3 май -
8:30起床。 う~む、昨日は散々寝たというのに、寝たら寝た分だけ眠いとは。 何かのコラムに、ぐっすり短時間寝るのが効果的で、 寝過ぎるのは無駄とあったな。
気を付けよう。
見所はほとんどが10:00からなので、かなりダラダラした朝だ。
とりあえず朝飯を食い、9:30の出発。
まずはエルミタージュ美術館に向かってみる。
エルミタージュ美術館は月曜休館のため、今日見ておかねばならん。
海外旅行も複数回目となると、緊張感がなくなってきて、
以前のように綿密な下調べやスケジューリングはあまりしていないが、
最低限休みの日だけは見てきたのだ。
サンクトペテルブルグのメインストリート、ネフスキー通りを真っすぐ歩いていく。
地下鉄2駅だし、そんなに遠くなさそうだからな。
・・・しかし、この判断が後に響き、泣かされまくるのであるが、当時の我輩が知る由もない。
初めて異国の地を歩くのは新鮮だ。
町並みの眺め一つ一つ全て。
てくてくと歩き、カザン聖堂、 そしてスパース・ナ・クラヴィ(血の上の教会)に到着。
予定どおり中は後ほど見ることにして、写真だけ撮って先にエルミタージュ美術館ヘ急ぐ。 あまりのんびりしていると、入場券売場で延々並ぶことになりそうだからな。 再びてくてく歩き、開館15分前に到着。
既に列ができていたが、メチャクチャというわけではない。
そしてこうして並んでいると、いつものごとく割り込んでくる韓国人と中国人。
何なんだろうねあいつらは。
並ぶという文化がないのか?
顔からはみ出るぐらいデカイグラサンしてデカイ声で話ながら、
さも当然とばかりに割り込んでくる。
ま、我輩は優しい欧州の人と違って入れてやらないけどな。
肩と肘を使って、道を塞ぐようにするのが良いだろう。
何や睨むなよ。
怒っちゃうぞ?
我輩はちゃんと順番を守ってチケットを購入。
まずはヨルダン階段を上がる。
ふむー、立派である。
この美術館、順路が特になく、行き止まりや封鎖ルートがあり、
全然スムースに見れない。
館内は意外に広くて、地球の歩き方のガイドが無いと、
どこに何があるかサッパリだった。
広いだけあって、展示数は多い。
あっちこっち行ったり来たりしながら見て回る。
昨年の大塚国際美術館に始まり、
年始のイタリアフランスの美術館巡りと、最近絵画を見る機会が多かったせいか、
確実に我輩の目は肥えているようで、
特徴ある画家の絵は、何となく分かる。
む、ルーベンス。
お、エル・グレコ。
おや、モネ。
みたいな感じ。
我輩はルーベンスの絵が好きだね。
フランダースの犬の影響が皆無とは言わないが、
あの絵の質感というか、今にも動きそうな感じはとても好きなのだ。
これはヘラクレスとアンドロメダ。
何で正面じゃないかというと、思いっきり反射してるから。
PLレンズ着ければ、きれいに撮れるのか?
あれ着けるとレンズが一層暗くなるから嫌いなんだが・・・。
次回試してみよう。
他に有名な作品では、ダナエ
ダヴィンチの聖母2作品
ゴーギャンなどがある。
前回我輩が執拗に探し求めたゲオルギウスも、ロシアの守護聖人だけあって、
ちゃんと置いてある。
他にも書斎なども良い感じ。
というわけで、散々歩き回って、エルミタージュ美術館は3時間半を要した。
以前はスルースルーでさっさと見学終了だったが、
目が肥えてくるのも弊害ではあるな。
すっかり遅くなってしまった。 続いて、どっかりしたスタイルでサンクトペテルブルグ最大のイサク聖堂。
チケット売場でやりとりが上手くいかず、
まずクーポラ(ドーム上部)の展望台チケットを買うことになった。
上からの景色はそこそこ。
おー、あれが見えるこれが見えるという感動はなかった。
ネヴァ川を望む。
一旦チケット売場に戻り、聖堂内のチケットを再購入。
ほむー。
ブルガリアの東方正教会と同じく、ロシア正教会も彫像は作らないようで、
壁面にはイコンという独特の宗教画が描かれているが、
それ以外はガランとした感じ。
ドイツで行ったような、
ロココ調のゴテゴテした教会が好きな我輩には少々物足りないが、
これもまた文化である。
といっても、天井画や キリストのステンドグラスなどその他装飾はすばらしいぞ。
中心には鳩がいる。
鳩は、神の意思を伝えるのだ。
こうした知識があると、なるほど~って思えるから、欧州旅行には大切だぞ。
ぐるりと見て回り、スパース・ナ・クラヴィへ。
・・・向かう前に腹ごしらえ。
といえば、世界のM!
いつ食べても一緒なこの世界品質。
最高です。
さぁさぁ行きますよ。
と、意気揚々も一瞬で収束。
うーむ、この辺の見所は固まっているのかと思ったが、
意外に距離があるな・・・。
今といい、朝のエルミタージュまでといい、
思った以上に歩くハメになって、実は既に足が痛い。
かなり。
初日にしてこの痛さは異常。
老いか?
