24 Aug-
携帯の目覚ましをバイブにしてしまって、予定より30分寝過ごした6:34起床。 夢の中でライオンと戦ったり、蚊を殺したりしていた我輩は、 寝起きからすでに疲弊気味である。 7:00にフロントだと言っていたな。 もう朝メシは抜くことにしよう。 結界から荷物を出し、リュックに詰めて出発。 あれだけいた蚊は、見事にいなくなっていた。 ちなみに、幸い我輩は右手を1ヶ所刺されただけでしのぎ切った。 落ち着き払って見渡せば、ロッジの前からはナクル湖が見え、 まぁまぁいいホテルなのかもしれない。 ・・・蚊さえいなければな。 チェックアウトし、ランチを持って四駆に乗り込む。 「今日はアンボセリだ。遠いぞ。さぁ行こう」 偽「あれ?朝のゲーム・ドライブは? 「時間がない!アンボセリまでは8時間も掛かるんだ」 は・・・8時間・・・? っていうか、行程表違うじゃねぇかよ~。(イライラ) だったら昨日もっと粘ってゲーム・ドライブしたのに。 あの旅行社マジでもう使わねぇ。 金払ってもパスポート送っても何の連絡もないしメール送っても平気で1週間以上放置しやがるしよぅ!! そして行程表と内容が違ったって質問してるのにムシかよ!!返事よこすまでメール送るからな!!分かってんのか五つ星倶楽部!! 何にしても、残念ながら素直にアンボセリ国立公園に 向かわねばならないようだ。 話をしていると、ドライバー越しにナクル湖が見えた。 偽「写真撮っても良い?」 「サワサワ~」 夕方だけ固まるような習性があるんだろうか。 残されたビッグファイブの1つ、 レオパード(ヒョウ)を見たくて木の上をキョロキョロしていたのだけど、 結局見つけることはできなかった。 アンボセリにはいないというから、ビッグファイブコンプリート失敗。 これはなかなかヘコむな・・・。 昨日とは違うゲートを出て、違う道を走っていく。 やはりケニアの皆さんは早起きで、 老若男女問わず、車道沿いを沢山の人が歩いている。 そして昨日からなんだが、小さい子から大人まで、我輩に手を振ってくれる。 特に小さい子にいたっては、我輩からは見えないぐらいの遠くから、 見えなくなるぐらい離れるまで手を振ってくれる。 これが実に温かいものを感じるのである。 こんな国が世界にはまだあるんだなぁとしみじみ思い、 そのことをドライバーに話した。 「ケニアの人はみんなフレンドリーだろ?ご近所で1家族なんだ」 偽「なるほど。日本では、多くの人は他人のことに興味がないね」 「人には人の人生があるということだな」 偽「我輩は隣の人も知らないよ(ま・・・特に我輩は対人めんどくさい症だからね)」 「えぇっ!?そいつは深刻だな。まさか兄弟とも・・・」 偽「あぁそれはまた別の話だよ」 「ホッ。それなら良いんだ」 まさかそんな深刻に心配されるとはな。 昨日とは少し違う道を走り、昨日と同じガタガタ道を抜けたところで、ひと休み。 また土産物屋のあるドライブイン。 お。 我輩の目を引いたのは、やはりペンキで厚く描かれた絵。 キリマンジャロらしき山と、動物が描かれている。 これはデザイン的にも非常に良いし、折れたりしてなくて状態も良い。 店に入ってからずっと着いてきた兄ちゃんにいくらか聞いてみる。 「20ダラーズ」 ・・・。 それは高すぎるな。 偽「7ダラーズ。それがダメならもう良い」 そう言うと、兄ちゃんは苦笑いをして首を横に振った。 どうやら利鞘が取れないようだな。 ・・・しかしそこは頑張れよ!! そんなに一発大儲けじゃなくたって しかし、それ以降彼は着いてこなくなった。 結局何も買うことなく、四駆でドライバーを待って出発。 少々腹が減った。 道端で焼いて売ってるトウモロコシっぽいのまで美味そうに見えてきた。 