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-序章- スペインで喜怒哀楽を取り戻してきた我輩ではあったが、それも長くは続かなかった。 対人めんどくさい症は悪化の一途をたどり、鉄仮面ぶりにも磨きがかかるばかり。 常に第三者的な視線で自分を見ている我輩は、 無関心無感動の海に浮かんでいる自分を見、 さらにその海に浮かんでいる自分を見ている自分を、
また他の自分が見ているのに気付き、ウンザリするのであった。 我輩には刺激が必要だ! マッコウクジラを見た感動よ再び!! そう思った我輩は、アフリカ行きを決意した。 サバンナでライオンとゾウを見て盛り上がるであろう自分にワクワクしたものであった。
しかし現実は厳しかった。 黄熱病、コレラ、マラリアの予防接種を受けるには、3ヵ月もかかるというのである。 それらの病原菌に怯えながら旅をするのも一種の刺激といえるが、 それは我輩が求める刺激ではない。 刺激ではないものを求めるとすれば何か。 ・・・癒しだ。
我輩に枯渇しているもの。 それは癒しである。 こうしてアフリカ行きを断念した我輩は、行き先を再選定することとなった。 地球の歩き方を片っ端から読みあさり、最終的に落ち着いた行き先は、 前回スペイン旅行記に書いたとおりドイツとスイス、そしてベルギーとなった。 これから始まる旅行記は、ただひたすら貪欲に癒しを求めるあまり、疲れ果てちゃった 本末転倒で哀れな旅人のあさましさに満ち溢れた記録である。 |