9 Ott-
翌朝4:20目覚めて便所に行き、少し執筆をして寝て、再び目覚めたら6:00。 タケシを起こしたら、実は5:00だった。 無責任な我輩は、6:00まで三度睡眠。 顔を洗って髭を剃り、モーニングへ。 部屋を出ると、隣の部屋は 何故かトイレットペーパーでバリケードが出来ていた。 やはり所詮はガキだな・・・。 モーニングはバイキング。 果物やらパンを食った。 ここで、ココアは「Ciocolata」というらしいことが判明。 どうやら前回UKでココアが飲めなかったのはこのへんに原因がありそうだ。 キーを預け、さっそく出発する。 出発前に我輩が各都市毎に練り上げたスケジュールで行く。 空は雲ひとつ無い快晴。 さすがは晴将軍といったところか。 この先もこの調子でいってほしい。 さて、朝の早い時間に見学できるのは教会。 というわけで、まずはサンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会の前を通って、 サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会へ。 事前の調査では7:00には開いているハズだったが、 門は堅く閉ざされたまま。 どうしたものかとウロウロしていたら、神父さんがドアを開けてくれた。 入ってビックリ。 これは美しい天井画ですよ! まだまだスタートなのに、早くも感嘆を惜しまない我輩。 さぁさぁどんどん感動させてくれ! 続いて、サンタ・マリア・マッジョーレ教会ヘ向かおうとした時、 スーツケースの鍵を部屋に忘れてきたことに気付いた。 別に取られて困る物は入っていないが、やむを得ずマッジョーレ教会の後、 ホテルに取りに帰ることにした。 細い裏道を抜けてサンタ・マリア・マッジョーレ教会に到着。 実にごっつい教会だった。 で、同期に迷惑ながら泣く泣くホテルに帰って鍵を取り、 次は地下鉄で世界一小さな国ヴァチカン市国を目指す。 自動券売機で一日乗車券「B.I.G」を買い、Ottaviano(オッタヴィアーノ)駅へ。 サン・ピエトロ大聖堂の最寄り駅。 サン・ピエトロ大聖堂といえば、 カトリックの総本山にしてローマ教皇(法王ではなく、教皇が正しい)のいる所。 ここの変わった服を着ている衛兵は、スイス人だそうだ。 ヴァチカン広場から金属探知を通って大聖堂に入る。 すると、何だかザワザワしている。 よく分からずに、とりあえず見る物を見る。 入口近くにある、ミケランジェロの傑作らしいピエタ像。 ガードマンがいて最初は近づけなかったが、いなくなったスキに接近。 ミケランジェロの作品で唯一、彼のサインが入っているらしい。 後にモン・サン・ミッシェルで聞いたのだが、ピエタ像ってのは悲しい像だそうで、 聖母マリアが死んだキリストを抱くシーンなんだそうな。 で、さらにざわめきが大きくなってきたので何かと思ったら、 聖歌隊が入って来た。 そうか、今日は日曜日。 ミサが行われるのかもしれない。 教皇が見られるか!?と思いながらも、 さして興味の無い我々は、観光客までが賛美歌を歌う中、 クーポラ(←大聖堂のてっぺんにあるドームのこと)ヘのエレベーターを探してウロウロ。 やがてミサが始まり、教皇の姿を確認したが、 やはり我々の大目標はクーポラ。 散々歩き回ったあげく、日曜日は登れないことが判明。 おまけにヴァチカン博物館も休館。 まさにローマの休日。 ガックリ肩を落としてサン・ピエトロ大聖堂を後にした。 外ではビジョンでミサの様子が放送されていた。 日曜日はクーポラには登れないし博物館も見れないが、 日曜日でないと教皇は見れない。 相入れないこの2つ。 どっちが良かったのか・・・。 大聖堂から一直線の所にあるサンタンジェロ城の前を通り、 ナヴォーナ広場を抜けて、 パンテオンへ。 天井に丸穴が開いている。 ここでもミサが行われていた。 