12 Okt-
4:00起床。 ・・・眠い。 癒しの旅だから疲れなんて溜まるハズがないのに、 なぜだか足が筋肉痛だ。 おかしいな・・・。 そして今日は異様に眠いぞ。 起きたくない・・・。 しかし起きなければ・・・。 ぅう~む・・・。 あと10秒数えたら目を開けようじゃないか。 ・・・。 本当に目を開けても良いんだな? オレが目を開けると、ゴールドセイントのシャカどころではないぞ。 ヤツはたかだか神に近い男にすぎないから目を開けても大したことはなかったが、 我輩は太陽王でかつ神様だからな。 きっと体中の小宇宙が開放されて、 死ぬまで旅をするだろう。
良いんだな? ・・・そこまで言うなら仕方ない。
ほぉぉぁああ・・・ 目覚めた。 ついに目覚めたぞ。 一気に阿頼耶識にまで目覚めてしまった我輩を、 もはや誰も止めることはできまい。 それにしてもギリシャ神話と仏教をミクスチャーした聖闘士星矢の車田正美、 彼のセンスは恐ろしい。 それはどうでもいいとして、何でこんなに寒いんだ? 昨日は荷物の整理をしてないので、もういい加減ベッドを出ねばならんのだが、 いくら何でも・・・ ってまた窓開いてるやんけ!! そら寒いっちゅうねん!! 誰が開けとんねんコレ!!(怒) ガタガタ震えながら着替える。 グダグダしてたせいで当初の起床予定時刻を過ぎてしまった。 1本遅い列車でも十分なはずなので、それで出発することにする。 と言っても6:19発。 そう、昨日と同じ列車である。 これを少し遅いというのかどうかは、読んでいる方にお任せする。 ではここで、今日の行程を申し上げよう。 実は、今日は行程で言うと中だるみの日。 というのも、ミュンヘンからフランクフルトへの移動日なのだ。 本当は夜行で移動したかったんだが、都合の良いのが見当たらず、 泣く泣く昼の移動となったというわけだ。 ただ移動するだけでは味気ないので、途中立ち寄りながらフランクフルトへ向かう。 時刻表と睨めっこして考えまくった観光ルートは以下の通り。 1.オーストリア・ザルツブルクに寄ってからフランクフルト 2.ヴュルツブルクに寄ってからフランクフルト 3.ハイデルベルクに寄ってからフランクフルト 4.ヨーロッパバスに乗ってフランクフルト このうち、1は地球の歩き方のオーストリアは持っていないので、情報がない。 2の司教館に行ってみたかったんだが、地球の歩き方によると、春まで改修工事中とのこと。 日本人じゃないから、少しの工程の遅れは当たり前。 もしかしたらまだ完了していないかもしれない。 4はバスに酔っ払ってダウンしてしまっては元も子もない。 で、3ならいくつかの街を見て歩けることが判明。 3のルートで、3ヵ所観光してからフランクフルト入りすることに決めた。 途中の観光地ではリュックをロッカーに入れるので、 街歩き用の小さいカバンの荷物はなるべく少なく。 段々肩が凝ってきてるからな。 このカバンは重過ぎるかもしれん。 今まで無事に旅できた実績を重視してきたが、そろそろ若手の投入も検討しよう。 とにかく君は重過ぎるよ。 もう重過ぎるのはご勘弁願いたいんだ、オレは。 いろんな意味で。 5:50、チェックアウト。 昨日と同じ駅のカフェで、これまた昨日と同じチョコワッサンとラテをオーダー。 コレ美味いんだよ。 この温かくて濃厚な味が最高。 もう一度食いたくてね。 ただ昨日と違うのは、今日の我輩は30番線が遠いことを知っている。 従って、飲み食いにも余裕があるってことだ。 やはり人間たるもの、学習がなければな。 テレビを観ながらリーマンに混じってモーニング。 この落ち着いた、背中で語るたたずまい。 まさに誰から見てもミュンっ子だ。 我輩がミュンヘン坊やと言っても過言ではない。 