ぐっすり寝られるって
保証があるんですか!?

 

 


あったぁ!!

 

 

殴ったね!?

オヤジにも
ぶたれたことないのにぃ!!

 

 

ハッ

何だ今のは。

寝呆けまなこをこすりながら顔を洗い、ドライヤーが無いので、手櫛で髪を整える。

今日は無造作ヘアで行くか・・・。

しかし何でこんなに寒いのだ。

エアコン無いんか?

部屋を見渡してみると、窓が開いていた。

そら寒いっちゅうねん!

半袖を着るのはやめて、白のポロシャツに白の長袖を重ねるというコーディネートで出発。

駅に着くと、もう店が開いていた。

パン屋でチョコワッサンとコーラを購入。

おや、コーヒーも飲めるのか?

いただこうじゃないか。

思いがけずやってきたカフェチャレンジ。

ここで挑まずしていつ挑む?

偽「ラテプリーズ」

きた!

ラテがホントに出てきた!

ぃやっほーい!!

生まれて初めて・・・

海外5回目にして初の自力モーニングカフェに成功。

テイクアウト用に包んでもらったチョコワッサンを出し、

ビジネスマンとともにモーニングカフェ。

感涙で霞む目で時計を見ると、すでに6:10。

我輩の乗る列車は6:19発。

しかも27番線は結構離れているのだ。

急がねばならないが、このラテ、猛烈に熱い。

ネコ舌の我輩がコレを飲むにはあと5分は必要だ。

これはお残しもやむなしかと立ち去ろうとする我輩の脳裏に、電撃が走った。

このラテはただのラテじゃない。

海外初自力カフェの記念すべきラテを残すというのか?

・・・ここでこれを残すとせっかくの朝ラテがトラウマとなりかねない。

ただでさえトラウマだらけの我が人生。

もうトラウマは十分なんじゃーッ!!

をぁっちゃ~ッ!!!(T_T)

魂の叫びと共に根性で飲み干し、涙目のまま27番線の列車に乗り込む。
↑ホントに熱かった。良い子のみんなは絶対真似しないでくれよな!

