24 Shaw-

あまり寝れなかった・・・。

チェックアウトすると、ロビーでドライバーが待っていた。

昨日までのガイドじゃない人。

違う人が来ると知っていたら、ちゃんとありがとうの挨拶をしたのに・・・。

無念だ。

ベン・グリオン国際空港までは、約1時間。

高速道路を突っ走っていくわけだが、きれいな路面に、しっかり立っている街路灯など、

流れる景色は、日本の高速道路と変わらない。

うとうとしかかった頃に、空港に到着・・・の前に。

チェックポイントがあって、ライフルを持ったソルジャーから検問を受ける。

「イスラエルには何しに来たのか。一人かグループか。荷物は何個か」

など。

やっぱりメンドクサイチェックが沢山ありそうだ・・・と思うだけでゲンナリするぞ。

ジェントルガイドは、入国よりは簡単だと言っていたけど、

地球の歩き方を読む限りでは、出国もかなり大変そうなことが書いてあるからな。

大変だと思っておいた方がよかろう。

っていうかさぁ、入国審査が厳しいのはまぁ分かるけど、何で出国手続きが厳しいんだ?

理解できん。

出てしまうんだから、放っておいてほしいものだ。

明け方の便だから、人が少なくてスイスイ出国できるもんだと思っていたら、かなりの列になっていた。

明け方だから空港係員が少ないという展開か?

むむむ、勘弁してくれ。

まず、預け荷物保安検査のため、3列に並ぶ。

これがなかなか進まない。

また、並んでる最中に、空港関係者か公安かは分からないが、質問を受ける。

「何でイスラエルに来たのか。一人かグループか。イスラエルにはどうやって来たのか。イスラエルには何日いたのか。トータルで何日の旅行なのか。イスラエルに知り合いはいるか。荷物は自分で詰めたのか。ずっと荷物のそばにいたか。他の人が触った可能性はないか」

など。

一人目に説明し終えると、もう一人違う係員を連れてきて、同じ質問をされる。

横で一人目の係員がじっと聞いているので、矛盾があると逮捕されるのだろう。

ちなみに、事前調査で見た、「日本語の質問ボードに指差しで答える」ということは無かった。

基本的な英会話能力は必要だろうか。

やたらに早口だったのには参ったわい。

ちなみに、これは以前言われたのだが、

我輩は、単語の発音だけは人並みらしいので、それだけを聞いていると、英語が話せるように思えてしまうらしい。

ほれ、マネーチェンジプリーズとか、基本的にこっちから発信する会話は単語だけだからな。

そして会話を始めてから、文法がメチャクチャであることを知る、と・・・。(T_T)

何とも悲しい話だ。

同じように勘違いしてかどうかは分からんが、前に並んでたジイさんが結構話し掛けてくるので、

我輩は全英会話能力を駆使して、適当に会話を繰り広げたのであった。

保安検査を受けると、次は台の上でスーツケースの内部検査。

袋という袋は全て開け、青い棒で調べまくられる。

散らかすだけ散らかして、ハイ終わり。

着替えなんかは圧縮できる袋に詰めてあったので、片付けるのに手間取った。

これでようやくチェックイン。

まだチェックインですよ。

すでに相当な精神的な疲れが・・・。

カフェで朝飯でも食ってゆっくりしたいところだが、これからまだまだチェックがあるに違いない・・・

っていうか、まだ出国審査すら済んでない。

まっすぐ手荷物検査に進む。

これまた預け荷物検査以上に進まない。

さらに、搭乗時刻が早い人が優先されてどんどん横入りしてくるので、いらつくことこの上ない。

検査はというと、マンツーマンで、手荷物を全て出し、袋は全て開け、やはり青い棒で調べまくられる。

これは時間が掛かるわけだよ。

これが終わると、ようやく出国手続き。

ここでは何も聞かれなかった。

このスタンプをもらうまでに要した時間は2時間30分。

こんなことで間に合うのか!?

