20 Shaw-
6:00起床。
今日は7:00出発と、比較的早い。
かつての我輩なら全然早くないのだが、
最近のダレまくりな我輩にとっては、少々早い時間である。
片付けを済ませ、サササッと、しかし欲しいものはしっかりと朝食を食う。
何しろマリオットのブレックファースト。
美味いのである。
定刻に出発。
「ペトラバイナイトには行ったのかい?」
偽「行ったよ。ベリーグッド(君が何をしていたのかは、あえて聞かないがね)」
「タクシーで行ったんだろ?いくら払った?」
偽「20」
「おーまいがっ。片道最大5ディナールと言ったろ?」
偽「コンシェルジュにアレンジしてもらったら高くついたよ」
などと昨日のことをぼやきながら、ペトラの谷の写真撮影。
神殿などは、この角度からは見えない。
上手く作ったということか。
今日は、まずリトルペトラへ行く。
このあたりは山間の町で、バックに見える山がイカツく、とても旅情がある。
町を抜けると砂漠になり、砂漠の中にリトルペトラがある。
名前の通りとても小さな遺跡(?)で、入口から奥まで10分ぐらい。
こんなのがあるわけだ。
他には特に見所は無さそうなので、サクッと見て終わり。
ここからワディ・アラバという谷を抜けて、今日は死海経由でアンマンに戻るルートになっている。
「谷」というだけあって、高低差はすごく、車窓は素晴らしい。
もしかしたら、写真好きな我輩のために、このルートを選んでくれたのかもしれない。 見よ、この見渡すかぎりの砂漠を。
これだよ、我輩が世界で見たいのは。
日本に無い景色が見たいのさ。
と、ここで中東諸国の話になった。
我輩は今回ヨルダンとイスラエルに来たのだけど、中東で他に行きたい国は無いのかと。
正直、「中東」といっても、どんな名前の国があるか、程度のことしか知らん。
位置関係すら曖昧。
よくよく考えてみれば、地図帳でこのあたりをじっくり見たことなんてない。
そこで色々聞いてみると、ドライバーいわく見所があるのはイエメンとリビアだそうだ。
「ベリーベリービューティフル。特にイエメンが良い」
イエメン・・・。
偽「ちょっと危ない国?」
「ウム。でもリビアは危なくない」
そうなのか・・・。
何があるのか思いつかないから、あまり興味がわかないぞ。
ちなみに、一番自由な国(宗教的な意味で)は、ヨルダンだそうだ。
「ホテルの美人な従業員は普通の服を着ていただろ?」
ふむ。
確かに、ヨルダンの女性って普通の格好してる人が多いのよね。
これは偏見だが、アラブの女性は、みんな「ブイブイ」を着てると思っていたよ。
「でもサウジアラビアは、そうはいかない」
サウジアラビアはイスラム教の開祖ムハンマドの生まれた国で、
イスラム教の戒律を厳格に守らなければならない。
他のアラブ諸国では、観光客には「出来るだけ」努力するよう要請されている程度だが、
サウジアラビアでは、旅行客でも、イスラム教の戒律を守らなければならないらしい。
宗教警察がいて、違反すると即逮捕なんだと。
特に女性にはタブーが沢山課せられるとのこと。
詳しく知りたい人は、ウィキペディアでサウジアラビアを調べてみるといい。
サウジアラビアといえば、イスラム教の三大聖地のうち、メッカとメディナがある。
モスリムか団体ツアー以外は入れないと聞いたことがあるな。
今回の旅でキリスト教の三大聖地訪問は達成するが、イスラム教の方は行く予定が無い。
あまりにも馴染みが無いから、わざわざ行くという選択肢が無いといえるね。
今のところ。
しゃべり終える頃、ようやく谷を下り、砂漠の景色になった。
たまに羊を連れたベドウィン(遊牧民)がいる。
道路脇ではラクダが枝の葉を食っている。
まるでケニアのマサイのようだなぁと思っていたら、
ドライバーが「ここからの景色はアフリカツアーだ」 と言った。
まさにそんな感じだ。
さらに行くと、ドライバーが「ここからはミリタリーゾーンだから写真を撮るな」 と言った。
軍人の立つチェックポイントを通過して、北上していく。
たまに駐屯所のような小屋があり、屋根にマシンガンのついた四駆が、1台ずつ停まっている。
遠くには紅白に塗り分けされた監視塔があり、ここが国境であることを伝えている。
今まで、ユーロ圏の、国境っぽくない国境しか見たことがないから、
この眺めというのは少々緊迫感が・・・あ・・・る・・・Zzz・・・。
ハッ。
緊迫感のかけらもねぇ。
写真を撮らないと眠くて仕方ない。
まぁやむなし。
Zzz・・・。
ハッ。
気が付いたら死海が見えていた。
このあたりは海抜マイナス400メートル。
そこいらの海底より低いところになるわけだから、地球というのは奥深い。
ちょっとだけ湖畔(?)で写真撮影。
霞んでなければ、イスラエルの山が見えるそうだ。
・・・。
ハエが多いなここはッ
イラつくぞ!
