29 декー

4:00起床。

寝まきに着替えることもなく、気付いたら寝てた。

少し寒いな。

ゴソゴソと携帯を充電したりしてる内に、6:30。

チェックアウトの準備をし、少し街を観光しながら、

今夜の鉄道チケット購入のため、リラビューロー(街にある国際列車の切符売り場)に行く。

これは聖ネデリャ教会。

市内の中心地を歩いていくと、

クリスマスのイルミネーションがチカチカしていてキレイはキレイなんだが・・・

どこか無骨というか、質素な感じが漂うな。

リラビューローはソフイアの中心地にある。

朝早いこともあって、他に客は誰もいない。

言葉が通じないので、紙に書いて渡す。
全く、全く通じない。

案外簡単に手続きは済み、お支払いとなった。

そして、「4,006」と表示された電卓を見せ、「レヴァ」 という係員。

は?

4,006レヴァ?

1レフ=84円だから・・・33万!?

いやいや、こんなに物価の安い国でそれはないでしょう。

偽「ユーロじゃダメ?カードは?」

「ノー、レヴァ。ゴー、バンク」

ふぬぅ・・・銀行がどこにあるか聞いても全く会話にならん。

ホントに33万か?

外国では1ユーロ50セントを150と言ったりするし、

その類ではないのか?

1等車だから高いのか?

何にしても、この切符を買えないと、後の行程が全ておじゃん。

しかし33万は出せん。

いや、どう考えてもそんなにするわけがない。

ぬぬぅ・・・。

釈然とはしないが、レヴァをかき集めねばならん。

とりあえず何の根拠も無いが、400レヴァもあれば何とかなるかもしれん。

400レヴァといえば、この国では割と大金なのだ。

ということで、銀行が開くまでブラブラ観光。

そう、チケットに手間取っているヒマはない。

ソフィアを見るのは今日しかない。

昨夜も見たアレクサンダルネフスキ寺院。

こっちは聖ニコライ・ロシア教会。

・・・チケットが気になって観光に専念できんではないか!!

しかも今日のバスのチケットも心配だから、

早くバスターミナルにも行きたいのだ。

このままでは無駄に時間を費やしかねないので、

やむなくリラビューロー横のATMで200レヴァをキャッシング。

クッ まさか人生初の借金

ブルガリアですることになろうとは。

この借金はどのようにして返済するのだろうか。

っていうか、

こんなことなら最初から借金すれば良かった。
(
T_T)

さて、改めて窓口に行く。

二等車にすれば驚くほど安くなるのでは・・・。

「ハーイ、ダーリンが来たわよ」

偽「え~とですね、二等車にしてくれるかな」

「セカンドクラス?うーんと・・・2,706」

マジで!?

ウソ~ん。

いや、しかしたかだか列車に乗るだけで20万もするわけが無い。

借金したてホヤホヤの200レヴァを見せ、勘定しながら渡してみる。

10・・・20・・・30・・・どうだ、そろそろ止めるやろ。

「O.K.27レヴァと6ストティンキ」

やっぱりそうやって数えるんかい!!

無駄な借金させやがって!!
(T_T)