今日まず目指すのは、Fussen(フュッセン)。

南ドイツに来る人なら、必ず立ち寄るであろうノイシュヴァンシュタイン城の最寄り駅だ。

発車すると、すぐに車掌が検札にやってきたのでパスを見せる。

スイスにしろドイツにしろ、この検札は意外にキッチリしている。

駅に改札が無いから検札があること自体は当たり前なんだが、

もっといい加減で、タダ乗りしまくりかと思っていた。

「フュッセンに行くのか?」

偽「おうそうだ」

「Buchloe(ブーフローエ)で乗り継ぎだぞ」

偽「知ってるよ、サンキュー」

「良い旅を」

前述のドタバタのせいで、1等車を探す時間が無くて2等車に飛び乗ったため、

車内は途中駅から小学生らしき電車通学のガキだらけになった。

東洋人が珍しいのか、チラリチラリとこちらの動きを観察している。

ただ我輩は単なる東洋人ではなくて太陽王だからな。

あまり見るなら拝観料を取るのでヨロシク。

ブーフローエには7:09着。

ガキとともに降りると、入れ代わりにまたガキが大量に乗っていった。

さすがは先進国ドイツ。

電車通学なんて日本だけかと思っていたよ。

しかしスイスより寒いな。

お日様よ、早く昇っておくれ。

ホームで待つのはあまりに寒かったので、駅の待合室に移動。

待合室も、やはりガキがたむろっていた。

ただ、ガキはガキでもこっちは高校生ぐらい。

やっぱり年をくうと寒さに弱くなるのは、万国共通らしい。

彼らはどうやらバス待ちだな。

万が一に備えて乗り換えには相当のノリシロを設けていたため、

30分以上待って7:46発フュッセン行きに乗り換え。

2等車しかないのか。

一段とローカル色の強い列車だ。

ノロノロと南へ南へ走る。

うーむ、1等車の座席に慣れた我輩には、クッションが硬くてイカン。

・・・そして車内寒いぞ。

っていうか、さっきの駅舎より寒い。

あまりの寒さに便意をもよおしてきたため、トイレに行き、

元の席には戻らずに近くの席に座った。

オイオイこっちはあったかいじゃないの。

さっきの席にコーラを忘れてきたが、もう戻らんぞ。

車窓には牧草地が広がり、まるでスイスに戻ってきたかのような景色だ。

ま、フュッセンはスイスとの国境に極めて近いから、

戻っているという表現は、正しいことにはなる。

さて・・・列車を見た時から心配していたことが現実となった。

若干遅れだしたのだ。

フュッセンまではまだ40分近くあるというのに、7分の遅れ。

フュッセンから先はバスで移動するのだが、これまた本数が少ないのだ。

しかもドイツの田舎町にはタクシーはいないらしい。

わざわざ町のインフォメーションにメールして確認したんだから、間違いなくいないんだろう。

これが今日の行程を決めるにあたり、一番ネックになったことだ。

この列車から乗り継ぐ予定のバスに乗れないと、

全てがオジャンになってしまう。

死ぬ気で定刻に到着してくれ。

腕時計をチラチラ見ながら車窓を見ていたら、

斜め前のボックスシートに座っていた爺さんが声を掛けてきた。

写真を見せてくれるというのか?

写真にはノイシュヴァンシュタイン城なんかが写っていた。

どの写真にもフクロウの親子(置き物)が写っている。

この親子がまるで旅しているかのような撮り方。

これは北海道で見た手法だ。

何の批評もなく返すのは失礼かと思い、1枚の写真をチョイス。

偽「このフクロウはとてもかわいいNE」

「ペラペラペラペラペラリーノ」

・・・よく分からんが、どこかの教会のフクロウをモチーフにした置き物らしい。

「ペラペラペラペラペラリーノ」

何だ?

この写真をくれるというのか?

え、何?

全部くれるって?

あ、いや別にそんな太っ腹にならなくても・・・。

ん?

何何??

その双眼鏡もくれるの?

いやいいよ、カバンが重くな・・・いえいえいただきますとも!

まさか外人様のご好意を無にするようなことは!

しまう場所がないのだが、感謝こそすれ愚痴を言うものではない。

この双眼鏡、新品じゃないのか?

偽「ダンケシェン」

我輩にできる最高の笑顔で受け取った。

これが2等車ならではの人との触れ合いというものか。

たまには2等車もいいもんだな。

今の我輩にはこんな触れ合いこそが大切なのだ。

心温まったところで、フュッセンに到着。

乗り換え時間には余裕をもって行程を組んだことが功を奏し、バスは良い具合にやってきた。

ここから先は、海外では初となるバス乗り継ぎの旅となる。

今日我輩は3ヵ所を見て回る予定をしている。

オンラインの時刻表で散々検索したところ、フュッセンスタートでこれら3ヵ所全てを回るには、

これから我輩が回るルートしかない。

これ以外にはアリエナイ。

ひとつでも歯車が狂うと終わる。

まさに公共交通乗り継ぎの

限界に挑戦した行程となっている。

嫌が上にも緊張感が高まるな。

まぁ癒しの旅に何でこんな緊張感が漂うのかは、はなはだ疑問ではあるがね。

スタートとなるバスは、フュッセン駅前を定刻に発車。

ノイシュヴァンシュタイン城のあるHohenschwangau(ホーエンシュヴァンガウ)までは10分。

おぉっ!

早くもノイシュヴァンシュタイン城のお出迎えだ!

さっそくチケット売場に行き、

プリントアウトしてきた予約確認の紙を渡す。

人が一杯で、予約しないと並ぶハメになると聞いていたのだが、

朝早いこともあってかスイスイと買えた。

ノイシュヴァンシュタイン城は自由見学不可。

全てガイドツアーでの見学となる。

各自チケットに書かれた時間に集合せよ、とのこと。

我輩の集合時間は11:15。

ホーエンシュヴァンガウのバス停からノイシュヴァンシュタイン城までは

徒歩だと約30分かかるらしく、バスと馬車がピストン輸送している。

歩くつもりで早めに来たのだが、さっき城を眺めて戦意喪失。

あんなトコまで歩けるか!

