25 Aug-

22:30過ぎ頃に眠ってしまい、目が覚めたのは0:30。

真っ暗。

ここも送電が止まるようだ。

一体何時まで暗いのか。

寝る前に読んだインフォメーションには何も書いてなかったらよく分からんな。

・・・む。

首筋にかゆみと凸が。

いつの間にかモスキート伯爵にやられたのか・・・。

結界内にいるのか?

しかし調べる気力もなく寝てしまい、モーニングコールの足音で目が覚めるまで寝続けた。

「ハローグッモーニン!」

偽「グッモーニン・・・」

眠い・・・すげぇ眠い・・・。

さすがにこんなに早起き続きだと・・・Zzz・・・。

結局ベッドを出たのは、目覚ましの鳴り響いた6:00。

6:30に朝飯で、7:00にチェックアウトと言っていたな。

起きるか・・・。

グズグズと荷物を整え、やっとのことでテントを出たのは6:40。

パクパクッと朝飯をつまんで出発することにする。

明るくなってから見てみると、何だかホテルというよりは

軍の施設か収容所みたいだ

キリマンジャロには厚い雲

そういえば、空港で会った係員が、キリマンジャロの朝焼けは最高だと言っていたな。

ムー・・・絶対晴れるという自信があったんだが・・・。

やはり今日もモーニングサファリは無いらしい。

どういうことだ。

帰ったら旅行社に文句つけてやる。

ま、早く空港に送りたいというのがあるだろうし、

出国当日に、空港まで陸路で5時間というところにいる時点で、

かなりリスキーであるから、モーニングサファリなんてなくて当たり前だけど。

でも、あるって書いてあるんだからな。

やってもらわねば不機嫌になっちゃうよ。

昨日晩ご飯で一緒だった家族とともに出発。

彼らはナイロビ経由でアバーディア国立公園へ向かうそうだ。

向こうのワゴンは随分速ぇなぁ・・・。

最後にゾウの写真を撮ってアンボセリを後にした。

↑ピントさえ合っていればこの旅一番の写真だった・・・。

動物があまり見えなかったのは良いとして、

キリマンジャロさえ見えたら文句無かったのに。

無念。

ゲートの押し売りをスルーしてしばらく走っていくと、家族が写真撮影をしてた。

何を撮ってるのかな~って、

キリマンジャロ!!

ぐをーっ!!

やっぱり晴れたか!!

いやぁやっぱり我輩は太陽王だったのね!

コレでもう思い残すことはない!

さらばアンボセリ!

さらばキリマンジャロ!!

アフリカの空と同様、我輩の心も晴れ晴れ。

昨日とは違うダート道を延々と真っすぐに走っていく。

これは快調・・・ではない。

何だこの気持ち悪さは。

胸がムカツク。

吐き慣れている自分にはよく分かる。

これは結構てる。

酔止めを飲まなかったからか?

ぐむっこれはイカン!

偽「ちょ・・・ちょっと停めてくれるかい。メディスンを飲むから」
↑努めて冷静に

「大丈夫か?水ならあの村で買えるぞ」

あ・・・いや・・・あの村はちょっと・・・。

うっ!

ブレーキのGでもう吐きそうだ。

慌てて外に出て深呼吸。

何だこれは。

朝のコーヒーが合わなかったのか?

まさか・・・マラリアか?

いやいやまさか。

とにかく急場を深呼吸で逃れ、少し走ったドライブインで休憩となった。

水を買って、少しだけ中を見て、外で休憩。

土産屋の兄ちゃんが声をかけてきたが、

気分が悪いといったら物売りは諦めたようで、

日本語を教えてくれということになった。

・・・君、そっとしておいてくれないかな。

日本語レッスンを終え、ナイロビに向けてまた走りだす。

途中で立ち寄った町
バスに荷物を乗せる人々。

今日の道はまるでハイウェイのようで、実に快適。

沿道の景色

正面から突っ込んでくるバスさえいなければ、

日本の道と変わらない。

あ゛あ゛っと!!

もっと余裕を持ってかわせないのか!?

近すぎるっちゅうの!!

