10 Okt-
昨夜は22:00には寝て、またしても2:00、3:00と目を覚ましたものの、 4:30に目覚ましが鳴るまで強引に寝た。 今日はまず、ツェルマット5:30発の始発に乗り、途中乗り継いでベルンへ行く。 昨日着たユニクロのハイネックは、荷物の都合で捨てていく。 さらにトランクスも捨てる。 なのにますますパンパンになる我がリュック。 お前一体どうなっているんだ。 5:00。 早めに行くとしようか。 何とも素敵なホテルだけに、名残惜しいが仕方ない。 今日のホテルもこんなであることを期待したい。 で、部屋を出て1階に下りると・・・ 真っ暗やないかいコレ!! どうやってチェックアウトすんの!! 昨日スーパーで、何かあった時のためにLEDの携帯ライトを買おうか迷ったんだよなぁ。 一生のうちにそう何度もないであろう使い時が こんなにすぐにくるなんて!! 買っときゃ良かった!!(T_T) 泣いても時は戻らない。 マズイぞこれは。 ・・・普通の旅人なら、ここでチェックアウトをあきらめるだろう。 しかし、しかし我輩は偽スナフキン。 あきらめるわけがない。 まずは真っ暗な現状を何とか打開せねば。 とはいえ、電灯のスイッチの場所など分かるハズがない。 誰もいないことは明らかだが、とりあえずハロー と呼び掛ける。 やはり返事はない。 っていうか、返事があったら恐いわ!! チキショウッ モーニングの仕込みに若き巨匠が来てたりしないのか!? うーん、ホテルの中をもっとよく見ておけば良かった。 イメージがわかない。 かすかに差し込む外の光を頼りに辺りを見渡すと、何やら光っている。 近寄ってみると、それは配電盤だった。 ・・・おや。 ここにあるのは部屋の鍵では? 見ると、配電盤の横には、部屋の鍵を掛けるフックが並んでいた。 他の部屋の鍵も掛かっているし、 ここに部屋の鍵を掛けておけば良いのでは? っていうか、今の我輩にはそれしかない。 部屋のお菓子やジュースには手を付けてないし、有料Hチャンネルも観てない。 余計なお支払いは無いハズだ。 ジャラリ。 ・・・よし。 しかし、鍵を置いてハイサヨウナラでは、いつ気付いてくれるか分からない。 何かメッセージを残す手立てを。 デジカメのオートフォーカスの補助光(写真撮る前に出る赤い光)を頼りに、 フロントがあったハズの場所に近づく。 今何者かに逮捕されたら、何の言い訳もできないな。 「ミニにタコが・・・」 と言って、言い逃れができるような状況でもない。 しかもダジャレを理解してもらえるとも思えないし。 とにかく早く脱出することが肝要だ。 フロントにはシャッターが下りていた。 そのシャッターの所に、モーニングコールのリストらしき紙が置いてあった。 これじゃーーーいっ!! 名前、ルームナンバー、チェックアウト時間、←Keyと書く。 頼む。 これで察してくれ!! 祈るような気持ちでホテルを出た。 入口はこの時間オートロックなので、もう入れない。 忘れ物は無いよな!? 今になって心配になってデジカメやらを確かめたら、昨日買った水を忘れてきた。 オーマイガッ!! しかし水ごときを後悔している暇はない。 早く駅に行かなければ、一生懸命チェックアウトした努力が無駄になる!! 偽「ワンウェイ、ブリーク、セカンドクラス!!」 急いでブリークまでの切符を買い、何とか始発列車に乗り込んだ。 列車が発車するのを待ってからトイレに行き(発車してからというのがミソだ)、 朝飯は昨日買ったNIPPON。 すげぇボリュームだ。 水分無しでこれはツライ。 ボリボリ食っていたら、チェックアウトは本当にあれで良かったのか段々心配になってきた。 実はやはり何かお支払いが発生していたりするのでは。 そしてまるで高利貸しのように、利息が付いて お支払いは10億円 なんてことになったら、もう旅に出られなくなる。 悩み始めたらキリが無いのが我輩の悪いところ。 