4 Mayo-
3:00に目が覚め、シャワーを浴びた。 外からは、まだたまにクラクションの音が聞こえる。 そしてニュースを観ながら執筆。 BBCとかがやってなくて、全部スペイン語。 内容は全く不明だが、どこかで飛行機が墜ちたのか? サラッとしかやらないからよく分からないが。 う~むむむむ・・・。 そしてFCバルセロナ優勝騒ぎはさらにヒートアップしたようで、 バルセロナ一番の目抜き通りで あふれんばかりの人が大騒ぎしている映像が繰り返し流れていた。 時間の都合で行かなかった噴水ショーも、 優勝を記念して、随分ど派手に行われたようだ。 行けば良かったなぁ・・・。 4:40、書き終えたので荷物をまとめて休もうと思ったのだけど、 結局6:00になってしまった。 少しだけウトウトして起床。 ・・・まぁ起床というか、ずっと起きてたんだけど。 7:00、朝食へ。 晩飯まで食えない予定なので、ガッツリ食う。 実に美味い。 腹が一杯になって少し眠いが、まずは国鉄のサンツ駅へ行く。 明後日のAVE(スペインの新幹線)のチケットを急遽予約しなければならなくなったのだ。 いや、正確にはバルセロナで出来るかどうか分からないが、出来ないと困るのだ。 本当は当日マドリードで買うつもりをしていたのだが、 切符を買うどころか、窓口の整理券を取るのも待つぐらいで、 普通にトータル1~2時間もかかるということを出発間近に知った。 その日はマドリードまで飛行機なので、 遅れるかもしれないということを考慮して、日本では予約しなかったのだ。 しかし2時間も無駄には出来ない。 予約にも相当待つというが、朝一番ならさすがに空いてるだろう。 日の出は7:00少し前と、まだ完全に明るくはないので、 余分な金などはセーフティボックスに入れて、駅へ。 外は雨降りではないが曇り。 我輩という太陽王がいなければ、すぐにも雨が降りそうである。 駅に入って、まずはインフォメーションで今朝せっせと書き上げた切符購入のメモを見せ、 これが買えるか? と聞いたら時刻表を渡してきやがった。 やはり英語は通じないのか。 やむをえず、自力で予約カウンターへ行き、聞くことにする。 やはり海外で頼れるのは己のみである。 偽「(メモを見せて)ここでこれが買えますか?」 どうやら買えるらしい。 何か言おうと口を開くたびにメモを見ては「ン~フ~」 とか「ア~ハ~」 とか言ってる。 そりゃそうだ。 ロンドンの経験から、何か聞かれたら答えられないのは分かっていたからな。 何一つ質問されないメモを書き上げるのに、 こちとら睡眠返上で40分以上費やしたのだ。 我がメモは完璧だったようだ。 女の人は発券された切符を切符入れに入れ、端に111.7ユーロと書いた。 偽「Visa?」 「No」 偽「Cash??」 女の人は何も言わずにコクリと頷いた。 マジか!? 日本から持ってきたのは270ユーロ。 到着後わずか数時間で現金が半分になっちまうとは!! さすがに100ユーロも持っていなかったので、ホテルに取りに帰って再び窓口へ。 またホテルに戻りたくはないので、観光用の荷物を持って出る。 金を払って無事切符はGETしたが・・・マズイな。 一気に金が無くなったぞ。 資金繰りを計算しつつ、まずはスペイン広場へ歩いていく。 クソッ 予定よりちょっとてこずったな。 どこかでさっきの時間を取り戻さなければ。 お、これは闘牛場。 ここは改装中で、現在はお休み。 闘牛はシーズンの一部を除いて日曜日に開催されるので、今回の旅では闘牛は見れない。 残念。 ちなみに、闘牛やフラメンコというのはスペイン南部アンダルシア地方の文化で、 バルセロナのような北部ではそれほど盛んではないようだ。 さて、観光に戻る。 カタルーニャ美術館が見えてきた。 まるで何かの宮殿だな。 