10 Ott-

3:30起床。

髭を剃って顔を洗い、出発の準備。

今日は5:05発ESスターでフィレンツェヘ行き、

観光終了後ヴェネツィアまで行く。

ESスターってのはユーロスターというイタリアの新幹線みたいなもの。

英国とフランスを結ぶユーロスターと区別するため、ESスターと呼ぶらしい。

標記は英国のユーロスターがESなのに対し、ES☆となっている。

旅行のパッケージでは

列車移動は全てECというローカル列車になっていたので、

追加料金を払って変えてもらったのだ。

さて、ガイドブックでおさらいをすると、

ショックなことにフィレンツェの美術館はことごとく休館。

「ダヴィデ像」や「ヴィーナスの誕生」を観る予定は吹き飛んだ。

無念極まりない。

昨日のヴァチカン博物館といい、芸術には縁がなさそうである。

昨日置き忘れた鍵もちゃんと持って、Here we go!! と思ったら、

タケシの一言でパスポートを忘れてきたことが判明。

事無きを得た。

チェックアウトしてテルミニ駅へ。

5:05発ESスターは・・・5番線だ。

一番列車だというのに、結構人が乗っている。

一番列車にしたのは、フィレンツェに早く着きたいというのはもちろんのこと、

いくら時間にルーズなイタリアの鉄道とはいえ、

一番列車なら遅れないだろうという思いがあった。

日本でもらってきた切符にバリデーション(刻印)をして乗り込む。

10号車51・52番席。

・・・しかし、さっさと乗り込んだのはいいものの、

ちゃんと合ってるか自信が無くなってきた。

ホームに戻って確かめようとしたものの時間もない。

本当にMirano (ミラノ)行きで良いのかっ!?

フィレンツェ・サンタマリアノヴェッラというのを耳にし、

ひと安心して発車を待った。

そして5:05、ESスター9424号はまだ暗いローマを後にしたのだった。

さらばローマ!!

もう来ることは無いよ!!

フィレンツェまでは2時間。

車窓は真っ暗だったので、ひたすら執筆。

到着10分前になってようやく夜が明けてきた。

今日も素晴らしい天気になりそうである。

7:04、フィレンツェ、

Stazione Centrale Della S.M.Novella (サンタ・マリア・ノヴェッラ中央駅)に到着。

18:39発の列車までに観光を終えなければ。

ピノキオの生まれ故郷、フェレンツェだ!!

またしても治安が悪い悪いと書かれていた駅前には、

やたらにハイネケンのフタや空き瓶が散らばっていた。

確かに治安は良くはなさそうである。

おーっ

あれはドゥオーモじゃないっスか!!

朝飯も食いたいので、街の中心地であるらしいドゥオーモ方面に歩を進める。

寒い。

ジャケット持ってきて正解。

にしても・・・どこも開いてないな。

7:30ではまだ街は眠ったままだ。

意を決し、今まで敬遠してきたBAR(バール)デヴュー。

BARとはドラクエみたいな酒場ではなく、

レストランより早く開店して遅くまでやってる、

まぁファーストフードに毛の生えたようなもの。

フォカッチャとカプチーノを注文。

6.5ユーロだから1,000円弱か。

やたらにツナの入ったサンドだった。

さて、まだ8:00。

見ドコロは早くて8:30から。

仕方なくドゥオーモの周りをブラブラして時間を潰した。

8:35、ようやくジォットの鐘楼が開いたので突入。

ヨッシャ一番乗り!

延々と階段を登り、ひぃひぃになってようやく頂上にたどり着いた。

をほーっ!!

これがよく見るフィレンツェの街ですよ!

すんばらすぃ~っ!!

大感激して四方八方写真撮りまくり。

すげーよ。

よく見ると、向かいのドゥオーモのクーポラにも人がいる。

あそこにも行けるのか・・・

っていうか、ここより高いのか・・・。

ツラそうだな。

とりあえず今クーポラに昇っても同じ景色になってしまうので、後回し。

で、フィレンツェを見渡せるというミケランジェロ広場ヘ向かう。

途中、細い路地を歩いてサンタ・クローチェ教会に立ち寄る。

教会ばっかじゃねぇかと?

良いんだ。

我輩は教会見て歩くのが好きだから。

日本でいう寺歩きみたいなもんだろ。

で、教会はまだ開いてなかったので、

広場の周りにある革製品の店を覗いて時間を潰す

我輩が探しているのは、

金属探知に引っ掛かりまくるこのベルトに代わるナイスベルト。

それと、こちらには良い革の物があるだろうと

吉田カバンのを買わずに我慢してきたキーケース。

値段的にも随分お値打ちな物が多かったが、まだ今日は始まったばかり。

慌てる乞食はもらいが少ないし、お買い物は後にしよう。

店も回り終わって、そろそろ開くかと思って待っていたが、

時間がきてもなかなか開かない。

相変わらずルーズやなぁと思っていたら、入口は脇にあった。

チィィッ!!

