4 май -
目が覚めたのは5:00前。 イカンイカン、荷物を整理してシャワーを浴びよう。 と、立ち上がろうとしたら、足の裏に違和感が。
・・・。
なんじゃこらーっ!?
かつて見たことのない水ぶくれに目が点になった。 すぐにも潰しておかないと明日の朝までに皮膚がくっつかない。
しかし初日に書いたが、サンクトペテルブルグの水道水は
アリエナイぐらい汚い。
潰したところからバイキンが入ってはヤバイ。
先にシャワーを浴びてから、ちょっとだけ皮を破って水を出した。
ぐぬ・・・痛い。(T_T)
朝までには張りつかないだろうなぁと思いながら寝て起きたら8:30。
なんちゅう腑抜けた旅だ。
こんなに朝がゆっくり続きなのはかつてなかったな。
ま、そんなにたくさん見るところがあるわけではないので、
一応これでも勝算はあるわけ。
水ぶくれのところが当たらないように、ひょこひょことブレックファーストを食いに行く。
う~む、まさか2日目からこんなことになろうとは予定外。
今日はあまり歩かないようにしよう。
今朝はしっかり朝飯を食い、10:00過ぎにチェックアウト。
荷物を預けて、まずはホテルに隣接のショッピングストアへ
バンソウコウを買いに行ってみたが見つからなかった。
次回の旅行からは必携せねばならんか。
さて、地下鉄でロシア美術館に向かう。
場所はスパース・ナ・クラヴィのすぐ近く。
前回の旅行以来海外の美術館に重点を置いているのだ。
ただ、昨日のうちに回っておけば良かった。
カッサ(切符売場)で地下鉄専用のメダルを買い、駅に下りていく。
サンクトペテルブルグの地下鉄は非常に深いところにあり、
結構速いエスカレーターでも、1分近く潜っていくことになる。
そしてエスカレーターの終点には監視ルームがあり、
いくつものモニターを係員が見張り、ホームでは警官か軍隊みたいな人がうろついている。
なるほどカミュが言ったように、写真を撮ったら怒られそうな雰囲気である。
おそらく主要路線である1号線は、
ホームには乗り口があるだけで、地下鉄(車両)は見えないようになっている。
行き先表示がキリル文字でよく分からない状況の中、これはなかなか厄介。
どっち向きに走ってきているのかは音で判断するしかない。
2本やり過ごしてしっかり行き先を確認し、乗り込むことになった。
駅で降りてまた長いエスカレーターに乗って地上に出る。
ロシア美術館まではすぐ。
昨日も地下鉄にすればこんなに水ぶくれを作らずに済んだのかもな・・・。
思ったより広く、色々見てて結局2時間半を過ごした。
有名な作品はこんな感じだ。
さてさて、次は動物学博物館。 カフェでチョコレート(飲み物ね)とサンドイッチを食ってから、 スパース・ナ・クラヴィの写真を撮りつつエルミタージュ美術館の横を抜けて 宮殿橋を渡る。
言葉にすると短いが、ここまでで既に相当足が痛くなってしまった。
これはあまりに不甲斐ない。
どうなっとんねんコレ。
しかし予定は変更しない。
地球の歩き方によれば、そんなに距離はなさそうなのだ。
とりあえずネヴァ川沿いに歩き、メンシコフ宮殿を見に行ってみる。
てくてくてくてくてくてく・・・おかしいな。
そんなに距離は無かったはず・・・ってあれか?
あんな向こうに!?
・・・。
さらに歩いて歩いて行ってみたメンシコフ宮殿は休館日だった。
ぐぬぬぬぬ・・・かなり無駄に消耗してしまった。
またかなり歩いて橋まで戻り、たもとの動物学博物館へ。
ここは、現存する生き物から絶滅種まで、もうとにかく沢山の剥製が展示されている。
中でも注目なのはマンモスだろう。
むむむー。 これはどこまでが作り物なのか分からん。
こっちは本物だな。 この2つは、ずーーーーっと前に大阪で見たことがある。
青だかエメラルドグリーンだかのマンモスガイドブックを買ってもらった覚えがあるぞ。
まさかこんなところで再会することになろうとは。
でっかいトナカイやらトラやら、これがみんな動きだしたらすげーと思いながら見学した。
そして室内でISOを上げて撮影してもしっかり撮れるあたり、
デジタル一眼レフを買って正解だったな~♪
はー・・・疲れた。
しかしこれからが問題だ。
ペトロパブロフスク要塞を抜けて、スモーリヌイという教会へいくつもりなのだが、
さっきの教訓からすると、これはかなり遠い。
どう考えても、地球の歩き方の地図は縮尺がおかしい。
よーしまぁ150mぐらいなら、と角を曲がってみると、
どう見たってその倍以上はある。
段々腹が立ってきた。
とはいえ、他に行くところもないから、歩くことにする・・・か。
この判断が、この旅行をただ苦しいものにしてしまうことを、
当時の我輩が知る由も・・・いや、知ってたね。
ただ、あまり興味のない教会へ延々歩くことにどれだけの意味があるのか、
よく考えるべきであった。
さて、ペトロパブロフスク要塞へ歩きだした我輩。
足の裏が・・・足の裏がマジで痛い!!