しかしテクテクバス停に歩いて我輩が目にしたのは、日本人団体ツアー客の群れだった。

どうやら近くのホテルに宿泊したらしく、

朝飯を食って準備万端、ここに集えり、という感じがプンプン臭う。

・・・あんなのと一緒にバスに乗りたくない。

俄然やる気が出てきた。

意地でも歩いてやる。

美女に一緒にバスで行きませんか、と誘われても乗らない。

断じて。(炎)

ゲラゲラ大声で笑ってるババアを見てると、同じ民族なのが悲しくなってくる。

我輩の経験上、人目もはばからず大声で下品に笑うのは、日本人か韓国人だ。

山道をせっせと歩いていく。

マジで毎日坂道を歩いてるな。

その横を、ノイシュヴァンシュタイン城行きのバスが追い抜いていく。

「やー歩いてはるわ、あの日本人」

「やっぱりバスだわねー」

とか言ってやがるんだろ。

何とでも言え。

・・・ぜぇぜぇ。

歩きというチョイスを少し後悔し始めた頃、ようやくマリエン橋に着いた。

ここからノイシュヴァンシュタイン城を眺められるらしい。

オホーッ

こりゃあ良い眺めですこと!

白壁が映えますなぁ。

遥々歩いてきた甲斐があったというもんだ。

ご覧の通り、ディズニーのシンデレラ城のモデルはココ。

ちなみに余談だが、白雪姫の城のモデルは、スペイン・コルドバにある。

集合時間に間に合うように、城の中庭に向かう。

先程の眺めからお分かりのように、結構な距離が残されているのだ。

中庭には電光掲示板が設置されていて、そこにガイドツアーの番号が表示される。

我輩の番号が表示されるまで、しばし待機。

日本人多いなぁ。

スイスにはあまりいなかったから快適だったのに。

「ハイ行きますよ~」と旗を持った添乗員がツアー客を誘導していくのを見るにつけ、

絶対あれには混ざりたくないという気持ちを新たにしたのだった。

10:35、我輩のガイドツアーがスタート。

日本人が9割5分を占めるため、城内のガイド放送は日本語。

これはありがたい。

何しろこの手の見学は、言葉が何も分かりゃしないため、

流れるように見てハイ終わりというのが常。

じっくり見ることにしよう。

ちなみに館内は一切撮影禁止なので、写真は無いのだ。

あしからず。

城の歴史は意外に浅く、落成したのは19世紀後半。

城主となるハズだった、ルードヴィヒ2世が謎の死を遂げたため、建設は途中で放棄された。

歴史が浅いと言われれば、なるほどさっきから感じていたことに納得がいく。

内装は絢爛豪華なんだが、大聖堂のように、こちらが圧倒されるような空気はないのだ。

悪く言えばオモチャみたいな感じ。

人々の信仰の対象と、王様の自己満足を同列で比較するのは、違うかもしれないがね。

ガイドツアーは40分弱で終了。

もう一度マリエン橋から城を眺めて、帰りはバス。

わずか10分の乗車にもかかわらず、

香水の臭いにやられて吐きそうになりながらホーエンシュヴァンガウに戻った。

予定のバスまで時間があるので、メシとしよう。

そして目の前にあるのはオープンカフェだ。

いよいよ自力オープンカフェの時がやってきたのだ!

城の見える席に座る。

オープンカフェって、自分が新しく来た客だと気付いてもらえるかがすごく心配になる。

メニューを読んでれば気付いてもらえるだろう。

・・・と、信じることとする。

メニューはやはりドイツ語。

読めるハズがないので、適当に当たりをつけるしかない。

しばらくして店員に気付いてもらえて、

サンドイッチ、スープとサラダ・・・と思われるものをオーダー。

出てきたのは見事サンドイッチとスープだったが、

サンドイッチは予定外にチーズがぎっしり挟まっていた。

チーズは嫌いではないが、こんなに挟まっていて欲しくない。

電子辞書でスペルを覚えて、頼まないようにしないとな。

おー、サラダだサラダだ。

久しぶりの野菜だ。

やはり外国の人参はニオイがキツイ。

このニオイは正直苦手である。

サラダを平らげ、サンドイッチを食う。

なかなか美味い。

ポタージュスープも美味い。

ノイシュヴァンシュタイン城を見ながらのこの昼飯。

海外初の自力オープンカフェとしては、出来すぎと言って良かろう。

スバラシイ!

