31 дек-
2007年最後の日。 3:00に目覚め、ニンテンドーDSをやっていたら6:30になってしまった。 慌ててシャワーを浴びる。 まるで普段の日曜日のような幕開けだ。 とりあえず、まずは腹ごしらえ。 誰もいないレストランで朝食。 今日も、次いつ食べられるか分からないので、しっかり食べる。 ん、美味い。 部屋に戻り、荷造りの前に窓を開けて空模様を確認すると、 窓の外は、かなりデカイベランダになっていた。 独りにはかなりモッタイナイ。 そして岩山があるらしき方向を見ると、確かにありますがな! あれですな!? あれこそ今日行く予定の今回の旅のメイン、メテオラの修道院である。 昨日の夜から雲が出たらしく、残念ながら曇り空。 しかし幸い高い雲なので、山の上がモヤの中ということはなさそうだ。 では行きますか。 ササッと荷造りをしてチェックアウト。 やはりリュックは預かってもらい、タクを呼んでもらう。 偽「あー、メガロ・メテオロンまで行きたいのでタクシー呼んでもらえますプリーズ?」 「開くのは9:00からだけど良いの?あぁ写真を撮るのね。 偽「片道でオッケイ。一番近い修道院からここまでどれぐらい?歩きで」 「うーん・・・メイビーワンナワーぐらいかしら。 というように、一般的にメテオラ観光をする場合、 特に冬期はバスの運行がストップするので、タクシーをチャーターするらしい。 大体1時間20ユーロが目安のようだ。 まぁしかし今日は17時半の列車まで時間があるし、 歩いても回れそうなので、歩くことにする。 タクシーが来るまで15分近く待ったので、観光するには丁度良い時間になった。 車窓には、これでもかとばかりに、そそり立つ山や奇岩が迫る。 すごいところだな。 9:00少し過ぎにメガロ・メテオロン修道院に到着。 メテオラ最大の修道院にして総本山。 中は見学ルートが組まれており、意外に見れるところは少ない。 展望台からの眺めはさすがだったけどね。
メテオラのガイドブックを買おうか迷ったが、これから随分歩くことを考えてやめた。 次に向かうのは、麓にあるヴァルラーム修道院。 歩いて10分ぐらいだ。 入口では団体ツアーで一緒になったらしい日本人がよそよそしい会話をしている。 やはり独り者がツアーに入ると、なかなか友達もできず、 カップルの間にも入れず、ああいうことになるんだろうな。 ペルーの団体ツアーは断念して正解だったといえよう。 で、ヴァルラーム。 ここもそんなに見るところはない。 聖堂を見て去る。 次はさらに山を下ってルサヌー。 さっきのコレね。 何の足場も無いように見えるが、一応裏は繋がっている。 ここは尼僧院。 なるほど、確かに建物の中も何となくキレイ。 しかしやはり造り自体が小さくて、そんなに見るところはない。 またも聖堂を見て去る。 ここから今度はまた山を登っていくと、岩山の上に出る。 そこからは、さっき行った3つの修道院と、アギオス・ニコラオス修道院を見渡せる。 こうして見ると・・・あまり来てないな。 結構歩いたつもりなんだが。 次のアギア・トリアダ修道院までは、さらに約2キロ。 何もない山道を延々歩いていく。 普通はやはりタクシーや車を使うようで、歩いているのは我輩だけだ。 少~しだけ雪がチラつく中、テクテクテクテク歩くこと50分。 アギア・トリアダ修道院の麓までやってきた。 この修道院こそ、まさに岩山の上に建つ修道院で、 教皇が星の運行から占いをするというスターヒルであるといえよう。 ということは・・・ この上にはジェミニのサガに殺されたシオンの腐乱死体が!? ・・・コレ分かる人いるのかよ。 まぁいい。 既にかなり歩き疲れているところへきて、 130段の階段を上るというのはかなりツライ。 ハヒ~ッ しかしせっかく階段を上ったのに、 ここも聖堂以外には特に見るところはなかった。 とりあえずシオンの死体ぐらいは見つけようと思い、 修道院の裏手に回ってみると、十字架が立っていた。 墓を作ってもらったのね・・・。 十字架の立つ丘からは、カランバカの町が見下ろせる。 意外に大きな町だったんだな。 そして、我輩の中には1つの、 しかしかなり大きな不安がわき上がっていた。 今日、この先のアギオス・ステファノス修道院を見たら、 ここアギア・トリアダの脇にあるらしいトレッキングコースを歩いて 町に帰るつもりだった。 このルートは、名著地球の歩き方に記載されているぐらいだから、 もちろん一般的なルートに違いないと思っていたのだが・・・ もう一度写真を見てくれ。 この麓に広がる町並。 キレイだねぇ。 ・・・そうじゃない。 