「何だ偽スナフキンビビッてんのか?心配するな。
 ここは、ここと向こうと真ん中の三車線なんだ」

いやアンタそうは言うけどね・・・。

スッカリ気分も良くなり、沿道の風景をパシャパシャ撮る。

随分来たハズなのに、遠くにはまだキリマンジャロが見えている。

もう少しでこの雄大なアフリカの大地も見納めなんだなぁ。

やがて四駆はナイロビ市内に入り、空港への道標が。

「何にも食べてこなかったけど良かったのか?」

偽「無問題。具合も悪かったしね」

「またすぐアフリカに来い。ツーリスト会社を使わずに来れば安いハズだ。
 あそこは現地ツアー会社にフィーをたくさん払ってるからな」

偽「そうだったのか・・・。サービスも悪いしね。
  メール送ったって平気で1週間以上無視するし、
  文句のメールには返事すらよこさないし。
  まぁそれは置いといて、とりあえずもっと英語を勉強してから、自力で来てみるよ」

「それがいいさ」

ケニア航空の入口前で、余った虫除けグッズと、

ギャツビーのボディウォッシュをプレゼントし、本名不詳のドライバーとはオサラバ。

まだ5時間ぐらいあるが、もうチェックインしてしまうことにする。

昼休みのせいなのかいつものことなのか不明だが、

広大なチェックインカウンターに、係員は2人しかいなかった。

しかもいきなりどこかへ行ったりして、やたらに時間が掛かっている。

何なんだこのやる気の無さは。

前には10人もいなかったのに、

やたらと待たされて、ようやく手続きとなった。

クーポンを渡す。

「ペラペラペラペラペラリーノ?」

は?

「ペラペラムンバイペラリーノ?」

は?

これは英語か?

分かんねぇけどとりあえずイエス?

「りれろかるど?」

は??

「イレロカルドゥ?」

あぁイエローカード?

「ペラペラノービザ。ムンバイペラリーノ」

偽「あ・・・あぁムンバイではオンリートランジットだ。
  ファイナルデスティネイションはオオサカジャパン」

「ペラリーノ、オンリーワンバゲッジ?」
 ・・・チッ。ペラリーノ」

あぁあっちに行くの?

どうやら荷物に巻き付けるシールを出す機械が壊れたようだ。

それはやむない。

後ろの客「オイふざけんなよ!あっちこっち移動させやがって!」

「あっちに並べ!」

あわわわ・・・穏便に頼むよ。

っていうか、この係員、バッチに見習いって書いてあるよ!

大丈夫なのか!?

お前を信用して良いのか!?

「荷物は香港でピックアップかペラリーノ?」

偽「大阪だっつってっだろ!」

いい加減イラつくぜこのタコ!!

本当にお前を信用して良いのか!?

偽「荷物は大阪に行くんだな?香港やムンバイじゃなくて」

「イレス」

・・・。

まぁ良いか。

地球の歩き方によると、出国カードを書かねばならんようなのだが、

置いてあるのは入国カードのみ。

仕方ないので、書いて持っていく。

「コニチワ。アリガト」

あれで良いんだ・・・。

荷物を預けてスッカリ身軽になった我輩。

ショッピングといっても店なんて数えるほどだし、

本屋はなく、土産屋の片隅に雑誌が数冊置かれているだけ。

こんなところに後4時間もいなければならんのか・・・。

カフェに行ってコーヒーを飲み、16:00過ぎに土産を購入。

やっぱり土産は乗る寸前に買わないと邪魔になって仕方ないからねー。

おー、あっちはヨハネスブルグ行のゲートか。

世界最凶の都市ヨハネスブルグ。

いつか行ってみたいぜよ。

でもだいぶ遅れてるみたいね。

っていうか、どの便も遅れてる気がするのは気のせいか?

我輩の搭乗便のゲートがいつまで経っても表示されないのも気のせいだろうか。

もう出発まで1時間切ってるぞ。

そして何だか人が多くなってきてるのは気のせいか?

・・・なぁ~んてノートに書いてあるなぁ。

まだこの時は余裕が少しはあったんだよね。






-20分経過。






-40分経過。







まだ表示されない。

何だよこりゃ。

電車じゃあるまいし、さすがにどうなの?

っていうか、ロビーに人があふれてますけど。

心配になって係員を捕まえて聞くと、20:00発に遅れるとのこと。
                       ↑定刻は17:15発

バカな!!

ムンバイのトランジットに間に合わないのではッ!?

それでトランスファーデスクが長蛇の列なのか!!

慌てて並び、通りすがりの係員をまた捕まえる。

偽「この飛行機は遅れるんだよね?
  でもムンバイと香港でトランジットしなきゃいけないんですけど」

「O.K.ユードンハフトゥーキュー。ユードンハフトゥーキュー。
 呼びに行くからトランジットラウンジでウェイト」

並ばなくて良いんですか?