金を払って中に入る。

ここには著名人の墓があった。

ガリレオ、ダンテ、ミケランジェロ。

中には美術館もあって、思った以上に見所満点。

ぐるり~っと見て回って出た。

サンタ・クローチェ教会からさらにまっすぐ西へ歩いて橋を渡る。

おーっ

まさに本で見た通り!!

あれは後ほど渡る予定。

ミケランジェロ広場は反対側。

公園の裏手から坂を登ったトコにあった。

ダヴィデ像のレプリカがお迎えだ。

そして振り返るとそこにはフィレンツェの街並みが!

ほぁ~・・・素晴らしかとですよ。

天気も良いし、サイコーじゃない。

二日続けて雲一つ無いなんて、そんなにないっスよ!

晴大将軍パワー全開ッ!!

快晴のフィレンツェの大眺望に満足して折り返す。

来た道を帰って、ピッティ宮殿の方へ。

行ってみたい革製品店があるのだ。

せっかくだから宮殿内の美術館を見に行こうと思ったら、月曜は休み。

つくづく芸術には縁が無いようだ。

切符売場の男はうまく言葉が通じてないのにイライラしてるし、ゲンナリ。

さらに散々探したあげく、

行きたかった革製品店は休みだということが判明。

何てこったい。

ガックリして街の中心地に帰る。

ピッティ宮殿の前の道は、ポンテ・ヴェッキオにつながっていた。

橋の上は金細工の店できらびやか極まりない。

店を覗くには、我輩では力不足だった。

我輩には鈍くぼや~っとしてるぐらいで十分だな。

しばらく行くと右手に塔が見えた。

行ってみるとヴェッキオ宮殿だった。

手前のシニョーリ広場はオブジェが一杯。

見回していると、ヴェッキオ宮殿に行列が出来ていた。

どうせ時間はあるのだから、並んで見学する。

う~む・・・じっと立ってると足の裏が痛くてかなわん。

早くしてくれ~。

何でこんなに並んでんのかと思ったら、金属探知をやっていた。

しかも一人の警備員が一人ずつ。

こんなに並んでんねんから、

もっと何人もでやらんかいっ!!(怒)

ようやく我輩の番かと思ったら、やっぱりベルトで引っ掛かった。

何やねんこのボケベルトッ!!

別に飾りがついてるわけでもない。

ふっつ~のベルトやのに!

絶対買い替えてやるっ!!

憤りつつ2階に上がると、1階で切符を買ってこいと言われた。

2階でも売れっ!

コンニャロ~!!(怒)

疲れて腹が立ってきた。

並んだり切符を買いに戻ったり、

こんだけしたのだから相当なモノを見せるのかと思ったら、そうでもなかった。

広間

3階のデッカイ絵がウリなようだが、

何がテーマなのか分からずじまい。

釈然としないまま、ヴェッキオ宮殿を後にした。

ここでこれだけ並んでたということは、

早めにクーポラヘ行かないとヤバイかもしれん。

危機感を感じ、クーポラヘと急ぐ。

メシはその後だ。

幸いそんなには並ばずに済んだ。

クーポラ内部のフレスコ画を見ながら、せっせと階段を登っていく。

今日は今までの人生で一番階段を登る日だ・・・。

絶対明日リバウンドがきそうだな。

息をつくような場所が無い分、朝登った鐘楼よりキツかった。

何より、足に乳酸溜まってきてるっちゅうねん!

息を切らしてようやく着いたてっぺん。

やはり眺めはサイコー!!

朝は逆光だった分、今はよく見えるぞ!


しかしパトカーがやたらにサイレンを鳴らして走りまくっている。

この小さい街は事件だらけなのかな。

ぐるっと見て回り、下りる。

ドゥオーモ内を見学して、昼飯だ。

朝見掛けた青空レストランでスパゲティとカプチーノ。

味も良かったし、途中アコーデオンのオッサンが現れ雰囲気は満点だった。

金はやらなかったがね。

満足して、サン・ジョヴァンニ洗礼堂へ。

天井裏にある金ぴかの絵を見るだけで3ユーロ。

高ぇよ。

さて、買い物する前にメディチ家礼拝堂を見学に行く。

中は別に何も惹かれる物が無かったので、サクッと見て出る。

すると、さっきまでがらんとした広場だったのに、

礼拝堂の周りは革製品の露店だらけ。

何やこら。

細かく見て回るのは後。

まずはブランド物を見に行くことに。

タケシいわく、GucciとFerragamoは本店だとのこと。

他にもHermesやPradaなんかも見て回ったけど、

特に目につく物は無かったので、何の収穫も無いまま退散。

その帰り道・・・、露店がまた増えてるやん!

