18 七月-

前回のインド旅行から持ち帰った教典を納めねばなるまい、

という素晴らしい心意気で決まった、今回のインド続編の旅。

三蔵法師がどこに持ち帰ったのかは詳しく知らないが、

中国には違いない!

ってなわけで、行き先はオリンピック間近の中国は上海だ。

本当はまた4日でインドの奥地に突き進むことも考えたのだが、

何しろインドの山奥は伝票打ったらラッキョウが転がってしまうので、インドは止めた。
↑コレ何だっけ?小学校低学年で覚えて以来、ずっと耳に残ってるフレーズなんだけど。

で、何で上海かというと、何となく。

北京にしても良かったんだが、何となく上海になった。

夜景は見てみたいが、それ以外に期待もしていない。

まぁ正直なところ、何かと乗る機会の多かったルフトハンザのマイレージが余っていたので、

近場の旅行にしただけのこと、ともいえる。

マイレージを捨てるようなことは絶対にしないのだ。

貧乏根性をナメるなよ。

で、地球の歩き方を買ってみたりしたけども、

前述の通り、全くといっても良いほど興味のない上海。

大航海時代ONLINEに「うつつ」を抜かしていたこともあるが、

「地球の歩き方」も「るるぶ」も読みもしないうちに当日が来てしまった。

予備知識全くゼロ。

上海に行くより、家で大航海時代ONLINEをやって寝ることにすれば良かった

と後悔をしているぐらいだから、どれだけやる気が無いか、

お分かり頂けるというものであろう。

カバンを出したのは出発前日。

やっぱり行くのやめようかなぁ・・・とブツブツ言いながら、

荷物をようやく詰めたのは出発間際だった。

で、関空へ向かう特急の中で初めて開いた地球の歩き方を見て驚いた。

このシリーズって、こんなに丁寧に解説してくれるのか!!

東アフリカやギリシャ、ブルガリアの地球の歩き方と同じシリーズとは思えない丁寧ぶり。

それぐらい初心者向けの行き先ということなのか。

やはり中国如きでは、心も高ぶらん。

ウーム、何とも緊張感の無い旅になりそうだ。

今回は、糸の切れた凧のような我輩のダレっぷりをお伝えすることにしよう。

前夜から徹夜の大航海時代ONLINEが響いて、爆睡しながら関空に到着。

平日だというのに、なかなかの人出だ。

今回、初めてeチェックインをやってみたのだが、あれは早くてメチャ便利。

皆がゾロゾロ並んでいるのを横目に、一瞬にして手荷物預かりが完了した。

ただ、あれは正規航空券だからできたのかもな。

あまりに早く準備が整ってしまったので、関空ショッピング。

夜長の友にドラクエ5DSを購入し、これまたあっさり出国。

結果、また時間を余してしまい、やむなく早々と出陣式を執り行う。

♪人間五十年~以下略♪

座席はeチェックインの際に指定した窓側。

大航海時代ONLINEのやり過ぎでよく知らんのだが、台風が来てるのか?

まぁ何とかなるべ。

搭乗ゲートは1番。

お近くには、もう何度乗ったか分からないぐらい乗った(大袈裟)ルフトハンザ・フランクフルト行きが・・・。

くそぅ。

やっぱり我輩の乗る飛行機は、どう考えてもあっちだよなぁ・・・。

何で今頃上海なんだっけ。

何だか蔑まれている気分だ。

上海よりフランクフルトに行きたいぜチキショウヒアウィゴー!!

・・・と、離陸した瞬間に爆睡。

せっかく買ったドラクエ5は、アルカパにたどり着いただけだった。

近すぎるで上海。

北海道と変わらんのちゃう?

こんなもん海外に来たとは言えんでしかし。

で、飛行機を降りて、まずやるべきことは両替。

憎きインドルピーを両替するために外国へ来た
         と言っても過言ではないのじゃ!!

いざ頼もうTravelex!!

偽「インドルピー両替できる?」

「No」(即答)

号(T_T)泣

ブルガリアレフでも両替してくれたのに、ルピーは駄目スか!!

ぐおー!!

これは相当予定外。

見切り発車でデジタル一眼買わなくて良かった・・・。

いや、良くはないんだが・・・。(T_T)

とりあえず出来ないものは仕方ない。

市内行きのリニアモーターカー乗り場に向かう。

名古屋のリニモと違って、こちらのリニアは、普通連想する超高速車。

これは大きな楽しみの1つである。

ちなみに、リニアモーターカーではなく、

Maglev(マグレヴ)というらしい。

せっかくだからVIPクラスをお買い求め、荷物点検を受けて乗り場へ。

ホームには、案内されるまでは下りれないようだ。

で、ホームに下りて、写真を撮っていたら・・・発車してしまった。

 

 

 

 

 

あれ。

 

 

 

 

 

これってどうすんの?

・・・と思っていたら女の子に捕まって、上の待合フロアへ案内されてしまった。

偽「えーとですね、乗り遅れてしまったのですが」

「?」

・・・伝わらんか?

偽「これからリニアで市内に行きたいんだけど」

と言うと、女の子はチケットを取って、ゲートに投入してしまった。

これで通れるわよ、と言わんばかりの満面の笑顔だ。

・・・いや、違うって。

偽「まだリニアに乗ってないんだけど」

「まだ乗ってない?」

偽「さっきチケットを買ったとこなのよ」

「あー・・・」

あーって。(T_T)

ついてきて、と言われるままに、もう一度ゲートを通る我輩。

ただ・・・チケットってくれないのか?

