14 Oct-

早朝、掌の痒さで目を覚ました。

アリエナイ痒さだ。

全く腫れが引いてない。

っていうか、これは寝てる間に掻いたなオレ。

バンバンに腫れてるやんけ。

痒ぇぇっ!!(T_T)

悶絶していると、タケシが叫んだ。

「17:00までに
   何でもやります!!」

お・・・恐るべきジャパニーズサラリーマン魂である。

感服しつつ二度寝して、6:00に目覚ましで起床。

今朝はホテルでバイキング。

ショボくて、決してウマイものではなかった。

支度をして、7:10、キーを預けて出陣となった。

今日はパリ観光の日。

一昨日にルーヴルとオルセーを回ってしまったので、時間に余裕があるはず。

午後はショッピングと洒落込みたいところだ。

やはり今日の行程も事前に日本で設定済み。

さすがは偽スナフキン。

まずは時間の関係で、サクレ・クール大聖堂から。

やはり朝早くから見学できるのは、教会なのだ。

クレメ駅から地下鉄に乗り、途中乗り換えてAnvers (アンヴェール)駅へ。

歩いて5分。

丘の上に建つその姿は、

ヨーロッパというよりはインドのタージマハルを思わせるものだった。

・・・行ったことないけど。

中では8:00のミサが始まり、非常に清い空気であった。

大聖堂のある丘からは、パリの街並みが見渡せる。

今日も雲一つない快晴。

あまりの晴れっぷりに、自らに畏怖した。

さて、時間があるので、旅行本の地図に小さく書かれたゴッホの家に行ってみる。

しかし道がキタナイ!

そしてクサイ!

パリがいくら都会とはいえ、このへんは日本が勝っていると言えよう。

ただ、噂に聞いていたような犬の糞はどこにもなかったけどな。

さて、ゴッホの家は改装中だった。

家とは言ってもマンションで、「ゴッホの家」というパネルがあるだけ。

ドアのボロさが歴史を感じさせた。

続いて、近くまで来たのだからということで、ムーランルージュを見に行くことにした。

もちろん建物を見るだけ。

こちらはキャバレーの本場。

夜は絶対近付けないと思うが、昼間は至って普通。

パッと分からなかったぐらいだ。

さて、お次は地下鉄でサン・ジェルマン・デ・プレ教会へ向かう。

パリ最古の教会。

ここはサクッと見て次。

まだまだ見学時間まで時間があるので、セーヌ河岸を歩いてシテ島へ。

オルセー、ルーヴルを見ながら歩くこと約30分。

サント・シャペルに到着。

ここのステンドグラスが是非見たかったのだ。

例によって、散々金属探知に引っ掛かって中に入る。

ほぉ・・・。

これですか・・・。

いやぁ素晴らしいですな!

1枚1枚にそれぞれ物語が描かれている。

しばし見学して、ノートルダム大聖堂に向かう。

ロンドンのウエストミンスターを思わせるゴッツイ建物だ。

中に入り、ステンドグラスなどを見学。

続いて、塔に登ることにする。

すでに昼前。

昼頃にはショッピングと思っていた我々の思惑は早くも崩れ去った。

さらに悪いことに、登るまでに随分並ばされ、予想以上に時間をくってしまった。

ショッピングにシワが寄るなぁ。

そしてまた階段か。

この旅で一体何度こんな階段を登ったことか。

ここは短いもんだった。

さて、てっぺんからは、世界遺産のセーヌ河岸を一望できる。

遠くは、朝行ったサク・レクール大聖堂や

これから行くエッフェル塔も見える。

長いこと並んだだけあって、良い眺めだった。

にしても、手が痒い!!

頭痛を伴う痒さだ!!

腫れも随分引いて、ちょっとしたものになっていたのに、

少し掻いたらまたものすごく腫れてきた。

これはもう触れてはならない!

何とか気にしないように気にしないように耐えながら階段を降り、

大聖堂の周りをぐるっと歩いて

よく分からないポイント、フォーラム・デ・アルまで歩く。

何しに向かうかというと、皆様ぷっちょのCMはご存じかな?

頭と手だけの彫像が携帯でしゃべってるやつ。

あの頭、正式には「レアルの頭」というらしいのだけど、

それがあるんじゃないかということで、探しに行くことにしたのだ。

コンシェルジュリーを見ながらセーヌ河を渡り、

やはり道に迷いながら歩いて、ようやく到着。

おっアレか!