ブリークからホテルに電話することにした。 6:52、ブリーク着。 さっそく駅前の公衆電話から電話連絡を試みる。 公衆電話を使うなんて何年ぶりだろう。 ・・・あれ? コインの投入口が無い。 どうすんねんコレ。 イチイチうまくいかねぇっ!! 使い方を読むと、クレジットカードを投入しても良いらしい。 入れるのはいいが、暗証番号とかどうすんねん。 全然分からん。 駅前の二ヵ所とも同じタイプで、どうやっても使えそうにない。 こんの役立たず公衆電話め! もう知るか!! 後でいくらでも請求してくれ! ヤケクソになって乗り場に歩いていくと、コインロッカーの脇にも公衆電話があるのが見えた。 最後にこれだけ見ていくか。 あ!コイン使えそう!! さっそくTEL。 あー今度はかけ方が分からん。 地域コード?? あぁもうっ!! ホテルのカウンターぐらい24時間開けとけよッ このポカホンタスめ!!(怒) ヤケクソで何パターンか試したら、ようやく通じた。 「ハロー」 偽「ハロー、ディスイズ偽スナフキンスピーキング。 オレのメモ見た!? オレのメモ!」 「イエース!鍵も受け取ったわよ。 お金はミキトラベルから払ってもらってるから。 あんなチェックアウトは今まで見たことがないわ! 今どこにいるの?」 偽「ブリーク」 「おーブリーク??家まで気を付けて帰ってね。ばーい!」 偽「ばーい」 よっしゃ。 これで憂いなく旅を続けることができる。 心配事を抱えていては、癒されるものも癒されないからな。 さぁ行くか。 水を買ってから、ブリーク7:18発のIC817Romanshon行きに乗り、ベルンへ。 Thunを過ぎる辺りまでウトウトした。 目覚めに朝飯NIPPON。 ボリボリ。 ・・・水があってもツライな。 お前一体何カロリーなんだ? それにサイズがでかいから、口の中に刺さる。 イライラするお菓子だぞコレ。 しかも水はガス入りだったとは。 踏んだり蹴ったりだ。 まともな飯が食いたい。 今回の旅は、ホテルのモーニングを食えないのがイタイ。 ホテル側も、5:00に旅立つ旅行者がいることを考慮して欲しいものである。 さすがにNIPPONに辟易してきたので、景色を見ながらベルンの予習をした。 8:59ベルン着。 さっそくロッカーに荷物をブチ込み、観光スタート。 13:02の列車までに、全てを極めなければ。 ところで。 みなさんスイスの首都がどこかご存じか? まぁいきなりこんな話題を出したのだからもうお分かりとは思うが、 チューリヒでもジュネーヴでもなく、ここベルンが首都である。 といっても、近代的な建物が建ち並ぶような都会ではなく、 とても歴史ある街並みで、旧市街は世界遺産にも指定されている。 また、ベルンには100を超える噴水があり、その中でも有名な11の噴水と、 大聖堂を見るのが目的だ。 特にこの大聖堂の最後の審判のレリーフは絶対に見たい。 これを見にベルンに寄ったと言っても過言ではない。 駅前の聖霊教会を左に折れると、前述の旧市街。 さっそく登場したのは、パイプ吹きの噴水。 ここからが旧市街のメインストリートだ。 なるほど、実に趣のあるメインストリートだ。 牢獄塔、時計塔の下をくぐって歩いて行く。 中央広場には朝市が出ていて、人々がお買い物にいそしんでいる。 我輩もお買い物をしたいのだが、 観光>お買い物 という思考回路となっているため、買い物はできませぬ。 おっあそこにも噴水だ。 子食い鬼の噴水。 いや~食べております食べております。 もぐもぐもぐもぐ食べております。 ・・・おえ~っ! 気持ち悪いわ!! さぁて・・・。 さっきからわざと遠回りをしてきたが、いよいよ大聖堂に行くぞ。 楽しみは最後にとっておくタチでね。 狭い路地を右に折れ、建物の下をくぐり抜けると・・・さぁきた!! ・・・あれ。 補修工事してますけど。 いや、きっと屋根だけだよね。 