早く行こうぜ!
あ、お前窓開けてたのかッ
ハエめっちゃ入ってるやんけ!!(怒)
ハエを追い出しながら、死海のリゾートに到着。
ここで、死海の浮遊体験が折り込まれているらしい。
水着に着替えていざ死海!
をおー。
本当に浮くわコレ。
水の上に大の字~♪
いや~浮き輪もないのに、浮いてるよ。
つい1ヶ月ほど前に、救命具をつけて、西表島の滝壺で同じようなことをしたけど、
何も着けなくてもこんなに浮くってことが、馬鹿馬鹿しくて楽しい!(笑)
ぷかぷか~。
・・・。
さ、飽きた。
次だ次。
我輩は厳しいのだ。
ちなみに・・・水の上に立つことは出来なかった。
当たり前か。
立てたら水に入れないもんな!
そして擦り傷がある人は止めた方が良いのかも?
我輩はヒゲソリのカミソリ負けしたところが結構しみた。
ちょっとだけ舐めてみたら、塩辛いというか、苦かった。
ダメと書いてあっても、やってみたくはなるわな。(笑)
んで、メシを食って死海の土産を買ったら、アンマンへ。
ドライバーはこれから3時間かけてシリアへ別の旅行客を迎えに行くそうだ。
明日は違うドライバーが来るらしい。
再びマリオットにチェックインし、ドライバーはシリアへ、我輩はアンマン観光へ。
そんなに沢山見所があるわけじゃないから、半日あれば何とかなるな。
まずはタクシーでダウンタウンのローマ劇場へ向かう。
よし、ちゃんとメーター倒したな。
タクシーは、正直、日本ですら信用していないのでね。
ちょうど祈りの時間なのか、開けた窓から
いくつかのモスクからアザーンが聞こえてきた。
モスリムが多い街に来たのは初めてなんだが、
このアザーンというのは、異国情緒を強く感じさせるな。
「アッラーアクバル(アラーは偉大なり)」
と言っているらしいが、
場所によって全然音階も違うし、何度聞いても聞き取りは出来なかった。 ちなみに後日聞いたら、アザーンはコーランを読んでいるわけではないんだと。 礼拝に来なさい、という呼びかけなんだそうだ。 確かにドライバーがかけていたコーランのCDはとてつもなく長かったからな。 ローマ劇場へは割に遠かったが、3ディナールぐらいだった。 昨夜のタクシーがいかに高かったかということだ。 劇場は、半円形。
まぁ特に見るべきものはない。
チ。
上手く撮れん。
こういう時は超広角の出番なんだがね。
めんどくせ。
隣にも小さな劇場が。
金払ったし見てみるか。
一見小さな劇場だが、音響効果がすごい。
女の子が壁に向かって「ハロー」と言うと、
反対側の壁ぎわにいる我輩の耳元で声がするのだ。
また、中心で声を出すと、エコーが効いて、
我輩のエェ声~♪が、エェ声~♪になるのだ。
すごいもんである。
続いて、丘の上にあるらしき、アンマン城へ行ってみることにする。
めんどくさいから、遠めの写真で済ませようと思ったんだが、時間があるのでね。
歩いていくにはダルそうなので、ヘイタクシー。
アンマン城といっても、城があるわけじゃなく、 神殿跡と、考古学博物館がメイン。
考古学博物館には、死海文書というのがあって、
コイツは発見経験値1118でカード発見経験値が260・・・あぁいやいや。
こっちの話だ。
これは昔の人が聖書などを写経したもの。
口頭伝来でしかなかった聖書の内容が、膨大に発見されたことは、スバラシイ発見だったそうだ。
かなり小さくてショボい博物館だが、これだけを目当てに沢山の人が来るのであろう。
近々新しくオープンする場所に移るそうだ。
ここで十分だと思うがね。
博物館はサラッと見て、期待の眺望はというと。 高台になっているので、バッチリアンマン市街が見渡せる。
丘を開拓して作った街なのかね。
何となくリスボンっぽい眺めだ。
タクシーが見当たらなかったので、ダウンタンの方へ歩いて下る。
ダウンタウンはまさにダウンタウンというか、
谷の底にあって、いかにも下町風な街並。
そこにあるレインボーストリートを歩いてみた。
ダウンタウンにあってはハイソなストリートであったが、まぁ普通だ。
カフェに入り、スポーツバーのようなレストランでピザを食い、
とにかくダラダラとダウンタウンを歩いた。
そして、いい加減疲れてきたところで、マリオットに戻る。
記念に、と玄関口でマリオットの写真を撮ったら、
注意されて、データを消すように言われた。
外国資本の高級ホテルは警備が厳しいのである。
さて・・・明日はいよいよイスラエル入国だ。
体力温存のため、早めに休むことにしよう。
Zzz・・・
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