・・・。

とりあえずトランジットラウンジに行きますか・・・。

・・・。

本当に迎えに来てくれるのか?

ダメだ。

ノンキに座ってなんていられない。

ラウンジの人に聞くと、ゲート6に行けと言う。

ゲート6って・・・トランスファーデスクか!!

やっぱり並ぶのか!?

走る走る。

うを。

何やこのロビーの人の多さと長蛇の列は。

100人は並んでいるんじゃないか?

係員は3人しかいないし、今から並んだら間に合うわけがない。

とにかく係員を捕まえて聞きまくる。

「香港行きの便がある。それに乗れ。チケット?トランスファーデスクに行け」

「ムンバイに行け。そこでキャセイの他の便を探せ」

「何を言ってるんだ?オレにどうして欲しいの?」

「香港行きの便があるけどもう満席だ」

「君はシャア・アズナブルという人を知っているかね?」

「修正してやるぅ!!」

「ここからいなくなれーッ!」

どうしろっちゅうのよ。(T0T)

これは困った。

真面目に困った。

まさかこんなことになろうとは。

言葉もろくに通じないし、どうして良いのかも分からない。

日本人が全くいないこの空間に、これほど心細さを感じたことはない。

ゲート8では、ムンバイ行きのセキュリティチェックが始まっている。

・・・。

もうダメだ。

とにかくインドに行くしかないというのか・・・。

しかし、行きにトランジットした時の、ムンバイ空港の映像が脳裏をよぎる。

・・・イヤだ。

あんなわけの分からん空港で、誰かが助けてくれるとは思えない。

しかし・・・グズグズしてムンバイ行きにすら乗り遅れたら、

それこそどうなることか分かったもんじゃない。

ぐぬ~ッ。

ボムッ。(爆)

ムンバイ行き遅延が判明してからすでに3時間。

さすがの我輩の脳ミソも限界がきたようだ。

君に分かるか?

言葉がろくに通じない異国の地で、

この飛行機に乗ったら、

絶対乗り継ぎ便に間に合わなくて日本に帰れないのに、

万策尽きて並ぶしかなくなった我輩の気持ちが!!

もはや全てをあきらめ、無の境地に達しながらも、

最後の力を振り絞って尋ねる。

偽「これに乗ったら、ムンバイで、香港行きに間に合いますか?」

「NO。4:50発だろ?これは5:00着だ」

「何だ君はミストランジットなのか?」

だから3時間ずっとそう言ってるじゃない!!
(T0T)

「O.K.そこに座って待ってろ。便が無いか見てくる」

・・・おぉっ神よッ!!

ついに求めていた答えが返ってきました!!

えぇ・・・信じます。

神を信じますともッ!!

待機中、ついに日本人を見つけた。

お互い大変だよね~という話をしようと思ったら、放浪中の学生だった。

しかもろくに英語は話せないという。

チッ 役に立ってくれそうにはない。

係員が返ってくるまで、かなり待った。

「香港行きが良い。ムンバイに行ったら、2日待たないといけないし、
 君はビザが無いから、空港から出られない。席を取ってくるから待ってなさい。
 大丈夫、荷物は一旦出すから」

ホッ。

香港まで行けば、何とか日本には帰れそうな気がする。

偽「で、日本にはいつ帰れるの?」

「えーと、ちょっと待って。キャセイの最後の便は・・・あれ、16:20発?
 帰国は・・・27日ね」

NO~ッ!!

仕事が・・・仕事があるんですッ!!

キャセイの他の会社は?もう無いの?

「う~ん、16:20発が最後ね」

・・・まぁ仕方ないか。

っていうか、香港行きに乗れそうだというだけでも

ホッとし過ぎて倒れてしまいそうだ。

「ところで荷物を一旦出すんだけど、あなたタグは?」

偽「さっき彼(席を取りに行ってくれた係員)に渡したクーポンの裏」

「オーマイガッ。あなたはここで待ってなさい」

どうやらこの後、我輩の荷物探しに、かなり時間をくったらしく、

結局ムンバイ行きの便は5時間遅れで出発していった。

そして我輩はまたさらに待たされ、FLIGHT INTERRUPTION MANIFESTという紙を渡された。

何ですかコレ。

訳せませんけど。

コレが搭乗券なのか?