まさかレリーフまで補修なんてアリエナイよ。 ナハハハハ。 さぁいよいよレリーフのお出ましだい! ババンッ あ~っと・・・ あ~っとこれも補修中・・・?? NO~~~~ッ!!(T_T) バカな・・・そんなバナナッ!! ぐべほっ(吐血) これが楽しみでベルンに来たというのに 何たるザマなんザマスか!! 実を言うと、さっき列車の車窓から尖塔が補修されてるように見えてて、 嫌な予感がしてたんだよ・・・。 はぁぁ・・・。 落胆の上にも落胆しながらも、 大聖堂の前に建つモーゼの噴水を忘れずにチェックして、その場を後にした。 気を取り直・・・せるわけはないのだが、気落ちしていてもしょうがない。 噴水を見ながら、旧市街を見下ろせるバラ園へ歩く。 こいつはバトランドの戦士ライアンの噴水。 めんどくさいから、まとめて紹介しよう。 熊をモデルにした噴水が多いのは、ベルンを象徴する動物が熊だから。 もともと、ベルンを開拓した領主が、町の名前は 狩りで最初に仕留めた動物の名前にすることにしたんだそうだ。 何ともお気楽な領主様だったようである。 そして熊が狩られたと。 最初に仕留められた動物がジュゲムジュゲムゴコウノスリキレカイジャリスイギョノスイギョウマツウンライマツフウライマツクウネルトコロニスムトコロヤブラコウジノブラコウジパイポパイポパイポパイポパイポパイポパイパイポパイポパイポパイパイポパイパイパイポパイポノシュウリンガルノグーリンダイグーリンダイノポンポコピーノポンポコナーノチョウキュウメイノチョウスケじゃなくて良かったね。 危うくスイスの首都がジュゲムジュゲムゴコウノスリキレカイジャリスイギョノスイギョウマツウンライマツフウライマツクウネルトコロニスムトコロヤブラコウジノブラコウジパイポパイポパイポパイポパイポパイポパイパイポパイポパイポパイパイポパイパイパイポパイポノシュウリンガルノグーリンダイグーリンダイノポンポコピーノポンポコナーノチョウキュウメイノチョウスケになるところだったわけだ。 スリランカの首都、スリジャヤワルダナプラコッテどころの覚えにくさではすまなくなるところであった。 きっと低学年あたりで行われる世界の首都名試験では必出となり、 満点への大きな壁となって立ちはだかったことだろう。 スイス国民や低学年の試験を控える学生とともに安堵の息をつき、バラ園に到着。 旧市街を見下ろせるってことは、それだけ坂を上がらなければならないわけで。 ・・・疲れた。 坂だらけの旅だ。 お~疲れた甲斐あって、なかなかの眺めではないか。 ちなみに10月だけに、当然バラの花は一輪も無い。 世界遺産を眺めたら、今度はベルン歴史博物館だ。 街の歴史博物館なんて、経験上大したことないのは承知している。 しかしここには、さっきの大聖堂のレリーフのオリジナルが 展示されているというではないか! どうせ予定していた見所は見てしまったのだ。 ここは一発逆転、歴史博物館に一縷の望みを託すことにする。 坂を下りて再びメインストリートを歩き、時計塔を左へ。 橋を渡っていくと、正面がベルン歴史博物館だ。 おや。 予想外にチケット売場には長蛇の列が。 何でも、アインシュタイン相対性理論100周年特別展をしているらしい。 普通の人ならラッキー!と小踊りするところかもしれないが、 我輩の興味は唯一レリーフのオリジナルのみ。 メインストリートにあったアインシュタインの家もパスしているぐらいなのだ。 長蛇の列が忌々しい。 っていうか、時間がもったいない。 10分も費やして、チケット購入。 入口ではさっそく相対性理論の体験コーナーが盛況だった。 やはり今の目玉はアインシュタインのようだ。 ズンズン中に入り、2階3階に上っていく。 レリーフなんて見当たらず、見渡す限りアインシュタインの特別展。 展示物を見たって 何も分かりゃしないのはどこも同じ。 解説の文字は全く読めないので、 とにかくサラーッと川が流れていくかのように眺めながら歩く。 