9 Okt-

翌日、やはり2:00、4:00と起きたが、6:00まで寝た。

目覚ましはかけていなくても全く無問題なオレ。

さすがだ。

実はこの部屋、テラスがついていたのだ。

残念ながらマッターホルンとは真逆になるため、山の斜面に立つロッジの明かりしか見れない。

せっかくだから、目を覚ますために出てみる。

ごぉぉっ

これは寒い!!

予想を遥かに上回る寒さだ。

そしてすごい星だ。

北斗七星撮影に果敢に挑んだが、綺麗に写ってはくれなかった。

さ、そんなことをしている暇はない。

さっそく着替える。

今日のためだけに持ってきたユニクロのハイネックを着、

やはり今日のためだけに持ってきた手袋とニット帽をかぶって6:50、外に出る。

こんなに素敵なホテルなんだ。

きっと朝のバイキングは素晴らしく美味しいんだろうなぁ。

・・・しかし。

しかしメシならいつでも食える。

心を鬼にして、Gornargrat (ゴルナーグラート)鉄道のツェルマット駅に向かう。

駅前の広場でふと見上げると、おぉっ!!

マッターホルンが見えるではないか!

そう、我輩がユングフラウヨッホではなくこのツェルマットを選んだのは、マッターホルンを見るためだ。

では、今日見に行く山々を、去年エールフランス機内から撮った写真でご紹介しよう。

左下に写っているのがマッターホルン。

谷の突当りがツェルマット、右下の方に、これから行くゴルナーグラート展望台や、ブライトホルンなど、

まさに今日行くところが、完璧に写っていたのだ。

地球の歩き方の紹介ページなんかより、遥かに分かりやすいのである。

当時マッターホルンなんて名前しか知らなかった我輩がコレを撮影できたのは、

写真の神が降臨していたとしか思えない。

どや、旅行誌の編集者殿。

そこらへんの山座同定より素晴らしいこの写真、

5億円で転載させてあげるよ。

お申し込みは個別メールにて承ります。

まずはご相談を。

さて、最初に向かうのはゴルナーグラート展望台。

ゴルナーグラート鉄道の窓口で、ピークパスを買う。

ゴルナーグラート鉄道、マッターホルングレイシャーパラダイスまでのロープウェー、

スネガ展望台までのケーブルカーなどなどが3日間乗り放題になるパスで、154CHF。
                                             ↑約15,000円

ツェルマットには1日しか滞在しないので割高になるんじゃないかと思いきや、

ツェルマット~ゴルナーグラートが72CHF、

ツェルマット~マッターホルングレイシャーパラダイスが84CHF、

そしてツェルマット~スネガ展望台が22CHFと、交通費がとにかく高いので、

1日乗るだけでペイしてしまうという実は割安パスなのだ。

偽「ピークパスをくれ」

「スネガ、ペラペラペラペラペラリーノ。

知ってんのか?」

偽「??

イエスイエス。

何でも良いから早く売ってくれ」

「・・・ペラペラペラペラペラリーノグレイシャーパラダイスペラリーノ」

今の独り言は何だ?

そしてスネガには行けないんだけど良いのか的な発言だったな。

まぁ考えたって分からんことは考えるだけムダ。

気にしない。

ん?

何か今カメラで写真撮った?

何なの??

何も分からずにいると、カードが手渡された。

「ポケットに入れておくだけだペラリーノ」

・・・何を言ってるのかサッパリ分からん。

丁寧に話してくれてる英語が聞き取れないと、かなりショックだ。

改札口に行き、パスを投入。

ピロリンピロリンピロピロピロピロ。

何だ?

通れないぞ?

しばらく茫然としていたら、ガチャッと音がして、通れるようになった。

一体何なんだ。

多少じれったさを感じながら列車に乗り込む。

一番列車にもかかわらず、結構客が乗っている。

我輩はマッターホルンが見られるであろう進行方向右側に座った。

徐々に夜が明けてきている。

今日も快晴になりそうな予感満点だ。

7:10、定刻に発車。

リッフェルバッハ駅を過ぎると、列車は一気に急角度で上っていく。

後向きに座ってるから、前にずり落ちそうだ。

あっという間にツェルマットの町が小さくなっていった。

代わって大きくなってきたのが木々の向こうにそびえるマッターホルン。

マジか!

この眺めは圧巻すぎる!!