色々説明してくれるのだが、何にも分からない。

あの手この手を尽くしてくれているのは分かるが、ちょっと待ってくれ。

偽「えー、我輩はイエローマンキーだから英語がよく分からないんだ。
  えー、いいかい?まず、この紙はどこで見せるの?」

係員A、B「インホンコン!」「インホンコン!」

偽「どの会社に?」

「キャセイ」

偽「香港では、どこにいれば良いの?」

「我々がホテルを手配する。多分空港から10分くらいのノバホテルだよ。
 あ、日本行きは翌日発だから、荷物を忘れずにピックアップするんだ」

偽「誰かホテルに連れていってくれるの?」

「ケニアエアウェイズのスタッフが送る」

偽「O.K.まず、23:10発に乗るね?
  そして17:45に香港に着いて荷物をピックアップして、
  ホテルに連れていってもらって、もう一度荷物を預けて・・・チェックインは?

  

「ノーチェックイン。ディス(さっきの紙)イズボーディングパス」

そうなのか。

「よし、じゃあ行こう。新しいボーディングパスとタグを渡すよ」

偽「はい」

もはや言われるがまま、ゲート4に連れていかれ、新しい搭乗券を受け取る。

「君の荷物は、小さな黒いカバン1つだよね?ちゃんとあったから大丈夫よ」

お世話様でした・・・。

でももう荷物は良いから、とにかく日本に帰して・・・。

一旦セキュリティチェックを受けて待合室に入ったが、

しゃべり過ぎたせいか、咳が止まらなくなってしまった。

これはイカン。

ホントに咳が止まらない。

ムホッゲホッガハッ。

す・・・すいません、ちょっと出ても良いですか?

待合室を出てすぐの店でコーラを一気飲み。

し・・・染み入るな。

これで完全復活。

5時間近くバタバタしたケニヤッタ国際空港ともオサラバだ。

香港行きのKQ230に乗り込んだのは23:30。

こいつも1時間以上遅れてる。

ま・・・どのみち明日は香港までしかたどり着けないんだから、

遅れても何でも香港にさえ着いてくれればそれで良い。

ドサッ
↑座り込んだ音

ばっふぉー。
↑全身から安堵の息を吐き出した音

つ・・・疲れた・・・。

一生分はHong Kongと言った気がするな・・・。

とにかく疲れ果て、やっと安堵の息をつく我輩ではあったが、しかし。

神様はまだまだ試練をお与えになるのだった。

バンコクを経由し、香港までは14時間。

一旦出国となるので、出国カードを記入する。

前の席の男「あー・・・オレは日本に行くんだけど、これは書くのか?」

スッチー「空港から出ないの?ならいらないけど」

空港一泊。

何て恐ろしい響き。

ま、我輩には関係ないけどね。

何せ我輩には、ケニアエアウェイズの確保してくれるホテルがあるのだから。

今夜は久々に汗を流そう。

何せ都合3日風呂に入ってない。

ギャツビーで拭いていたとはいえ、さすがに不潔感は否めない。

香港国際空港には現地時間19:22に到着。

この時だね、一番ホッとしたのは。

香港まで来れば、後は何とでもして日本に帰れそうだから。

さてと。

当然誰かが迎えに来てるんだよね。

どこにいるのかしら。

航空機を降りてすぐのところにいたのはキャセイパシフィックの係員。

ホテルまで送ってくれるのはケニアエアウェイズの人だと言っていたけど、

とりあえず例の紙を見せて聞いてみる。

「どうして欲しいの?イミグレならあっち」

全く通じなかった・・・。

不穏な空気が・・・。

入国手続きを済ませて、空港のコンコースに出る。

ツアー客待ちと思われる人々が、名前を書いた紙を掲げて立っている。

当然このへんで待っててくれてるよね。

・・・。

どこやねん。

我輩が偽スナフキンですよ。

・・・。

いませんな。

どういうことだ。

とりあえずケニアエアウェイズのカウンターに行ってみるか。

しかし、ひと通り探してみたものの、カウンターが見つけられず、

迷ったが、オフィス棟に入ってみることにした。

ここって一般人が入って良いのか??

すれ違うスッチーさん達に変な目で見られながら、

階段を上ったり下りたりして、目指すはケニアエアウェイズオフィス。

ここか・・・。

コンコンッ エクスキューズミー。

・・・。

シーン。

ドンドンッ エクスキューズミー。

・・・。

シーン。

ダンダンダンッ!
エクスキューズミーなんじゃっ!!