よほどすごい建物かと思ったら穴が開いているだけだったので、さっさと退散。 次はタケシがどうしても行きたいと言っていたスペイン広場。 ここでジェラートが食えれば後は何でも良いとまでおっしゃっていた。 スペイン広場には当初の予定通り11:00に到着。 鍵を取りに帰ったり並んだりして途中押しはしたものの、 後半見事に巻き返したわけだ。 我輩はローマの休日を観たことがないので全くイメージが沸かないのだが、 どうやらかなりの見せ場なようだな。 広場に行けばこれでもかとジェラートが売ってるのかと思いきや、 見渡せど見渡せど見当たらず。 あきらめてトレヴィの泉に行こうとしたら、 ちょうど行き道にジェラート屋があったので立ち寄り、我輩はカフェジェラートを食った。 本当は2、3個ジェラートを乗っけてムシャムシャ食ってやりたかったのだけど、 オーダーの仕方が分からず、カフェのみとなってしまったのだった。 ともあれ、タケシの悲願がかなった瞬間であった。 そこから少し南に向かうと、トレヴィの泉があった。 人がウジャウジャだ。 こういう所は要注意。 誰が盗っ人か分かったもんじゃない。 用心しながら泉のポールポジションへ。 背中を向けてコインを投げ入れるのがナウイらしいのでやっておく。 大奮発して20セント。 ナンマンダヴナンマンダヴ・・・。 神様、我輩の祈りを聞き届けて下さい・・・。 さて、次は我輩が行きたかったフェラーリストア。 イタリアといえばフェラーリ。 フェラーリといえばイタリア。 本場なんだから、きっと良いモノがあるに違いない。 さっそく行ってみる。 本物のF1カーがお迎えするフェラーリストアはしかし、 我輩の欲するような品は置いてなかった。 服なんて買ったって「Ferrari」って デカデカと書かれたシャツを着ることはなさそうだしな。 コインケースにしたってそんなに大金はたいてまで欲しいものでもないし。 で、プロジェクター付きの置き時計を買おうかなぁと思ったのだけど、 パワーは電池でなくコンセント。 イタリアのコンセントは日本では使えまい! ということに奇跡的に気付いた我輩は、 せっかくだからということでフェラーリベアとボールポイントペンを買ったのであった。 ダイソーで売ってそうなぐらいちゃちいクセに、 アリエナイぐらい高いボールペンだったのだこれが・・・。 買い物を終え、大集会の行われていたポポロ広場を通って、 Flaminio (フラミニーオ)駅からBarberini (バルベリーニ)駅まで地下鉄で移動。 その時、試練はやってきたのである。 車内は激混み。 途中Spagna(スパグーナ)駅で乗ってきたのは女2人組。 何かケツに当たってんなぁと思ってたら、 ケツのポケットに指を入れてきやがった! しかも完全に中には入れずに、 ポケットの上部を探るように!! 「ごわっ」と思って振り向くと、 女はドアが閉まる寸前に首を振りながら降りていった。 あのアマぁ・・・!! やはり外国は油断ならん。 試練を乗り越えた我輩は猛虎の魂を呼び覚まし、猜疑心をさらに研ぎ澄ました。 ピリピリしながらバルベリーニ駅で降りて骸骨寺へ。 ガイドブックによると、4千人の骸骨で出来ているのだとか! これは見たい! しかし、骸骨寺はお昼休みであった。 午後のリベンジを誓いつつ、 危険な地下鉄に引き返してColosseo (コロッセオ)駅まで行く。 駅を出ると目の前にはバッチリコロッセオが!! これはすげぇっ!! テレビで観た通りだ!! 感動しながら入口に向かうとすごい人。 結局チケットを買うまで相当並ぶハメになった。 チキショウ! ただでさえ時間が押しているのに!! 3、40分近く並んで入った中はまさに写真通り。 逆にいうとそれだけ。 まぁしかしこんなモノが壊れずに遺っていることがすごい。 そして、昔にこんなモノを造った人もすごい。 心からそう思った。 ダーッと見て、続いて向かいにあるフォロ・ロマーノへ。 