結局大半の借金を無駄にしつつ鉄道のチケットを手に入れて、

急ぎ足で観光再開。

再びアレクサンダルネフスキ寺院へ行き、落ち着いて中を見学。

見た目と異なり、中は実にシンプルな作りで、

コンクリみたいな平面の壁に、イコンと呼ばれる宗教画が描かれている。

このへんにもブルガリアというか、東欧っぽさが出てる気がする。

ちなみに、東方正教会では、キリストなどの立像は作らない(彫像禁止?)のため、

教会の中にあるのは祭壇とイコンのみ。

そのへんも、シンプルに感じる要因であると思う。

で、アレクサンダルネフスキ寺院の横にあるのが、

ブルガリアの首都ソフィアの名前の由来となった聖ソフィア教会。

さてさて時間が無くなってきたので、少し急いで聖ペトカ地下教会を見学。

                          ↑右奥の建物は旧共産党本部。左はデパート。

イスラム支配下に作られたので、地下の作りになっているそうだ。

中ではミサをやっていて、4畳ほどで天井の低い教会は、

とても清い空気が満ちていた。

そんな空気を汚さないようにさっさと退散。

その後、たまたまやってた衛兵の交代やら

バーニャ・バシ・ジャーミヤモスクやなどを見て回ってホテルへ。

(ちなみにホテルは見ての通り、ソフィア随一と思われる繁華街にある

 しかし道を曲がるとこんな感じ。こんなトコでタクシー降りたらそりゃ怖いって)

丁度良い時間である。

タクシーを呼んでもらってる間に荷物を取ってきてチェックアウト。

呼ばれたタクシーは、噂のOKスーパートランス社だった。
↑地球の歩き方には車体横に番号のあるタクシーが良いとあるが、
  ほとんどのタクシには番号があったので、あてにはならない。

今度はちゃんとメーターがあることを確認の上で出発。

アフトガラオクチャクーペルというバスターミナルに向かう。

そこから1日1便、リラの僧院へのバスが出ているらしい。

そしてその時刻は、ホテルの人と地球の歩き方の情報を

複合的かつ4次元的に組み合わせた結果、10:20発であるらしい。

・・・ま、地球の歩き方を読んだだけといっても過言ではないのだが。

それにしても、タクシーからの車窓はどこか物悲しい。

旧共産圏という雰囲気を漂わせまくっている気がする。

何とも曇天がよく似合う街並・・・というのは言い過ぎだろうか。

しかしこの先のバスの車窓から、我輩はその思いをさらに強くしたのである。

アフトガラオクチャクーペルまでは15分程度だった。

料金は4.7レヴァ。

5レヴァ渡したら、釣りはくれなかった。

まぁ元々あげようとは思っていたけど、ハナから奪われると少々腹立たしい。

荷物を引きずり、チケット売り場を探す。

どこやねんと。

しばらく人の流れを見ていると、ある建物に列ができている。

何の列かは分からないが、みんな窓口で何かをお買い求めている。

とりあえず並んでみるか。

・・・。

何でこんなに年寄りばかりが並んでいるのだろう。

・・・。

しかもみんな、手には老人手帳みたいなのを持っている。

・・・。

これは違うな。

結局何の列かは分からないまま建物を出て、

タクの運ちゃんに聞いて、ターミナルの真ん中の建物に移動。

しかしそこはなぜか薬屋。

どうなっとんじゃ。

あまり時間を無駄にもできないので、一般ピープルその1に尋ねる。

偽「チケットはどこで買えば良いの?」

「???」

偽「チケット」

「???」

偽「ビレット!」

「あ~・・・ペラリーノドライバーペラリーノ」

偽「ドライバーに払うの?(ジェスチャー)」

「・・・」

どうやらそうらしい。

しかしホントに英語が通じない国だな。

チケットぐらい分かれや。

まさかこれほどとは。

さて、ではリラの僧院へ行くバスは・・・。

どれやねん。

マジでキリル文字しかない。

読めるかこんなもん。(怒)