・・・。

シーン。

どうなっとんじゃこりゃ。

わけ分かんねー。

しかも帰り道が分からんぞ。

・・・お。

これはJALのオフィスじゃないか。

聞いてみよう。

ピンポーン。

偽「あぁすいません、JALのことじゃなくて申し訳ないんですけどね・・・」

「Can you speak English?」

こちらの方でしたか・・・。

偽「えーまず最初にね、我輩のプランはこうだったんですよ。
  
  でもね、この飛行機が遅れて
  こうなってね
  ホテルを用意してくれると言われてここまで来たんだけど、
  オフィスに誰もいなくて、帰り道も分からないし、
  どうしていいか分からない迷い子なんです」

「ホテルの名前は分からないの?オーマイ・・・」

「ケニアエアウェイズのカウンターに行ってみたら?エリアEにあるよ」

あったのか。

帰り道まで教えてもらってしまった。

さすがJAL。

世界品質だ。

さて、エリアEは・・・うを。

ケニアに物品を持って帰るのだろう。

大量の黄色い馬鹿デカイ荷物をカートに載せた人々が山ほど並んでいる。

こいつぁ時間がかかりそうだ・・・

と思ったら、キャセイの係員が声を掛けてくれた。

「チェックイン?」

偽「いや実は、最初にね、我輩のプランはこうだったんですよ。
  
  でもね、この飛行機が遅れて
  こうなってね
  ホテルを用意してくれると言われてここまで来たんだけど、
  オフィスに誰もいなくてここに来た次第で」

「O.K.ファロミー」

何と電話で確認してくれてる。

素敵♪

これでようやくホテルに・・・。











「ノーホテルフォーユー」












は?

一瞬頭が空白になり、何かが壊れた。

ノーホテルフォーユー・・・。

そうですか・・・ありませんか・・・。

茫然とする我輩を哀れな目で見ながら仕事に戻る係員。

もう抗議する力もない。

その時、わずかに残っていた冷静な理性が叫んだ。

あのもらった紙は!?

ちゃんと日本行きには乗れるのか!?

今すぐ確かめるんだ!!

アサンテ理性!

慌ててキャセイのカウンターにダッシュ。

偽「これはボーディングパスなの?」

何やら手続きが始まったぞ。

メチャクチャドキドキする。

「オリジナルのチケットは?ボンベイ行きに乗るハズだったの?」

偽「あぁ・・・えーまず最初にね、我輩のプランはこうだったんですよ。
  
  でもね、この飛行機が遅れて
  こうなってね
  で、この紙をもらったわけで、ノーチェックインなわけ」

「O.K.ウィンドウorアイスル?ウィンドウね?はい、じゃあこれがチケットね」

見慣れたボーディングパスだ。

っていうか、やっぱりあれはボーディングパスじゃなかったのか!!

しっかりしてくれよケニアエアウェイズ!!

オレのホテルはッ!?

シャワーはッ!?

ベッドはッ!?

ぐがぁぁっ!!

しかしあの人たちの協力が無かったら香港まで来れなかったわけだし・・・ぬ~っ。

この葛藤、どこにぶつければ良いのか。

いや、ぶつける気力ももはやない。

ホテルを探す力もない。

今夜は空港一泊だ。(T_T)

う~ん・・・空港一泊とはいえ、まだ19:30。

とりあえずせっかく香港に来たんだし、見物ぐらいはね。

夜景が有名じゃなかったっけ。

当然香港のガイドブックなんて持っていないので、観光案内所のパンフを読む。

っていうか荷物が多いのがイライラしてきた。

空港にはロッカーがなく、

荷物預かりに預けて余計なトラブルに引っ掛かるのはもうごめんだ。

捨ててやるわッ!!

大体何で会社の土産をぶら下げて、あっちこっち歩き回らねばならんのだ!!

コイツも捨ててやろうかッ!!

あぁ・・・いやいやイカンイカン。

会社は休むわけだから土産は持ち帰らないと・・・。

もう精神が壊れそうですよ。

結局25:00過ぎまで香港をフラフラと歩き、

ケニアエアウェイズの用意してくれた素敵なホテルで一泊という運びとなった。

はぁ・・・。

何でこんなところで寝るんだっけか。

機械の体さえあれば・・・。

機械の体さえあれば・・・。

・・・ガクッ  Zzz













































香港国際空港の、飛行機の模型の手前にあるベンチ。

そこに座ると、なぜか濡れてしまうという。

それは、ホテルを探す気力さえ失って、

己の無力さに涙した、偽スナフキンの涙だと人は言う。

銀河鉄道999、次回は、世界のどこかに停まります・・・。

<完>

戻る  旅行記選択ページへ


行程表を見る

1日目 2日目 3日目

4日目 5日目 6日目

7日目  8日目

旅行記選択ページへ  TOPへ