昨夜の左足に加えて、当然右足の水ぶくれも破裂済。
そんな痛さじゃなくて、骨に響いてくる痛さだ!
うぬぁーーーーっ!!!
こんなに必死に歩かねばならんのか!?
全く想定外の展開だ!!
こんなに痛いのはちょっと変。
足の裏の肉が薄くなってんのか?
ごちゃごちゃ考えながら、ペトロパブロフスク要塞に到着。
河岸に張り出して、塀に囲まれた要塞。
その中で目立つのがペトロパブロフスク聖堂。
高~い鐘楼は、かなり遠くから光って見える。
なんだ、チケット売場は向こうだと?
頼むからここで売ってくれ。
もう足が壊れそうだよ。
ひょこひょこ。
中はこんな感じ。
ふー・・・。
さ・・・行くか・・・。
いやまて。
行くのか?
この足の痛さで、本当に行くの?
あのへんは地下鉄ないし、行ったら最後、
またかなり歩いて帰ることになるのよ?
・・・。
てくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてくてく。
スモーリヌイに着いたのは、要塞を出てから2時間半後だった。
と・・・遠すぎた!! 確かに青くてきれいな教会だ。
しかし、ここまで歩く必要があったのか!?
しかも見学時間終わってるし!
甚大なダメージを被ってしまったぞ!!
もうちょっと柔軟に予定は変更しような偽スナフキン!!
衛兵のパレードの訓練を見ながら、何となく歩いてきてしまった自分を激しく戒めた。
・・・来てしまったものは仕方ない。
帰らなければ。
もう歩きたくない。
地球の歩き方によれば、バスがあるハズだ。
停留所らしきところでバスを待つ。
もうオレは絶対歩かないぞ。
・・・。
全然来ない。
来る気配もない。
結局また30分以上歩いて、地下鉄に乗ることにした。
今日の最初の方で書いたが、地下鉄に乗る前に、長いエスカレーターがある。
じっと立っていると、足の裏に負荷がかかって泣けてくるぐらい痛い。
オレはロシアまで来て何をしているんだ。
歯を食いしばって地下鉄に乗り、
カミュとの待ち合わせにはまだ時間があるので本屋に行って買い物をし、ホテルに戻った。
そういえば、まだ晩飯食ってない。
足の痛さと疲労感で食欲はないので、昨日に続いてマクドでアイスとコーラを飲むことにする。
マックフルリーが食いたい。
何て呼ぶのだろう。
そんな時は奥の手だ。
メニューを指差し、ザロワンプリーズ。
しかしこの時、我輩はさらに画期的な方法を考え付いた。
デジカメでメニューを撮影し、店員に見せてオーダーするのだ。
これなら、ちょっと指先がずれてて店員が間違って隣のセットメニューを出してくることもない。
ここまでして世界のMでメシを食いたい旅人がいるだろうか。
さて、とりあえず今回はメニューを指差してオーダーしたところ、
「マックフルリー?」と聞かれた。
ロシアでもマックフルリーで良いらしい。
スペルは全く違えど、読み方は同じというのは、毎度ながら、ちと面白い。
とにかく無事にマックフルリーとコーラを平らげ、晩飯終了。
ホテルのロビーでカミュと合流し、モスクワ駅へ。
サンクトペテルブルグの駅名は、行き先名となっていて、
他にもフィンランド駅などがあるのだ。
今夜はロシアが誇る夜行列車、その名も「赤い矢号」でモスクワに向かう。
で、赤い矢号の発車時刻は23:55。
カミュが気をきかせて待ち合わせ時間を遅くしてくれたのだが、まだ1時間以上ある。
どうやらカミュは我輩を駅に送るだけでなく、乗るところまでお世話してくれるらしい。
遅いし帰ってくれても構わないわけだが、
彼は日本語の勉強を兼ねて我輩とおしゃべりがしたいみたいなので、カフェで話をすることにした。
話題はカミュの家の話から自転車でユーラシア大陸を横断した話、
我輩のケニアの話、ロシアの物価が高いこと、ロシアのファーストフードのことなど。
独学でこれだけ日本語が話せるようになるには、どれだけの勉強をしてきたのだろうか。
大した根性である。
さて、1時間のトークを終え、案内に乗り場が表示されたので、ホームへ行くことに。
入線してきた赤い矢号。
車両は赤で統一されている。
我輩は8号車の2等寝台で、1部屋に4つの寝台がある。
寝台下には荷物の収納スペースがあり、
荷物は夜間どうしたらいいのかという心配は杞憂に終わった。
まさに生むが安しだな。
カミュと別れ、写真を撮ってるうちに発車となった。
発車してすぐ、係の人が何か聞きに来て、他の2人はブリニーと答えた。
・・・。
そういえばさっきカミュがファーストフードの話題でブリニーの話をしていたな。
日本のクレープみたいなものだとか。
軽食のお伺いか?
偽「ミートゥー」
まぁ何でもいいや。
とにかく足が痛いんだよ我輩は。
同室のロシア人に教えてもらってベッドメイキングし、
カーテンぐらい着けてくれよと思いながら眠りに就いたのだった。
Zzz・・・ |