- 5 May
目が覚めたら5:30前。 ヤバイ。 慌てて準備をするも、もはや地下鉄に乗っている時間はない。 タクシーを捕まえて、サグラダ・ファミリアへ。 明るくなってしまう前に公園に到着。 ニーチャンネーチャンが横で音楽ならして遊んでたけど、 ここしかないんだ! 三脚設置! アブネー。 危うく間に合わないところだった。 インド人のニイチャンがやってきて、 三脚やカメラの使い方が分からないというので、教えてあげながら、朝日を待つ。 そして。 見事に焼けた。 朝日の場所からして、今の時期なら、正面が焼けると思ってたのだ。 大当たり。 今日も雲一つない快晴。 いやー、まさに完璧な観光写真。 スバラシイ! 大満足で朝写真を終了。 地下鉄で帰って朝飯を食い、昼のチェックアウト時間まで、市街を中心に写真を撮る。 今日は日曜日。 ダメだろうなぁと思いながら大聖堂へ行ってみたら、 案の定ミサで、見学は昼から。 やむなし。 カサ・バトリョは外装工事中でカバーが掛かっていて、 市街地撮影は、あまり上手くいかなかった。 さて。 帰国便はマドリード発。 数年前に、バルセロナ~マドリード間は、 高速鉄道が開通しているので、出発駅であるバルセロナ・サンツ駅へ。 乗り換えなくても良いのに乗り換えしたり、 駅の階段で荷物をひいこら持ち上げたり、やたら無駄に苦労して到着。 イタリアやドイツなどの高速鉄道と違って、 荷物点検(赤外線による保安検査)がある。 なので、出発間際に駅に着くと大変な目に遭うのは、前回勉強済み。 チェックインする前に、 FCバルセロナのオフィシャルショップでお土産を買い、保安検査。 空港ほどアレもコレも脱げ、とは言われないで済んだ。 カフェで果物とモカを飲み、待合いで待機。 ホームで何か撮れるかなーと思っていたのだが、自由に出入りは出来ない。 スペインというのは、撮り鉄に厳しい国だ。 もう一度チケットのチェックがあり、ホームへ。 隣の隣のホームには、フランスのTGVが停車中。 バルセロナ~フランスも開通してるのか。 今回の旅では、フランス・ドイツ・スイスはかすってる感じだから、 改めてやって来なければならんな。 座席は窓側。 地下駅を発車して、しばらくは郊外を走り、 その後は荒涼とした平原を走っていく。 あまり見所を感じないので、しばらくするうちに爆睡。 揺れないし、非常に快適だ。 いくつかの停車駅を過ぎて、目が覚めたら、マドリードまであと1時間。 遅延でもしたらどうしようかと思っていたので、あまりの定時運転に驚いた。 そして、16:10、マドリード・アトーチャ駅に到着。 空港バスに乗り、バラハス空港から大韓航空で帰国したのでした。 オシマイ。
そう、そのつもりだったのだ。 しかし、ここから、我輩の正念場が訪れようとは、 充実感に満ち溢れた当時の我輩は、知る由もなかったのである。
さぁ、時間を、アトーチャ駅到着に戻そう。 列車を降りて、構内を撮影し、空港バス乗り場を確認。 ソウルまでのフライトは20:00発なので、まだ時間がある。 バーガーキングで昼飯を食い、時間をダラダラと潰す。 そして、喉が渇いてしまった我輩は、自販機でジュースを買うことにした。 この時、なぜだろうか。 非常に嫌な予感がしたのだ。 コレは直感的なモノだ。 メキシコで暴漢に殴られる直前、 愛車の鍵をポケットに入れて持ってきてしまったことを思い出したような、 あの瞬間に似た、凄く嫌な感じがしたのだ。 クレジットカードでジュースを買うタイプの自販機だったのだが、 メインで使っているカードを使う気になれず、 予備のカードで買うことにした。 このカード、旅の途中から具合が悪く、 お店で何度も切れないことがあった。 このカードで買えなかったら、空港までジュースは我慢。 そう思って操作して見たところ、やはり買えなかった。 ふうむ。 やっぱりダメか。 