-17 Dec

今日はSLの旅の1日。

目的地はブロッケン山。

SLの始発駅であるWernigerode(ヴェルニゲローデ)までは6時間ぐらいかかってしまう。

ラヴェンナ渓谷のクリスマスマーケットから帰ってくつろぐ間もなく、

25:44発の列車に乗るべくフランクフルト中央駅の地下ホームを歩く。

人がまばらなのは当然として、あまりに人がいないけど列車なんて来るのかと思いきや、

「こんどの列車」

の表示の前に「×」がついている。

アレ・・・コレは・・・。

運休ですか??

アウチ。

しかし、我輩にはセカンドプランが残されている。

26:49発のICEでも行ける。

乗り継ぎ時間がシビアなのは心配だがね。

駅に1時間もいるのは寒いので、一旦ホテルに戻ってから、再度の出撃。

今度の特急は時間通り。

こんな時間に夜行列車でない特急が走っているあたり、国土の大きさを感じるのである。


↑ちなみにggf.freigebenと書いてある席は、座っても良い。
 人が来たら、どけば良い。

Halleという駅には6:38着。

次の乗り継ぎ列車は6:38発で、この次は1時間後。

どうせドイツの国鉄は時間通りには走らないので、乗り継ぎ出来ちゃうんじゃないかと変な自信だけがあった。

そしてその予想通り、乗り継ぎ列車は僅かに発車が遅れて、我輩は何とか滑り込むことができた。

アメージング!

これで余裕をもってSLに乗り継げるというものよ。

だんだん夜が明けてきた。

雲一つ無いチョーがつく快晴だ。

素晴らしい。

が。当然出発が遅れた我輩の列車は、次第に予定時刻から遅れが大きくなってきた。

マジか。

そしてそれは、Halbertstadt駅の次の乗り継ぎがシビアになってしまうことを意味する。

きっと待ち合わせをするに違いない。

違いないが・・・、すでに発車時刻は過ぎている。

ホームに降り立ち見渡すと、4つほどのホームに、列車が待っている。

どれだ!?

とりあえず1番線に行ってみる。

偽「For Goslar?」

「Magdeburg」

そして、視界の向こう、さっき乗ってきた列車の後ろから、発車する列車があった。

まさか・・・あっちだったのか・・・???

オーマイガ。

結局Halleで1時間待ったのと変わらないじゃないか。

というか、次の列車も遅れてきたら、SLも詰んでしまう。
↑SLの乗り継ぎは20分しかない。

コレは・・・タクシーやむなし。

駅前のタクシーを捕まえる。

偽「Wernigerodeへ行きたい」

「Zug(列車)!列車で行けよ!」

偽「待ち時間が長いんだよ」

「朝は病院とか仕事の送迎で忙しいんだよ。こっちゃ来い」

と、タクシーオフィスへ連れて行かれる。

「こいつWernigerodeに行きたいらしいぞ。ペラペラペラペラペラリーノ。ペラリーノ?」

偽「イエス」

「イエス?」

うーん、何の話なんだろうか。

とりあえず、オフィスを出て所在なく駅前をブラリーノ。

チッ、さっきの列車に乗ってれば、もうWernigerodeに着いてるのに!

憤懣やるかたなくぶらついていたら、タクシーが2台帰ってきた。

そして、オフィスから女性が出てきて、「アレに乗りなさい」的なことを言ってくれた。

ワゴンでデカいな。

コレ料金一緒?

偽「Wernigerodeへやってくれ」

「ペラペラペラペラペラリーノ」

何だ、大学で少し齧ったようなドイツ語じゃ全く分からないぜ。

ま、英語も分かりませんがな!

偽「パードンミー?」

すると、運ちゃんは「75ユーロ」と書いた。

金持ってんのか?ってことだな!

偽「イエス、アイペイ!」

タクシーはドイツの田舎道を爆走し、30分ほどでWernigerodeに到着した。

無駄な73.8ユーロだぜ!