朝日を浴びるマッターホルンが予想以上に素晴らしくて、

我輩は早くも感嘆のため息をつくのであった。

ゴルナーグラート駅までは42分。

視界が開けてからというもの、我輩の視線はマッターホルンに釘づけであった。

これや・・・。

この朝焼けを見るために
ホテルの朝飯を抜いてきたんや!!

これからここに来るであろう人々に申し上げよう。

メシを抜いてゴルナーグラートに来いと!!

あっと、電池をポケットに移さねば。

わざわざ寒さに強いエネループを持ってきてるとはいえ、

低温だと放電して持ちが悪くなるらしいからな。

感動の中にも冷静な行動を忘れてはならん。

7:52ゴルナーグラート(標高3,090メートル)着。

列車を降りるとさすがに寒い。

すぐに手袋とニット帽をかぶる。

何と・・・我輩は今まさに朝焼けのマッターホルンと対峙しているではないか。

すげぇ・・・。

きっと宮本武蔵と対峙した吉岡伝七郎もこんな気持ちだったに違いない。

そして左手には氷河が。

コレが氷河か。

しばし景色を眺めているうちに完全に太陽が昇り、朝焼けは終わった。

やはり朝飯を抜いてきた甲斐があった。

ウンウン。

で、寒くなったので、建物の中に移動することにした。

・・・ぜぇぜぇ。

何だこりゃ。

息が・・・息が切れます。

まだ何歩も歩いてないぞ。

まるで界王星を歩くオッスオラ悟空のように坂を上り、建物に入った。

1階には開店前の店以外何もなくて、用無しかと思いながら2階に上がると、

どうやら軽食ができるらしい。

こりゃあいいぞ!

ケーキとホットココア、それと日本から持ってき忘れて激しく後悔していた日焼け止めを買った。

何しろこれから行くのは全て標高3,000メートル以上の高地。

しかもこの快晴。

我輩に襲い掛かる紫外線たるや、相当のものが予想できる。

日焼けだけならともかく、腕にいっぱいシミができてしまった甲子園での愚行以来、

日焼けには過敏な我輩。

現在ハイチオールCを服用しているほどなのだ。

これは不可欠。

さて、我輩ともう1グループしかいないから席は空きまくっているので、

当然マッターホルンの見える席に座る。

はー・・・これは今までの我が人生の中で最高に贅沢な朝飯ではなかろうか。

ケーキも美味いじゃないか。

ホットココアを飲み、テラスに出て独り悦に入る。

しかし、あまりのんびりもしていられない。

次の列車が来るまでに景色を楽しまなければ!

マッターホルンの他にも、ここからは、ヨーロッパで二番目に高いモンテローザ、

ドーム、ヴァイスホルンなどの4,500メートル以上の高さを誇る山々を見ることができる。


↑ドーム

↑ヴァイスホルン

そうして視界一杯にそびえる山を見ていたら、二番列車が上がってきた。

ツェルマット発の三番列車までは40分間隔。

その後は20分間隔の運行。

もう少し景色を見ていようか悩んだが、40分も待つのは嫌だったので、

上がってきた列車に乗って1駅下のローテンボーデンへ下りることにした。

では最後にもう一度マッターホルンの雄姿を見ていただきましょう。

さ・・・ご満足いただいたところでホームに・・・

ピロリンピロリンピロピロピロピロ。

何でやねん。

このカードおかしいんちゃうか。

まさか知らんうちに無銭乗車になってんちゃうやろな。

カードをよく見ると、

我輩の顔写真がプリントされてるやんけ!

あの時の写真はこれか!

目付き悪ッ!!

撮るなら一言言えっちゅうねん!

と思っていたら、ガコッという音がして、回転バーが回って通れた。

何やねんと!

訳が分からん!!

しかし考えている暇はない。

列車に乗り込むと、すぐに発車した。

今度は急坂を下っていく。

普通の列車なら麓まで一気に滑り落ちてしまうところだが、

車輪と車輪の間に歯車を組み合わせたアプト式になっているのだ。

ローテンボーデン駅(標高2,815メートル)下車。

少し歩いたところにある湖から、湖面に映る「逆さマッターホルン」が見れるらしい。

まったく無風で、この天気、さらに我輩が太陽王であるとくれば、

最高の逆さマッターホルンが見えるに違いない。

♪丘~を越~え~ゆこ~おYO~

なぜか歌いたくなってしまうぐらい誰もいない。

いなさすぎる!!

誰もいない山の上ってのは微妙に恐いぞ。

ララランランランラン山羊さんMO~

メヘヘェェェッ♪

5分ほど歩くと湖っていうか池が見えてきた。

あれがリッフェル湖か。

じわ~っと徐々にマッターホルンが湖面に映り込んでくる。

オホーッ!

