-2 Mayo

シャワーを浴びてベッドに横になったのが25:00少し過ぎ。

事件を思い出しているうちに、あっという間に26:00になろうとしている。

まー、あんなことがあって、すぐ寝れるわけがないわな。

殴られた右目のまぶたが黒くうっ血してきた。

鼻が痛くてそこまで気にならなかったが、右側はしこたま蹴られたようで、

頬が微妙に腫れて擦り傷ができている。

もっとも、相手が幼かったから、殴られた怪我がそこまでエグくならなさそうで良かった。

もらったパンチで失明でもしてたらと思うとゾッとするわ。

まだ眠れそうになかったのと、翌日の出発は早いので、荷造りをすることにした。

今日は隣国グァテマラへワンデイトリップである。

グァテマラにはアンティグア・グァテマラという古都があり、前から気になっていた。

しかし、アンティグアのためだけにグァテマラに行くことはまず考えられない。

というわけで、今回は済ませられるラストチャンスというわけだ。

メキシコシティの観光を切ってでも行く価値がある・・・に違いない。

小さなバッグは盗られてしまったので、

持ってきたデカイリュックサックの中身を全部出し、

地球の歩き方のみ持っていく。

カメラも昨夜の反省から、2台のうちの1台だけにする。

というのも、グァテマラはあまり治安がよろしくないらしいのだ。

せっかく撮った写真を奪われてはたまらないので、メモリーも新しいものに交換。

しかし・・・。

この部屋は安全なのか?

清掃係は信用できるのだろうか?

いや、メキシカンはもはや信用に値しない。

我輩は、着替えを全て圧縮パックに入れて持ってきているのだが、

その中のひとつに取り出したメモリーや持って行かないクレジットカード、

日本の紙幣を入れ、服に織り込んだ。

これごと持って行かれたらもう諦めるしかない。

っていうか、カメラを裸で置いていくのは忍びないが、

出来る限りの安全対策をとった上で、グァテマラに行きたいのだから仕方ない。

あ・・・。

3:00過ぎになってようやく眠り、6:40起床。

ホテルにタクシーを呼んでもらい、7:10出発。

空港にもうすぐ到着するという時になって、

飛行機の時間を「明日のフライト」と間違えて大慌てしたが、

ちゃんと時間は大丈夫だった。

やはりまだ心が落ち着いていないらしい。

しかも、出発前の発熱のおかげで、

今日のEチケットをプリントしておらず(明日の分もプリント忘れ)、

またまた慌てたが、なくてもチェックインできたのは幸いだった。

やはり今回の旅は明らかに準備が足りてない。

行程を練ることだけは一生懸命やったが、それだけだ。

だから昨夜のようなことにもなる。

もっと気を引き締めていかんとな。

空港で奪われた小さなバッグに代わるバッグを購入。

あれは気に入っていたからな・・・。

保険でもう一度買うぜ。

そしてバンソウコウも購入。

本当は眼帯でも着けてごまかしたいところなんだけど。

9:24発のグァテマラシティ行きは、定刻より5分早く出発。

機内はスカスカ。

2時間ぐらいのフライトだったハズだが、ずいぶん長く感じた。

グァテマラシティへは10:10着。

メキシコシティとは時差があるけど、こちらはサマータイムがないから・・・。

うーむ、もはやわけが分からん。

ただ、帰りの飛行機に遅れるわけにはイカンので、時間をよく見ておいた。

そしてこの時に気付いたのだ。

時計がないってことは、本当に不便であると。

今の若い人は時計をしない人が多いけど、

見ろ、こんなことになっちまうぞ。

時計がないとケータイを見る羽目になるのだけど、

ケータイの電池が無くなったらどうすんだ?

余計なところで使って電池が切れでもしたらエライこっちゃ。

もう電源は切っておくしかないな。

いよいよ入国。

2005年に初めてUKを訪れてから、ついに節目の50ヶ国目入国である。

UK、イタリア、ヴァチカン、フランス、カンボジア、スペイン、スイス、ドイツ、ベルギー、アイスランド、
ポルトガル、ケニア、ブルガリア、ギリシャ、インド、中国、ペルー、ロシア、ヨルダン、イスラエル、
パレスチナ、トルコ、タイ、ハンガリー、スロバキア、オーストリア、チェコ、USA、ベネズエラ、ブラジル、
アルゼンチン、スウェーデン、大韓民国、デンマーク、オランダ、インドネシア、カナダ、キューバ、エジプト、
ニュージーランド、ルーマニア、ノルウェー、ベトナム、南アフリカ、ジンバブエ、ザンビア、ボツワナ、
台湾、メキシコ、そしてグァテマラ・・・。

時間にして2015年5月2日10:18であった。

思えば本当にたくさんの国を訪れたものよ・・・。

100ドル分だけグァテマラ通貨の「ケツァル」をキャッシングし、出口に向かうと、

「アンティグア・シャトルバスサービス」と書かれたカウンター発見。

3人からのサービスなんだが、1人でも30ドルでアンティグアまで送ってくれるらしい。

じゃあこれにしよう。

っていうか、さっきのケツァルはいらなかったんじゃねーの?

