23 Shaw-
今回の旅の最終日。
いや、我が城に着くまでが旅だとすれば、
実質的にはまだ最終日ではないのだが、エルサレムは最終日だ。
正直なところ、昨日かなり意欲的に観光してしまったので、
急いで回らないといけないわけじゃない。
とりあえず、昨日長蛇の列になっていたイエスの墓に入ってみよう。
8:00の開館に合わせて出発。
・・・。
あ。
今夜23:50に迎えにくるってことは、チェックアウトしておかなきゃ?
ナイス気付きオレ!
慌てて部屋に戻って荷物をまとめ、
レセプションで荷物を預かってもらうよう頼んだら、
出発まで使っても良いよ、とのこと。
さすが高い旅行だけあって、ぬかりないな。
また部屋に戻って、必要な荷物だけ持って出発。
チ、遅くなっちまったい。
てくてく。
イスラエルはアジア人を見下してるって聞いたけど、そんな感じはないなぁ。
「ハロー」
ホラ、こんな感じで、見た目がどうしようもなさそうなガキでも挨拶をくれる。
偽「やぁハロー」
「ファックアップ」 凸(-_-)
・・・ストレートにきやがったな。
まだ高校生ぐらいじゃないのか?
ナメおって。
一番へぼそうな奴がニイハオニイハオしつこいので頭にきた。
偽「おい、ニイハオはよろしくない。我輩はスリランカ人だからハローと言え」
「お・・・おぅソーリーハロー」
偽「グッド」
意外に素直じゃないか。(笑)
なぜスリランカが浮かんだかは謎だ。
ダマスカス門から旧市街に入り、狭い路地をウロウロと聖墳墓教会まで歩く。
もう慣れたもので、普通に着けてしまうわけだが、
せっかくだからと、適当に曲がったりしてみる。
すると、こんな景色があるわけだ。
何でも歩いてみなきゃねぇ。
アルメニア教会を通り抜けると、聖墳墓教会前に出た。
丁度良い。
人のいないうちに色々と写真を撮り、墓に行ってみると、清掃中だった。
長いこと待ち、後ろに並んでるどこかの教会の団体ツアーに
抜かされまいと必死に抵抗して、見学した内部はこんな感じ。
ほむほむ・・・。
中は狭く、5人ずつぐらいで入れてもらえる。
見学したら、どこかの教会の団体ツアーを取り仕切る宣教師のように、
いつまでも写真を撮ってはいけません。
後ろの人の迷惑になるんでね。
っていうか、お前聖職者だろ。
観光客みたいに写真撮ってるけど、そんなことでいいのか。(笑)
しばらく墓の入口前で写真を撮った。
そして、次から次へと、世界各国からやってきた観光客や
巡礼にやってきたクリスチャンが墓に吸い込まれていくのを、不思議な感覚で眺めた。
もう一度教会内を見て回り、
昨日ガイドから聞いていた、墓の庭園とやらに行ってみる。
丁度ホテルから旧市街への途中にあり、ルート作りにミスった感強し。
ここは何かというと、
ここがゴルゴタの丘(もう覚えたか?イエスが磔刑に処された丘だ)だとする説もあるのだ。
というのは、ゴルゴタの丘とは、「シャレコウベの丘」という意味で、
アダムのシャレコウベが埋まっている丘だとされているそうだ。
磔刑の宗教画の、十字架の下に、シャレコウベが埋まっているのは、そういうわけなのだ。
で、見て御覧なさい。
これがシャレコウベっぽいから、ここがゴルゴタの丘なんだとさ。
うーむ・・・ホンマかいな。
確かにシャレコウベっぽいが、いつからシャレコウベっぽいのだろう。
ま・・・まぁ良いや。
一応(一応と言うと失礼か)、イエスが葬られていた墓もある。
エルサレムの土産をまだ買っていなかったので、
ここで木製表紙のシブい聖書を買った。
一度ちゃんと読んでみたいが・・・これは英語だから無理だ。(笑)
さて。
一旦ホテルに聖書を置いてから、オリーブ山へ行くことにしよう。
昨日見てない場所がいくつかあるからな。
旧市街の壁の外を歩いた方が早いのだけど、あえて旧市街を突っ切っていく。
すると、神殿の丘から、金曜日の礼拝を終えたモスリムが山ほど出てきた。
狭い路地はモスリムのアガールとブイブイであふれ返る。
そうか。
クリスチャンの人々がイエスの墓にお祈りしている間に、
ほんの少し離れた神殿の丘では、数百のモスリムがアッラーに祈っていたのか。
世界規模じゃなく、一つの小さな町の中で、これだけの違いがあるのだから、
世界は面白いなぁと思う。
ライオンゲートから真っすぐにオリーブ山へ。
麓にある教会が目に留まり、地球の歩き方で調べたら、マリアの墓があるという。
入ってみると、いきなり階段で、
3階分ぐらい下ったところが広くなっていて、そこにマリアの墓があった。
棺の中に触れられると書いてあるが、
プラスチックに囲われていて、触れることは出来なかった。
丁度、我輩が出たところで、お昼の閉館。
良いタイミングだったな。
そこから延々、きつめの坂を上る。
昨日こんなに急だったか!?