まぁ海外ではやたらにキュートと言われる我輩も、お国に帰れば立派なリーマン5年目。 そこらへんの役員クラスのリーマンと比べても 落ち着き度が見劣りしないのは当たり前である。 何しろ入社当時から背中は10年社員と言われていたからな。 背中だけなら15年目並のオーラを発しているに違いないのだ。 さて、今日は列車の時刻まで10分余し、ゆったり歩いて30番線へ。 これまたゆったり1等車に乗り込む。 ここなら昨日の通学ガキンチョどもに揉まれることもない。 車内の暖房が効きすぎて眠くなったが、歌を歌って無理矢理起きる。 ブーフローエには少し遅れて到着した。 ここまでは昨日と同じ。 今日はMemmingen(メミンゲン)行きに乗り換える。 2両しかない電車内はガキンチョで爆発寸前。 何だこれは・・・。 こんな時には1等車に行くしかない。 どうやら1号車の前の方が1等席らしい。 どけーっどかんかワリャーッ!! ガキの海を乗り越え、1等席にたどりつく。 ガラス戸で仕切られたここは、とても同じ電車とは思えぬ落ち着いた空気に満ちあふれていた。 1等車・・・何て素敵な空間なんだ。 2等車が俗世なら、ここは浮き世だ。 ゆったりくつろぎながら、来たるべき時間との戦いに備える。 7:55メミンゲン着。 案内板を見ながら出口に向かうと、コインロッカーらしきマークがある。 ロッカーがあるのか? これはありがたい。 さっそくリュックをロッカーに入れたい。 ホームを出たところにパン屋や本屋、駅の窓口の入った建物があり、 コインロッカーはその脇にあった。 割と大きいので、リュックの1つぐらい余裕だ。 リュックを入れて閉める。 これで体が軽くなるなぁと思いながらコインを入れると・・・。
ガコッ チャリン。
うを。 これどっかで見たような気がするぞ。 あ、コインが使えないヤツだったのか? ・・・いや、ちゃんと使えるな。 なぜ・・・。 ってコインロッカー作動してへんやん!! 結局リュックは持ち歩くしかないようだ。 予定通りではあるが、期待をもたされただけにショックは大きいな。 小さな町ながら、駅前のターミナルはなかなか立派だ。 ちゃんとタクシーも客待ちをしている。 なのにロッカーはダミー。 くそったれめ。 ガッカリしていると便意をもよおしてきた。 バスにはまだ時間があるから、今のうちに済ませるか。 清掃が終わるのを待って、突入。 む。 鍵を閉めるには金を入れねばならんのか。 ・・・どうせ誰も来ないだろ。 無事用を足し、水を流そうとしたところ、流すボタンが見当たらない。 どうすんねんこれ。 棒もボタンも何もない。 金を入れてないと流れないのか? やむなく金を入れてみる。 ・・・やはり流れない。 50セント損したやんけ!!! いやいや、そんなことはたいした問題ではない。 これはトンズラやむなしかと思ったその時、 ボタンの裏についていそうな白いものを見つけた。 何げに蹴ってみると、水が流れた。 良かった良かった。 危うくトンズラこかねばならないところだったわい。 こうしてドイツ史上最悪の犯罪は未然に防がれたのであった。 胸を撫で下ろしてバス停に行き、8:42発でOttobeuren(オットーボイレン)へ。 ドイツのバスは、乗る時に運転手から切符を買うので、 乗ってみたらわけの分からん所に着くなんてことは、まずない。 発音がややこしい時は、とにかく筆談。 とにかくあきらめない事が重要だ。 さて、今日最初の観光地は前述のオットーボイレン。 ヴィース教会だけ見る旅人は三流、 ロッテンブーフのマリア生誕修道院教会まで行って二流の教会好き。 しかし一流の教会フリークである我輩が、もう1つ。 やはりガイドブックにはほとんど現れない素敵な教会をご案内しよう。 それがオットーボイレンの教会だ。 