景色が良さそうなので、とりあえず上ってみる。 ・・・意外に遠いな。 せっせと上ってみると、バルセロナが一望できた。 おーっあれがサグラダ・ファミリアだな。 ざっと景色を眺めて、スペイン広場駅から一日乗車券「T-Dia」を買って地下鉄に乗る。 効率の良い旅の基本は一筆書き。 練り上げたルートで行くのだ。 リセウ駅で降り、治安が悪いとウワサのゴシック地区を歩いてカテドラルを見に行く。 あまり早い時間の独り歩きは避けるべき、とどこにも散々書いてあったので、 ここに9:00ぐらいに到着するように今日はスタートしたのである。 リセウ駅を出ると、ピカソがデザインした絵があった。 彼の絵は向きが分かんねぇ。 サクッと写真を撮って、細い路地をカテドラルがあると思われる方向へ歩いていく。 路地は細くて光が入らず、薄暗い。 確かに雰囲気は良くないが、イチイチ気にしてはいられない。 ジモッティ(地元の人)らしき人々を盾に、どんどん歩いていくと、カテドラルが見えた。 ファサードは改装中。 予定ではとっくに終わっているハズなのに、さすがスペインの人々はのんびり屋さんである。 中に入ると、さすがに立派な造りである。 沢山あるキリストやマリアの像の中で、ひときわ異彩を放つマリア像を見つけた。 普通はこうでしょ? このマリア様は黒人なのだ。 他より多く、蝋燭が捧げられていた。 体に満ち溢れた邪気を清め、 外に出てカテドラル正面の建築会館に描かれたピカソ先生の絵を見、 カテドラル脇の細い道を歩いて王の広場。 かつてコロンブスが王に謁見した広場であるらしい。 遠足のガキが沢山いたので、サラッと見て、サンタ・マリア・ダル・マル教会まで歩く。 こちらもなかなかにデカくて立派なモンである。 出口のすぐ前には肉屋があって、何かの脚が吊されていた。 何の脚だこりゃ。 文化が違えば食うモノも様々だなぁと思いながら、すっかり人通りが多くなった通りを歩く。 次は世界遺産のカタルーニャ音楽堂だ。 通りからもとにかく色々と見て歩く。 これは市場。 あらゆる場所に見ドコロが点在しているので、油断禁物だ。 さて、カタルーニャ音楽堂。 ガウディと同時期にモデルニスモの建築家として活躍した、 ドメネク・イ・モンタネールによって建てられた。 日本のガイドブックでは非常に扱いが小さいのだが、 立ち読みした現地のガイドブックでは結構ページを割いて紹介していた。 ここは自由見学は出来ない。 見学ツアーかコンサートでないと入れないのだ。 音楽堂近くの土産屋でガウディ本やらを買った時に、どこで予約するのかを聞いた。 少し奥まったところにあるらしい。 当然窓口が開く9:30に合わせて歩いてきたわけだが、窓口には既に列が出来ていた。 見学ツアーは当日の予約では入れないぐらいの人気っぷりと聞いていたが、 まだ受付が開いたばかりというのもあってか、多少空きがあった。 ちなみに言語は英語とスペイン語のみ。 コンサートの演目は事前に調べてきた。 アーティストはCarles BenaventとJosemi Carmona。 ジャンルは何といっていいか分からないが、ギター曲だ。 曲自体に全く興味はないが、乾いたギターの音色が結構良い味を出していた気がする。 迷ったが、世界遺産でコンサートなんて一生に何度も聴けるもんじゃないよな。 値段も22ユーロとCD一枚ぐらいの値段。 コンサートにする。 これも日本で調べてきたが、席は結構空いてるはずだ。 偽「今夜のチケットありますか?コンサートの」 「Yes.」 席もどこが良いか指定。 全体が眺められるであろう3階席を指定した。 ぶっちゃけ、アーティストは見えなくても構わないぐらいなんでね。 VISAで支払う。 21:00開演だ。 これでとりあえず午前のゴシック地区は終わり。 