丸見えザマス!!

さらに湖面に近づき、ガツンと写真を撮る。

まるで絵はがきのような眺めにウットリしていると、

「ハロー」と写真家らしきいでたちのオヤジが姿を現した。

貴様いつからここにっ!?

まさかさっきの歌を聞いていたんじゃあるまいな!?

まぁいい。

我輩は今感動真っ只中だから許してやろう。

ゆっくり逆さマッターホルンを味わった後、

少し向こうにもう1つ逆さマッターホルンが見える湖があるらしいので、行ってみる。

そこでは東洋人らしきオバハンが自分の写真を撮ろうと四苦八苦していた。

フレーミングをしてるのだろうが、カメラを両手にあっちこっち動き回る姿は滑稽ですらある。

そこへ我輩が現われたものだから、すぐに声をかけてきた。

「チャイニーズ?写真撮って!」

偽「日本人だけど撮ってあげよう」

パチリ。

「ユーユー」

オレのも撮ってくれるってか?

おー撮ってくれ。

パチリ。
(↑モンサンミシェル以来の全身写真。いつも自分撮りだから顔面どアップ)

「じゃーねーバーイ」

オバハンが去ると、また静かな空間になった。

こっちの池の方がキレイに見えるな。

オススメだ。

ではこちらの雄姿もご覧頂こう。

ちょっと青色を強めにして写してみた。

まるで絵はがきのようであろう??

やー・・・日常のことなど忘れてしまいそうな風景だ・・・。

 

 

しーん。

カラカラカラカラ。

 

 

しーん。

カラカラカラカラ。

 

 

何か岩が落ちてくるっぽい音がするぞ。

雪崩じゃなかろうなと思って恐る恐る斜面を見ると、

鹿らしき生き物が斜面を上っているところだった。

オォッ!

何だか角でカンカン戦っているぞ!

これは某NHKの自然番組で見たことある!!

アイベックスってヤギだろ!!

ではコイツは動画でご覧頂きましょう!

・・・と思ったんだけど、容量が予想以上に大きくて、UPできまへんでした。

観たい人はウチにおいで。

しーんとした中に響き渡る角がぶつかり合う音。

自分が今、大自然の中にいることを実感した。

日陰にいるからよく見えないが、

適当に撮ったこの写真から推察するに、

どうやらメスをめぐる戦いではないか?

2本足で立ち上がって、勢いをつけてヘッドバーット!!

よく角が折れないな。

しかしまさかこの目で見れるとは・・・。

これってすごくない??

どや、自然番組プロデューサー各位殿。

10億円でデータをあげよう。

まずはご相談を。

まるで世界生き物紀行のようなワンシーン。

生き物観察大好き偽スナフキンは、感動覚めやらぬまま駅に戻った。

・・・ぜぇぜぇ。

癒されている。

我輩は確かに癒されている。

が、疲れるな。

早く列車に乗って座りたい・・・。

ピロリンピロリンピロピロピロピロ。

テメェこのクソカード野郎!!

人間様をナメてんのかッ!!

いい加減頭にきてカードをにらみつけていたら、

またガコッと音がして、回転バーが回って通れた。

・・・。

カードをにらむと通れるのか?

まさかそのために顔写真をプリントしてあるのか?

そんなバカな・・・いやしかし。

すると、駅員らしきオッサンが声を掛けてきた。

「パス持ってんのか?

改札機に入れるな。

パネルにかざすんだ。

マグネット仕様なんだぞ。エッヘン」

何と!

そういえば、他の客がリュックをパネルに押しつけて通っていたので

何やってんだと思った記憶がある。

そうだったのか。

カードをにらんでいるうちに、パネルがカードを読み取っていたというわけか!

まるで関西圏でいうICOCA、首都圏でいうSuicaのようなカードだったわけだ。

随分遠い距離からでも読み取るんだな。

ちなみにまもなく東海圏でも同様のカードが導入されるらしく、その名も「TOICA」

センスなし。

まぁそんなことはどうでもいい。

改札の通り方を覚えて山を下りる。

ツェルマット駅まで行ってしまうと、次のロープウェー乗り場が遠くなってしまうので、

途中フィンデルバッハ駅で下車。

林道を歩いて町まで下り、ヴィンケルマッテンからロープウェーに乗る。

切符売場で並ぶ庶民どもを尻目に、ピークパスで悠々と改札を通過。

改札の通り方も完璧だ。

もはや我輩の気分を害するものは何も無い。

三度ロープウェーを乗り継ぎ、ヨーロッパで一番高い展望台、

マッターホルングレイシャーパラダイスに到着。

何と標高3,883メートル!