この近さで、この高低差。 どんだけ急なトレッキングコースやねん。 とりあえず心配ではあるが、先にアギオス・ステファノスを見に行くことにしようか。 今日は閉館日みたいだから、遠くから見るだけなんだよね。 ・・・って、おや。 何だか人が入っていってるね。 入れるのかな。 ・・・入れるなら行かなきゃならんではないか。 いや、行きたくないわけじゃないけどさぁ・・・ もう疲れてきたんだよね。 正直言って。 ・・・仕方ない。 そんなに見るものがないだろうとは分かっていながら、 やはり貧乏根性で見学してしまった我輩。 さすがに歩き疲れたので、もう町に帰ることにする。 さて・・・先程からの懸案事項であるトレッキングコースだが・・・ 微妙に分からん。 いや、アギア・トリアダ修道院の脇に、それらしき道はあるのだが、 誰も歩いてないし、よく見れば道か?的な道で、 とても整備されたトレッキングコースには見えぬ。 ・・・しかしカランバカの町を目の前にして、 今さら来た道を帰る力はない。 ひ・・・退かぬ!! 道無き道的なトレッキングコースらしき道を下っていく。 最初のうちはまだ人が歩いたように草のない細い道があったが、 行けば行くほど険しくなるし、 ジャンプして岩を飛び下りたりしてるうちに、 これ以上下りたら帰れないぞ的な岩場に出た。 偽スナフキン、これはヤバイぞ。 怪我をする前に帰るんだ! スターヒルに登って再び目覚めはじめたセブンセンシズが語り掛ける。 そうだよな・・・。 これは無理やろ。 っていうか、こんなコース気軽に推奨すんなハゲ!!(噴火) 怒りにうち震えながら、今まで飛び下りてきた岩を上る。 ぐぬ~・・・何をしてるんだオレは。 ようやくアギア・トリアダまで戻り、 止まっていたタクシーに仲間を呼ぶように言ったところで、 カメラの三脚が無くなっていることに気付いた。 あきらめようか迷ったが、あれは世界各国を共に旅した戦友。 あきらめ切れず、さっきの所まで探しに行ったが見つからず、 疲れた挙句に、タクの運ちゃんには「ここで待ってろと言ったろ!」 と怒られた。 はぁぁぁ・・・。 無くしてしまったものは仕方ないが、無いと困る。 カランバカの町に電気屋さんあるかなぁ・・・。 ホテルの前で降り、町を散策してみる。 すると、電気屋発見! 三脚は置いてなかったが、少し行ったところのカメラ屋に行ってみろ、とのこと。 早速向かうと、あったあった、ありましたよコンパクトな三脚が! 日本に比べると少々高いが仕方ない。 そして今夜必要なのだ。 で、お支払いをしていると、歌を歌いながら子供が入ってくる。 しかも入れ代わり立ち代わり。 店の旦那は、その度に小銭をあげている。 日本でいうお年玉みたいなもんなのかな。 まぁ何にしても、にこやかな眺めである。 さて、三脚を無事に手に入れ、後は今夜の列車の切符を買いに行かねばならないが、 多分大丈夫な気がするので、先にメシだ。 昨日満席だったピザ屋に突入。 メキシコなるピザと、オーリンジジュースをオーダー。 しばらくして出てきたのはピザハットも真っ青のサイズのピザが1枚。 もちろん丸1枚。 しまった。 1ピースのイメージだったよ・・・。 しかしお残しするようなヌルイ教育は受けていないので、根性で平らげる。 ぐぬべ~・・・胃からはみ出そうじゃ・・・。 最初は美味かったピザも、最後は「耳」を食べるのが苦痛になり、 ようやく食べ終わる頃にはウンザリしてしまった。 しかしオレはちゃんと食ったぞ! やはりお残しはイカン。 さ、腹がパンパンになったところで、切符を買いに行くことにする。 今夜の列車は指定席のようだ。 早めに買いに来て正解。 後は列車を待つばかりではあるが、まだまだ3時間以上ある。 カランバカの町をディープに散策して余りある時間だ。 まずはメインストリートを端まで歩いてみる。 よく見ると、ゲーム屋からスーパーマーケットから本屋まで何でもある。 割と住みよい田舎町なのかもしれん。 その店の並びに両替屋を発見! 一昨日借金したブルガリア紙幣をユーロに替えたくて仕方ない我輩は、 喜び勇んでカウンターに飛び付く。 偽「あ~、キャナイ~レヴァの両替?」 「No」 速答かい。 参ったなぁこりゃ。 明日のアテネに期待するしかないか・・・。 そしてその両替屋から岩山の方に歩いてみる。 こっちには、アギア・トリアダ修道院へのトレッキングコースがあるハズなのだ。 一体どんなものなのか。 もしかしたら、ルサヌー修道院の写真と同様、 裏から見たら実はアッサリ繋がっているのかもしれん。 