と、思ったら、何かちょっと違うな・・・。

しかし探している時間などない。

むしろこんなことをしている間にも、ショッピングタイムは削られているのだ!

急いで地下鉄に乗り、オペラ・ガルニエに行く。

「オペラ座の怪人」の舞台となったオペラ・ガルニエ。

Opera (オペラ)駅を出ると、真正面にあった。

チケット売場に行くと、

今日はリハ中なので、劇場の見学は出来ないとのこと。

何ちゅうこっちゃコレ!!

それでも一縷の希望を胸に大階段を上がる。

しかし、やはり見学不可。

極めて無念。

無念極まりない。

シャガール氏の天井絵を拝見したかったなぁ。

やむを得ず、見れる所を見学して回る。

中は実に立派というか、豪華絢爛な造り。

コレはコレで、一見の価値ありでゴザル。

ということで、オペラ・ガルニエ終了。

朝からろくに飯も食わずに歩き倒してきたので、さすがに腹が減ってきた。

しかし、店に入って飯を食う時間などない。

そこで、オペラ駅に降りてすぐのパン屋でパンを買い、立ち食いした。

とにかく予定よりかなり押しているのでどんどん行く。

地下鉄とRERを乗り継いでエッフェル塔へ。

東京から9,739キロに位置しているらしいエッフェル塔。

タケシいわく東京タワーよりは低いらしいが、それでもデカイ!

チケットを買って、エレベーターで上へ上へ。

意外に混んでるなぁ。

ただでさえ急いでるっちゅうのに・・・。

これまた予想以上に時間をかけて、やっとてっぺんに到着。

確かに良い眺め!

凱旋門が見える。

四方を眺めて、パリって都会だなぁと改めて感じた。

眺望を十分に堪能し、記念に用を足して降りる。

後は昼間の凱旋門を見たら、全ての観光ノルマ達成だ!

地下鉄でシャルル・ド・ゴール・エトワール駅に行き、

「凱旋門→」の案内通りに急いで外に出る。

バッチリ真正面じゃないの!

これで無事にノルマ達成!

心置きなくショッピングに行くことが出来るってもんだ。

まずはオカンに頼まれた鞄を買いに、シャンゼリゼ大通りのルイ・ヴィトンへ。

急いで行くと、店の外には入店待ちの列が!!

何じゃこりゃ!

人気アトラクション顔負けだな。

10分ほど待って入店。

頼まれた物さえ買えれば、他に用はない。

日本語の話せそうな店員を見つけて、

渡されたカタログの切れ端を見せて買えば終わりだ。

とりあえず店員を探す。

すると、タケシが女性店員を捕まえた。

近寄ってみると、どうやら日本人じゃなさそうな展開。

っていうか、これは違うやろ。

「Can you speak Japanese? (日本語話せる?)」

「I speak English. (英語ナリ)」

痛ッ!!

やむなし。

もはや力ずくでコイツとコミュニケーションを図るしかない。

「これが買いたいんだ」と、カタログの切れ端を見せる。

「This one? Yes,this one only? (これナリね。これだけナリ?)」

偽「Yes.」

「O.K.ペラリーノ・・・Yes,we have. (オッケイ、ありますナリ)」

話は淡々と進み、免税の紙を書かされた。

すると、いきなり彼女は言い出した。

「England is no メンズィー」

は?

不思議そうな顔をしている我輩を見ながら、彼女はなおも続ける。

「England is no メンズィー」

この景色、どこかで見たことある・・・。

かすかなデジャヴーをたぐる。

すると、前回UK旅行の帰りに起こった、あの忌まわしき「Dior事件」を思い出した。

訳も分からずカードを切って、めちゃんこ後悔したあの事件と同じだ!
↑思い出すまで、この間約10秒

よく考えろ偽スナフキン。

きっと何かある。

訳も分からずに適当な返事をしてはいけない!!

よくよく確認すると、彼女が手にしているカードには、

住所が「ENGLAND」と書いてあるじゃないか!!

メンズィーとは
    免税のことだな!?

パズルがバチッとはまったぞ!

偽「This is not my card. (こいつぁオレっちのカードじゃないよ)」

「Oh,sorry! (あら失敬ナリ)」

O.K.!!

Well done, 偽Snufkin!! 
           よくやった偽スナフキン!!

やはりオレは着実に成長している!!

