20 Ago-

夜中に何度か目が覚めた時には何ともなかったのに、起きたらやっぱり息苦しく、軽く頭痛がする。

チッ。

いまいましい。

結局なかなか起き上がることができず、7:00過ぎにようやく起床。

これまたグズグズと支度をしていたら、セーフティボックスが開かねー。

朝っぱらから腹の立つ・・・。

従業員を呼びつけ、開けてもらってからメシ。

今朝もササッと少量をかきこむのみとした。

まだ少し時間があるな。

散歩でもするか。

快晴で実に気持ちいい朝だ。

空が青いなぁ。
←カテドラル

よほど空気が澄んでいるに違いない。


↑これはコンドルの丘。プーノが見渡せるらしいが、行く時間が無い。

メインストリートをテクテクと歩き、戻ったら丁度良い時間。

チェックアウトし、お迎えの車で港へ。

今日は、午前中はチチカカ湖の浮島へ行き、午後は飛行機でリマに帰るというスケジュール。

ガイドに連れられ、クルーザーでいざ出発。
←こんな感じ


↑振り返るとプーノの町

このチチカカ湖は、汽船が行き来する世界最高地の湖である。

何せ海抜3,855Mですからな。

富士山より高いところに馬鹿でかい湖があるんだから、実に世界は広い。

そして同行するのは昨日の不愉快新婚どもだ。

朝からピーピーやかましい。

これじゃ何のための独り旅だか分かりゃしないぜ全く・・・。

ヤキモチ焼いてんのかって?

あんな阿呆嫁なぞ門前払いとさせていただこう。

「え~、みなさんこにちWA。今日行くのは、近いのウロス島。
 チチカカ湖は、日本語では父母という意味でSU。そして対岸はボリビアでSU。
 リマに行くより、ラ・パス(ボリビアの首都)の方が近いでSU」

このチチカカ湖には、無数の島があり、プーノに一番近い観光島がウロス島。

有名な太陽の島、月の島はボリビア側にあり、プーノからの船だと丸一日かかるらしい。

ボリビアまでバスで行き、そこから船が賢いルートと思われた。

で、これらの島は先程書いた通り、浮島。

リアルひょっこりひょうたん島なのだ。

葦(トトラという)を積み上げ、浮島として生活しているらしい。

にしても、とにかく青い。

水も空も、どこまでも青い。

こいつはちょっと感動すら覚えるよ。

「ねー写真撮って。ケータイでも撮って」

・・・こいつらさえいなければな。

この阿呆嫁の口癖は「ケータイでも撮って」

旦那も大変よのぅ。

そんな俗ブツはいないものとして、観光に集中する。

ウロス島までは約30分。

「ウロス島」という島じゃなくて浮いてるいくつもの島々を指してウロス島というんだな。

クルーザーはとある島につけた。

別にふわふわしてるわけじゃないんだな。

ま、それでは生活などできないか。

まずはガイドの説明を受ける。

島はこんな風にできていて、ノコギリで分離、移動後別島にドッキングするなど自由自在だそうな。

↑ミニチュア。下の黒いのはトトラの根を縛ってまとめたもの。
  その上に葦を積み、家を建てる。

もっとも、そんなに頻繁にやっているとは思えないがね。

「葦は重要な食物繊維でもあるのDE。はいどうZO」

え?

何??

食うの?

これを??

・・・。

剥かれて渡された物を放り投げることまではできん。

やむを得ず食う。

水分たっぷりの太い水草を食ってる感じ。

味はない。

ケータイ嫁「トイレはどうするの?」

・・・。

テメエ水草食ってる時にその話をするのか!?

しっかり染み付いてんだろその水草によぉ!!

馬鹿たれが!!

チキショウウンザリだ。

偽「女の人しかいないけど、男は何してんの?」

見ろ、コレが百点満点の質問だ。

分かったかケータイ嫁!