カロリーメイト出しとけば良かったな・・・。 しかしここでカロリーメイトを出すから止めろと言わないのが我輩っぽいやろ。 そんな時間があるなら、少しでも長くゲーム・ドライブをするのだ。 坂道を上って大地溝帯に別れを告げる。 ナイロビ市内に入ったのは昼前だった。 今日のドライブは8時間だと言っていたな・・・。 7時に出たから・・・ 「疲れたのか偽スナフキン。まだまだ半分だぞ」 分かってるよ。 ダウンタウンに入らないように、ぐる~っと回り込むようにしてナイロビを通過し、南ヘ南へ。 ナイロビ郊外の車窓何もない平原を、ひたすら真っすぐ走っていく我々。 途中、大型トラックが横転していたりする中を、いくつかの町を越え、 ノンストップでどんどん走る。 このドライバー、マジでタフやな。 大体ガイドってやつは、 我輩は休みたくないのに休憩したいだの何だのとゴネるから嫌いなんだが、 乗ってるだけのこっちが、たまに休みたくなるぐらいである。 何せ暑くて暑くて・・・。 何でクーラーつけてくれないんだろう。 蒸し風呂だよ全く。 しかしここでクーラーつけてなんて言ったら、 これだから日本のイエローマンキーは・・・と思われかねない。 ここは向こうがゴメンナサイと折れるまでは、根性見せるしかない。 ふぅ・・・。 だんだん景色が変わってきて、土の色が赤くなってきた。 所々、蟻塚が盛り上がっている。 何だかワイルドになってきたぞ。 さらにいくつかの町を越えていく。
マサイタウンを過ぎてしばらくして、タンザニアとの国境の町、ナマンガに到着。 昼休みにしようってことで、また土産物屋のあるドライブインに入った。 花のきれいなドライブインだ。 ライオンヒルロッジから持ってきたランチを食べる。 ジュースを売りに来たけど、パックのオレンジジュースが入っていたから断った。 ササッとランチを食べて、土産物屋に入るのがめんどくさかったので、 四駆で寝ることにする。 ・・・~ん。 ・・・~ん。 ・・・ぷ~ん。 アヒーッ またッまた刺された!!(T0T) ここは高地だからマラリアは大丈夫なの!? 誰か大丈夫だと言って!!(T0T) もう車にはいられねぇッ!! 土産物屋を見る気も全くなかったので、 ナマンガの町を少しだけ歩いてみる。 町は汚い。 道端にはビニールゴミが散乱し、細い道の先には、とても入る気がしない。 ドライブインから少し行くと、国境のゲートがある。
あの向こうはタンザニアである。 ゲートの手前にはマタツ乗り場らしきのがあって、 ナイロビ方面から到着した人がゲートに向かったり、町に消えたりしている。 「ユーゴーダルエスサラーム?チェンジマネー?」 偽「ノーノー」 お世辞にも治安が良いとは思えない。 東洋人は変に目立ってしまうので、おとなしくドライブインに帰って、ドライバーを待った。 先ほどのゲート前を左に曲がって、さらに南へ。 雄大な景色の中を走っていくのだけど、やはりゴミが目立つ。 ケニアでは、ゴミの収集などということはなさそうである。 みんなが好き勝手にビニールゴミやペットボトルを捨てるものだから、 道々の木の枝には、かなりの数のビニール袋が引っ掛かり、 道端にはペットボトルが落ちている。 ビニールやプラゴミは、捨てるとそのままになってしまうという意識は薄いようだ。 文明に意識がついていかないと、こういうことになるのか・・・。 整地されて良くなったらしいが、それでもガタガタな道をさらに1時間。 ようやくアンボセリ国立公園のゲートに着いた。 ドライバーが入る手続きをしている間に、窓越しにわさわさと寄ってくる押し売りマサイ。 「コレいくら」 「コレいくら」 ・・・いくらなら出すということか。 