- 3 Jan

6:30過ぎに起床。

外は曇り。

今日は、ミューレン鉄道に乗って、

アルプスの山々を見に行くつもりなわけで、こんな天気では困るのだが。

特に、今日見たい「アイガー」「メンヒ」「ユングフラウ」は、

いずれも4,000m級の山々なので、曇っていてはどうしようもない。

荷物をパックして預け、駅に歩いていく。

雲の向こうに、遠くそびえる山々が薄く見えて、とても荘厳な景色ではある。

しかし、もう少し晴れてくれないと・・・。

ミューレン鉄道のあるラウターブルンネンまで、電車で約30分。

そこから、ロープウェーで上った丘の上から、

ミューレンという村まで、鉄道が通っているのだ。

↑上の説明を画にすると、こうなる。ミューレン鉄道は、右上。

先日のゴルナーグラート鉄道といい、

まったく、スイスという国は、とんでもない山の中にまで鉄道を通す根性が凄いな。

今夜は、チューリッヒからオスロへ行かなければならないので、時間が惜しい。

ミューレン鉄道の始発に間に合うように、ラウターブルンネン行きの電車に乗り込んだ。

乗客の大半は、スキーに行くようで、スキー板を担いでいる。

車窓から見える景色が、徐々に雲が流れていき、

コレは一発チャンスがあるのではないか!?

と、ドキドキしてきた。

ラウターブルンネンで降り、駅の向かいにあるロープウェー乗り場に行く。

そしてチケットを買い、乗り場へ行くと・・・。

「ペラペラペラペラ、トラブルペラリーノ」

偽「ワッツ?ぱーどんみー???」

「ペラペラペラリーノ。It has a trouble。
ミューレン???
外にいるバスに乗ってけペラリーノ」

は!?

いや、ミューレンに行きたいんじゃないんだ。

ミューレン鉄道が大事なんですけど。

とりあえず仕方ない。

バスに乗り込んでみる。

我輩の他にも、チャイニーズの団体がロープウェーに乗り損ねて、流れてきた。

くそったれ、リュックがデカすぎるし、

声もデカすぎるし、鬱陶しいぞ。

このポカホンタスツアーグループども!!

(# ゚Д゚)クワッ

ツアーの添乗員がバスの運転手と喋っているのを聞いていると、

バスの終点にあるロープウェーから、ミューレン村に行けるらしい。

なるほど、さっきのペラリーノはそういう意味だったのか。

バスは、山と山に挟まれた、峡谷のような農村を走っていく。

ナウシカでこんなのを見たことがあるような気がする。

せっかくバスの先頭に乗っていたので、写真を撮れば良かったのに、

サボっちゃったので、景色はないのよ。

20分ほど走って、ロープウェー乗り場に到着。

ロープウェーは運転の合間が結構あって、

スキー客とチャイニーズどものせいで、なかなか乗り込めなかった。

正直、スキーヤーも、チャイニーズの多さとマナーの悪さには、

苦笑しっきりなのであった。

ロープウェー乗り場には、近隣のロープウェーや、

スキーのゴンドラの運転状況が表示されていた。

その中にはミューレン鉄道もあるのだが・・・。

「×」

・・・。

やっぱり動いてないんですかね・・・。

ただ。

ミューレン村は、鉄道が動いていなかったとしても、行ってみるべきなのだ。

なぜなら、先ほどの渓谷の底からは、「メンヒ」が見えない。

最初に書いた、三山を眺めるには、ミューレン村まで登る必要がある。

ロープウェーを乗り継いで、ミューレン村に到着。

断崖絶壁に張り付くような村なのに、そこそこ観光施設が整っている。

スイス、恐るべきである。

↑この辺の写真が雑なのは、鉄道が動いてないっぽくてやる気が失せているからだ。

ロープウェーの駅は村の南の端にあり、鉄道駅は北の端にある。

運行状況が「×」なので、大して期待するでもなく歩いていく。

途中、展望台があったので見てみたが、

正直、一番三山がしっかり見えたのは、鉄道駅の脇であった。

曇っているのは残念だが、コレがアイガーメンヒにユングフラウか!

↑左から「アイガー」「メンヒ」「ユングフラウ」

わざわざやってきた甲斐があったというものよ。

そして、鉄道駅に入ってみると・・・動いてる???

次の発車は10:28???

どうやら、丁度運行再開したところらしい。

コレは良いぞ!!!

ミューレン鉄道は可愛らしいレトロな車両が、

ラウターブルンネン側に荷台を引いて走る。

ミューレン村に運ぶジュースなどの荷物を積んでいるのが、とても画になる。

早速乗り込む。

ミューレン村を発車すると、山々を右手に見ながら、

列車は崖っぷちを走っていく。

そして、次の駅、Winteregg駅で下車。

この駅と、ミューレン駅の間にあるトレッキングルートから、

山と列車が撮れるハズなんだけど・・・???

オホホー!

こりゃあ良いじゃないか!!

山だけの景色も良いけど、こういう生活感のある景色は、なお良い!!