3階には広島の原爆の資料が展示されていた。 これなら読めるぞ。 ところで、アインシュタインと原爆ってどこで繋がっているの? っていうか、アインシュタインのこと自体、 あまり存じ上げないのだが。 その程度の理解なもんだからして、展示に興味ないのもやむなし。 どこにあるんだレリーフ!! 11:56からは時計塔のカラクリ時計を見ることにしているので、 少々焦ってきたところ、誰も見向きもしない地下への階段があることに気付いた。 下りていったら、そこにオリジナルの「彫像」が展示されていた。 なるほど、これが組み合わさってあのレリーフに・・・ ってオレが見たいのは もはや最後の希望すらついえた偽スナフキンは、 トボトボとベルン歴史博物館を後にしたのだった。 時計塔に向かうには少し早いので、 さっきは外だけ見て絶望した大聖堂の内部を見学。 レリーフの絵はがきを買った。 我輩が見たかったのはこれだ。 ・・・無念。 良い頃合いになったので、時計塔へ行く。 時報の鐘が鳴る時に、カラクリが見れるらしい。 ガッカリしている我輩を盛り上げてくれ! さぁ張り切って参りましょう! どうぞ!! ・・・あーニワトリが鳴いて・・・ ほー・・・くるくる回って・・・ はー・・・鐘に合わせてビミョーに動いて・・・ 終わりかい!! せっかく動画撮影したけど、そんな容量割いてまでUPする価値無しと判断。 活字報告としたい。 これでベルン見学は全て予定通り・・・とはいかなかったが概ね完了。 ようやく買い物なんかもできる。 ウインドーショッピングをしながらメインストリートの喧騒の中を歩いていく。 道端にある木のフタは お店だったんだな。 ゴミ捨て場かと思った。 本当は地下にももぐってゆっくり買い物をしたいのだが、そこまでの時間はない。 さて、時間的にも丁度昼だし、先程から我輩の腹も多少空腹を訴えている。 食より観光を標榜する我輩とはいえ、 腹の訴えを無視して飯を与えないような虐待をする鬼ではない。 買いもしないウインドーショッピングはそろそろ切り上げるか。 メインストリートで昼飯を楽しむベルっ子達に混じって、我輩も昼飯とシャレ込むこととしよう。 どうやらパン系の食物を路上で立ち食う、あるいは座り食うのがベルっ子スタイル。 我輩も見よう見真似でチャレンジする。 スーパー1階の、結構混んでる店でピザを買う。 乗ってるのはチキンかな? 偽「ディスワンプリーズ」 これで我輩もベルっ子の仲間入りだな。 おーいオレも混ぜてくれーい。 一緒になってピザを頬張る・・・ってこれピザじゃねーッ!! チキンじゃなくてラズベリーかい!! 実はパイだったとは・・・。 まぁ別に不味くないから良いんだけどさぁ・・・。 オレは温かい物が食べたかったんだ! しかも飲み物を持ち合わせていないので、口の中がマッタリと甘くなってしまった。 このマッタリを解消するため、見つけたスタバに突入。 あ!ピザもあるぞ! 食えなかった物は余計食いたくなるというもの。 ピザマルガリータとホットココアをオーダー。 持ち帰り用に包んでもらったが、落ち着いて食うべく2階のテラス席に座る。 をや。 これ冷たいけどパイじゃないよね? 冷たいまま食べるピザなの? っていうか、 そんなピザこの世にあるの?? 何でピザすらまともに食えないんだ! うわ~ん(T_T) どこぞの首相じゃねぇんだ! 温かいピザを食わせろ!! 12.5CHFも払って、冷えたピザを食ってる自分が アリエナイほど悲しく思えてきた。 ・・・もう行こう。 ロッカーからリュックを出し、最後に土産物屋を探すも見つからず、 悲しいままベルンを後にすることになってしまった。 13:02発IC825Romanshon行きに乗り込む。 車内でトイレを済ませ、車窓を眺めながらコレを書く。 チューリヒ中央駅には14:00着。 