まるでマジュニアとシェンの言葉みたいだ。

手当たり次第にバスの行き先を見ながら歩いていくと、

ドライバーらしきオッサンが声を掛けてきた。

「ペラペラペラペラペラリーノ」

偽「リラ?」

うなずくオッサン。

どうやらリラ行きのバスのドライバーらしい。

バスの行き先もちゃんと「рила」になっている。

↑リラ●ドゥプニツァ
  ソフィア
  ドゥプニツァ●リラ    と書いてある。

念の為リラの僧院の写真を見せると、またうなずくオッサン。

間違いなさそうだ。

そして余裕で乗れるやんけ。

やはり初志貫徹が重要。

タクの運ちゃんにゴチャゴチャ言われたぐらいで動揺してはイカンのだ。


↑リラ行きのバス。見ての通り、かなり気合いの入った爺さんみたいなバスだ。

他の客より一足先に乗り込んだ我輩は、リュックを置いて周辺をブラブラ。
↑ちゃんとリラ行きのバス停は別にあったようだ。

しかし隣にあった本屋に寄る時間はなく、早くも発車となった。

車窓は何ともまた寂しく映る。

薄っぺらくてやたらと背の高いマンションにしろ民家にしろ

爽やかな快晴よりは、今日のような曇天が実によく似合うと思う。

そして野犬がやたらに多いのはなぜだ。

いや、これはソフィアから気になっていたのだが、

とにかく犬が多い。

そしてどいつもこいつもデカイ。

これがまた何とも怖いのである。

犬が苦手な我輩には苦痛でしかないのだった。

途中何個かの停留所を過ぎて、リラ村には12:30に到着。

「リラの僧院へはあのバスに乗るんだ」

とバスの運ちゃんに身振り手振りで教えてもらって下車。

何もないバス停だ。

そしてクソ寒い!

ガチガチ震えながらしばらく待っていると、

さっきの運ちゃんが小型のバスに乗り換えてやってきた。

一応あんたが僧院へ連れてってくれるのね。

リラ村から僧院へは約30分。

降り際、運ちゃんに筆談で帰りのバスの時間を聞く。

偽「17:00?17:00でいいんだね?」

「ファイブファイブ」

・・・そうらしい。

いやぁ厳しいなブルガリア。

ホントに通じないぞ。

メモ帳持ってきて良かったよ。

とにかく17:00発らしいので、ゆっくりしよう。

太陽王の到着を祝うかのように天気も素晴らしく晴れてきたし。

ここへ来るためだけにブルガリアに来たようなもんだからな。

・・・とはいえ、こんな寒いところに4時間もいろと?

それはある意味拷問だと言えなくもないぞ。

とりあえず見学するか・・・。

何ともまぁ色彩鮮やかな教会ですこと。

この外壁の色使いは、建築差し止め訴訟に発展した楳図かずお氏の家に似ている。

そして壁にビッシリ描かれたフレスコ画。

実ににぎやかな教会だ。

こちらの宗教画に描かれるキリストや聖人たちの顔は全て同じに見えるなぁ・・・。

独特のタッチも、実に興味深いと。

しかし色々と見て回って動き回っているのに・・・一向に暖かくならんではないか。

それもそのハズ、中心に建つ聖母誕生教会を囲むように僧坊が建っており、

中にいると日が当たらない。

寒い。

実に寒い。

そしてここも犬が多い。

捨てるなら飼うなブルガリア人!!

全くブルガリア人のモラルを・・・

って、そんなことより寒いぞ!

30分も見れば十分だ!

あまりに時間を持て余したので、レストランに退避。

肉料理とコーヒーをいただく。

ちなみにヨーグルトは無かった。

肉料理は・・・マズイ。

全く舌に合わない。
↑翌日、このせいでお腹の調子が良くなかった。絶対このせいだ。

何なんだこの料理は。

そしてコーヒーもヌルい!!

一体何でブルガリアまで来たのか分からなくなってきたぞ。

カフェで時間潰しをするぐらいなら、

今夜ギリシャ行きの列車に乗る町を見に行きたいので、

地球の歩き方に書いてある15:00発のバスを見に行く。

・・・が、いなかった。
↑ソフィア行き直行バスは14:30。地球の歩き方を鵜呑みにすると痛い目にあうぞ!