そういえば、ボールに残ったスープは、

パンでこそぎ取るのが正しいとヅラ保が言っていたな。

ヤツは今何をしているのやら。

久しぶりのしっかりした食事を楽しみ、気合いを入れてバスに乗り込む。

ここから先のスケジュールは、トヨタの社長並に秒刻みなのだ。

ノイシュヴァンシュタイン城の近くにホーエンシュヴァンガウ城もあるけど、これはパス。

次に向かうのは、

ホーエンシュヴァンガウから約30分のところにある世界遺産ヴィース教会。

小学生らしき学生で満員御礼のバスに揺られていく。

マジで良い天気だ。

これぞ観光日和。

ただ景色を眺めながらも、ちゃんと今日乗り継ぎ予定のバス停や、

GoogleMapの地図を思い浮かべて、現在位置を確認することを怠ってはならない。

とにかく余裕がないのでね。

少し眠くなった頃、ヴィース教会に到着。

外見はこの通り普通の造り。

しかし中に入ると、なるほど世界遺産に相応しい。

内陣の中心にある、鞭打たれるキリストの像。

これがこの教会建立の由来となったもの。

農婦マリアが旅籠の屋根裏から見つけ、大切に祈ったところ、涙を流したのだという。

それ以来、ここはヨーロッパの信者にとって、大切な巡礼の地となったんだそうな。

それよりも我輩が目を奪われたのは、天井画。

まるで吸い込まれそうな・・・。

 

をぉう。

危うく幽体離脱するところであった。

これはオリジナルなんだろうか。

だとしたら、こんな綺麗な色で残っていることが奇跡だ。

はぁぁ・・・。

本当に癒されてしまう絵でございますね・・・。

うっとりしまくって存分に楽しんでから、バス停に戻る。

さて。

ノイシュヴァンシュタイン城、ヴィース教会。

普通の旅人なら、ここでフュッセンへ戻るところ。

しかし我輩は観光の鬼、偽スナフキン。

もう1つ見所をご案内しよう。

ヴィース教会から約15分の所にあるRottenbuch(ロッテンブーフ)という小さな町。

世界遺産ではないが、ここにもヴィース教会に負けず劣らぬ美しい教会があるらしい。

教会マニアとして、行かないという選択肢は無い。

ただ、問題となるのが、足。

ヴィース教会~ロッテンブーフ間はバスの本数が極めて少なく、タクシーも無い。

前述の通り何度もシミュレートした結果、14:31のバスに乗り、

途中乗り継いで、最後は歩くというのがベスト・・・というか、

それ以外には方法が無いと思われた。

但しそのルートの場合、乗り継ぎには全く余裕が無い。

日本ですらバスは遅れるのは当たり前、外国なら言わんやをやである。

最悪ロッテンブーフは切り捨てられるように、フュッセン回りのルートとしたのだ。

で、バス停の時刻表を見ると、

我輩の調査にはなかった14:22発Weilheim行き(学校がある日のみ運行)というのがある。

これならロッテンブーフの中心地まで直通じゃないか?

こりゃあ良いぞ!

しかし浮かれたのも一瞬だけ。

待てども待てども一向に来ないどころか、予定の14:31発すら来ない。

一緒に待ってた老人もウンザリのご様子。

結局14:45になってバスの姿が見えた。

どうするか・・・。

乗り継ぎのバスは乗り換え駅を14:45発。

ここから乗り換え駅までは約10分。

あっちが時間通りに走っていたら、全くノーチャンスだ。

しかも乗ってしまったら、ここに戻ってくるのもひと苦労だぞ。

どうする?