近くのウルキナオナ駅からベルダグエル駅まで地下鉄に乗り、サグラダ・ファミリアまでひと駅歩く。 あっ! しまった。 カタルーニャ音楽堂の写真撮ってない。 っていうか、チケット買っただけで建物を見ちゃいない。 ぬ~・・・。 一筆書き、ここに潰える。(死) 何かのタイミングで戻らないとなぁ・・・と思いながら歩いていたら、 サグラダ・ファミリアの塔が見えてきた。 昼の姿もやはり立派である。 そして夜とは打って変わって、ものすごい人だ。 いつものごとく、音声ガイドは割愛。 チケットを買って、受難の門側から侵入。 サグラダ・ファミリア聖堂。 ガウディが半生を費やした大聖堂である。 実は意外に小さくて、外周は歩いて5分ぐらい。 ここが世界遺産に認定されたのは、去年の話。 建築途中で世界遺産に認定されたなんてのは、おそらくここだけではないだろうか。 受難の門側にあるのは、 磔刑に処せられるキリストを始め、 直線的なアッサリした彫刻たち。 この門は、ガウディの死後造られたもの。 さてさて、中に入るぞ。 世界でも珍しい金を取る建築現場だ。 最近は潤沢な観光収入と何より現場の気合いが高まり、ピッチは上がっているそうだ。 中を通り抜け、誕生の門側に回る。 有名なのはこっちだね。 我輩好みの実にゴテゴテとした飾り付け。 こちら側の彫刻は、キリストの誕生を中心に、 とても生き生きとしている。 存分に眺め、塔に上る。 グルグルグルグル延々上る。 ほー、と景色を眺めていたら、下り出した。 上からの景色はほんのちょっとであった。 下り道からは、現在着工中の栄光の門が見える。 果たしてこれは、我輩が生きている間に完成するのだろうか。 塔を下り、今度は地下の展示室へ。 こいつは完成模型。 ・・・こりゃあまだ相当かかりそうだな。(苦笑) ガウディは建物を設計する際、逆さ吊りの模型を造っていたそうで、ここにもそれがある。 写真が飾ってあって、布を張ると、確かに建物っぽく見える。 ぐるーりと見て、ガウディ広場から写真を撮って、サグラダ・ファミリアを後にする。 公園では、老人達が何かで盛り上がっている。 砂を詰めたビール瓶を投げる・・・ボウリングみたいなものだろうか。 随分楽しそうだ。 さて我輩は、通りの露店でサグラダ・ファミリアの完成模型を買った。 10ユーロ。 8ユーロにまけろ と言ったがまからなかった。 しかし買ったはいいが、どうやって日本に持って帰るかな。 リュックに入るか心配になったが、それは後で考えることにしてとにかく進む。 ガウディ通りを行くと、世界遺産サン・パウ病院に突き当たる。 カタルーニャ音楽堂と同じく、ドメネクによって建てられた。 実はバルセロナで一番見たかったのはここ。 芸術には病を癒す力がある、というコンセプトが素晴らしいではないか。 もしかしたら我輩の「対人めんどくさい症」も少しは癒されるかもしれない。 ずぃ~っと歩いていくと、それらしき建物が見えてきた。 とても変わった正面玄関だ。 病棟も、中も、まるで美術館か何かのよう。 白衣の先生がいなければ、病院とは思えない。 確かにここに通院したら何でも治ってしまいそうな勢いである。 長方形で何の飾り気もない病棟しかない日本という国が いかに寂しい国かということを痛感した。 そして、天気もまるでこの時に合わせたように日が差してきた。 ベンチに座って今後の作戦を練りながら、少し休憩してたら、 我輩の対人めんどくさい症もわずかながら癒されたのであった。 ちなみに見学ツアーを開催しているようで、正面玄関の所にツアーの受付があったが、 時間の関係でツアーは割愛とする。 続いて、病院のすぐ前にあるバス停から92番のバスに乗って、グエル公園に向かう。 3分で来た。 実にスムースな展開。 バルセロナも他の欧州の大都市と同じで路駐が多い。 