向かいのホームに停車中のIC1525、St.Gallen(ザンクトガレン)行きに乗り換える。 この電車の終着駅、ザンクトガレンが今日2ヵ所目の訪問予定地。 お! この1等車の座席は革張りだぞ! 高級感に満ちあふれた車内に大満足しながら、またコレを書いた。 ザンクトガレンまでは1時間。 15:15にザンクトガレンに到着。 さすがは時間に忠実と名高いスイス国鉄。 定刻から5分遅れとはいえ、5分で済むなら良しとせねばなるまい。 再びロッカーにリュックを封印し、街へ繰り出す。 滞在時間はミュンヘン行きが来る19:19まで。 相当余裕があるハズである。 さて、このザンクトガレンに来たのは、世界遺産の修道院にある図書館を見るため。 見学時間は17:00までなので、少し急いで歩く。 街のあちこちに立つ熊のオブジェは一体何なんだろうか。 全身ピンクだったり水玉だったりスッチーだったりチャイナ服だったり。 正直、まったく可愛らしくない。 そんな熊をシラけた目で見ながら、 思ったより都会都会したメインストリートを歩いていくと、大聖堂の尖塔が見えてきた。 この石畳を歩いていくと大聖堂の尖塔が見えてくるのは、 どこの街でも大変趣があって、個人的に大好きだ。 裏手に回って建物に入り、図書館を探すのだが、全然見つからない。 しかも掃除の時間らしく、案内板の場所が明らかに本来とは違う所に立っているので、 どこに行けば良いんだか分からない。 ウロウロしているうちに気付いたんだが、ここは寮なのだろうか。 ウッカリ展示室と間違って入りそうになった各部屋には、 番号とルームメイトらしき名前もある。 またしても危うく逮捕されそうなピンチを乗り越え、 しばらく修道院内をウロウロしていると、2階から団体さんが下りてきた。 上か? 階段を上がってみると、なるほどチケット売りのオッサンが座っていた。 写真で見たのはたいそう古そうな図書館の内部だったので、 まさかこんなキレイな建物の2階にあるとは思わなかった。 7CHF払って中を見学。 ほぉぉ・・・。 これはまた・・・。 思わず息を呑む雰囲気だ。 当然のことながら、本棚はガッチリ閉められていて本を手に取ることはできないが、 一部はショーケースに展示されている。 これまた当たり前だが、全て手書きだ。 歴史を感じるな。 思っていたより小さい図書館だったが、そこに凝縮された空気はとても濃密であった。 続いて、隣の大聖堂。 今まで見てきた大聖堂とは違って、随分華やかな内陣だ。 今日の観光これで終わり。 結構時間があるので、休憩。 今日見て回った景色を反芻しながら足を休める。 ツェルマットのホテルを脱出してきたのが、もう随分昔のことようだ。 静かなところでゆっくりすると、本当に落ち着く。 旅にはこういう時間も必要なのは、分かっているつもりである。 さて、世界遺産は堪能したし、街角ウォッチングを開始。 何せ列車の時間までまだ3時間ぐらいある。 こんな余裕のあるショッピングタイムはそうそう無い。 フラフラとあてのないウィンドーショッピング。 時計や服、システム手帳を見て歩くが、チューリヒやベルンほどの品揃えはなく、 ホントにちょっと見てみる程度だ。 ッたく、時間がある時はこれだ。 買い物にはよほど縁が無いらしい。 ショッピングセンターに入っていたキオスクでファンタを買い、さらにブラブラする。 あぁそういえばシャーペンの芯が残り少ないんだったっけ。 文具屋に入ると、女性店員が声を掛けてきた。 「ペラペラペラペラペラリーノ?」 は? 「ペラペラペラペラペラペラペラペラペラリーノ?」 何語ですか?? 返事に困っていると、笑顔を作って立ち去ってしまった。 耳にしたことの無いような発音だったな。 もしやナンパだったのか!? しかし外国在住の方はノーセンキューだ。 すまぬ。 探していた芯は3CHFだった。 その後本屋で立ち眺めをして服屋などに入ったりしていると、 17:00を過ぎて、店が閉まり始めた。 