しかし。

右上に引っかかる電線が気に入らない。

コレを排除するためには・・・。

雪の斜面を下りるしかない。

当然の如く、海外にワカンを持ってきているわけがないので、

昨日に続いて、トレッキングシューズにジーパンで、

道なき斜面を懸命に踏み慣らし、時に埋まり、

時に滑りながらも懸命に陣地を構築。

幸い、列車は15分刻みでやってくるので、いくらでも撮ることができる。

太陽王パワーで、天気も良くなってきたぞ!!


クソッ、まだ写り込むのか。


クソッ、これだと右下が弛んどるな。

・・・と、苦戦することしばらく。











どうですかコレ。

左からアイガー、メンヒ、ユングフラウの三名山が並び、

眼下には荷物を満載した山岳鉄道がゆく。

快晴ではないが、とてもスイスの冬らしい景色なのではないかと思うぞ!

1時間弱の撮影を楽しんだら、そろそろ帰らないといけない。

何しろ、今夜は無駄にオスロ泊なのだ。

本当に無駄だな。(T_T)

ラウターブルンネン側の終点、Grūtschalp駅からロープウェーで下る。


↑ロープウェーの駅にあった写真。我輩の方が良くない??

駅で一緒になった老夫妻と、いい加減な英語で会話しながらの、

わずかな時間ながら、楽しい時間であった。


↑こんな感じに直滑降していく。

さて、ラウターブルンネンといえば、

絶壁から流れ落ちる滝と、教会の景色が有名。

我輩はそんなことサッパリ知らなかったというか、

あの景色がラウターブルンネンだとは知らなかったのだが、

ロープウェー待ちの時間に地球の歩き方を読んでいて、気付いてしまったのだ。

気付いてしまったら、行くしかない。

駅から少し歩いていくと、滝が見えてきたぞ。

「冬には凍り付いている」と書いてあったが、

とにかく行ってみることが肝要だな!!

しかも。

その脇には、鉄道が走っているではないか。

知らなかったわ。

とりあえず、列車がいつ走ってくるのかなんて分からないので、

滝と教会を撮る。

曇ってるのが鬱陶しいなぁ・・・。

もう少し何とかならんのか。

そして、とりあえずチャレンジだけはしてみようと、

線路を挟んだ反対側に行ってみると・・・。

運よく列車が来たので、ガッツリ撮影。

ウーム、ラッキーであった。

そして、粘り過ぎたせいで、時間がヤバイ!!

駅まで猛ダッシュで走り、何とかインターラーケン行きに間に合った。

写真に夢中になり過ぎてはイカンということだな・・・。

一旦ホテルまで行って荷物を受け取り、
↑この時間がモッタイなかったな。

チューリッヒまで行って、行きと同じく、アムステルダム経由でオスロへ。
↑コレは本当に無駄極まった。

アムステルダムからオスロまでは、泣き赤子との並び席。

こういう赤子には、なぜか絡まれて仕方ない偽スナフキン。

ん~どうしたぁ~?

そんなにベタベタ触るとシバきあげてやるぞぉ~???(^ω^#)

そしたら、「ほかに空席があるから替わるかい?」

と乗務員さんが言うので、替わらせてもらった。

アムステルダムもオスロも今日は快晴。

機内からの夜景は、とても見応えがあった。

オスロには23:00前に到着。

明日は6:05発なので、オスロの市街まで行くのはあまり意味がない。

夜景の美しい街、というわけでもないのでね。

というわけで、空港の近くにある空港ホテルを予約してある。

ホテルまで歩いていけるのかと思いきや、バス。

しかも金まで取るのか。

何だよ。

リュブリャナの時みたいに、空港出たらすぐにホテルなのかと思ったわ。

ちゃんと調べてくれば良かった。

ホテルに入る前に空を見上げたら、雲一つない快晴に月が昇りつつあった。

こんな天気だったら、スイスには行かなかったわけで、

マッターホルンの夜景や、ユングフラウも見ることはできなかった。

代わりにオーロラの星空が撮れたのだろうか。

旅に正解はないのだが、少なくとも、不正解なスイスではなかったな、

と、しみじみ思ったのである。

近くに店などあるわけがないので、

ホテルのレストランにあったコーラとスニッカーズを飲み食いしたら、

もうスッカリ疲れて寝てしまった。

Zzz・・・











- 4 Jan

3:20起床。

ヤベ。

ケイタイを充電し、荷物をパッキング。

朝食はすでに食えるようだが、そんな時間はない。

荷物を持ってすぐチェックアウト。

6:05のフライトで、ろくに人などいないだろうと油断してたら、長蛇の列。

危なかった。

来た時と同じく、ミュンヘンで乗り継いで、関空行き。

ミュンヘン→関空では、昨年のアイスランドと同じく、

機内からオーロラが見られるのではないかと期待していたのだが、

残念ながら、今年のオーロラは、前述の通り、パワーが弱く、ダメだった。

次回のオーロラは、3年後かな。

これだけ旅をしてきても、まだまだ学ぶことは多いと思った、

2020年の年頭なのであった。

<完>

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行程表を見る

第一話 クリスマスの残り香  第二話 暴風雨のオーレスン

第三話 ベルゲンのニューイヤー  第四話 スイスへ

第五話 ゴルナーグラート鉄道  第六話 アルプスの山々

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