って、押し売りマサイに割って入って くだらない木彫りの動物5体セットを20ドルで売り付けようとするボケが約1名。 それってオレが幼稚園の時に作ったやつじゃね?? 「それはカバンに入らない。Too bigだ」 するとボケはさらにデカイキリンやマサイの彫り物を持ってきた。 さすがに怒れてきた。 「入らへんって言ってるやろ!アホかお前は!!」 日本語で怒鳴りつけると、ボケは去ったが、押し売りマサイは全くひるまない。 「コレ5ドル」 「コレ5ドル」 オイそのネックレスは・・・我輩がマサイ村訪問ツアーで買ったネックレスじゃないか。 5ドルで元がとれたのか・・・。 チッ。 写真を撮れだの何だのとやかましいのを全て断り、いよいよ公園内へ突入。 見渡す限りの荒野と、その向こうにそびえるキリマンジャロ。 そう、ここに来たのはキリマンジャロを見るため!! ・・・が。 曇ってるとはどういうことか!? 太陽王をしても晴らすことができんとは!! ぐぬ~・・・。 しかし、多分晴れる気がする。 何だか良く分からんが、すごい自信だけはあるのだった。 アンボセリ国立公園のゲート付近は、 我輩が当初思い描いていた、乾季のアフリカの風景に近い。 今のアフリカは、大乾季。 マサイ・マラは草がぼうぼうだったが、ここは水っ気がなく、カサカサな大地。 竜巻が5本も6本も立ち上る景色は、何だか北斗の拳を彷彿とさせる。 「まずはオブザベーションヒルへ行くから。知らないのか? マサイ・マラ以外はあまり調べてこなかったのでね。 オブザベーションヒルとは、展望台らしい。 土の山をせっせと登っていくのだ。 ウーム・・・キリマンジャロさえしっかり見えたら、 本当にスバラシイ展望台なんだろうけど、サバンナを見渡してもなぁ。 動物見るなら近くじゃないと。 キリマンジャロがどうしても見たくて、少し待ってれば晴れるかとグズグズして粘ったのだが、 あきらめて下りることにした。 そこから、アンボセリでのゲーム・ドライブ開始。 頭だけ出したキリマンジャロとシマウマ達 草を食うバッファロー 水浴びするゾウ コビトカバ 色々見て回るのだけど、ここもやはり道を逸れてはならないということで、 何だかサファリパーク的な国立公園の印象は否めない。 もちろんここにいる動物達は、自分達で餌を獲って生きている野良動物なんだけどね。 マサイ・マラの素晴らしさを思い知るばかりである。 「見ろ偽スナフキン!山が綺麗に見えるぞ!」 をを~っ!!! キターーーッ!! 絶対見えると思ってたけど、 やっぱり見えると嬉しい!!(T0T) 「少し停めるぞ。あそこにゾウがいるだろ?ゾウ達が前を横切るのを待つんだ。 おっしゃる通りだ!! それは見たい!! しかしそこは野生動物。 なかなか思い通りには歩いてくれない。 さらに、どのサファリカーも、ゾウの写真を撮りたくて、変に道を行ったり来たり。 邪魔しないでくれよ・・・。 やがてゾウは反対方向に歩き始めてしまった。 うぬ~・・・。 偽「まぁ仕方ない。キリマンジャロの写真を撮りたいから、車が行っちゃうまで待って」 「分かった分かった」 しばらく車が走り去るのを待つ。 いや~・・・富士山じゃないんですよ。 キリマンジャロですよ。 こんなに綺麗に見れるなんて。 バシバシ写真を撮る。 すると、ゾウが帰ってきた。 これまた何たる幸運!! ちょっと向きが悪いけど、ゾウとキリマンジャロの写真を最前列で撮ることができた。 さ・・・行きましょうか。 今夜の宿は、キボ・テント・キャンプ。 テント・・・。 何て危険な響き・・・。 偽「今夜の宿も蚊がメニーメニー?」 「ノー。アンボセリは高いところにあるから、ノーモスキートだ」 ホンマかい。 アフリカ最後の夕日を横目に、四駆はどんどんブッシュの中に入っていく。 