ミニバンに揺られ、アンティグアまでは山道を約1時間ほど。

グァテマラは治安がよろしくなく、バスを狙った強盗が普通に発生しているらしい。

昨日の件もあって、何だか今回の旅行に良い空気を感じていないので、

正直変なことに巻き込まれないか、少し心配してしまった。

どこのホテルで降ろせば良いのか、と聞かれたので、

どうせだからと目指す十字架の丘まで送ってもらうことにした。

アンティグアの町を見下ろせる高台にあり、

数年前までは丘へ上る道に強盗が出没するという悪名名高いが、名物の丘であった。

今では観光警察が見張っている・・・というが、今の我輩だと呼び寄せかねない。

万全を期したいのである。

丘の上で降ろしてもらい、展望台へ行くと、まさしくそこは我輩が一度撮影したかった場所であった。

その昔、上司に

「あまり下調べしていくと、それを確認するだけの旅になってしまうよ」

と、言われたことがある。

全くその通りだが、我輩はそれでも良いのだ。

残念ながら、アグア火山には雲がかかっているが、雨季だから仕方なかろう。

むしろ雨の天気予報だったのに、よくぞ晴れてくれたものよ。

しばらく丘の上に留まって撮影。

人が邪魔なら、いなくなるまで、そしてアングルから消して・・・粘ったのがこちら。

土産屋は仕方ない。

十字架の裏に、マウンテンバイクで上がってきて、どや顔のニイチャンがいたのが予定外であった。

満足がいったので、丘を下る。

・・・。

観光警察なんて
  どこにもいねーじゃねーか!

いるって書いてあるんだからいろよ!

やはりあてにすべきではなかったな。

町は古い町並みに石畳という、これでもかというぐらいの古都で、非常に雰囲気が良い。

雰囲気は良いのだが、びっしりと路駐が並んでるのは画にならん。

もう少し何とかならんもんかね。

古い教会がいくつかあるのだけど、入れたのは1つだけだった。

あぁ暑い。

アイス・・・アイスクリームが食いたい。

でも下ったら困る。

じゃあ食えない。

ぐるぐると考えながらぐるぐると歩き回り、頑張って画になる景色を探したのだけど、

路駐がどうしても邪魔だ。

結局歩行者天国になっているストリート以外はあまり上手く撮れない。

まーこんなもんで良しとするしかなかろう。

どうせ十字架の丘以外に使うことなんてないだろうし。

帰りのタクシーを予約し、レモネードをイッキ飲み。

クーッ我慢したあとのジュースはたまらんで!

最後にもう一周だけアンティグアの町を歩き、15:00になったので、タクシーで帰ることにした。

ドライバーは陽気なじいさんで、積極的に話し掛けてくれるのだけど、

我輩はあまりの眠気に途中でノックダウン。

気付いたら空港に着くところだった。

色々と心配だったので、無事に済んで良かったわい。

チェックインして眠気に耐えつつこれを打ち、メキシコシティ行きに乗った途端に爆睡。

ランチもそこそこに、寝まくった。

メキシコシティ到着は予定より早い21:00過ぎ。

ふむ・・・。

この時間なら、またアレナ・メヒコへ行って、昨日奪われた土産物をもう一度買うことができる。

正直、何とか昨日の事件の前の状態に近づきたいという思いが強い。

しかし、飛行機はタキシング途中にストップし、なかなか降りられない。

スペイン語で何か説明しているが、さっぱり分かりゃせん。

結局着陸から1時間ほどして、ようやく降りられた。

これで、ホテルに戻ってからアレナ・メヒコへ行っても間に合わない可能性が高まった上に、

ホテルに着いたらちょうどメイウェザーVSパッキャオのボクシング中継が始まったので、

買いに行くのは止めた。

何だか旅の神様が「もうやめとけ」と言ってる気がしたのでね。

翌日は早いので、出発の準備をしながら試合を観、

試合中継の途中でヤフー速報で

「メイウェザー勝利」

と出て一気に観る気を失い、シャワーを浴びてから寝た。

Zzz・・・

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行程表を見る

第一話 メキシコ最速インの法則  第二話 バスの旅

第三話 目当ての町  第四話 ついに出遭った悲劇・・・。

第五話 50ヶ国目の入国  第六話 試練は続く

第七話 我に七難八苦を与えないで下さい

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