この3つはドイツのロココ様式を代表する教会で、 この3つを訪れれば、ロココ様式の教会は制覇したといっても過言ではない。 メミンゲンの駅から約40分。 いくつかの町を過ぎると、ひときわ高い尖塔が見えてきた。 あれですな。 Ottobeuren Basilika(オットーボイレン教会前)で降りる。 目の前が大きな教会だ。 中はまた華麗極まりない装飾がびっしり。 こりゃすごい。 教会というと暗くてひんやりしてて厳粛なもの、というイメージが、この旅で変わった。 昨日の2つもそうだが、明るくて鮮やか。 人を引き付けるであろう空間が、そこにはあった。 さすがに田舎町の教会だけあって、途中遠足の学生が来た他は、観光客も少ない。 町の人々のお祈りを邪魔をしないように、静かに見学する。 いやぁ・・・ここも来た方が良いよ。 ホントに。 どれも一緒じゃねぇか。 お前がフリークなだけだろ、と思いながら読んでいる方。 来てみなさい。 この空気に触れれば分かると思うよ。 どれも全く違う雰囲気だから。 3日立て続けに清い空気に触れ、我輩の毒素も薄れていくようだ。 バスの時間ギリギリまで、静かに静かに見学した。 ここは高台になっていて、外に出ると、右手に町の中央広場が見える。 見ての通り、こじんまりとした可愛らしい町である。 ぽけ~っと眺めていると、写真中央左奥のバスが動き始めた。 あれって・・・もしかしてオレの乗るバスか? のわ~っ待ってくれ!! 走りに走ってバス停まで戻り、滑り込みセーフ。 危うく次のバスを1時間以上待つハメになるところであった。 おばさんが何やら笑顔で話し掛けてくる。 なになに? 何にも分かりませんけど。 とりあえずニッコリ。 うむ、今の笑顔でオールオッケイ。 我輩のキュートな笑顔は万国共通のハズだ。 メミンゲンからはまた列車。 次はUlm(ウルム)。 当初は乗り継ぐだけでハイデルベルクへ行ってしまう予定だったが、 何でも世界一高い大聖堂があるという。 それは上ってみたい、というわけで、2時間程度の観光時間を設けることにした。 ハイデルベルクは景色を見るだけなので、観光時間を多少削っても無問題なのだ。 10:27発に乗り、ウルムまでは約30分。 車窓から高い塔が見える。 あれか・・・。 確かに世界一だろうと思わせる高さだ。 まずは駅で腹ごしらえ。 意外に大きな駅で、フードコート完備。 ピザハットで、ピザをひと切れとコーラを購入。 実は、ベルン以来ずっとピザが食べたかったのだ。 オホッ ちゃんと温かいぞ! 大満足でピザを平らげ、街へ繰り出す。 駅同様、街も意外に大きそうだ。 短いながらもメインストリートがあって、両側にはデパートなんかが建っている。 適当にメインストリートを歩いていくと、大聖堂の塔が見えてきた。 さすがに目立つな。 中に入ると、丁度ミサの時間だった。 パイプオルガンを聴きながらゆっくり見て回り、いよいよ世界一高い塔に挑む。 グルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグル螺旋階段を上っていく。 はひ~っ これはツライ! なんぼ高いねん!! やっとてっぺんに着いたと思ったら、まだあるのか? しかも何ちゅう細い階段なの!? ・・・ぜぇぜぇ。 全く疲れる旅だ。 ・・・ぜぇぜぇ。 もうダメだ。 ちょっと・・・休憩。 今までフィレンツェの鐘楼でもサグラダファミリアでも一度も立ち止まらなかった我輩だが、 これは限界だ。 膝に手をついて息を整える。 さすが世界一。 並ではない。 そしてまたひぃひぃと階段を上り、ようやくてっぺんに着いた。 てっぺんには遠足の子供らしき団体が何人かいて、先生が一生懸命下りるよう誘導している。 