狭い路地に果てしなく連なる店、店、店!

革の鞄やベルト、財布なんかが主で、他にも小物が売られている。

しかし・・・ホントに革かよコレ。

うさん臭さ300%!!

しかし革だろうが合皮だろうが、見た目がオッケイならかまわない。

腐るほど並んだ商品の中で、

唯一目に留まったキーケースを見ていると、女店員が寄ってきた。

そう言うと、持ってたライターでキーケースを火あぶった。

ライターで燃えないと本革なのか?

残念ながらそれが何を意味するのか

オレにはサッパリ分からんぜ。

そんな事はどうでもいい。

値段も手頃だし見てくれもまずまず。

う~む・・・ただ。

革とかどうとかより、

ごっつく焼き付けてある「GUIDI」というブランド名が

気になって仕方ない。

ダサイ。

ん~・・・。

かなり迷ったが、

結局フィレンツェでのお買い物は見送りとなった。

美術館が休みだった関係上、

どうせ駅に戻っても時間が余りまくるので、露店を回ってみる。

そしてたまたま通ってしまった場末の通り。

他の欧風の街並みとは違って、何となく中国人街のような所。

何となく気配を感じて振り返ると、

エスニックな男があさっての方向を見ながら近づいてきていた。

気のせいかと思って少し歩いてからもう一度振り返ると、

さっきより近づいていたその男は、

回れ右して反対側へ遠ざかっていった。

どうやら事なきを得たようだ。

この一画は明らかに観光客がいないし、

露店に売ってる物も他とは違って中国モノっぽい。

マズったな。

しかしこの窮地を乗り越えたことで、

我輩はまた猛虎の魂を取り戻した。

徐々に復活してきたな・・・。

とにもかくにも

向かったつもりだったのに全然違う場所に着いた。

全く・・・ちゃんと目的地になんて着けやしない!

さっきの件ですっかり怖じけづいた我々は、

遠回りだが広い道を歩いてサンタ・マリア・ノヴェッラ中央駅に戻った。

駅舎に入る前に、最後に駅の近くにあるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会を

外からだけ見てフィレンツェ観光終了。

歩いたし階段も登りまくったし、

疲れ果てたので駅の世界の合言葉で時間を潰すことにした。

夕方になって駅の周りも一変。

微妙な方々がハイネケンを片手に騒ぎまくっている。

朝見たハイネケンの瓶やフタはこれか。

確かに治安は良くなさそう・・・。

やはりが一番安全だろう。

駅に入って、まだ荷物は出したくないから、

まずは荷物預り所が何時まで開いているか確認。

「Midnight」っていうのが

何時までを意味するのかは微妙だったが、

何となく出発までは開いてそうだ。

ちょっとだけ安心して、へ。

並んでいるとガキが騒ぎながら入って来たので、

笑顔で罵声を浴びせる。

どうせ奴らには何にも分かりゃしないのだ。

ぐははっ!

それはいいとして、我輩は昨日食べなかったドラゴンシェイク、

タケシはバニラシェイクにM&M’sが入ったマックフルリーをオーダー。

ドラゴンシェイクはただのチョコ味シェイクだった。

列車は18:39発。

そろそろ行くかということで、

隣のドラッグストアでジュースを買ってホームへ。

しかし案内板には乗車予定の列車は無い。

いつまで経っても表示されないので、

とりあえずスーツケースを預り所から受け取って、再びホームに行く。

おかしい。

いい加減表示されないとおかしい。

時間も迫ってきたので、警官らしき男に聞く。

偽「(切符を見せて)どの列車?」

「(表示を指差し)見えるか?Trieste(トリエステ)行きに乗りな」

偽「Trieste??」

事前の調査では、

ヴェネツィアのSanta Lucia (サンタ・ルチア)行きだったハズ。

不安極まりなかったが、警官が我々を騙すこともあるまい。

そして確かにESスター9425号となっている。

若干不安を抱えたまま、乗り込む。

放送でMestre (メストレ)駅の名前を聞き、ひと安心。
(↑サンタルチア駅からは列車番号が変わって最終的にトリエステ行きになる列車だった)

どっと疲れた・・・。

食堂車にも行ってみたかったけど、

スーツケースがあるので無理。

我輩はしばらく寝て、我輩が起きてからはタケシが寝た。

メストレ駅に着いたのは、21:39。

さっさとホテルに行かねば!

と意気込んで降りたら、大きく「HOTEL PLAZA」の看板が見えた。

ササーッとホテルに直行。

タケシはまたしてもそっこーで爆睡。

我輩は少し大きめの湯舟に湯を張って入り、

キルビル2を観ながら執筆。

0:24、眠気に耐えられず、片付け途中で眠りについた。

Zzz。

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