感動しながらカードを切り、免税の書類をもらった。

・・・が、まだブツを見てないぞ。

順番が違うやろ。

持ってくるのでちょっと待ってろと言われ、しばらく待つ。

日本人客多し。

買い物してるのをこいつらに見られるのは嫌だな。

む・・・ブツが運ばれてきた。

どわっ

何ちゅうバカデカイ袋に入れてくれたんだネエチャン!

偽「チェックさせてもらうぞ」

安い物じゃないからな。

「お手伝いしますナリ。ストラップはここに入ってますからナリ」

・・・やはり見たって分かんねぇ。

偽「O.K.Thank you.」

店員を信じて店を後にする。

次は地下鉄で2駅のコンコルド広場近くにあるHERMESだ。

せっかくフランスまで来たのだ。

どうせ買い物をするなら、

我輩が知るおフランス一番のブランドで買い物をしたい。

外から見ると、ヴィトンとは違って至ってシンプル。

さっそく中に入る。

頼もーっ!!

ここではオカンに頼まれた物だけでなく

自分の買い物もしたいから、日本語が話せる店員が良い。

おっ財布良いなぁとかブラブラ売り物を見ながらしばらく探したが、

助けてくれなさそうなヤツしか見当たらなかったので、呼んでもらうことにした。

日本人の店員を探していると言ったら、電話で呼んでくれた。

20分近く待たされてようやく現われたのは、

自力で日本人店員を探した時に、

ヤバそうだから声を掛けなかった店員だった。

その実態は・・・やはり厳しい店員だった。

やはりカタログの切れ端を見せる。

偽「これが欲しいんですが」

「これは二階にありますので二階に行って下さい」

・・・。(イラッ)

偽「ネクタイも欲しいんですが」

「ネクタイはあちらにあります」

偽「もう欲しいの決まってるんですけど」

「ではあちらでどうぞ」

・・・。(怒)

偽「あの財布見たいんスけど」

「これならお手伝いします。その前に(カウンターから)出て下さい」

無造作に「小銭入れがあるのとないのがあります」とケースから出してきた。

ブチッ(噴火)

何やその

英語かフランス語を話せないヤツがチャラチャラ買い物にくる所じゃないのよココは、

と言わんばかりの態度はッ!!

オレは怒ったぞー!!
フリーザー!!

ニコリともしない一連の受け答えに

ついに我輩の中で眠っていた猛虎が目を覚ました。

帰ってきた帰ってきた・・・!!

かつての牙の輝きが・・・

あの富士の頂で悟りを開いた時のオレが・・・

排他的で猜疑心に満ちた
オレが!!

ガオォーンッ

「もういいスわ」とだけ言って二階に上がった。

後ろで何か言っていたが、聞いてない。

何じゃアレは。

長いこと待たせた挙げ句、出てきたのがアレか。

あれだけハラワタが煮えくり返ったのは久しぶり。

大噴火しながら二階に上がって外人店員に尋ねると、

笑顔で親切に対応して案内してくれた。

売り場の担当は、これまたニコやかな女性店員。

カタログの切れ端を見せると、丁寧に商品を紹介してくれた。

どうやら今かなり人気がある商品だそうだ。

偽「Really? (マジで?)」

とからかったら、メチャクチャにしゃべり出した。

「おー、本当よぉ。

若い日本人の女の子がこれを買ってウキウキしながら帰るのよ」

という話から、ヴィトンの袋の話になった。

「シャンゼリゼのお店に行ったの?

先週開店したのよ。

私も行ったけど、あの店は大きいし人も多くて大変ね~」 だって。

偽「そうそう、これは探すの苦労したんよ~」

などと、店員に持ってきてもらったことは無しにして、

ちょっとだけ話をした(つもり)。

あの時ほど、思い通りに英語を話せないのがもどかしいと思ったことはない。

もっと話したかった。

さて、どう?この違い。

いかにあのクソボケババア日本人店員の態度が悪いのかが浮き彫りとなっただろう。

この女性店員がいなかったら、オカンの買い物だけして帰ったね。

客を大切にしろよ。

で、頼まれた鞄を買い、他にもまだ買いたい物があると言うと、

「じゃあこれはとっておくから、

最後に買い物をした所で二階で鞄をとっておいてもらってあることを言ってね」

と言われた。

買い物をし終えてから、まとめて支払いをするらしい。

一通り説明を受けて、オカンのと同じシリーズの鞄を見てたら、

「これも買うのかしら?」 と言われたので、偽「考え中」とだけ答えて、売り場を去った。

親父にはネクタイを買ってやることにした。

日本を出る前に、両親との絆を深めたばかり。

ついでで済む親孝行なら惜しむまい。

悩んだが、最後はエイヤア!で買った。

最後に自分の買い物。

オカンのと同じシリーズの鞄を買うかどうかでメチャ悩んだ。

なかなかにオシャレちっくなニオイがするじゃねぇか。

しかし、このカジュアルな鞄をいつ使うのか。

旅行には小さいし、かといって普段は使う機会がなさそうだ。

たまに使う450ユーロなら、

毎日使う700ユーロだ!