男は漁に行き、女は織物を作る。

それがここの生活だそうだ。


↑このタぺストリーはマジで欲しかった。

といっても、浮島にはソーラーパネルが備えられ、

決して映りが良いとはいえないが、テレビもラジカセもあり、原始人のような生活をしているわけではない。

ガイド後、しばし時間が与えられたが、

浮島は小さく、別にどこに行くでもなく、湖畔でパチパチと写真を撮った。


本当に青い。

素晴らしいことだ。

続いて、葦で作った船で、対岸の大きめの島へ連れていってくれるらしい。

島の女の子2人がせっせと漕ぎ、我輩は2階席でのんびり写真を撮る。

何度もいうがホントに青い。

漫画みたいな湖だな。

ちゃぽちゃぽというオールが水をかく音も実に趣深い。

・・・眠くなっちゃうぜ。

ウトウトし始めた頃、向かいのデカイ島に到着。

この島にはホテルと土産物屋があった。
←我輩はここには泊まれません。

・・・だけかい!

何でこんな島に連れてこられたのさ!

よく分からん展開だが、また時間を潰せというので、仕方なくぶらぶらと見学。

さっきのタぺストリーが売っていて、非常にそそられたのではあるが、

売られているのはどうしたって展示品。

虫がついてたりとかなんとかを考えてはやはり買えぬ。

値段も少々お高いしな。

で、立ち寄った郵便局(?)では、ハガキを送れとセールスされ、

お断わりしたらパスポートにスタンプしてやるという話になり、

押してもらったら普通の消印だった。

こんなんだったらいらねーっての。

この旅ですっかりスタンプ帳になってしまったわい。

後で怒られたりしないだろうな。

若干心配だぞ。

ってなわけで、チチカカ湖観光終了。

クルーザーに乗り込み、プーノに帰ってきたのはお昼ちょっと前。

一旦ホテルに帰り、1時間半後にお迎えが来て、フリアカという町から飛行機でリマに戻る。

さて、夫婦どもはメシを食いに行ったようだが、プーノのメシは昨日の晩飯で懲りている。

とりあえずジェラートを食い食いまたメインストリートをふらつく。
←サン・ファン・バティスタ教会

至る所にネットカフェがある。

どうやらインターネットは自宅でするのではなくて、外でやるものという習慣でもある感じだ。

パソコン高いからね。

あ、そうだ、コンドルの丘へ行ってみよう。

アルマス広場でタクシーを捕まえて、コンドルの丘へ向かわせる。

偽「往復でいくら?」

「ペラリーノ」

・・・スペイン語か。

偽スナフキンは身体言語を発動した!

偽「往復でいくら?」

「ペラリーノ」

言葉が通じません。(T_T)

ま・・・まぁいい。

行って帰ってきてから考えよう。

タクシーは笑っちゃうような傾斜角の坂道をせっせと上っていく。

↑行きは撮れなかったので、下りの写真

これはすっげぇ坂だ。

雨が降ったら、真面目に滑り落ちちゃうに違いない。

そしてタクシーは、コンドルの丘のに着いた。

・・・麓?

上まで行ってくれよ!(T_T)

見上げれば、気が遠くなるような階段が。

行くしかないのか・・・。

偽「戻ってくるまで待っててくれよ」

「ペラペラペラペラペラリーノ」

分かってんのかな。

さ、行くか。

テクテクテクテク・・・はぁはぁ・・・






















テクテクテクテクテクテク・・・ぜぇぜぇ・・・






















テクテクテクテクテクテクテクテク・・・






















あ・・・






















アヒーッ!!(T_T)

息が・・・息が切れる!!

4・・・4,017M?

150Mぐらい上がったのか!?

そしてガクガクの足で上りきった丘からの眺めはコレ
←コンドルのオブジェ

しっかり目に焼き付けたら、タクシーを待たせているから早く下りねばならん。

む・・・ぬ・・・ぐほっげほっげほげほげほっ!!

せ・・・咳が・・・咳が止まりません!

これは四国七十一番札所弥谷寺の時と同じ症状!?

げっほげほっげほげほげほっ!!!

ぐへ~・・・。

「ペラペラペラペラペラリーノピューマ?」

な・・・何だ?

アフリカでピューマを見れなかったのは結構悔しかったぞ。

違うってか?

う・・・ぐ・・・げほげほげほっ!

とりあえずドライバーの指差す方を適当に撮って、再びアルマス広場に戻った。

いくらか聞いても分からないし、デカめの札しか持ってない。

適当に渡す。

「センシリオ?」

偽「は?」

「センシリオ!?」

何だ足らねぇってか?