どうしちゃうのよ!!

・・・行ってまえ~っ!!

だりゃあっ!!

最前列の席に座り、乗り継ぎ予定のバスがすれ違わないか、目を見開く。

まばたきすら許されない。

のわっ渋滞!?

ヤバイ!!

焦りが最高潮に達した時、運転手が言った。

「あそこがAmmergauer Str., Steingadenだ」

何?

着いたの?

行きに見たバス停と違うじゃない。

あそこじゃなかったの??

あれ。

ドア開いたし。

降りろって?

何?

どれ?

どこ!?

ぶぅぅーーーん・・・。
↑バス走り去る。

・・・。

ここどこよ。(T_T)

・・・来てしまったからには茫然としている暇はない。

辺りを見渡すと、バス停があった。

確かにここは我輩が乗り継ぎする予定のバス停だ。

すれ違ってはいないから、これから来るのかもしれない。

もっとも、もう行ってしまったと見るのが普通だろうか。

しばらく待ってみて、ダメなら手を考えよう。

まぁしかし無謀なことをしたもんだと途方に暮れ始めたその時。

バスがやってきた。

奇跡だ!

これぞメイクミラクルだ!!

しかし時すでに15:00。

念のため行き先を確認すると、まさに我輩の乗る予定のバスだった。

もう一度ガッツポーズ!

コイツを捕まえれば今日はもう勝ったも同然。

満面の笑みで乗り込む。

10分ほどのEchelsbacher Bruke, Rottenbuchで下車。

中心街まで行くバスが来るのは約1時間半後なので、歩くことにする。

町までは3キロほどのハズだ。

もう乗り継ぎにカリカリすることもない。

晴れ晴れとロマンティック街道を歩いて行く。

♪丘~を越~え~ゆこ~お~YO~

ララランランランランアヒルさん~

ぐわ~ぐWA~

見渡すかぎりの牧草地に、心も和む。

ただ、この牧草地の周りに張り巡らされたビニール。

電流が流れているらしい

和みすぎて触れないようにせねばならん。

さらに、道の棒の上についてるのは何だ?

見た感じウンチ君だが

しかもこれ1つではないのだ。

誰が何のためにこんなモノを?

やっぱり歩くと視野が広がって楽しい。

旅には徒歩が必要である。

にしても、今この時間にここを歩けているのは奇跡以外の何物でもない。

英語もろくに話せず、ドイツ語にいたっては「イヒ ハイセ 偽スナフキン」 しか知らず、
(↑正直、会話のうち4割程度しか理解していない)

メシといえば世界のしか食えないくせに、やることだけは少々無鉄砲。

たまに、よく旅ができているものだと思うことがある。

もちろんアジアの奥地やアフリカをヒッチハイクしたりしてる人から見れば、

先進国を歩くだけならたいしたことないじゃないかと言われがちだが、

往々にしてそういう方々と違うのは、

我輩はリーマンで、自由気ままに旅するような時間は持ち合わせていないということだ。

あ、バス乗り間違っちゃった。

まぁいいや、明日また来よう、というわけにはイカンのだ。

そして雨が降ろうが槍が降ろうが、せっかく来ているのだから見れる所は全て見たい。

予定通りガッツリ見て回るのは、これはこれで骨が折れるのである。

さて、30分ほど歩くと、尖塔のある町が見えてきた。

あれか?