結局後2時間も時間があることになったので、もう一度僧院を見て、

またレストランに待機。

16:30、バス停に行き、17:00発のブラゴエフグラッド行きで僧院を後にした。

今夜は、これから行くブルガリア南部の町、

ブラゴエフグラッドから列車に乗って、ギリシャ入りする予定。

そのためのチケットは、朝、借金をして購入済みである。

またしても一旦リラ村でバスの乗換えがあって(やはり運転手は一緒)、

真っ暗な中をバスは走っていくのだけども・・・

果たしてオレはブラゴエフグラッドに着いたことに気づけるのだろうか。(激困)

切符を買う時に、英語を話せるおばさんが

「ブラゴエフグラッドまでゴーダイレクト」

と言っていたけど、終点かどうかは別だよな。

一応持参した時刻表によると終点っぽいが、

キリル文字のホームページで強引に時刻表を検索しただけのもの。

全く信用できない。
※参考までに、コチラがブルガリアのバスのHP。
  София(ソフィア) Рила(リラ)、Благоевград(ブラゴエフグラッド)で検索可能。
  時間が分かるだけでも、かなりマシ。

バス停に着く度に、運転手にアイコンタクトを送る。

目は口ほどにモノを言うんだ。

そう、感じるんだ!

着いたら教えてくれよ。

頼むぞ!

結局いつの間にやら終点となり、18:30過ぎ、ブラゴエフグラッドに到着。

乗り換えのいらないスケジュールを組んで良かったよ。

人気の少ない田舎町で乗り換えなんて絶対出来そうな気がしない。

バスの運ちゃんに鉄道駅の場所を聞いたが全く通じなかったので、

「感」を頼りに探す。

寒い!!

寒い寒い寒い!!

ふ・・・震えが止まらん!!

奥歯をガチガチいわせながら適当に歩くこと5分、駅に着いた。

待合室には暖房は無かったが、外よりは幾分マシである。

コレは時刻表。ご覧の通り、表記はキリル文字。行きたい場所のスペルが分からないと困る)

しばらく待って、19:17発、アテネ行きに乗り込む。

ちゃんと定刻にやってくるとは。

これは予想外である。

二等車は、6人席のコンパートメント(個室みたいなもの)になっていた。

我が個室には、我輩の他に2人座っている。

いずれも怪しくはなさそうなのでひと安心だ。

・・・と思ったら寝てしまった。

目が覚めたのは、ブルガリア側の国境駅KULATA。

パスポートを渡さねばならんようだ。

こういう時はいつもちゃんと返してくれるのか心配になるのだが、

とにかく我輩は眠かった。

渡してすぐに爆睡。

しばらくしてまた起こされ、パスポートを返された。

そしてまたまた爆睡に入ろうとしたその時、車内の電気が消えた。

それでもまだ寝ようとしていたら、他の2人がガサガサしている。

偽「・・・ワッツハプン?」

「アイドンノー。バット、何かトラブルペラリーノ。車輌を替わらなきゃペラリーノ」

・・・うっとおしいのぉ。(イラ)

車輌を替われと言われても、一応この列車は全車指定。

どの個室に入っていいのか分からず通路に立っていたら、

車掌らしき人がやってきて、

近くの個室の家族にペラペラペラペラペラリーノと説明してくれ、

そこに座るように促された。

どうもお邪魔しますよ・・・。

と、座った瞬間に爆睡。

次に起こされたのは、ギリシャ側の国境駅PROMACHONAS。

またパスポートを取られ、爆睡。

起こされ、返されたパスポートを握ったまま、また爆睡。

何という無防備ぶり。

相席が良い家族で良かったよ本当に。

「ソーリー、下のレバーを引くと、リクライニングするよ」

偽「オー、サンキューサンキュー」

で、また爆睡。

何なんだこの眠さは。

寒いと疲れるのだろうか。

最後に目覚めたのは、テッサロニキ到着だった。

1時間遅れて、0:00の到着。

眠気も吹っ飛ぶ寒さの中、10分ほど歩いて、今夜のお宿、ホリデーインにチェックイン。

駅の近くにして大正解。

はぁ~疲れた疲れた。

で、爆睡。

Zzz・・・

寝てばっかやな。

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