どうせやることもないんだし、飯にするか。 そうと決まれば、どこで食うかリサーチ開始。 しかし、さっきまでにぎわっていたオープンカフェも、いつのまにやらお片付けモード。 どうやら食にもよほど縁が無いらしい。(T_T) そんな中、ソーセージの香ばしいニオイを漂わせる、立ち食いの店にたどりついた。 さっきすれ違った兄ちゃんが食ってた、 パンに極太ソーセージを挟んだヤツはここで買ったに違いない。 我輩はハンバーガーを購入した。 何? そんなにハンバーガーが食いたいのかと?? メニュー読めんっつってるやろ! そんなん言うヤツは、お前がここへ来て極太ソーセージサンドを注文してみろや! ナメたことばっか言っとったらシバき倒すぞボケ!!(激噴火) おっと口が壊れてしまった。 自らへの苛立ちで、ついつい暴言を。 良いんですのよ。 我輩はハンバーガー大好きっ子でございますから。 何にしても町で立ち食いバーガー。 これで我輩もガレっ子の仲間入り。 横で後から来た兄ちゃんがソーセージに食らいついているのを羨ましく眺めながら、 涙というスパイスでしょっぱくなったハンバーガーを味わった。 何ともゴツイハンバーガーだが、パンはかなり柔らかい。 かぶりつけるサイズになるまで手で押し潰して食う。 うむ、美味い。 いや、負け惜しみでなく本当に美味い。 これはこれでグッチョイだったのかもしれん。 メシも終わってしまったのに、まだまだ時間がある。 一度駅へ戻り、列車が時刻通りに運行されていることを確認し、 大聖堂裏手の坂道を登ってみることにした。 時間の都合でてっぺんまでは行けなかったが、夕日に照らされた大聖堂と家々を見て、 ようやく駅で列車を待っても良い頃合いになった。 手持ちのCHFはスッカリすっからかん。 スタバでコーヒーを飲むこともできず、ただホームに立ち尽くしていると、 やっとこ列車がやってきた。 これに乗って、今日のお宿があるドイツ・ミュンヘンへ行く。 ミュンヘンまでは約3時間半。 スイス国内には、一部の観光列車を除いて指定席という概念が存在しない。 従って、別にどこに座ろうが勝手なんだが、ドイツには指定席がある。 座席が指定席でないことを確認して座った。 指定席かどうかは、座席横の窓の上、 もしくは個室の入口にその座席の指定区間を示すカードが刺さっていたり、 電光掲示があるので、一目瞭然である。 LINDAU→MUNCHEN ってな感じでね。 座った途端、一気に30人ぐらいの眠りの神が遊びにきて、 一瞬のうちに眠りの世界へ拉致られてしまった。 途中オーストリアを通過し、列車は22:44、ミュンヘンに到着。 車掌に起こされて目が覚めた。 あ~まだ駅構内の店が開いてる。 さすが先進国ドイツ。 日本に近い感覚だ。 フランクフルトのホテルの地図と間違えて、駅前をフラフラしてからホテルに着いた。 ・・・受付の対応悪し。 神様であるお客様を一体何分待たせやがるのだ? バウチャー渡してるんやから、 チャチャッと手続きしてさっさと部屋の鍵をよこせっちゅうの。 イカンイカン。 疲れと眠気でイライラしている。 癒しの旅なんだから、どんなに腹が立ってもにこやかにせねばな。 しかしその素晴らしい志も、10分ともたなかった。 原因は部屋。 前夜のミラボーホテルが素晴らし過ぎたせいで、 アリエナイほど汚く見える。 とりあえずザッと見た正直な感想として、ここに2日も泊まりたくない。 しかしもう愚痴を言うパワーすら残っていない我輩は、 翌日の準備をしたらシャワーを浴びて寝てしまうことにした。 あぉ。 ドライヤーも無いとは・・・。 でももう眠くてどうでもよくなってきた。 寝よう寝よう。 あ・・・またどうでもいいとか言ってしまった・・・。 これじゃあ・・・普段と・・・何も変わらないじゃないの・・・。 ツー Zzz・・・ 本日立ち寄った世界遺産 |