階段の入口に立っていた我輩に、結構大変なんだよ的な苦笑いをして、先生も下りていった。 丁度良いタイミングだったな。 こんなすれ違うのも大変なぐらい狭いてっぺんでガキがたくさんいたら、 誤って何人か落としてしまうかもしれん。 どれどれ、ガキがいなくなったところで、景色を眺めてみましょうか。 うわぁ・・・思ったより高い・・・。 足がすくむぞ・・・。 これ今地震が起こったら死ぬな。 そう思ったら一気に冷や汗が出た。 よくぞこんな高い塔を造ったものだ。 高さ141メートルって、名古屋駅のツインタワーが245メートルだから、 その半分より高いわけだ。 畏敬の念を覚えざるを得ない。 ・・・あの半分まで歩いて登ったわけか。 そら疲れるわ。 街を見下ろしながら、この塔が造られていくのを想像し、さらに足がすくんだ。 さて、予想以上に時間をくってしまったので、そう長くもいられない。 当然のことながら、上った分だけ下りていく。 グルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルグル螺旋階段を下り、地上に戻ってホッと一息。 高いところは好きな方なんだがね。 あんなに狭くて細いと心細い。 ま、これでまた我輩の偉業達成記録に新たな1ページが刻まれたというわけだ。 スバラシイ! 大聖堂の次は、川沿いにかつての漁民の家の並ぶところがあるという。 そこを通って駅に帰ろう。 小さな路地を歩いていくと、川に突き当たった。 これがドナウ川か。 ♪なつ~かし~きか~わよ~モ・・・あれはモルダウか。 ここで口ずさむまで完全に勘違いしていたぞ。 ドナウ川って何だっけ? まぁいいや。 ドナウもモルダウもあんまり違わないし。 カモがドナウクルーズしているのを見ながら歩いていく。 そこから右に曲がると、漁民の家並みだった。 水路の脇に家が並び、我輩の好きな街並みだ。 いつかはこんなトコに住んでみたいと思う反面、 こういうトコには夕方になると アリエナイほどの羽虫が飛び回ることも知っている。 どう考えてもそれは苦痛だ。 やはり一時の感動に流される事のない、 常に冷静沈着な男、偽スナフキンは今日も健在である。 家並みを抜けるとメインストリートに出た。 列車の時間が近いので、ウインドーショッピングはパス。 駅に戻り、次はハイデルベルクへ向かう。 13:05発フランクフルト行きに乗る。 今日最後の観光地だ。 別に宿に早く着いたって寝るだけだからな。 寄り道をしながら行くぞ。 1等車に乗り込むと、この1等車は実に贅沢。 しかもこの列車の時刻表まで置いてある。 乗換列車まで一目瞭然だ。 さすがグリーン車。 日本では絶対乗れないっていうか、乗らないからな。 ズボンのケツに穴が開くまで乗り倒してやる! 次のハイデルベルクの予習をすべく地球の歩き方を読んでいて知ったのだが、 実はウルムはアインシュタインの生誕地であった。 生まれた家もあったらしい。 やはり事前に調べ上げていかないと、どうしても洩れるな。 ・・・チッ。 ハイデルベルクまでは約2時間。 列車は何だか趣のある古い町並みの中を走り抜けていく。 車窓からは古城などが見え、飽きがこない。 ハイデルベルクにも、そういう景色を見に行く。 14:54ハイデルベルク着。 まずは毎度のごとくリュックをコインロッカーに入れる。 おや。 これは最新式か? 金を入れたら紙が出てきた。 紙には暗証番号が書いてあって、それを入力すればロックが開くようだ。 紙を無くしては大変なので、さっそく旅行記手帳にメモ。 まずはトイレに行こうかと案内通りに歩いていくと、自動改札のようなものが。 ホームにすら改札が無いのに、便所にはあるのかよ。 で・・・金がいるのか・・・。 列車の中で済ませるべきであった。 