バスはその中を縫うように走る。 よくこすらないものだ。 いやマジで。 3センチぐらいしか隙間ないぞ。 うーむ、この運ちゃんも我がライバルとなる男だな・・・。 20分ほどでグエル公園に到着。 天気も良くなってきたし、太陽王パワー全開である。 ここは、ガウディと彼の理解者であったグエルが住宅地を造ろうとしたところ。 グエルの死後、公園として提供されたものである。 何ともまぁ、道の下に至るまで凝りまくっている。 これは木をイメージしたものだそうだ。 坂を下りていくと、有名なベンチがあった。 丁度空いていたので、座ってみる。 うーむ・・・、座ってしまうと街の景色が見えないんだな。 風が強くて、目の前の広場の砂が巻き上がり、目が痛い。 ・・・これは景色を見れるように配置した方が良かったのではないのだろうか。 まぁ我輩には芸術のことなど分かりはしないのだけれど。 しばらくイスに座って、脇の階段を下りていくと、下は神殿のような造りになっていた。 市場にする予定だった所だ。 さらに下りていくと、あまりに有名すぎるトカゲの彫刻。 そして公園の正面玄関に当る所には、画家ダリをしてタルト菓子と言わしめた家が2棟。 なるほど確かにかわいらしい家。 良い所じゃないの。 買い手がいてもおかしくないと思うんだけどなぁ。 我輩だったら、ちょっと住みたいかも。 家の中はショップになっていて、ここでもバルセロナ本を購入した。 街の色んな建物が載った本で、英語版。 何で英語かって? 何となく本場っぽいじゃないの。 まるで買い間違ったような目でオレを見るなよ。 間違ったんだから。(T_T) 開いてみて英語がBisshiriだったからビックリしたわ。 まさかJAPANESEの下の方にENGLISHが積んであったとは・・・。 結局絵本だな、これも。 それはそれでいいとして、荷物も多くなってしまったので、一旦ホテルへ帰ることにする。 そのついでにカタルーニャ音楽堂も見に行こう。 グエル公園はほとんど山の上のような所にあって、駅までは坂を下っていく。 どんどん歩いていくと、道路脇に設置されていたタイヤ付きのゴミ箱が 突然坂を滑っていった。 あーッあぶなーい! ドォーーン・・・。 周りのみんなが唖然として見つめる中、ゴミ箱はタクシーに激突。 タクシーのリアはベッコリ凹んでしまっていた。 合掌。 最寄り駅とはいえ、レセップス駅までは2キロほどあった。 ふぅ・・・暑い。 防犯対策として、首から物を下げているのを見られないようにハイネックの服を持ってきたものだから、 暑くて仕方ない。 しかも、結局首から物なんて下げてないし・・・。 汗だくになって地下鉄に乗り込み、再びカタルーニャ音楽堂に到着。 夜、コンサートを聴きに来ることを考慮して、迷わないでスムースに来れるよう、 道順を頭に叩き込んだ。 なにぶん遅い時間だからな。 備え有れば憂い無しだ。 また地下鉄に乗って、ホテルへ戻る。 時間は、スペインで最も犯罪が多発するというシエスタ。 気合いを入れ直していかねば。 ・・・と思ったのは5分ぐらい。 人通りは相変わらずだし、気にもならなかった。 それより暑い暑い暑い。 しかし着替えたりする時間は惜しいので、絵本とサグラダ・ファミリアの模型を置いて すぐに出発する。 ・・・さすがに喉が渇いた。 そういえばサンツ駅に世界のMが入っていたハズだ。 地下鉄に乗る前に、Mで休憩。 ビッグマックのセットをオーダー。 UKでは「セット」のことを「ミール」といったが、スペインでも呼び方は違った。 何と読むのか分からなかったので、適当にアルファベット読みをしたら通じた。 ポテトとビッグマックを一気に平らげて、コーラを飲む。 はぁおぉぉぉ・・・染み渡る・・・。 まるで激しい打ち合いで疲れた幕の内一歩が給水するかのようだ。 まだ・・・まだ打てます会長。