ということで、再び財布を見に行った。

あの日本人店員とは話したくない、

というか、顔すら見たくなかったので、

外人店員を呼んであれやこれやとさっきのコインケースつきの財布を出してもらう。

コインケースが無いモデルもあって、40ユーロも安いのだが、

コインケースが無いと非常に使いづらい。

っていうか、無いと使えない。

で、その財布。

二つ折りのメンズ。

う~む・・・えも言われぬ手触りだ。

ただアリエナイぐらい高い・・・。

いや、しかし一生使う財布に720ユーロとすれば、そんなもんでは・・・。

悩む我輩の脳裏に、UKのCONNOLLYが思い出された。

あの時財布を買わずに帰国して、随分後悔したのだ。

先日、新宿に日本一号店が出来たらしいが、

日本で買ってもなぁ・・・と後悔の念を募らせたばかりである。

またしても同じ轍を踏むのか偽スナフキン!!

その時、我輩のオツムに、

一条の光が差し込んだ。

偽「This one please. (コレ下さい)」

ネクタイと鞄をとっておいてもらってあるんだ、と言うと、全てが集まってきた。

締めて金1,296ユーロ也。

ガッツリ買い物を終え、両手にブランドの袋をぶら下げて歩く姿は、

おそらくバカ日本人の典型なんだろうなぁと思いながら、地下鉄に乗る。

周りの全ての人間が、我輩のHERMESを狙うハイエナに見える・・・。

早くホテルに帰りたい!!

しかしこんな時に限って地下鉄は遅れ、ヤキモキしながらホテルに帰ったのだった。

一旦荷物を置いて、駅前の本屋で買い物をし、ホテルのレストランで食事。

そういえばエスカルゴを食べてないことを思い出した。

おフランス料理といえばエスカルゴやろ!

何とか食えないものかと思ったが、メニューもろくに読めなくてはやむなし。

おとなしくビーフにした。

味はマズマズ。

というかね。

朝飯といい、このビーフといい、このホテルのメシはあまり美味くない。

最後に出てきたチョコレートのムースは口の中がべたべたになった。

口直しに外でジュースでも買おうかと思ったけど、ほとんどの店はすでに閉店。

昨夜行ったスーパーには行きたくなかったので、日本から持ってきた水だけ飲んだ。

こうしてみると、自販機ってのはアリガタイもんだねぇ。

さ、明日はついに帰国。

帰りの支度をしてから寝ようと思っていたのだが、

何もやる気が起きなくなって、そのまま寝た。

Zzz。

 

 

毎度のごとく、帰国まで一気に行くぞ!!

 

 

15 Oct-

長かった海外滞在も今日で終わりだ。

6:40朝飯を食いに行く。

このホテルの朝飯がイマイチなのは前述の通り。

クロワッサンとホットミルクだけ食して早々に退散。

10:00の出発までに蚤の市に行こうか迷ったが、どこも微妙に遠く断念。

やむなくホテルの前の大通りをブラブラした。

何だか奇怪な造りのマンションが多く、街並みを見るだけでも、コレはコレで一興。

今日も良い天気だ。

9:30、荷物をまとめて出発。

チェックアウトはタケシに任せる。

すると、有料テレビを観てたから10ユーロ払え、と言われたらしい。

「観てないぞ」と答えたら、「コンピューターが監視してるんだ」と言われたようで、

結局10ユーロ支払うこととなった。

一体何の番組が有料チャンネルだったのかは、今でも謎のままだ。

ゴロゴロとスーツケースを転がし、手にはヴィトンの袋をぶら下げ、

スッカリお間抜け日本人となった我輩は、

地下鉄とRERを乗り継いでシャルル・ド・ゴール2に向かった。

車内ではアコーディオンが鳴り、子供の歌声が響く。

のどかだなぁと思っていたら、キッチリ集金にやってきた。

空港までは30分、あっという間だ。

まずはこのうっとおしい荷物を預けるためにもチェックインしたい。

ギッシリ詰まったスーツケースの重量が非常に心配だったが、

19キロでギリギリパス。(制限は20キロ)

