8 Oct-
ようやく出発の時がやってきた。 失われた牙の輝きを取り戻す旅だ。 今回の心配事は、言語が通じないよりも何よりも、 独り旅ではないということ。 今回は同期との二人旅。 間違いなく日向小次郎より群れることを知らない我輩が、 一体どこまで団体行動をとれるのか。 多少の無礼はご容赦願うしかない。 で、我輩が偽スナフキンで日向小次郎なら、 同期には便宜的にも「タケシ」こと沢田タケシになってもらおう。 いや、反町くんや若島津でも良いじゃないかという意見は、 とりあえず保留させていただく。 設定が決まったところで、一路集合場所である鶴橋ヘ向かう。 何でこんなにガキどもが多いのかと思ったら今日は土曜日。 ガキどもはお勉強の日か。 ガキで喧しい電車でひと足先に鶴橋に到着し、無事タケシと合流。 ここから天王寺ヘ行き、関空快速に乗り換えて関西国際空港へ。 まずは阪急交通社のカウンターで、 航空券・乗車券・宿やツアーのクーポンを受け取る。 何ちゅう多さだ。 しかし一枚でも無くしたら全てが終わる。 細心の注意を払わねば。 さて、早速チェックインする。 隣は重量オーバーでトラブっていたが、我輩のスーツケースは意外にも10.3kg。 重そうでも軽かった。 金属探知を抜けて出国審査。 ここまでは慣れたもの。 で、どうやらフランスで入国審査が行われるらしいのだが、 フランスのガイドブックはスーツケースに入れてしまったので、本屋で書き方をチェックする。 とにかく心配事は全て事前に潰す。 必殺忍法「何とでもなれ~っ!!」は、 海外では危険だという事をUKで学んだからな。 危ない橋は叩き潰して泳いで渡るのだ。 ひと段落したので、前と同じスタバで休んで やはり前と同じココアとチョコスコーンを食べていたら、やはり緊迫してきた。 トイレに行って搭乗口へ。 12:00発AF291便。 JALとの共同運行とのこと。 これでパリまで行って、そこからローマ行きに乗り換えることとなる。 ファーストクラス、ビジネスクラスを抜けてエコノミークラスの席へ。 席ってこんなに違うのか? あまりの貧富の差にビックリだわい。 で、席についてさらにビックリ。 テレビ付いてるやんけコレ!! 何なんコレ!! スゲーよコレ!!(狂喜乱舞) しかも隣がタケシなので、パリまでの間、 通路側である我輩の席の安全は確保された。 UKの時のような非常識韓国人に悩まされないだけでもありがたい。 後は行くのみ!! わけの分からん機長の挨拶の後、飛行時間が発表された。 12時間半。 長い監禁となりそうだ。 12:03、ようやく動き出した。 やはり最初の一発目は緊張する・・・。 をや、客室乗務員も座り始めたぞ。 クリクリと走って・・・ってオイ! この加速はいきなりか!! ポーンの合図も無しかっ!! でりゃ~ッ!! 12:17、AF291便は一路パリへ飛び立ったのである。 離陸して30分ほど眠ってしまった。 ふー。 さて、席に付いているテレビで観れる映画は全て微妙。 その中で日本語音声があるのは、「Guess Who」のみ。 あまり面白くなさそうだったので観ずにぼーっとしていたら、 食前酒が運ばれてきた。 まずは肩慣らし。 偽「Coke,please(コーラをくれたまえ)」 「Ice or lemon?(氷を入れる?それともレモンかい?)」 偽「Ice.(もちろん氷だよ)」 「Oh,ice!(おぅ氷なのね!)」 完璧だ。 今回の旅でCokeは絶対卒業してやる。 再びテレビをいじってみる。 音楽・映画・ニュース・現在地、何でも好みのまま。 スバラシイ。 音楽はメニューと流れている曲が全然違うのはご愛嬌。 Japaneseでかかっていたのはやたらに陽気なラテンミュージックだった。 にしたって、UK旅行の大韓航空とはエライ違いだ。 しかしあまりの快適さに物足りなさを感じてしまうな。 しばしAfrican MusicとMusic from firmsが混在した音楽を聞いていた。 右耳はアフリカ、左耳は映画館。 我輩がハチャメチャミュージックを楽しんでいる間にも、 着々とランチの準備が進められている。 お、フランスパンだ。 ビーフと味噌スープ、ワインにパンをもらう。 