この後、オペラを見に劇場ヘ行くのだが、
交通の便が悪く、これまた歩くことになっている。
心配だな・・・。
スパース・ナ・クラヴィとは、血の上の教会という意味で、
皇帝が殺された場所の上に建てられている。
中はそれほど広くはないが、一面のフレスコ画。
こりゃまたすごいね。 見渡す限りの絵。 絵。 絵。 塔の裏には聖家族の顔。 ガイドに無くたって、見逃してるようではイカンのです。(笑) ブルガリアのリラの修道院を思い出す。 パチパチと写真を撮って出る。
さて・・・。そろそろ劇場に向かわねばならん。
ヴァチカンのサンピエトロ寺院によく似たカザン聖堂をサクッと見てから、
てくてくてくてくてくてくと歩いていく。
・・・遠いな。
予想外の遠さ。
これ朝から思ってたけど、地図の縮尺おかしくないか?
かなり歩いて劇場に到着した頃には、足がジンジンと痛くなっていた。
う~む・・・これでまた同じ距離を歩いて帰るってか。
げんなりするな・・・。
まぁそれは観劇を終えてから考えよう。
で、ここマリインスキー劇場は、
サンクトペテルブルグを代表する由緒ある劇場。
本当は白鳥の湖や、くるみ割り人形みたいなロシアンバレイが観たいところだが、
今日の演目は、オペラ・アイーダ。
アイーダといえばサッカーのチャントでよく聞くようになったけども、
クラシックのCDでしか知らんな。
オペラだったのね。
オペラといえば、我輩には軽いトラウマがあって、
かつて話題作りに、演劇の話を振ってみたところ、
「偽スナフキンはそういうのに興味なさそう」
とバッサリいかれた苦い思い出が。
いやいや、我輩だってその気になれば演劇の一つや二つ、
バリッと観てやろうじゃないの。
心配したドレスコードはそんなに厳しくなく、
普通のジーパンの格好にティンバーランドのゴツイ靴で入れた。
我輩の席は2階の正面席。
オンラインでしっかりと予約してきた。
ちなみに価格は約6000円。
日本の舞台に比べて格安となってはいるが、
実はこれは外国人価格。
ロシア人はもう少し安くて、
予約時には、ちゃんと外人価格で予約しなければならない。
座席は、模型で確認できるので安心。
開演まで時間があるので、パチパチと写真を撮りまくる。
パリのオペラ・ガルニエのような、荘厳な内装。
正面のリッチマン席を中心に広がる座席。
立派な舞台。
舞台の手前下にある窪みでオーケストラが演奏するのだ。
こういう中にいるだけでウキウキしちゃうぜコンニャロー♪
ジリリリリリリリーッというレトロなベルが鳴って、
みんなと一緒に座席に着く。
前述の通り、我輩の席は2階の正面席だもんね~
・・・って、リッチな人の席の飾りがはみ出しているぞ!!
なんでやねん!(T_T)
我輩の視界はこんなん。
こんなネタ席いらんわーッ!!(怒)
仕方なく、突っ伏して観ることにする。
幕が上がり、始まるオペラ。
第一部、第二部と進んでいくが、ちっとも分からん。
ロシア語なのか英語なのかはたまたイタリア語なのかすら分からん。
そして迎えた第三部。
眠りの神様に誘われるまま、我輩はすやすやと眠りの世界に旅立ち、
拍手に目覚めては何となく一緒に拍手するということを繰り返すこととなった。
すいません、やはり我輩は観劇には向いてないようです。
第四部まであり、終わったら23:00過ぎだった。
はぁ・・・歩いて帰るのか・・・?
みんなタクシーに乗るようなら便乗しようかと思ったが、
どうやら皆さんバスでお帰りらしい。
バスってのは旅行者には手強くて、残念ながら我輩はいつも敬遠している。
仕方ない・・・歩くか。
来た道をてくてくてくてくてくてく歩く。
人通りはほとんどなく、
オレンジ色の街灯だけが光っている夜中のサンクトペテルブルグの道を
ひたすら歩く日本人約1名。
微妙に緊張したが、難なくメインストリートのネフスキー通りに到着。
こちらはまだまだ人通りが多く、とても日が変わる寸前とは思えない。
この時気付いたが、
このへんのお店はほとんどが24時間営業なのだ。
すごいなロシア。
ついでだからということで、スパース・ナ・クラヴィの夜景を撮影。
パチパチと写真を撮った。
もう少し早ければ、空が群青色の素晴らしい夜景になったんだがねぇ。
夜景の写真撮影は日没後10分が一番美しいのだよ。
はてさて、予定外に夜景まで写真撮影出来て大満足な我輩ではあるが、
初日にして既にかなりの歩きっぷりで、
足の裏がスーパー痛い。
これは相当な水ぶくれが予想される。
本当ならサンクトペテルブルグ夜の風物詩、
橋が跳ね上がるのを見てみたいが、
まだ2時間ぐらい時間があり、この足で待つのはツライ。
明日の観光もあるし、さっさと帰ってしまうことにする。
とはいえ、地下鉄は終電の時間を過ぎ、もはやホテルに帰るには歩くしかなく、
40分以上歩くことになってしまった。
足が・・・足が痛い!
アリエナイぞこの痛さ!!
いくら老いとはいえ、これは異常事態。
部屋に入るなり椅子に座り、靴を脱ぐ。
体重から解放された足の裏が脈打つのを感じながら一息ついているうちに眠ってしまった。
そして目が覚めた我輩は、ビックリ仰天してしまうのである・・・。
Zzz・・・ |