オイオイ、ブッシュの真っ只中じゃねーか。 蚊がいないわけねぇな・・・。 しかし、チェックインした後、今夜の宿を見て、我輩はさらにビビった。 何じゃコレ。 まんまテントやんけ。 入口チャックかい。 呆然とする我輩を待つことなく、ポーターが案内を始める。 「あっちが洗面所。シャワーとトイレもあるぞ」 う~む。思ったよりはまともだが・・・。 偽「ここは蚊がメニーメニー?」 「ノー。いても2、3匹だし、ほら、ネットもある。 偽「あの~・・・鍵は・・・?」 「23:00になったらネットをペラリーノ」 (T0T) とりあえずポーターにチップを払い、すぐさまノーマットを起動。 そして残りの虫除けスプレーを全て噴射。 オラーッ!! ムホッムホッ オ・・・オラーッ!! ムホッムホッ しっかり虫除けスプレー臭くなったところで、ネットを張る。 晩飯食ってる間にやってあげると言っていた気がするが、 そんな時間があったらすぐに結界を張るんじゃーッ!! って、ネットぼろぼろやんけ! 何やコレ!!(T_T) ふんだんに安全ピンを使い、破れを全てふさぐ。 あぁっこんなところにも!! あぁっあんなところにも!! あひ~ッ(T_T) 懸命に破れをふさいだところで、ようやくひと休み。 暗い・・・。 暗いよココは。 オレ何でこんなトコに泊まるんだっけ?? ・・・。 そういえば、まだテント内をよく見ていないな。 どれどれ。 ぐをーッ蚊じゃ! 蚊がッ!! ベッシィッ!! ふぬ~。 テント内にはいても2、3匹だと言っていたな・・・。 あと2匹か・・・。 荒ぶる心を抑え、設備を確認。 便所はちゃんと水洗だし、シャワーもまぁまぁ浴びれないことはない。 ・・・多分浴びないけどね。 さ、メシにしよう。 腹が減りすぎた。 一応手袋をして、カメラほか貴重品を全て持って出る。 だって鍵ねーんだもの。 見上げると、やはり星がすごい。 アフリカに来たら星見ないとダメですよねぇ・・・。 え~と・・・あれが偽十字か? するとあれがあれで・・・あれが南十字星かッ!! 多少蚊に刺されるのもやむなしッ。 バシバシと写真を撮りまくった。 見よ! これが南十字星じゃい!! 波照間島では撮り方をミスって何も撮れなかった南十字星。 やはり我輩は成長しているな! 蚊にも刺されなかったし、大満足で、足取りも軽くレストランに向かう。 多少軽めにメシを食い、マサイのショーを見て、日本人家族としばし談笑。 彼らも今夜ココに来たところ。 明日からアバーディア、ナクルを回って、マサイ・マラに行くのだとか。 ナクルに注意するようにアドバイスして解散。 南十字星は、一番下の星が沈んでいた。 良いタイミングで写真が撮れたわけだ。 さて、あれだけ星の写真を撮って、 マサイのショーを見ても、全く蚊に刺されなかったことにスッカリご機嫌な我輩は、 ホクホク笑顔でテントに戻った。 すると、テントでは、先ほどのポーターが ベッドメイキングならぬネットメイキングをしてくれていた。 「自分でやっていったんだね。ネットを新品に取り替えておいたよ。 おぉっ!! 破れ一つない新品のネットじゃないか!! いや~センキューセンキュー。 この心配りが嬉しいじゃあないか。 テントだということにかなり不満を覚えたのも今は昔。 ご機嫌だよ我輩は! しかしやはり裸になる気はないので、シャワーは浴びない。 結界に入り込み、昨夜に続いてギャツビーで体を拭き上げ、 寝まきに着替えて、横になった。 明日はナイロビを17:15発だから、いよいよ最後の夜だ。 写真を見ては旅を反芻する。 はぁ・・・アフリカともついにお別れなんだな・・・。 Zzz・・・ しかし。 これが最後の夜とはならなかったのは・・・また今度の話。 |