冬ののどかな朝の一方、随分疲れてしまったわい。

ここから、ハルツ狭軌鉄道が運行するSLに乗って、ブロッケン山の頂上まで行く。

雪山の中を驀進するSLの写真を見たことがあって、一度撮ってみたかったのだ。

しかし。おそらく麓の感じからして、雪はないだろうな。

ハルツ鉄道のオフィスは9:20から。

さっきの駅で1時間待って乗れる列車の到着時刻も9:20着。

SLの発車時間は9:40だ。

遅れるかもしれないリスクに苛つくぐらいならタクシーで良かったとしよう。

とりあえず、25:44の運休から、よくここまで立て直したものよ。

ホームに行ってみると、二機の機関車が準備している。

ボディはでかいけど、車輪は小さく見える。

もっとも、我輩はオタクではないので、日本の機関車に比べてどうかはよく分からん。

狭軌ってぐらいだから、車輪の幅は狭いのかね。

オフィスが開いて、中に入ったところで、列車の走り去る音が聞こえてきた。

我輩が乗るかもしれなかったヤツか。

タクシーのおかげで機関車の準備が見れたわけだな。

チケットを買ったら、もうすぐ出発。

連結部分から撮影しつつ、発車オーライ。

列車はしばらくWernigerodeの町中を走っていく。

クリスマスツリーやらマーケットやらが絡むなら、早く下りてきて撮っても良いかと思って観察したのだが、

そういった感じのものは見当たらなかった。

徐々に森の中に入っていって、クネクネと坂を登っていく。

やっぱり雪らしきものはどこにもない。

残念だな。

頂上付近になって、ようやく雪山らしき景色になったとはいえ、思っていたような雪山では全くなかった。

そんなに上手くはいかんということか。

11:30過ぎにブロッケン山の頂上駅に到着。

雪が半分溶けて氷になってしまっていて、滑るのなんの。

風が強くて、コレは怖かった。

早速持ってきたウインドブレーカーのズボンを履いてみ・・・ると、

右足のチャックが壊れてしまったじゃないか!

寒いのにナンテコッタイ。

転けないように恐る恐る歩いていく。

直ぐに二番列車が登ってきてしまう。

どこか良い場所を見つけなければ!

・・・と思ってるうちにシュポシュポという音が聞こえてきて、列車は行ってしまった。

数少ない一本を無駄にしてしまった。

折り返しが来てしまうので、とりあえずここかな、というところでまず一枚。

次は1時間後・・・と思ったら、2時間後。

マジカヨ。

仕方ない。

じっくり撮影場所を探しますか。

快晴ではないが、せっかく見晴らしが良いのだから、下界を入れて撮りますかねー、

というわけで、場所を決めて待機。

まさかこんなドイツの山の上でも長時間待機になるとはな・・・。

撮り鉄はコスパが悪いぜ。

待っていると、シュポシュポと聞こえてくる。

まだのハズだが・・・と思いきや、下から登ってくるのが見える。

おー、これはラッキー!

煙モックモクで登ってくるわい。

逆光ながら、まぁまぁ思ったようなカットで撮れてひと安心。

折り返しもここで撮って、と。

予定の次の次の列車を早めて、次の列車で下山することにする。

次の列車は、途中駅で乗り換えが必要。

もう一度登ってくるところを撮って、乗車。

この時、カメラケースを落としてしまったことに気付いた。

まぁ今さら探しにいけないので、諦めるしかない。

列車はどんどん下っていき、途中駅で乗り換えてWernigerodeの町に着く頃には、日が暮れていた。


しかし!

これはシャッターチャンス!

素晴らしい残照の中、走り去る列車を撮ることができた。

帰る列車が来るまで、機関庫の展望台で写真を撮り撮り、ハルツ狭軌鉄道の旅は無事完了。

時間が微妙なローカル列車の乗り継ぎも上手くいった。

そしてあまりにのどが渇いたので、乗り継ぎのゲッティンゲン駅でファンタを購入。

ヤクルト1000とラッシー以外のジュースを飲むのは半年以上ぶりだった。

久々に飲むジュースは本当に美味かったわい。

で、予定通りの時間にフランクフルトへ帰ってくることができた。

今日の食事はファンタと駅で買ったクロワッサンのみ。

さすがに腹が減ったので、駅前のアイリッシュパブでフィッシュエンチップスと思ったら、

料理はフィニッシュ。

ビールだけ飲んで、隣のレストランでピサを食う。

なんちゅうか、この半分で良いんだよな・・・。

デカ過ぎるんだよね。

ま、食うんだけど。

さ、今日はさすがに疲れた。

部屋に戻るや、大爆睡となったのである。

Zzz・・・

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行程表を見る

1日目 4年ぶりのヨーロッパ!  2日目 クリスマスマーケットで撮り鉄

3日目 ブロッケンという雪山  4日目 クリスマスマーケットの本場へ

5日目 ワンデイトリップのプラハ  6日目 ドレスデンでコンサート梯子

7日目 偽スナフキンTGVに乗る

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