11 Ott-
2人とも目覚ましをかけ忘れ、6:54起床。 さっそく着替えてバイキング。 今朝は日本人には会わなかった。 エネルギーを蓄え、急いで身仕度をする。 今日はヴェネツィア観光だ。 ヴェネツィアは100以上の小島からなっており、見ドコロはその島々にある。 このホテルは島の対岸に近いメストレという街にあり、島へは列車で渡る。 というわけで、さっそく駅に行くことにする。 ルームキーはカード式だったので、タケシに持ってもらうことにした。 今日は時間に余裕あるかなぁと思いながら階段を降りていくと、 タケシがルームキーを預けに行くのが見えた。 あ、預けるのか、と思って見てたら、どうも様子がおかしい。 ホテルマンが部屋の冷蔵庫は使ってないかとか、 レシートにサインしろとか言ってる。 これはチェックアウトと思われてないか!? 偽「No,checkout!Keep it! 「Only keep it? (預かるだけなん?)」 偽「Yes!」 「O.K.sir. (了解だ旦那)」 危ない危ない。 危うく今夜は家なき子になるところだった。 外人は行間読んでくれないから困るぜ。 まぁ行間っていうか、何も話してないんだけど。 せめてチェックアウトかどうか聞いてくれれば良いのに。 何にしても、また神々の試練を乗り越えることが出来た。 徐々にだが確かに、 我輩の牙には輝きが戻り始めているぞ! 力強く駅に向かい、 ヴェネツィア観光の玄関口、サンタ・ルチア駅までの切符を買う。 案内表示もサンタ・ルチア駅に行く列車はちゃんと別表示になっていて、 教えてもらった通り1番線で待っていると列車がやってきた。 世界の車窓に出てきそうなローカル列車に乗って、長~い橋を渡る。 おーっ見えてきやがったぞ! 水の都ヴェネツィア!! これこそ我輩の思い描いていたイタリィですよ! 山ばっかりで、何か違うなぁと思ってたんだよ~。 ようやく本領を発揮してきてくれたね! 気分は盛り上がって、8:10サンタ・ルチア駅に到着。 ♪サンタァ~ルチィ~アァ~ 帰りの電車がちゃんとメストレ駅に停まることを確認し、 まずは大通りっぽい道を歩いて、サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会に向かう。 毎日のことだが、順路は全て万全だ。 さすがオレ。 さて、ヴァポレットとかいう水上バスの方が早いのだが、 切符の買い方が分からないというのと、 夕方は多分歩けないということを勘案し、歩いて行くことにしたのだ。 ところが・・・。 道は細く、随分入り組んでいる。 さらに案内もほとんどない。 そして皆様。 水の都だっていうぐらいだから、水のキレイな所だと思うやろ? とんでもねぇ!! 確かに水路だらけの街なんだけどさ、 その水の汚いことといったらないよ!! 素晴らしい真緑だよ。 そりゃあそうだろ。 こんなに水路が入り組んでちゃ水も流れないだろうし、実際水は流れてない。 生活廃水だって垂れ流しだろうしな。 現実の厳しさに絶句しながら、細い路地を歩く。 散々迷いに迷って、ようやくサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会に到着。 横の立派な建物はホスピタルだと、 聞いてもいないのに爺さんが教えてくれた。 写真を撮っていると、イラン人っぽい人が写真を撮ってくれと近づいてきた。 偽「Ready? (撮るぜ~?)」 パシャッカメラを渡すと、撮れ具合を見た奴の顔が曇ったので、 そそくさと教会の中へ逃げ込む。 ウリらしい天上画を見学。 外にあった騎馬像は修復中だった。 次はリアルト橋だ。 ・・・ん。 トイレに行きたくなってきた。 トイレ行きたい。 でも公衆トイレには行きたくない。 そこで、知らん顔でBARの2階のトイレへ。 何だこのトイレ。 便座がねぇぞ? ・・・。 神よ、 こんな所にまで試練を課されるのか・・・? ・・・我輩はまたしても試練を乗り越え、 猛虎の野性を取り戻した。 待たせたなタケシ。 にしても、道が全然分からん。 何度も道を間違えてやっとリアルト橋に着いた。 