メテオラ→ の看板に沿って住宅街を抜け、視界が開けると・・・ そこにはやはりメテオラの絶壁が。 見てくれこの傾斜角60度はあろうかという崖を! これはなんぼなんでも無理やろ。 早めに撤退して正解だったと改めて思った。 メインストリートまでの帰り道、町で最古らしい教会を見て、 ホテルに帰ったのは15:30。 こんなに歩いたのはいつぶりやねんと。 さすがに疲れたのと、まだ駅に行くには早いので、ロビーで50分休憩。 預けていたリュックを受け取り、ブラブラと駅へ歩く。 今夜はいよいよアテネ入り。 そして、我が人生初の、海外での年明けだ。 まだ列車には乗れなかったので、待合室で待ちながら、 一足先に年明けを迎えた日本に電話。 いやー、明けましたか。 良かったですなぁ。 な~んて話しながら、アテネ行きに乗車。 しかし指定席を見つけて愕然。 ここで、海外の鉄道の座席配置をご説明しよう。 コンパートメント(個室)車両以外の座席配置は、大体こうなっている。 \\\\\ /////
車両中央を境に、向かい合っているのだ。 そして、我輩の指定席はココ。
最悪。 しかも正面にはオッサン座ってるし。 足伸ばせないし目のやりどころには困るし、とにかく最悪なのだ。 というわけで、我輩はこれから5時間、この座席に座らねばならない。 はぁぁぁ・・・。 列車は定刻に発車。 検札を受けてすぐに爆睡。 次に目が覚めたら車内は随分混んでいて、アテネまであと1時間半。 あまりの窮屈さにイライラを隠せないぞ!! 見知らぬオッサンと向き合いながらなんて耐え難い!! しかも車内のあちこちで携帯の着信音が鳴ったと思ったらバカデカイ声が響き渡る始末。 いい加減我慢の限界がきたところで、22:30アテネラリッサ駅に到着。 心配していた、遅延で車内の年明けは避けられた。 しかし・・・雨だ。 太陽王の到着を雨で迎えるとは。 許すまじアテネ。 もう眠くて地下鉄に揺られることすら御免な我輩は、タクシー乗り場へ。 しかし、タクシーは1台も見つからない。 雨の中待つのはもっと御免なので、地下鉄でシンタグマ駅に向かう。 駅を出ると、雨足はさらに増していた。 海外ではカンボジア以来の傘をさす。 我輩に傘をささせるとは・・・。 地下鉄駅を出たところは広場になっていて、イルミネーションが賑やか。 新年を祝う空気がプンプン漂っている。 とりあえず早く荷物を置いて、我輩も参戦せねば。 ホテルまでは徒歩5分。 さっさとチェックインすると、カードキーと、小さな鍵を渡された。 なぜカードキーと鍵が? 部屋に行ってみて一目瞭然。 我輩の部屋だけが、入口の鍵がカードキーではないのだ。 しかも見晴らしも悪い。 何やこれは!! 腹が立ったので、カードキーの部屋に替えろと詰め寄る。 しかし言葉が上手く伝わらず、やむなく撤収。 部屋からアクロポリスの丘が見える予定だったのに・・・。 しかしそんなことにイライラしているヒマはない。 とりあえず、屋上に上がってみる。 このホテルは、屋上のレストランからアクロポリスの丘が見えると しっかりとホームページに宣伝していたのだ。 どんなもんかな・・・と・・・。 あを。 これは凄い。 ライトアップされたアクロポリスの丘とパルテノン神殿を見て唖然。 これは久々にバーンときたね。 この瞬間、初めて、今回の旅に来て良かったと思った。 しかしレストランには入れず、眺めはガラス越し。 もっと良い眺めを探して街に出る。 とにかくあちこち歩き回ってアクロポリスの丘を見れる場所を探したが、 背の高い建物が多く、全く見えない。 時間はすでに23:40。 ヤバイ。 このまま歩きながらの年越しが、海外初の年越しではサイコーに冴えないので、 ガラス越しでも良いからアクロポリスの丘を見ながら年を明かしたい。 そうと決めたらホテルまでダッシュ。 際どくホテルに駆け込み、レストランに行くと、 オーナーらしき爺さんがレストランを開けてくれているところだった。 わお! 何たるラッキー!! テラスに出ると、雨も上がってきた。 ここにきて太陽王のパワー全開!! 喜んで写真を撮っていると、街のあちこちから花火が上がった。 おー、明けましたか明けましたか!! いやー、同時に5、6箇所の花火が見えるのはすげぇ。 そしてこのホテル、マジで眺め最高。 コレはオススメだ! ではご覧いただこう。 これがアクロポリスの丘だ。 オーナーに感謝しつつ、大満足で部屋に帰り、 年明けを待つニューヨークからのCNNの生中継を観ながら爆睡。 時差って普段は大して感慨もないけど、次々年明けの時間がくるってすごいよな。 と、初めて海外で年明けを迎えてみて思った。 Zzz・・・ |