カァーンッ
午後、第二ラウンドのゴングが鳴った。 食後の休憩も無く、地下鉄に突撃する。 またグエル公園の手前の駅まで行って、午後は建物見学だ。 まずはカサ・ビセンス。 場所が少し分かりにくいが、この辺は坂になっているので、 駅を出て坂を上っていけば間違いない。 細い路地に際立つ概観なので、見落とすことは無いハズである。 続いて坂をどんどん下って、中心街の方へ戻っていく。 とにかく山側から海側まで歩いて、しらみ潰しに見学していく。 カサ・コマラ(バレリ作)、 デ・プンシャス(プッチ作)、 そしてカサ・ミラ(ガウディ作)。 いずれも個人所有だが、カサ・ミラだけは中を見学出来る。 とにかく現金支払いはしたくなかったので、VISAで入場料を払おうとしたら、 パスポートを見せろ と言われた。 コピーしか持っていなかったので断念。 マズイ・・・うーむ。 緊急用の福沢諭吉をユーロにしなければならんな。 毎度のごとく、見たって分かりはしない中の展示はサラッといこう。 中階でガウディの建築物の展示をサラッと見て、屋上へ。 屋上には兜のような煙突がいくつも立ち、曲線を使った輪郭というのがよく分かる。 何とも奇怪な屋上である。 ちなみに、ここからもサグラダ・ファミリアが見える。 下りるのは階段なんだが、手摺りもひん曲がった変わったデザインになっていた。 外からも眺める。 ベランダの手摺りもこんな風。 キテレツカサ・ミラであった。 昨夜と同じようにランブラス通りを海の方へ歩いていくと、カサ・バトリョがある。 右からカサ・バトリョ(ガウディ作)、カサ・アマトリェール(プッチ作)、カサ・リェオ・モレラ(ドメネク作)である。 反対側から見るとこんな感じ。 いずれも個人所有で、カサ・バトリョのみ見学が可能。 入場料は何と16ユーロ! これにはさすがにひるんだ。 高過ぎやろ・・・。 実際、値段を見て引き返す人も結構いた。 しかしここも世界遺産。 ここはケチらずいこうじゃないか。 偽「VISA使える?」 「Yes.」 ほっ・・・と思ったのも束の間。 カードが読み取れないらしい。 またかオイ! いざという時に頼りにならねぇヤツだな貴様。 「他のカードはないのか?」 JCBなんて使えないだろうなぁ・・・。 偽「ちょっと返して」 読み取り部をゴシゴシこすって渡す。 偽「もう一回いってみよう」 すると、窓口の男はニヤッと笑って言った。 「同じカードだろ?見てな」 彼は読み取り部にセロテープを貼りつけ、カードリーダーに通した。 すると一発オッケイ。 をおぅ。 思わず感嘆の声を上げる我輩。 偽「次からそうするよ」 「中国人?韓国人?」 偽「日本人である」 しまった。 我輩は郭泰源・・・もういいや。 何だか中国人かと聞かれてハイと言えない自分がいる。 こんなところでナショナリズムを発揮することになろうとはな。 「オーコニチワ」 偽「Very good.」 「(笑) 連休?バルセロナは気に入った?」 偽「モチロン!」 「それは良かった。良い旅を」 いやぁ・・・とにかく現金が減らなくて良かった。 これ以上減ってしまうとさすがに赤信号だ。 ほっとして二階に上がると、外観同様奇怪なドアがあり、そこが広間になっていた。 中から見るエイリアンの口は、意外とキレイなのだ。 そして天井も渦巻き型やミルククラウンになっている。 部屋を3つほど見たら、裏側のテラスに出た。 裏側は実に地味である。 さて次は・・・と思ったら、これで終わりだった。 終わりかい! これだけでカサ・ミラの倍の入場料を取ったのか!? ここはよほどでなければ入る価値無し! あえて言い切ろうではないか。 写真を沢山載せておくので、これさえ見とけば入らなくても十分。 根室の平和の塔ほどではないが、 ロンドン塔に匹敵するほどのボッタクリ施設であった。 