かなり疲れてまでオリーブ山の上に来たのは、景色を見るためではない。
イエスが、死後に復活し、天に飛び去ったとされる岩があるらしい。
それは、小さな、モスクのような中にあって、こんな感じ。
うーむ・・・確かに足跡のような窪みが・・・。
うーむ。
さ・・・さて、腹が減ったぞ。
お腹が空いたらスニッカーズ♪
ふははは、これこそ我が旅のスタイル。
最終日にして、ようやく本来の旅になってきたぞ。
昨日に続いて、景色の良い公園で、
内から沸き上がる力を感じつつ、写真を撮っていて思い出した。
そうだ、せっかく広角レンズを持ってきたんだ。
昨日とは違う写真を撮ろう。
ゴミが入らないよう、入念に、かつ素早くレンズを交換。
おー、確かに広く写る。
でも遠景には向いてないな、コレ。
とかブツブツ言いながら写真を撮り撮り、オリーブ山を下りる。
死海文書のあるエルサレム博物館に行ってみたいのだけど、
今日は休館日なので、旧市街の近くにあるロックフェラー財団の博物館に・・・
ってここも休みかい。
じゃあ仕方ない。
今日は旧市街を歩き回って終わりにしよう。
他の町に行くっていっても、そんなに大した所は近場にはなさそうだしな。
ローマ門から、モスリム地区に入る。
金曜日はイスラム教の安息日だから、
閑散としているかと思ったら、そうでもない。
ただ、そのせいか、ガキが多い。
かまって(からかって?)くる奴もいて、めんどくさい。
しかし、カメラを向けると、「ノーノーッ!」 と言って、必死に抵抗する。
そして二度と寄り付かなくなった。
教義的にまずいんだろうな。
悪いことをしたかしら。
どんどん歩いていったら、迷ってしまった。
通りには柵があって、ライフルを持ったソルジャーが立っている。
方角的に、神殿の丘に近いからかな。
Uターンしてまた適当に歩いていたら、
ガキが遊んでいる居住区に入り込んでしまった。
真っすぐ歩けば、旧市街からは出られそうだけどな。
また適当に歩いていたら、ガキが寄ってきた。
「どこに行きたいの?教会?」
小遣い稼ぎか。
まぁいいや。
マハムード(こいつもマハムード)というガキと道なりに真っすぐ歩いていったら、
聖墳墓教会の近くに出た。
1シェケルくれてやる。
「なんだよー」
やかましいわ。
てくてく歩いていると、マーケットの脇にある高い鐘楼が目についた。
これは上れるんでないか?
ほう、やはり上れるのか。
あと15分で閉めるというから、急がねば。
上からは、神殿の丘、聖墳墓教会など、旧市街のひしめきあった建物が見渡せ、
危うくこの眺めを見逃すところだった準備の無さを反省した。
広角レンズをつけたのは、ここでは正解。
しっかり収まってくれる。
一長一短やのぅ・・・。 塔を下りたら、聖墳墓教会の中を広角レンズで撮ってみる。
こんなに違うのね。
ふむふむ、どんどん撮ってみよう。
また旧市街に戻り、コーラを飲み飲み歩いていくと、
ベネディクト派の行列が十字架を担いで歩いてきた。
ヴィアドロローサを、十字架担いで歩くというのは、きっと特別な思いがあるのでしょうな。
嘆きの壁は、観光客は入れなくなっていたので、昨日の場所から写真撮影。
もうちょっと早くくれば良かったなぁ。
まぁしゃあない。
もう来ることはないだろうから、嘆きの壁と神殿の丘を目に焼き付けておく。
これまでいろんな景色を見てきて、よくテレビでやってる、 一度は見たい世界遺産みたいな番組でもよく写る景色を何回も見てきた。
しかし、この眺めは、今までのどんな景色よりもすごく印象に残る眺めだ。
我輩が海外にハマリこむことになった、エディンバラの眺めよりも。
壁に祈るユダヤ教の人々の背中を見ながら、エルサレムに来て良かったなぁと
しみじみ思いつつ、ゆっくり景色を眺めている自分に気づいて、
落ち着いたんだかこれも老いなんだかと、ちと苦笑してしまった。
そして、色んな路地に入り込みまくりながら、ぶらぶらと旧市街を散歩。
完全に観光エリアじゃなくて居住区だな。
さて、いよいよ日が暮れてきたので、少し早いがディナーにしようか。
出発まで、少し眠っておきたいのでね。
レストランを求めて新市街へ歩いていく。
と、ユダヤ教正統派の人々が、我輩と入れ違いに、どんどん旧市街に入っていく。
何かあるのかな。
・・・。
せっかく最後の夜だから、街のレストランじゃなくて、旧市街のレストランにしようか。
すぐさまUターンでヤッフォ門から旧市街へ。
ところが、レストランも軽食も全て閉店済み。
ユダヤ人地区の通りは、柵があって通れない。
昼間あれだけ賑やかだったバザールも御覧のとおり。
うーむ・・・。
結局、店じまいをしている旧市街の通りを歩いて、ダマスカス門から出てしまった。
今さら新市街に行くのはめんどくさい。
結局、ホテルに帰りながら、コンビニみたいな店でお菓子を買った。
締まりが悪いなぁ。
ま・・・いいでしょう。
では出発までお休みさせていただきますかね・・・。
Zzz・・・ |