小銭を持ち合わせていなかったので、改札にあったインターホンを鳴らすと、 目の前の守衛室みたいなトコからオッサンが出てきて両替してくれた。 さっさと用を足し、出口手前のスーパーでM&M’sの徳用パックと水を購入し、駅を出る。 いきなりよく分からんオブジェがお出ましだ。 何だコレは。 そしてどっちに向かえば良いのだ。 M&M’sをバリバリ食いながら、水を飲み飲みテキトーに歩いていく。 この徳用パック、文字通り確かにお徳なんだが、多過ぎた。 あごがつるぞ。 そして欧風かぶれになりたいと積極的に飲んでいるガス入りウォーター。 こいつも舌に合わないことが分かってきた。 原液の入ってないコーラのような味が最悪だ。 もう止めよう。 などと考え事をしながらバリバリM&M’sを食いつつ歩く。 チリン・・・ギュワャオオォォゥンッ ぐおっ!! 2日ドイツを歩いて気が付いた注意点。 それは歩道に設けられているチャリンコ専用レーンの存在である。 意外に危ない。 何しろドイツはかの有名なF1ドライバー、ミヒャエルシューマッハー、 そしてファイヤーショットのカール・ハインツ・シュナイダーの両皇帝を排出した国であるからして、 チャリンコのみなさんのスピードたるやすごいものがある。 しかもなぜか走っているのはスポーツタイプのチャリンコばかりで、 チリンと鳴った次の瞬間には、猛スピードで目の前を走り抜けていくのだ。 触れてもいないのに切り傷ができてしまいそうなあたり、ファイヤーショットも顔負けだ。 ただこの場合、仮に触れてしまったら交通事故なんだけども。 我輩はビックリして危うくM&M’sをぶちまけるところであった。 まぁもう噛み疲れてきたからそれでも良いっちゃあ良いんだけどさ・・・。 駅から延々歩くと、ようやく旧市街の入口、ビスマルク広場に着いた。 結構遠かった。 名著地球の歩き方がここまでの交通手段としてトラムを推奨しているのもうなづける。 しかし乗り方が分からないんだから、歩くしかないのだ。 にしても、全く予想外の方向から到着してしまった。 1日目にも書いたけど、我輩は方向感覚は良い方なんだがなぁ。 ・・・しかしこの時すでに我が方向感覚は崩壊しつつあり、 後日痛い目に合うことなど知る由もなかったのである。 まぁそれはまだ先の話。 ズンズン歩いてネッカー川を渡り、 ハイデルベルクのハイライト、哲学の道に入る。 坂道をウネウネと上っていくと、そこから旧市街を眺めることができた。 これは有名な景色だね。 ここで少し休憩。 世界一の大聖堂がこたえたのか、かかとに靴ズレが・・・。 足の裏も痛い。 癒しと修業は紙一重と見つけたり。 足を休めてから、分かりにくい小道を一気に下っていくと、川沿いに出た。 そこから橋を渡り、旧市街に向かう。 橋を渡っていくと、何人かの人が川を見ている。 我輩もつられて川を見てみると、そこは小さな運河になっていた。 川の水位を上下させ、橋の下を通すのだ。 丁度観光船がやってきたので、橋をくぐるのを見てから先に進む。 ここの旧市街は意外と見所に乏しく、時間もすでに17:00とあって、 ほとんどの見学時間は終了していた。 まぁ我輩はさっきの景色さえ見れれば文句はないので、 メインストリートを歩いて駅まで戻ることにした。 あ、ここにもワールドカップマスコットが。 価格は定価の3分の1。 何げに可愛らしいだけに、叩き売られているのを見るのは忍びない。 モリゾーとキッコロなんかよりよっぽど可愛いと思うのだけど、 なぜかモリゾーとキッコロがまだ定価販売であるあたり、 万博強しといったところだろうか。 どんどこどんどこ歩いて駅に戻ったのは17:30過ぎ。 丁度フランクフルト行きがくるようだ。 さっそくリュックを出そうとコインロッカーで暗証番号を入力。