橋の上から、想像していたヴェネツィアの景色が見れた。 これだよ、コレ! 水は汚いし道は狭いし・・・ ちょっと幻滅していただけに、これは嬉しかった。 ようやく自分達の場所が把握出来たのだから、 次こそ迷わないように行かねばならない。 次はサン・マルコ広場だ。 壁に貼付けてあった小さな地図で、ちゃんと曲がる角を確認。 よし、バッチリ行くぞ。 この角だな? よしよしよし。 ・・・ん。 あれ。 また迷ったか? 何でやねん!! 結局また迷って、予想だにしなかった方向からサン・マルコ広場に到着。 しかしそこには、さらに予想だにしなかった光景があった。 はとハト鳩! 何やこの鳩の群れはっ!? 1ユーロで餌を売ってるんだが、 餌を持ってる人間に アリエナイ数の鳩がたかっている! ハッキリ言ってキモイ!! これ真剣に鳥インフルエンザは大丈夫なんだろうか。 恐るべき低空飛行をしてくる鳩にビビリながらサン・マルコ寺院へ。 こりゃあすげぇ見てくれだ。 そんじょそこらのとは違ってボリューム感がある! 入るために並んでいると、 何だか隣の鐘楼の方が早く見れそうな気がしてきたので、 先に鐘楼に登る。 フィレンツェの鐘楼と違って、こっちはエレベーターなので楽チン。 ヴェネツィアの街並みが一望出来るやないっスか! お~、海に教会が浮いてる! そしてあれが後で行く予定のサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会だな? 海と赤い屋根の景色が何ともキレイだった。 ヴェネツィアの眺望を堪能して、改めてサン・マルコ寺院へ。 やたらに並んでようやく見れたのは、金ぴかの何かだった。 クーポラ裏の天井画もキレイだったが・・・見た目とは裏腹にショボかったな。 クーポラには登らずに出て、隣のドゥカーレ宮に行こうとしたら、 広場で男性が倒れていて心臓マッサージが行われていた。 何があったか分からないが、この男性はお亡くなりになった。 毎日毎日アリエナイ事が起こるなぁ・・・。 気を取り直してドゥカーレ宮。 めちゃくちゃに広かった・・・気がする。 というのも、上がったり下がったり。 順路もよく分からないし。 広間の絵画と牢獄、 そして牢獄のある建物につながる「溜め息の橋」が見ドコロ・・・なのかな。 溜め息橋ってのは、 渡ったら帰って来れないと囚人達が溜め息をついたことから つけられた名前だそうだ。 しかし・・・相変わらず何が見ドコロか分かんねぇ。 やたらに牢獄を見せられ、 我輩の頭にはサイモンの事ばかりが浮かんでいたのだった。 ぐるぐるぐるぐると見て回って出た。 外から溜め息橋を見て、さぁ飯だ! イタリアに来たのだから、ラザニアを食いたい! というタケシの意見で、ラザニアを探す。 と、革製品のお店発見。 我輩はここで地元のブランドらしき「PAGAN」のキーケースを購入。 GUIDIとは違って、表のデザインも知性を感じさせるじゃねぇか。 本皮という割にはテカッてるし、本当に欲しいのとはちょっと違うが、 値段もそこそこだったので購入。 これで歩く度にジャラジャラやかましいのともオサラバだ。 さて、昼になって、広場にはオープンカフェが沢山あった。 しかも生演奏付き。 ムードは満点だがどこにもラザニアは無かったので、 広場から一本奥に入った道にあったレストランに入って今日初めての休憩。 せっかくラザニアのある店に来たのに、タケシは我輩と同じペンネを食っていた。 腹も一杯になったし、午後も気合い入れて行くぞ! 出発前に、カメラ屋に立ち寄る。 32・64・128MBの3枚のメモリーを持ってきたのだけど、 阿呆みたいに写真を撮り過ぎてメモリーの余裕が無くなってきたのだ。 後の憂いを一掃するため、256MBのを購入。 これでまた腐るほど写真が撮れるぞ! サン・マルコ広場を後にして、 アカデミア橋を渡ってサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会を目指す。 おぉっこれもよく見る景色だな! デカイのがサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会だ。 