ワインは瓶でくれた。 こんなにはいらぬので、少し飲んで前の席のポケットへ。 ポケットに入れていても、横からパクる理解不能な韓国人がいないので安心だ。 今度はコーヒー。 ミルクとガムシロップかと思って取ったらミルクとミルクだった。 やむなくミルクとミルクで飲む。 腹がジャブジャブだ。 何故か窓が閉められ真っ暗となった上に、ワインがまわってきたが、 まだまだ寝るわけにはいかない。 何せ今日は31時間あるのだから。 そして寒いんスけど。 かなり寒い。 うーむ。 毛布をかけて、「近鉄球団、かく戦えり」を読んだ。 そしてその後、つまらなさそうな映画「Guess who」を途中から観た。 白人と黒人の結婚映画。 黒人女性の父親が白人の彼氏を認めない話。 実につまらん。 別にこれが観たいわけじゃない。 前述の通り、日本語音声がこれしかないのだ。 結局最後はハッピーエンド。 ケッ 別れちまえばいいのに。 現在日本時間15:52、まだ8時間半もある。 このつまらん映画が4回も観れてしまう。 最悪だな。 もう早く着いちまってくれ。 「Guess who」もさっき観始めたところまできた。 もういいよ、十分だ。 しかし何でこんなに暗くするのか。 着いたらまたすぐ夜が来るのに!! 時差ボケで観光させないつもりか!? そうはいくかっ!! 持ってきた本を読む。 「この胸いっぱいの愛を(今秋映画化)」 クサイタイトルだ。 止めとけば良かった。 ブツブツ・・・。
-読書中-
日本時間19:20、読み終えた。 飛行機が落ちる話で複雑な気持ちだったが、かなり感動した。 ウッカリ目頭が熱くなったぜ。 これは映画も観に行かねば。 ・・・いやいや、人生こんなキレイなモンじゃねぇよ。 危うく本と現実の区別がつかないのび太君になりそうな自分を呼び戻す。 飛行機はウラル山脈の北端を越えているあたり。 まだモスクワにも至っていない。 さらに読書用の照明だけの暗い機内が気分を萎えさせる。 何となくだが、本国に帰る便は暗くすることになってるんだろうか。 散歩がてら外を見に行ったが、一面の雲。 ただ、外はいつまでも明るい。 21:34、つまらん。 飛行MAPに出てくる地名もマイナーなものばかり。 また外を見に行ったら、フィンランドの景色が見えた。 もはやこれぐらいしか楽しみはない。 少し寝て22:40、晩飯。 これが出てくるってことは間もなくか。 コペンハーゲンを過ぎて、いよいよパリスの文字が近づいてきた! トランジット、入国審査の復習をしなければ。 23:30、入国カードが配られた。 シェンゲン協定とやらに加盟している国々に入る時は、 一番最初に入る国で入国審査をする。 加盟国内の移動では入国審査は行われず、国内線扱いとなるらしい。 つまり今日の最終目的地はローマであるが、パリで入国審査をするわけだ。 書いていると、着陸口が変更になったとの放送が。 果たして無事にトランジット出来るのか。 その前に入国出来るのか。 不安極まりないまま、日本時間0:16、現地時間17:16、 AF291便はフランスはパリ、シャルル・ド・ゴール空港に着陸したのである。 ここがCharles de Gaulle かっ!!! 日本から約9,630キロ、 ようやくパリスじゃー!! おフランスの皆様、ボンジュール!! さぁ恐怖のトランジットだ。 搭乗券には「2F」とあるので、バスでFターミナルヘ移動。 周りは観光ツアーの外人だらけ。 もう日本語は通じない。 「F」でバスを降り、入国審査へ。 すると、1~20ゲート、21ゲート~の2つに別れていた。 どっちだ。 しかも余裕があると思ったのに、意外に時間ない!! 迷っていると、21ゲート~の方に「SHENGEN~」の文字が見えたので、 勝手にこっちだと断定。 突撃する。 な~に、違ってたら強引なドリブルで突破するだけだ。 そしたら、バッチリあっていた。 ヒヤヒヤしたが、無事入国手続き完了。 搭乗券には18:25発とある。 もう18:05。 急いで金属探知を通って搭乗口に行こうとしたら、引っ掛かった。 どうやらベルトのバックルが原因らしい。 海外ではことごとく引っ掛かる。 クソッ 良いベルトに買い換えてやるぞ。 