富士山より高い所に40分足らずで来てしまったわけだ。

う~む・・・富士の頂に登った男としては、何とも複雑な気分だ。

スイスってのはすげぇ国だと感心してしまった。

何にしても、我輩は今、人生で最も高い地点に立っているわけだ。

まるで今が人生のピークのようで悲しくなる表現でもあるが・・・。

「←展望台」の案内板を無視してトンネルを歩いていくと、そこはスキー場。

さっきロープウェーで一緒に上がってきたボーダー達が駆け出していく。

マジか君ら。

心なしか空気が薄いぞ。

そして若干頭痛が・・・。

看板にもここは高い所だから走るなと書いてあるじゃないか。

スキー場に用は無いので、トンネルを戻り、展望台へ。

まずは見下ろすようにそびえるブライトホルンがお出迎え。

そして左手にはマッターホルン。

さっきとは全く趣の異なるのっぺりした違う姿だ。

さらに谷の向こうにはユングフラウを臨むことができる。

は~素晴らしき眺めじゃ。(タメ息)

では色んな眺めをご覧いただいたところで、山を下りさせていただこうかな。

雪の反射でオメメがやられましたので。

チカチカして目を開けているのがツライ。

またしても40分弱で麓に帰還。

今だに思い出すだけでジンマシンが出るぐらいトラウマな富士山のクネクネ道に比べて、

何と楽なことか。

あ・・・思い出したらジンマシンが出てきた。

イカンイカン。

いやぁどれだけ日本が近代化しても、富士山にエスカレーターを付けるようなことはやめてほしい。

是非あのクネクネ道を歩いていただきたい。

さてと。

今からすぐにスネガ展望台に行っても同じような景色を見ることになるだろう。

メシでも食って休憩してから行くか。

町に戻る途中、橋の上からキレイにマッターホルンが見えたので、写真撮影。

これもちょっと青色を強調して絵はがきっぽく。

川の水が白っぽいのは、汚れているのではなくて、氷河から流れ出た証なのだ。

 

・・・と、文面は続いている。

しかし帰国後、写真の整理をしている時に気付いたのだが・・・。

この写真には恐るべきものが写ってしまっていたのである。

コレって・・・UFO? いわゆるひとつの
未確認飛行物体!?

何で!?

何でこんな物が写っているの!?

誰か教えて!!

♪教えて~アルム~の~
モ~ミ~の~木~YO~♪

どうや、その手の研究団体の方!

ニュースカイラインクーペ1台で

データをお渡ししようではないか。

どうだ、今までと違って現実的だろう。

本当に欲しいんだよ。

まずはご相談を。

 

 

さて・・・そんなモノが写っていることなど知る由もなかった当日に、

話を戻すことにしよう。

2、3軒のカフェを覗いて、たどりついたのは世界の

何でやねんと?

メニューが読めねぇんだって。

しかし、世界のを侮るなかれ。

このBeefWong、相当美味いぞ。

そして店内もふんだんに木を使ったデザインで、

今まで訪れた世界のの中ではダントツに雰囲気が良かった。

ちなみに、世界一高級感のある世界のの店は、ハンガリーのブダペストにあるらしい。

一度行ってみたいものだ。

腹もふくれたし、時間も有り余っていたので、土産物屋を激しく物色。

さらにスーパーの営業時間を調べてからホテルに帰った。

地球の歩き方を読みながら、1時間ほど休憩。

昨日の登山のツケが回ってきてる上に、朝早くから歩き倒したので、足が痛い。

特に足の裏。

もしかしたら皮がめくれている恐れがあるので、靴下を脱ぐわけにはいかぬ。

ま、たまにはしっかり運動をせよ、ということか。

テレビをつけたら北朝鮮の核実験のニュースがやっていた。

何をいってるかはサッパリ分からんが、

「TESTED」というテロップから想像するに、やったんだろうと思われた。

まぁいい。

今我輩は世捨て人なんだ。

世間の話題に追従する必要はない。

マッターホルンの夕焼けを見るべく、またツェルマットの町を歩き、

思いっきり遠回りをして、スネガ展望台へのケーブルカー乗り場へ。

おや、暗い。

・・・営業してませんな、こりゃ。

参ったな。

今朝言ってた「ペラリーノ」は、やはりコレか。

このままでは暇になってしまうじゃないか。

ただ時間を潰すだけでは味気ない。

もう一度ゴルナーグラートへ行くことにする。

駅にいた16:00発の列車に飛び乗り、再びゴルナーグラートへ。

終電が近いので、20分だけいて、次に上がってくる列車で帰ることにする。

 