と、随分イライラしたので、精神的に疲れ果てた。

結局ろくに土産を買う時間なんて無く、適当に買い物をして、イスタンブール行きに飛び乗った。


↑土産物を買う時間なんてなかったベン・グリオン空港ロビー

機内では爆睡・・・とはいかない。

イスタンブールでのトランジットは8時間待ち。

この間に、イスタンブールの見所をいくつか回りたい。

出発2時間前には空港に戻るとして・・・市内までは片道45分か・・・。

・・・。

全然時間ないやん!!

これは最強に効率よく見て回らねばならん。

観光順路をメモ書きし、久々の弾丸ツアーに燃えてきた頃、イスタンブールに到着した。

まずは入国審査だ。

猛烈に急ぎながらも、かつ紳士的に、審査場へ速歩き。

そう、水に浮かぶ水鳥が、見えない水面で思いっきり水をかいているかの如く、

いかに急いでいようとも、見た目はあくまで紳士に!

すると、審査場は、10ぐらいゲートがあるのに、1つしか開いていなかった。

当然時間がかかるわけで。

いやいや、紳士に・・・できるかー!!

もっと仕事しろや!!

イライライライライライライラ・・・

しかも我輩の番になって、突然沢山ゲートが開いたり、

トルコ人用のゲートを解放したので、怒りはさらに高まったのであった。

イスタンブール、アタトゥルク国際空港から市内までは、電車とトラム(路面電車)を乗り継いで約45分。

車窓にはモスクとしゃれた街並が流れる。

ヨルダンのアンマンとはまた全然違ったイスラムの街に見入ってしまい、

わずかな時間しかないのがとても惜しくなった。

が、時間が無いからこそ、濃密に過ごしてやるんだ。(燃)