席は窓側でリクエストした。

次は免税だ。

タケシが通り掛かりの日本人スタッフを捕まえて、

出国手続きまでにやらねばならないことを聞いてきた。

さっそくカウンターへ。

UKの経験から、免税については完璧。

カウンターでスタンプをもらい、ポストに投函。

ポストは免税申請用のがあるかと思いきや、街中と同じ黄色のポストだった。

他にも免税の書類が投函されていることを確認して投函。

これにて任務完了。

金属探知を通って、出国ロビーで会社にお付き合いの土産を買う。

あぁ毎度のことながら何とも嫌な出費だ。

数が多くて安い物を探し回る。

どうやら一番数が入っていそうなチョコをチョイス。

高級感はないが、これで十分だ。

十分すぎる。

そして探していた車雑誌を購入。

欧州で売ってる車が山ほど載ってる雑誌。

残念ながらフランス語だから完全に絵本だけどね。

最後の買い物もガッチリ終わらせて、搭乗口へ。

最後を飾るのは、13:45発エールフランスAF292便。

我々の席は飛行機最後尾の2人席。

サイコーの席じゃないの!

手荷物のブランド品を収納に入れ、窓側を譲ってもらって席につく。

あれだけのブランド品を手元に置いとかなくて大丈夫なのか!?

しかしあの袋の大きさでは、足元に置けない。

ぐぬ~。

寝ずの番もやむなしかなぁと思いながらウトウトしていたら、14:16離陸。

これから12時間のフライトだ。

外はやはり快晴。

ストックホルムまでは、ほとんど雲も無かった。

さすがは太陽王。

窓側を譲ってもらったおかげで景色を楽しめ、バシバシと写真を撮った。

船までバッチリ見える。

あれに乗って旅をしたい・・・。

そんな写真の中にドイツの世界遺産リューベックがあった。

世界遺産ってのは、世界遺産だと知らなくても写真を撮りたくなっちゃうもんなんだなぁ。

さて、ストックホルムを過ぎると雲だらけになってきたので、

機内食をモリモリ食いながら映画を観ることにした。

バットマンビギンズ。

ちょっと古い気もするが、良い映画があると時間の過ごし方が全く違う。

終わったのは1:50で、残り6時間37分。

長かった旅もバットマンビギンズが3回観るぐらいで終わってしまう。

ふと外を見ると、眼下にはロシアの町の灯が。

暗くてよく分からないが、やはり快晴なのだろう。

そしてめっちゃんこ明るい星がある。

こんな景色を楽しめるのも、あとわずかか・・・。

バットマンビギンズに続いて、インタープリターを2回観て、5:40。

ちょっとだけ寝て、7:10朝飯で起きた。

あと1時間ちょっとだ。

どうやら今回の旅は、何事も無く普通に帰れそうである。

朝飯を食い終わると、課税申告のカードが配られた。

最初はいらないだろうと思っていたのだが、

本で調べたら20万円以上の買い物をした人は税金の申告をするように、と書いてある。

計算したらバッチリ超過していたので、正直に申告用紙を書く。

お・・・高度が下がってきた。

ふと窓の外を見ると、我輩にとって忌々しき呪いの街、神戸が見えるじゃないの。

最後の最後で鬱な景色を見ちゃって、8:16関空着。

すぐにHERMESを確認。

安心して日本の土を踏んだ。

帰ってきちゃったんだなぁ。

回転テーブルでスーツケースを受け取って、課税分の5,400円を支払った。

カード支払いはダメだと言っていたが、

現金持ってない人はどうするのだろうと思いつつ、JRの関空駅へ歩いた。

とにかく寝てないし疲れたので、特急を乗り継いで帰ることにする。

天王寺まで9:18発はるか10号で行き、さらに実家の最寄り駅まで特急に乗る。

とにかく座りたい。

眠いもの!

寝てないもの!

HERMESが心配だったもの!!

そんなわけで特急の中で眠ることが出来るはずもなく、

最後の最後まで緊張してイタリア・フランス旅行は終わった。

こうして我輩は、毎日毎日襲い掛かる神々の試練に耐え、

己の牙の輝きを、かつての自分を取り戻したのである。

次に我が凶刃に倒れるのはどの国か。

それは我輩の休暇の取れ方次第である・・・。

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