入口が分からず、随分迷ってようやく入れた。 かつての市政の中心地。 いやぁよくこれも今まで遺ったもんだよ。 素晴らしいよ。 そして、フォロ・ロマーノの全景が見渡せるというパラティーノの丘ヘ行ってみる。 これまた散々迷って、 歩きに歩いてコンスタンティヌス帝の凱旋門の近くにある入口を発見。 中は結構広かった。 あー、上から見るとこうなってんのか。 コロッセオまで見えるし、まるで聖闘士星矢の景色だ。 ペガサス流星拳!! すっかり古代遺跡を堪能した我々は、 またしてもローマの休日にスポットを当てることにした。 サンタ・マリア・イン・コスメディン教会にある「真実の口」へ。 事前調査ではこれだけが離れた所にある気がしていたが、 パラティーノの丘から少し歩いた所にあった。 すると、レリーフの前には長蛇の列が。 何じゃコレは! みなさん記念撮影か!? やむなく並ぶ。 すると、日本人の団体ツアーがやってきた 自分が並んでいるのを外人に見られるのは別に気にならないけど、 日本人に見られるのは非常に抵抗があった。 が、旅の恥は掻き捨て。 ちゃっちゃとやることをやって去る。 意外に大きかった。 さ、すでに17:00前。 骸骨寺の午後の公開は15:00~18:00。 公衆浴場「カラカラ浴場」を外からだけ見学し、 Circo Massimo(チルコマッシモ)駅からバルベリーニ駅まで地下鉄で移動。 本日最後の見学スポット「骸骨寺」へ再度向かう。 ここで、ローマの地下鉄について説明しよう。 ヴァチカン方面へ向かうA線とコロッセオ方面へ向かうB線があり、 A線は激烈に混んでいる。 ドアの閉まり方は乱暴で、運転はすべからく荒い。 急加速・急停止は当たり前。 さらに車内は混んでいるので、乗り心地は最悪だ。 しかも落書きだらけでアリエナイ汚さである。 例に洩れず激混みの地下鉄でバルベリーニ駅へ向かった我輩は、 この乗り心地の悪さにウンザリしてしまい、帰りは歩いて帰ることを希望した。 17:20、骸骨寺に到着。 中を見て回ったが、どこにも骨は無い。 まさか4千人もの骸骨を見逃すわけがない。 ガイドブックをよく読み直すと、地下1階のお堂がホネホネロックらしい。 しかし、行き方は不明。 結局何も得られぬまま退散。 最後の最後が消化不良とは・・・。 憮然としてテルミニ駅へ向かって歩く。 もうあんなスシ詰め地下鉄はウンザリなのだ。 この安易な考えが危険を呼ぶとは イエス・キリストすらご存知なかったのである。 4つの噴水がある十字路に差し掛かった時、 何者かの銃撃を受けたのだ! 我輩にはBB弾のようなモノが 壁にバチバチッと当たる音しか聞こえなかったが、 後ろを歩いていたタケシは、我輩と自分の身体の間を弾が飛ぶのを見たという。 見ると、車からゴツイ男がエアガンで撃っていたというのだ。 幸い二人に怪我はなかったが、車道からは1メーターぐらい。 当たったら大変だったろうな。 命の危機を乗り越え、また我輩は猛虎の魂を取り戻したのだった。 さすがに歩き疲れた。 腹も減ったので、世界の合言葉Mへ。 『セットのことはミールという』 前回の教訓を反芻しながら並んでいたら、 ここではセットの番号さえ言えば、セットが出てくるようだ。 ビッグマックセットをむさぼり食い、ドラゴンシェイクとやらも食いたかったが、 どうせまた寄ることになるだろうと思って止めた。 もう疲れたので、駅ビルで買い物をして帰ることにする。 本屋でフェラーリ全集に惹かれたが、あまりの重さに断念。 他にたいして欲しいモノは無かったので、 ドラッグストアで大ボリュームのチョコとクッキー、ジュースを買ってホテルに帰った。 19:20だった。 疲れていたのか、タケシはすぐに爆睡。 我輩はシャワーを浴びて、トムとジェリーを観つつ、 何度も寝たり起きたりしながらコレを書いた。 そういえば明日はテルミニ駅5:05発。 早めに休むか・・・。 Zzz。 |