スルタンアフメットという市街地の中心駅で降り、まずはスルタンアフメットジャーミィ(ブルーモスク)へ。

イスタンブールといえば、いつも表紙を飾るのが、このブルーモスクだ。

チッ完璧に逆光だ。

普通、教会なんかは、正門を東に向けて建っていることが多いから、早い時間の写真は上手くいくんだがな。

イスラム教は違うのか。

あまりに並ぶようなら中はカットしようかと思っていたが、すぐに入れたので見学。


ちなみに、モスクを異教徒に解放しているのは珍しいことなので(しかも無料)、

今後もしてもらえるよう、敬虔な姿勢で見学しような。

特に日本人。

次は隣にあるアヤソフィアだ。

飛行機の中で書き出したメモを見ながらテキパキ歩く。

モチロンしょうもないセールスの相手をしている時間などない。

「やぁ。私のオジサンは日本で仕事をしているんだ」

カチャシャキューンカチャカチャ
↑ふた開け撮影ふた締め

偽「ふーん」

カチャシャキューンカチャカチャ
↑ふた開け撮影ふた締め

「・・・」

カチャシャキューンカチャカチャ
↑ふた開け撮影ふた締め

「私は日本語が喋れるんだ。絨毯に興味ないか?近くに店が・・・」

偽「日本語が話せるんだ。グゥーッド。
   じゃあ放っておいてくれ」

「放って・・・?」

偽「Leave me alone.行っちまいな」

「・・・ちっ」

もっとお勉強しておいでクソヤロウ。

おっと言葉使いがよろしくないわ。

もっとお勉強していらして下さいウ○チ様。

日本語を話せるウサンクサイ輩が沢山いたな。

誰に話すでもなく、でっかい声で日本語を発して、こちらが反応するかを見ているフシもあった。

当然我輩は全て無視してスリランカ人を装っていたわけだが。

アホに話しかけられたせいで、アヤソフィアに行くつもりが、トプカプ宮殿に着いてしまった。

宝物殿やハーレムが見所らしい。

ダッシュで見てしまうか。

といっても、以前から、宝物殿などのキラキラ展示物なんてあまり興味が無い我輩は、

ゆっくり並んで見ている人たちを横目に、サササッと見学した。

ハーレムも有料だし写真撮れないし大して興味ないのでパス。

←建物の装飾はきれいなのだ。

そんなものより、奥の方にあったテラスからの、ボスポラス海峡の眺めがすばらしかった。

我輩はこういう大型船が行き来するのを見るのが大好きなのだ。

また、旧市街の景色も見れる。

奥にあるスレィマニェジャーミィにも行きたいのだけど、時間が足らないな。

これだけの景色が見えれば満足だ。

すでに時間がかなり押しているので、ボスポラス海峡を見るために行く予定だったポイントはカットしよう。

続いては、今度こそアヤソフィア。

中は改修中で、かなりガッカリ。

ササッと見たら、近くにある地下神殿。

正確には、神殿じゃなくて貯水池らしい。

ここはかなり見たかった場所。

なかなか雰囲気のある所だ。

本当はゆっくり見たいんだが、マジで時間がない。

写真撮りだすとキリがないわい。

あまりに急ぎすぎて、メデューサの石柱とやらを見逃した。

入るまでは覚えていたのにな。

これも老いであろう。

さて、残った時間でどうするか。

写真も撮りたいが観光もしたい。

正月のイタリアフランス旅行からの流れで、特に博物館は見てみたい。

この欲求を最大限に満たさねば帰れない!!

そこで、ブルーモスクの向かいにある美術館から写真が撮れそうなので、

そこから写真を撮り、最後に考古学博物館を回って、ギリで空港に滑り込む、というルートを設定。

まずは美術館へ突入した。

展示物はそこそこに、ブルーモスクの写真は・・・うーむショボい。

木が邪魔でロクな写真など撮れないから、この美術館はスルーでも良かろう。

俯瞰写真はどこから撮ってるんだろうな。

まぁ仕方ない。

結局真正面から撮ったのが一番良かったな。


逆光がずれてくれて良かった良かった。

とりあえずこれが撮れれば良しだ。

考古学博物館へ速歩き。

アレクサンダー大王の棺があるらしいのだ。
←真偽のほどは謎らしい。

時間がない中ではあったが、何とか目的のものを見て、トラムに乗り込む。

あっという間のイスタンブール観光は、こうして嵐のように終わった。

さらばイスタンブールの街並み。

往きと同じくトラムと電車を乗り継いで、空港に着いたのは出発の丁度2時間前。

我ながらパーフェクトなスケジュールだ。

荷物は預けっぱなしだし、チケットもあるから、出国手続きだけ。

昨夜のベン・グリオン空港での手続きを思えば、あっさりし過ぎてて、

思わず「神よ、我に七難八苦を与えたまえ!」と祈ってしまいそうだ。

「はーい、では皆さん集まってくださーい。飛行機は1時間以上遅れるそうですので・・・」

どこぞのツアーガイドの声が・・・。

ま・・・まぁ日本のどこか違うところへ飛ぶ便だろう。

「えー、成田からの乗り継ぎは大丈夫なんですかー?」

・・・。

(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル

神よ!

まさかこんなに早く祈りを聞き届けて下さるなんて!

ヒマなんですか神様ッ!!























・・・Delay!

( ゚∀゚)o彡゚・・・ディーレーイッ!

( ゚∀゚)o彡゚・・・ディーレーイッ!

( ゚∀゚)o彡゚・・・ディーレーイッ!

ギャース!!

またかよコレ!!

あんまり遅延が多いと、

計画的に狙って余計に休み取ってんじゃねぇかと悪い噂が立つじゃないか!!

15:30の予定が19:30になり、19:00になり、しかしやっぱり21:00になり・・・。

トルコ航空から支給されたサンドイッチとコーラを飲みながら、我輩はひたすら神に懺悔した。

アーメンソーメンヒヤソーメンッ!

もう余計なことは言いません!

とにかく飛ばしてください!

キャンセル・・・キャンセルだけは何とぞご容赦を!!

何だよ遅延と分かってたらもっといっぱい見れたのによぉなんて言いません!

とにかく月曜日に出社させて下さいッ!!

こうして我輩の必死の祈りによって、何とかトルコ航空は、21:30、イスタンブールを後にしたのだった。

何だよ、明日一日見れるかもと思ったのによぉ。

あぁいえいえ神様!

そりゃあもう!!




<完>

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