ピピピピッ
あれ? もう一度。
ピピピピッ
あれれ?? 3度やって3度失敗し、焦ってきたところで、 これはリュックを入れたロッカーでないことに気付いた。 慌ててちゃんと入れたとこでコードを入力したら、ガコッと扉が開いた。 ひと安心だわい。 10分ほど遅れてきた列車に乗り込み、 さすがに疲れてきたのでくつろごうかと思った矢先、車内放送が流れた。 「ペラペラペラペラペラリーノ」 すると、乗客からあーっ という声が上がって、みんな一斉に降りる支度を始めた。 何だ? 何だ何だと思っていると、車掌が現れた。 「フランクフルトに行くのか?ダルムシュタットで乗り換えてくれ」 何だ? 何が起こって乗り換えなんだ?? こういう想定外の事態になると、言葉が一切分からない我輩にはどうしようもない。 他の乗客と一緒にダルムシュタットで下車。 そしたら、入れ代わりに客が乗ってきた。 駅の行き先表示を見ると、乗ってきた列車はミュンヘン行きになっていた。 定刻からかなり遅れている現状から思うに、 フランクフルトまで行くと折り返し運転のミュンヘン行きに支障が出るから、 ここで折り返すことにしたのではないだろうか。 時間は18:40だが、我々乗り換えを強いられた乗客が待っている列車の発車時刻は、 定刻なら18:02発。 相当ダイヤが乱れているようだ。 ようやくやってきたフランクフルト行きの1等個室で一緒になったリーマンは 見るからにイラついていた。 日本人以外も残業するんだなぁと思いつつ、フランクフルトに着いたのは結局19:00前だった。 ホテルに荷物を置き、さぁ街へ!と思ったが、 まだ明日もあるし、フランクフルトはただの都会なので、特に見るところもない。 よって、今夜は駅構内で晩飯を食ってくるだけにすることにした。 駅ビルこそないものの、大都市フランクフルトだけあって、 駅舎には我輩の求める物が完備されていた。 本屋、パン屋、カフェ、キオスク、そして世界のM・・・。 ただ、いきなり世界のMに突撃したのでは味気ない。 そしてそれではあまりに成長がないし、何よりコレをご覧の方の予想通りになってしまう。 それはいけない。 さっそく構内をチェックすると、立ち食いフランクフルト屋があるじゃないか。 ドイツに来てフランクフルトのメシとくれば、フランクフルトと相場は決まっている。 しかもここは秘技ディスワンプリーズが使える店だ。 いざゆかんフランクフルト屋!! たのも~う!! 偽「ディスワンプリーズ」 「イエッサ」 っしゃ! パンに大胆に切り込みを入れ、極太ソーセージが挟み込まれる。 ザンクトガレンのリベンジを、ドイツで果たすことになろうとは!! 素の状態で渡されたので、ケトチャップは? と聞くと、 後ろの台にあるからテメーでかけな!と彼は言った。 後ろの台には蛇口のようなものがあって、ボタンを押すとケトチャップが出てきた。 本当はミュンヘンで食べたかった白ソーセージ。 いっただきま~す! おっほ~こりゃ母ちゃんのよりうめ~や♪ Well done オレ! ついにソーセージを食ったぞ! やはり安易に世界のMで食うより達成感があるな。 ドリンクはハイネケンといきたいところだが、近くのカフェでカプチーノとした。 そして相変わらず車雑誌を立ち眺めしまくり、ファンタと朝飯用にスニッカーズを買ってホテルへ。 今夜はのんびりさせてもらおう。 シャワーを浴びて体を拭いてるときに気付いたのだが、 足の小指の皮が角質のように固くなって、半分剥げかかっていた。 さらに足の裏はジンジンと痛む。 56キロの体重で、足の裏が押し潰されてしまったのか、異様な痛みだ。 早く体重から解放させてやるべく、ベッドに横になった途端に爆睡。 21:30だった。 Zzz・・・ |