そう思って立ち去ろうとしたら、一人の男が寄ってきた。 大柄でデップリした黒人男性だ。 「小銭が無くてジュースが買えないんだ。 ジュースはいずれも5ユーロもするようなモノではない。 2ユーロもあれば買えるのに、なぜコイツはこんなことを言うのか。 不審に思ったので、我輩は断った。 そうしたら、いきなり怒りだしてしまった。 「お前は俺を疑ってんのか!?5ユーロやるんだから良いだろ!」 偽「いや、ジュース買えなかったし。ホレ、我輩ジュース持ってないでしょ?」 「そんなことはない!やってみろ!!」 ヤカマシイので、適当に操作。 暗証番号も適当に入力し、万全を期した。 「チキショウ!!何で買えないんだよ!!」 男はイラついて、自販機にアタック。 何だこの展開は。 もしかして、目の前で茶番を展開して、 背後からモノを盗む算段か?? 我輩の警戒モードは全開。 周囲に全ての神経を張り巡らせた。 そして、男は諦めて、去っていった。 何だったんだ一体。 まぁとりあえず、何もなくて良かった。 さぁ帰ろう。 韓国を経由して帰国。 メデタシメデタシ。
時差ボケでほとんど寝ないうちに出勤した我輩の携帯に、 何度もカード会社から電話が。 折り返しても繋がらないので、その日は放置。 翌日。 ようやくカード会社に繋がったところ、 「あなた海外でキャッシングしましたか?」 との質問。 あぁ。 あのエディンバラか。 本来キャッシング機能がないカードなのに、我輩がキャッシングをしたので、 セキュリティロックが掛かっていたとのこと。 だから、何度も何度も切れなかったのか。 なるほど納得。 これで今回の旅行も完結か。 オシマイ。
・・・と、思ったのに。 その翌日の夜。 またしてもセキュリティセンターから電話が。 こんな時間にかかってくるなんて普通ではない。 すぐに折り返すも、時間外で不通。 オカシイと思い、翌朝すぐに電話をすると、 我輩のクレジットカードが、海外で使われていると言う。 我輩は帰国している旨を伝えると、 カードを確認して欲しい、とのこと。 見てみると・・・。 コレ誰のカードやねん! 全然違う人の名前が記された、 「同じ柄のクレジットカードの、全く別人のカード」 になってるではないか!!! 無断でガンガン使われた分の請求がいくと思うので、連絡する、 と言われ、土日をまたぐ間に、利用実績が積み上がり、 利用制限額マックスまで使われていたことが判明。 イヤイヤイヤイヤ。 一体いつすり替えられたのか。 あのマドリードか? しかし、あそこだとすると、暗証番号が分かるハズがない。 あのカードは、何度も切れなくて、その度に返されて、ということを繰り返したので、 もしかしたら、早い段階ですり替えられていて、そのせいで切れなかったのか? それにしても、全く同じ柄のカードを、すり替えることなんて??? 頭は大混乱。 土日で連絡がつかないことも、さらに我輩の心を掻きむしった。 そして月曜日。 セキュリティセンターの上役らしき人から連絡があり、 「我輩のカードは、暗証番号で切られているので、保証出来ない」 と言う。 マジか・・・普通の金額じゃないぜ・・・。 と薄れゆく意識の中で、しかし。 こちら側も納得いかない点を、何点か確認。 すると、相手の対応が軟化してきた。 コレはこの理論の一点突破しかない!! これまで生きてきた中で、 間違いなくかつてないほど、 脳ミソをフル回転させて巨大クレジットカード会社とわたりあい、 不正利用分は免除してもらうことが出来た。 失ったと思った約金七拾萬圓也が守られたのであった。 カードの再発行手数料1,080円という格安の勉強料で済んで良かった。 この事例は、相手が優しかったとか、ゴネ倒した、とかではなく、 一点だけ、奇跡的な事があったのだった。 何事も、諦めてはいけません。
今回の旅の教訓。 「ジュースに困った外人がいても、相手をしてはいけません」 <完> |