途中、世界のベストセラー「地球の歩き方」が 重要度☆☆☆に設定したアカデミア美術館を見学することにした。 今日は時間がタップリあるのだ。 一番の見モノであるらしい「嵐」を見て退散。 結局のところ、我々に美術見学は不要なのであった。 ブラブラ歩いてサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会に着いたら、 横で映画撮影みたいなのをやっていた。 実は台湾のチョコのCMだったのだけど、 結局これを1時間半ほど見ていた。 ヴェネツィアまで来て何やってんだと思うだろ? 今日は時間が有り余ってんだよ。 買い物しようと思ってたけど、 どうやらこの街はバキッと買い物の出来る街ではなさそうだったし。 っていうか、あの狭い道を歩き回って買い物したくないし。 いい加減見飽きてきたところで、 教会の前にあった乗り場から水上バス「ヴァポレット」に乗って 駅前まで帰ることにした。 ゴンドラにも乗ってみたかったが、 何しろ高そうだし、値段交渉なんて我々には出来やしない。 ぼられるのがオチだ。 せめて水上バスで水の都ヴェネツィアを味わうぞ! チケット売場が見当たらなかったので、 乗務員に「チケット持ってねぇぞ」 って言ったら船の中で売ってくれた。 各駅停車のヴァポレットでグランドカナル(大運河)を味わって、 サンタ・ルチア駅に戻ってきた。 とはいえ、まだまだ17時前。 ホテルに帰ってはもったいないオバケに襲われてしまう。 派手なブランドショッピングは出来そうもないので、土産屋を散策。 ヴェネツィアングラスの置き時計にも惹かれたものの、 ガラスだけが名物じゃあない。 小さな仮面をチョイス。 この鉄仮面には華やかな仮面が必要なのさ。 さらにブラブラして、ピザを食ってから帰ることにした。 コーラとセットで7.9ユーロ。 さすがは外人サイズ。 笑えるぐらい馬鹿デカかった。 そして18:37、ついにヴェネツィア、サンタ・ルチア駅を後にしたのだった。 アディオース!! ここにももう多分来ることはないよ!! 現実というのは見てみなければ分からないっていうことを 痛感したヴェネツィアであったね。 さて、ホテルに戻ったら、鍵を返してもらう時に 空港への行き方を教えてもらわねばならない。 この旅の中で、明日の行程が一番心配なのだ。 マルコ・ポーロ空港からシャルル・ド・ゴール空港へ飛ぶのだが、 我々が滞在しているメストレからマルコ・ポーロ空港への行き方は 日本では調べられなかったのだ。 さて・・・我輩のイングリッシュがどこまで通用するか・・・。 偽「Room key
please. 「Sure. そういえば、朝の列車の中から飛行機マークのバス停が見えた。 あそこかな。 とにかく、トチってしまっては全てが終わる。 さっそく確認に行く。 ホテルの前にもバス停があって、そこからも空港へ行けるようだったが、 ず~っと歩いていくと確かにバス停があった。 朝、列車の中から見たバス停だ。 さすがオレ。 観察力抜群。 時刻表によるともうすぐ空港へ行くバスが来るようだ。 確認してから帰るか。 15分ほどして、フロントガラスに バッチリ飛行機のシールが貼ってあるバスがやってきた。 「LIDO DI JESOLO」行き。 よしよし。 あ、朝早くて窓口が開いてなかったら大変だ。 一応自動券売機の使い方も確認するか。 何だかポストのような自動券売機。 電話みたいに数字のボタンがあるだけ。 ジーッと眺めて、 どうやら区間をコードで指定してやると切符が買えるらしいことが判明した。 メストレから空港へは「120」だ。 すると、バッチリ2.5ユーロという文字が表示された。 完璧!! 旅に出ると冴えまくりだなオレ!! 帰りに駅のコンビニみたいなトコでバリデカイココアを購入。 その名も「Sdrink」! 超絶濃厚ココア。 舌に絡み付くそのマッタリ感といったらないね!! チョコをバリバリ食いながらマッタリココアを飲んで、 明日のルーヴル美術館の作戦を練るつもりが・・・早々に大爆睡。 疲れてきたかなぁ。 Zzz |