外観と入場料から相当のモノを期待していた我輩は、 相当ガッカリして外に出た。 前述の通り、隣のカサ・アマトリェール、カサ・リェオ・モレラは見学不可。 ただ、カサ・アマトリェールの一回はショップになっていて、少しだけ見学出来る。 ここで、モデルニスモの冊子がGET出来ると知っていたので、 おくれ、と言ったら観光案内所に行っておくれ、と言われた。 どうせ通り道だから、ついでに寄ることにする。 一旦大通りをそれて、カサ・カルベ(ガウディ作)を見る。 こいつも個人所有で、中は見学出来ない。 他に比べて普通な造りだった。 これで一連のカサカサは終了。 どんどん歩いていくと、カタルーニャ広場に着いた。 ここの地下に観光案内所があるハズ。 テクテクと歩いていくと、案内所の「i」マーク。 階段を下りると、5、6人が並んでいた。 まぁすぐ終わるだろうと思って並んだのが運のツキ。 客が並んで待っているのに、 受付の女の一人が席を立ったと思ったら私服に着替えて帰りやがった。 日本では考えられない光景だ。 しかし世界的には普通なんだろう。 前に並んでいた外人家族の旦那が笑顔で話していた。 「彼女の勤務時間は終わったんだね」 何だかみんな込み入った相談が多いのか、時間が掛かる。 そして、受付の女がやたらと「スィースィー」と言ってるのが耳につく。 っていうか、スィースィーうるせぇっ! 30分近く待たされ、我輩の順番になった途端、わらわらと受付に人が出てきた。 ナメとんのかコイツら!! いるなら、はよ出てこんかい!! そして、なぜ我輩の会話中に割り込んでくるんだ事務員の女。 後にしろ後に!! 冊子はチケットとセットと思ったら、冊子は冊子で0.4ユーロ。 受付の女は、相変わらずスィースィーだった。 スィスィスィスィスィーだコンチキショウ。 無事冊子はGETしたものの、 白熱したスィースィーに暑くなったので、コーラを一本一気飲み。 そういえば、かつて高校の同級生にコーラの一気飲みをさせたら最強の男がいた。 実は我輩も、かなり早い。 今なら勝てるかもしれないな・・・と、ふと思った。 カタルーニャ広場からさらにランブラス通りを海の方へと歩いていく。 人多過ぎ!!! 渋谷並だ。 この辺は治安が悪いと散々書かれていたが、確かにこれだけ人がいたら、 中にはクサイ動きをする者がいてもおかしくはあるまい。 大道芸人が立ち並び、露店では鳥やら中国っぽいオモチャが売られていた。 人混みを縫うようにサッサと歩き、バルセロナで一番治安が悪いというレイアール広場に侵入。 ガウディが初期に携わったという街灯があるのだ。 日陰には怪しい売人っぽい人間がいる。 何だか目が違うのだ。 目が。 闇に光るやたらにギラギラした目が印象的であった。 とりあえず街灯さえ見れば用はない。 しばし広場を眺め、ランブラス通りに戻る。 さらに海の方へと歩いていくと、グエル邸。 現在改装中だったので、少しだけ中を覗いてまたまた歩く。 そして、ようやくランブラス通りの終着点、コロンブスの塔が見えてきた。 はぁぁ・・・これですべて見終わると思うと、解放感があるぞ。 本当は塔の上に上れるのだが、時間切れ。 地中海の岸壁に立ち、大きく深呼吸をした。 やっと終わったというのが正直な感想。(笑) さて、19:00になってしまった。 コンサートは21:00からで、その前に中の見学をしようと思うと、 買い物の時間がない。 さっき歩いてきたカタルーニャ広場にあるデパートで買い物をしようと思っていたのだ。 スペインのブランドといえばLOEWEを思い浮べる人が多かろう。 我輩の知識もその程度だったが、スペインには意外と靴のメーカーが多いことを発見。 左右のデザインが違うことで有名なCAMPERはメイドインスペインだ。 