んなわけねーだろ。

いくら往復とはいえ、そんなにするわけがない。

「センシリオ!?」

紙を渡して、いくらなのか書けと言ったら、センシリオと書きやがった。

ちっ。

しばらくすると、ドライバーの兄ちゃんは、あきらめた様子で、大量の小銭をくれた。

何だコリャ。(T_T)

後でガイドに聞いたのだが、「センシリオ」ってのは「小銭」って意味らしい。

分からんちゅうねん。

とにもかくにも無事コンドルの丘を見学できた。

これでプーノに思い残すことはない。

晴れ晴れとした気持ちでプーノを後にした。

空港までの途中、プーノを見下ろせるところで車を止め、ガイドが言った。

「ここはピューマの丘」

なるほど、さっきの兄ちゃんが言ってたのは、

この丘には行ったのか?って意味だったか。

分からんちゅうねん。

チチカカ湖に別れを告げ、草原の中を爆走し、フリアカ空港には結構早く着いた。

←空港前に建つ「マンコ・カパック」の像

どうやら夫婦の飛行機は先に飛ぶらしい。

一緒じゃなくて良かったぜ。

空港前の土産物屋を物色し、適当に時間を潰したが、

特に見るべきものもなかったので、チェックインしてしまうことにした。

ロビーでフォルクローレを聴きながらこれを書き、ようやくさて搭乗という時になって事件発生。

海外用のケータイが無い。

あれ?

ケツのポッケにもカバンのポッケにもどこにも無い。

あれれれ?

そういえば、手荷物検査の時にはあったっけ?

あれれれれれれれれ!?

慌てて手荷物検査場やロビー等を探しに行ったが、どうしても無い。

やっちまったか・・・。

しかしもう時間が無い。

こんな土壇場で!!

やむなく搭乗。

絶対無いのは分かってて、カバンを探りながら、変な感覚を味わった。

空港に落とし物があるのに、分かっていながら去らねばならぬ現実。

無念だ・・・。

リマまでは約50分。

勝手に通話されるに十分な時間である。

とりあえずサービスを全て停止するために、ドコモに電話したいところだが、

果たしてどこにそんな番号が?

何となく思いをめぐらせている時に、

国内用のケータイに履歴が残っているであろうことを思い出した。

国内用とはいえ、一部の外国では通話でき、

ギリシャへ持っていった時に、緊急連絡先メールが来ていたはずだ!
↑外国に着くと、電波が繋がると同時に、ドコモからメールが来るのだ。

着陸後、国内用のケータイを見てみると、

バッチリメールに連絡先が書いてあるじゃないか!

それなら話は早い。

ガイドと合流し、

偽「公衆電話に行きたいんだ。まずは自分の携帯にかけて、
   繋がらなければサービスを切る」

というわけだ。

残念ながらケータイには繋がらず、やむなくサービス停止。

偽「あんの~・・・勝手に使われていたら請求がくるの?」

「はい(キッパリ)」

(T_T)

本体自体は5千円程度の格安モデルだから無くしてもさして痛くはないが・・・

後はペルー人の良識に賭けるしかない。

ケータイが無くなったとはいえ、明日は地上絵を見たら帰国するだけ。

そんなに問題は無いだろう。

・・・と、思っていたのにな。

世の中厳しいぜ。

ホテルに着いたのは19:30。

「買い物や食事に行きますか?」

あ。

ケータイでバタバタしていて、メシのことをスッカリ忘れていた。

どうやら歩いて数ブロックのところに、ショッピングセンターがあるらしい。

「そっちに行くなら安全だから」と、言われても、やはり不安なので、

ありとあらゆる物をセーフティボックスに突っ込み、小雨の中を身軽になって出陣。

少し歩くとショッピングセンター「ラルコ・マル」に着いた。

思った以上にでかくて、イオンみたいな感じ。

存分にブラブラして、いよいよメシ。

ピザーラがメチャクチャ食いたいが、せっかくなので、

ザッバーンと太平洋が押し寄せるのを見下ろせるレストランでパスタを食う。

暗いのが残念だが、眼下には砂浜があり、波の音が実に良い!

味もなかなか良くて、満足してショッピングセンターを後にした。

さ、明日は早い。

早く寝ておこう。

久々に低地に帰ってきたので、ペルー到着初日以来のシャワー。
↑一応ギャツビーで全身拭き上げていたから、不潔なわけじゃないんだからな!

は~明日にはもう帰っちゃうことになるのか。

もっといたいのになぁ!!

不吉なことを思いながら、22:30過ぎ、眠りに落ちた。

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