搭乗口はF29であることを黙視にて確認。 安心したところでトイレへ。 うをっ便座高ッ!! 屈辱的だ。(T_T) その後本屋で買い物。 小銭が欲しかったのに紙幣がでてきた。 偽「Small change,please.(ジャリ銭に両替してくれない?)」 と言ったら、首を横に振りながらフランス語で何か言われた。 何も分からん。 この時初めて、返事が英語でないことに不安を感じた。 AF2304便は中型機。 アジア系のオバハンがタケシの席に座っていたのでどかす。 ババアの図々しさは万国共通であるようだ。 よく分からん機械音が気になったが、無事離陸。 やはり外国の飛行機は案内無しにいきなり飛ぶようだ。 こうしてAF2304便は、凱旋門・エッフェル塔を横目に、 ローマ・フィウミチーノ空港に飛び立ったのである。 機内では予想通り日本語の案内は無かった。 そしてこれまた予想通りの機内食。 さっき食ったばかりだがまた食った。 日本時間で3:00。 こんな時間に飯を食うハメになるとは・・・。 どこを飛んでいるのかサッパリ分からんが、 窓の外には結構大きめの街が広がっている。 あと1時間ほど。 飛行機の2時間は、あっちゅー間である。 30分ほど寝て眠気を飛ばし、頑張って起きる。 今寝てしまっては明日以降時差ボケに苦しむことになってしまう。 そんなこんなで20:52、ローマ・フィウミチーノ空港に到着。 今度はイタリィじゃーっ!! イタリアの皆様、ボンジョールノー!! と、テンションだけは高いものの、日本を出てからすでに15時間35分。 と・・・遠かった・・・。 しかしまだここは空港。 列車でローマ市内に行かなければ今日は終われない。 というわけで人気の無い通路を急いで列車の駅へ向かう途中のエスカレーターで、 我輩のスーツケース転落事故発生。 10メーター近く転がり落ちるのをなす術も無く見守った。 誰もいなくて良かった・・・。 ホッとする間もなく駅に急ぐ。 すると、21:37発ローマ・Termini (テルミニ)駅行きの列車が停まっていた。 時間がない! 切符を買おうとすると、駅員が話し掛けてきた。 「ペラリーノ、ローマテルミニペラリーノ?」 偽「イエス、ローマテルミニ」 「ペラペラペラリーノペラリーノ」 タケシ「オンザトレイン?」 「ペラリーノオンザトレインペラリーノ」 列車の中で切符を買えと言っているのか? 何か違うような気がする・・・。 困って周りを見ると、すぐそこでオッサンが切符を売ってるやないの!! コイツから切符を買えば間違いない! 偽「2テルミニ!」 「レオナルドエキスプレス?」 偽「イエスイエス!!」 レオナルドエキスプレスとはローマテルミニ駅までノンストップの列車だったハズ!! 事前にバッチリ予習しといて良かったぞ! 首尾よく手書きの切符を買うことが出来た。 こちらの駅では改札が無い代わりに、刻印機で切符に印字をしなければならない。 刻印機に切符が上手く入らなくて焦っていたら、 駅員が乗車口の所で「早く来い!」という仕草をしている。 偽「No,stamps!!(刻印してないぞ!)」 と言いながら走っていくと、「良いから乗れ!」というようなことを言った ・・・ような気がした。 いや、確かに ヤツの目がそう言ったのだ!! 分からんままに乗車すると、列車はすぐに走り出した。 そして切符もすぐに回収された。 これでホテルに行ける・・・。 そう思ったらどっと疲れた。 テルミニ駅までは約30分。 22:05、治安が悪い悪いと書かれまくっているローマの中央駅、テルミニ駅に到着。 からまれないように気配を消してそそくさとホテルに向かう。 ただ、そんな変に危ないという印象は受けなかった。 近いハズだったが少し迷って、22:30過ぎにホテルに着いた。 チェックインし、部屋に行く。 恐るべきことに、ドア一つで隣の部屋と繋がっていた。 声聞こえまくり! 手続きのために預けたパスポートを取りに行くと、 隣の部屋の前でガキの男女が数人もめていた。 隣がガキと分かってひと安心。 パスポートを受け取って、タケシはそのまま爆睡。 我輩もシャワーを浴びてテレビを観ながら寝た。 あ、パキスタンで地震があったのか。 Zzz。 |