ガポッ

 

あ・・・。

歯の詰め物が取れた。

昨日チューリヒで買ったガムでグラグラさせて遊んでたからな・・・。

余計なコトしなけりゃ良かった!!
(T_T)

何たる小市民偽スナフキン。

しみないことを祈るしかない。

取れた詰め物をハンカチで包み、

今朝は行かなかった、建物の裏手にある展望台に上ってみる。

モンテローザが真っ正面に見える。

スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラでも思ったけど、

日の角度が違うだけで景色ってのは全然違うな。

しっかり景色を目に焼き付けて、下りの列車に乗る。

「アリガトゴザイマース!!」

発車してしばらく、我輩の前のボックス席に座ってる

ヒゲモジャオヤジが窓からでかい声で叫び始めた。

明らかに我輩に対する挑戦であるが、イチイチ相手にする気はない。

アホは死ね。

をっと。

汚らしい言葉を使ってしまったわ。

そこの頭が弱くていらっしゃる方、
お逝きなさい。

「ジャーップ!!」

相変わらずヒゲモジャオヤジの叫びは続く。

無視だ無視。

相手にせず、少し眠り、ツェルマット到着で目を覚ました。

はー、何だかぐっすり寝たな。

かなり爽やかだ。

改札口では、さっきのヒゲモジャオヤジが駅員に逮捕されていた。

やはり頭が弱くていらっしゃったんだね。

可哀相なお方。

さっき買おうか迷ったTシャツを買ってしまおうと閉店間際の土産物屋に行き、

Sサイズがあるか聞いたら売り切れだった。

無念。

他の土産を探したものの、

何だか人気があるらしいナイフやハサミやその他もろもろが飛び出すキーホルダーは別にいらないし、

スイスといえば時計かなぁと覗いた時計屋も、

これぞと思う物は目玉が飛び出るぐらい高いとなれば、

スイス土産はナッスィンやむなし。

ホテルへ帰る前に、スーパーで今夜のお供にチョコレートと、明日のお菓子としてNIPPON、

それに水を買う。

いつも思うのだが、外国のスーパーのお菓子売場に占めるチョコレートの割合はハンパじゃない。

お菓子といえばチョコなんだろうか。

チョコ好きの我輩は、あまりの種類の多さに迷いまくってしまった。

ところで。

売場に貼られた紙には、

「むやみに触ったり開けたりしないで下さい」

と書かれていた。

日本語だけで。

ようは、日本人以外はそんなことしないってことだろ?

英語で書いてあるならまだしも、日本語だけって。

確かに日本の図々しいオバハンならやりかねない。

まるでその姿が目に浮かぶようだ。

これは国を挙げて反省すべきじゃないか?

まさか悲しい気持ちになってスーパーを出ることになるとは。

その後、昼間にロープウェー乗り場からの帰りに見つけた、

マッターホルンがキレイに見れる所から夕焼けを見て、

晩飯を食べるレストランを物色しながらホテルに帰った。

まだ20:00、ひと息ついてからレストランに行こうとチョコを食べだしたら、

結局全部食べてしまって腹がふくれた。

最近ろくな晩飯を食べていないせいか年のせいか分からんが、

ちょっと余分かな、という量を食べるとすぐに腹が機嫌を損ねるため、

今夜はもう荷造りをして寝ることにしよう。

にしても、足が痛い。

何ていうかな。

我輩の56キロ少々の重みで、足の裏の皮が押し潰されているような感覚だ。

イスに座ると、ようやく体重から解放された足の裏が

ンドと脈打っているのを感じる。

今日も一日ご苦労さん。

明日も頑張ろう。

嫌だといっても頑張ってもらうぞ。

そういえば、23:00以降ホテルの入口は閉まってると言ってたな。

開くのは何時なんだ?

明日は5:00過ぎにはチェックアウトしなければならんのだが・・・。

まぁいいや。

こんなに素敵なホテルなんだ。

5:00には開いてるさ。

さ、寝よ寝よ。

Zzz・・・

戻る  進む


行程表を見る

1日目 2日目 3日目

4日目 5日目 6日目

7日目  8日目

旅行記選択ページへ  TOPへ