テクテク歩くのも早まる。

GoogleMapで調べた感じより、随分近かったな。

いつのまにやら町に入っていた。

尖塔を目指して歩いていくと、やはりそこが教会だった。

正式名称Stiftskirche Maria Geburt、マリア生誕修道院教会。

入口が工事中で背筋が凍ったが、中は大丈夫だった。

は~・・・。

これはまた・・・。

ピンクを基調とした壁面に、これでもかと装飾が施されている。

そしてそれらは決してギラギラすることなく、

天井画ともマッチして実にかわいらしい装飾なのだ。

そして観光客もほとんど来ないし、とても静かだ。

こいつぁ一大決心をして来た甲斐があったというものだ。

何でこれがガイドブックに載ってないんだろう。

ヴィース教会まで来たなら、ここも来た方が良いよ。

ホントに。

ちょっとバスの乗り継ぎにミラクルを起こせば、

問題なく来れるから。

ちなみに、ロマンティック街道を巡るのに便利なヨーロッパバスも、

事前に申し出れば、ロッテンブーフでの乗降が可能。

時間的に使いにくい時間帯に通過するが、中心地で降ろしてもらえるので、

ピンポイントで攻める場合には有効であることを補記しておこう。

さて・・・1時間ほどピンキーな空間に浸り、心が癒されたところで行くとしますか。

改めて見回すと、町も小さくて可愛らしい

牧草地に囲まれた、ホントの田舎町だ。

バス停で時刻表を見ると、さっき降りたバス停で1時間半待てば来るハズだったバスが、

まもなく到着するらしい。

スッカリバスの時間など頭になかったのに、実に良い流れだ。

予定より早くミュンヘンに帰れるぞ。

すぐそこにあるパン屋にパンを買いにいこうか迷っているうちに、

どこからともなく馬に乗った女性が出現。

かっぽかっぽ歩く様がかっこよくて、うかつにも見とれてしまった。

まるで中世のようなワンシーンだな。

そうこうしているうちにバスが来て、パンは買い損ねた。

WeilheimBahnhofまでの切符を買い、一番前に座った。

何だこの座席。

背もたれがほぼ垂直についていて、おまけにクッションは激硬。

山道を走られたので、一瞬で酔っ払ってしまった。

ぐぇ~・・・気持ち悪い・・・。

元々我輩はバスや他人の運転する車に弱い。

自己ベストは、奈良から十津川へ行くまでの3回吐き。

今だにウネウネ道では、自分で運転してても酔ってしまうのだ。

後ろの兄ちゃんがデッカイ声で電話していたのも相まって、

相当イラついてきた頃、バスはようやく街中に入った。

50分ほどかかってWeilheimBahnhofに到着。

早くっ!

早く降ろして!!

先を競って真っ先にバスを降り、深く深呼吸する。

すぅぅ~・・・はぁぁぁ~・・・。

何とか吐かずに済んだな。

まさかドイツで吐くなどという汚点を残すわけにはいかない。

列車までは時間があるので、駅周辺を散歩。

結構大きめな街だ。

それでも少し時間を余したので、駅横の本屋で立ち読み。

読みっていうか、正確には読めないから眺め。

立ち眺め。

あっ!

我輩の手が届かない一番上の棚にあるのは、

我輩が探している自動車オールカタログでは!?

しかし届かないぞ。

・・・。

必殺雑誌の上に乗って手を届かせるの術!!

届いた届いた。

これこれ、これが欲しかったのよ。

さらに立ち眺めを続けるべく、本屋内を歩く。

ん~いつも思うのだが、空港を始めとする外国の書店におけるエロ雑誌の占める割合は、

相当なものである。

こんなに需要があるのか?

しかもモーター雑誌コーナーとエロ雑誌コーナーは併設されている場合が多く、

エロ雑誌を立ち眺めしているのではないことを、しっかりアピールすることが大切である。

そう、我輩はエロ雑誌の立ち眺めは断じてしていないことを、ここに強調しておこう。

別に立ち眺めの意欲を掻き立てるような雑誌はなかったが、

欲しかった車雑誌が見つかったので、ホクホク顔で購入し、

ついでにファンタとM&M’sを買ってホームへ。

やってきたミュンヘン行きはメチャメチャに混んでいたので、2等車のデッキに立つ。

1等車に座れるパスを持っているのに、まさかデッキに立たされることになるとは。

オラオラッオレに席を譲れよ!