ならば、スペインで靴ぐらい買ってやろうじゃないかというのが、浪速男の心意気。 我輩が見たいのは前述のCAMPERとKOWALSKI。 さっそく駅からカタルーニャ広場まで地下鉄に乗り、デパートのCAMPER屋に入る。 するとそこにいたのは日本人の男女グループであった。 HERMESやVUITTONのような超一流ブランドならまだしも、 ビッグマイナーなブランド店で日本人に遭遇したのには相当ヘコんだ。 やはり海外で日本人に出会いたくはない。 気に入った靴も無かったので、20秒で退散。 通りを挟んだ向かいにカジュアルシューズを扱う店があったので何件か覗いてはみたものの、 KOWALSKIは見当たらなかった。 時間がきたので、またしても地下鉄に乗り、ウルキナオナ駅下車。 昼に覚えた道を歩いて、カタルーニャ音楽堂に着いたのは20:30過ぎ。 ようやく辺りも暗くなってきた。 中は色彩鮮やか。 本当は写真撮影禁止なのだが、 踊り場やフロアでみんな普通に写真を撮っていたので、便乗して撮った。 しかし客席には係員が沢山立っていて、ここでは写真を撮った人が注意されていた。 我輩は各フロアを見て回ろうと思ったのだけど、 係員に出会う度に「あなたは上の階」 と言われまくり、ウンザリして自分の席についた。 天井の雫のようなシャンデリアを始め、 壁面にはユニコーンが跳ねるという一層鮮やかな3階の客席。 時々フラッシュが光る度に注意に行く係員。 そんなこんなで、照明が落とされた。 舞台には今日の主役らしき二人とその他が上がり、演奏を始めた。 席は半分ぐらいが空席で、暗くなってからみんな前の方へ移動していった。 我輩は演奏自体には興味なし。 むしろ明るいまま演奏してくれても良いぐらいだ。 そして暗くなってしまうと眠気が・・・。 乾いた弦の音が、我輩を眠りの世界に誘うのに、さしたる時間は必要なかった。 20分後にはウトウトしながら聴き始め、中盤は爆睡。 最後の曲でようやく現実にカムバック。 時計を見たら既に22:30。 そろそろおいとましないと、地下鉄がカボチャになって帰れなくなってしまう。 アンコールの拍手が鳴り響き、 やがてアーティストが再び壇上に上がり、我輩は階段を下りていった。 外は雨。 太陽王の力も疲れで切れてしまったか。 来た道を歩いてウルキナオナ駅から地下鉄で帰った。 この時間帯でも人は結構乗っていたし、身の危険は感じなかった。 ホテルに戻ったのは23:00。 明日はサンティアゴ・デ・コンポステラへ飛ぶ。 その予約は、 最初に書いた通りこの旅最大の懸念である。 じっと予約の紙を見ながら、空港への移動手段を考えた。 当初は空港まではタクシーの予定だったが、手持ちの現金は温存したいし、 街は安全だと分かったので、空港バスで行くことにする。 一旦部屋に荷物を置いて、空港バスの乗り場を聞きにフロントに戻ったら、 日本の団体客がご到着。 一体何人で来とんねんコイツら。 あふれかえってるやんけ。 偽「空港へ行くバスの乗り場はどこ?この地図に書いてくれ」 「すぐそこのバス停だ。歩いて1分。すぐそこ!」 コンシェルジュは忙しそうで、ろくに教えてもらえなかった。 飛行機に間に合うには、何時に出れば良いのかも聞いたのだが、 全くの無愛想で、「50分!」 とだけ言われた。 来た時から思っていたのだが、ここは駅前のいわばビジネスホテルの感が強い。 従って、サービスはイマイチである。 昼間調べておけば良かったなぁ・・・。 さすがに今からバス停に行く気はないし。 後悔しながら部屋に戻ってバタバタしていると、時間は早くも24:30。 眠いし、何より疲れ過ぎ。 早く寝ないと体に悪そう。 しかし荷物はまとめないと・・・。 シャワーを浴びて慌しく荷物をまとめたら、早くも25:30。 もうダメだ。 寝よう。 Zzz。 |