ってなわけにもいかず、おとなしくデッキに立ち続けた。

ミュンヘンには18:27着。

一旦ホテルに荷物を置いてから、さっそくミュンヘン散策を開始。

地球の歩き方によると、ステーショナリーのデパートがあるという。

システム手帳を探している我輩としては、是非行ってみたい。

20:00閉店らしいので、急いで向かったものの、

散々場所を間違え、着いたのは閉店間際。

しかもフロアガイドは全てドイツ語表記で読めやしない。

結局ろくに見ることもできなかった。

ただまぁ品揃えは日本のステーショナリーほどではなかったな。

さて、これも地球の歩き方によると、広場にある市庁舎にはカラクリ時計があって、

21:00にはミュンヘン坊やがオヤスミの挨拶をするのだとか。

これは挨拶をせずに帰るわけには行くまい。

デパートに入ったりウインドーショッピングをしたりと、

フラフラ散策を続行し、時間をつぶす。

ミュンヘンにも大聖堂がちゃんとある。

そして大聖堂の脇のお店のウインドーにあったこれが可愛らしくて、買えないけど気に入った。

誰か買って。

そういえば腹が減ってきた。

市庁舎の周りにはまだまだオープンカフェがやっているので、ここで晩飯としようか。

市庁舎のカラクリ時計が見える席に座り、ボロネーゼとラテをオーダー。

周りのにぎやかな空気を楽しみながら出てくるのを待つ。

・・・。

って何とはなしに座ってるけど、

こんなオシャレな晩飯を普通にこなせてるぞ!

Well done nisesnufkin!!

やればできるじゃないか!!

やればできると言われ続けて27年と5ヶ月のことはある。

これでまさしくミュンっ子の仲間入りを果たしたと言えよう。

出てきたパスタも美味いじゃないか

何?

ミュンヘンと言えば白ソーセージじゃねぇのかと?

じゃあスペルを教えてくれ。

地球の歩き方とメニューを付き合わせてオーダーするほど

食に興味はねぇんだよ!

外野の雑音は無視して、目の前のパスタの味を楽しむことに集中する。

 

味音痴のくせに。

味なんて分かってねーんだろ?

 

聞こえない聞こえない。

外野の野次は聞こえない。

あー美味しいなぁ!!

ミュンヘン坊やが現れる21:00まで、ゆっくりゆっくり食べる。

あまり早く食べ終わると、席を空けてくれと言われかねないからな。

1日目にも書いたが、我輩はメシを食うのが早い。

だから、これから我輩とメシを一緒に食べる時に我輩が先に食い終わっていても、

「あ、偽スナフキンを待たせてる」などと焦る必要はない。

大丈夫だ、オレはいつまでも待っているぞ。

旅をしている時以外はな。

というわけで、ゆっくり食うのもこれはこれで大変なのだ。

そんなこんなで21:00になった。

大聖堂の鐘が鳴り、市庁舎の時計塔からファンファーレが鳴り響く。

さぁ来るぞミュンヘン坊やが!!

カマーーンッ!!!

・・・。

・・・。

あ・・・終わった・・・。

・・・。

挨拶できませんでした。(T_T)

だってさ!

塔の真ん中にあんなに大きなカラクリっぽい舞台があるんやで!

確かに照明が点いたのは気付いたけど、

そこに現れるとは思わんやろ!!

撮影した動画を確認してオヤスミの挨拶をしたっちゅうねん。
↑本当は動画でUPしたかった・・・。いつかツールを手に入れたら圧縮してUPしたい。

ガッカリだ。

すっかり意気消沈してカフェを後にし、ホテルへの帰路につく。

途中ミュンヘン駅のキオスクに立ち寄り、水と安売りされてたワールドカップのマスコットを購入。

何と7割引。

お得感あふれる値段設定に、愚弟への土産は一発でこれと決めた。

おや。

レジに並んでいると、みなペットボトルを渡しては金を受け取っているぞ。

何とキャッシュバックか!?

ファンタのペットボトル、捨てるんじゃなかったぜ!

あ、金が欲しいというよりは、何事もやってみたいという意味だよ。

暴走救急車がクラクションを鳴らしながら爆走していくのを見ながらホテルに戻る。

はぁぁ今日もよく歩いた。

もう寝よう。

シャワーを浴びて爆睡。

22:30であった。

Zzz・・・

本日立ち寄った世界遺産
ヴィースの巡礼教会

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