さっき、降りるまでなくすなって注意書きを見たぞ?

・・・。

説明できるんだろうか。

とりあえず再びホームに下りて、今度はおとなしく乗り込む。

VIPって何がVIPなんだ?

どう考えても、みんな同車両に乗ってるで。

窓側に座り、リニアは動き出す。

スイーッとスピードはグングン上がって、あっという間に430キロ。

速いなコレ。

8分間だったが、貴重な経験であった。

さて・・・これって簡単に出られるのだろうか。

と、出口に向かうと、丁度日本人団体客が出るところ。

今だッ もらったわー!!

ササッと一緒に団体出口をすり抜けた。

後ろを見ると何やらチケットをなくしたらしき人が説明に四苦八苦している。

クククッ。

別にインチキしたわけじゃないんだから、労せず行けるところは労するべからず。

こういうのって、ある意味嗅覚だな。

ひと安心して、地下鉄に乗り継ぎ、南京東路へ。

地下鉄では荷物点検があり、トランクを開けねばならない。

帰りはリニアまでタクシーにするかな。

で、地下鉄に乗った途端に目につく、真っ赤や真っピンクの服。

こういう色合いが好きな国民性なんだろうか。

確かにピンクの服も可愛らしいとは思うが、

爽やかなピンクじゃなくて、濃ゆいピンクなのが、いただけないところだ。

顔からはみ出るぐらいデカイグラサンも文化の一部なのかもしれないな。

似合ってないと思うけど。

と、色んなものにツッコミを入れつつ、南京東路駅からホテルまでは約10分。

よく分からんデポジットを支払って部屋に入ると、

まぁ可もなく不可もない程度のシングルだった。

ではでは、荷物を置いてさっそく町に繰り出す。

このホテルは外灘地区に近く、夜景を見に行くのに良いかなぁと思って選んだわけで、

有名な眺めまで徒歩10分だ。

見ての通り、あの辺は大都会である。

すごいよなぁ。

しばらくブラブラしながら写真を撮り、さて、どこへ行くかと。

何の下調べもしていないので、何があるかも分からない。

適当に地球の歩き方をめくって、豫園と新天地とやらに行ってみることにした。

その前に水分補給だ。

最近運動してなくて、水ぶくれちゃんになっているから、汗が出て仕方ない。

これは痩せるチャンスかも。

と、言いながら、水ではなくてポカリを飲んでるあたりが、

最近我輩が太りつつある要因であることは間違いない。

さて、時間は腐るほどあるから、徒歩で行く。

さっきのような都会な眺めがある一方で、どこもかしこも大都会というわけではなく、

古びたビルがほとんどだ。

ビルの近くを歩くと、室外機から垂れる水が降ってくるので、

不愉快極まりない。

なので、建物からは少し離れて歩くことをオススメする。

豫園は、昔ながらの町並みを残したのか作ったのかよく分からんが、こんな所だ。

ちゃんと書くならば、庭園が豫園で、店が出てるのは豫園商城というらしい。

商店街をちらっと眺めて庭園を見学。

こんな所だ。



これがまた道順が分かりづらく、ものっすごい迷子になって、

出たくても出られず、ものっすごい長いこと中にいた。

庭園ってのはよく分からん。

ま、そういうことだ。

にしても暑すぎる。

あまり我慢すると倒れかねないので、スタバでフラペチーノを購入。

ここでもトールにすれば良いのに、グランデを買ってしまう偽スナフキン。

つくづく自分に甘いのである。

体を冷却し、続いて新天地に向かう。

地図に書いてある通り、まっすぐまっすぐ行く。

完全にジモティーの商店街で、さすがにここで買い物したり飯を食ってる外人はいない。

でも、隣の区は超高層マンションが建っているあたりは、インドに似た空気を感じるのである。

新天地は、そんな中でもかなりハイソな地区。

おしゃれな店がギッシリという感じだ。

外人向けだな、きっと。

ちょっとだけ見て、地下鉄を乗り継ぎ、上海駅へ明日の切符を買いに行く。

当日券売り場はアリエナイ混みようだが、軟座(柔らかいイス)のチケット売り場は空いていた。

偽「明日杭州に行きたい。朝行って夕方帰ってくるチケットある?」

何だか混んでいるようで、行きは急行、帰りは上海南駅行きの特急になった。

明後日の蘇州行きのチケットも買ってしまうか迷ったが、

めんどくさくなって行かない可能性もあるので、とりあえず明日の分だけにしておいた。

さーて、では後は夜景を見に行こう。

やはり地下鉄でまた南京東路へ行く。

我輩は、

滋賀の学生がこの世で一番乗車マナーが悪い

と思っていたんだが・・・

上海市民はその上をいくな。

まだ人が降りているのに、駆け込んでくる馬鹿ども。

老いも若しも、競うように空席に突進してくる。

その姿、まるで大阪のオバハンの如し。

うをーっオレは降りるんじゃい!!

しかし馬鹿どもは次々乗り込んでくるので、

さすがに怒った我輩は、2、3人を弾き飛ばして地下鉄を降りたのだった。

チケットを買うのだって順番抜かすのは当たり前だし、全くマナーもクソもあったもんじゃない。

中国に来たら、遠慮がちにしようなどとおとなしくしているとナメられるので、

弾き飛ばしていくのが正解だ。

後ろから「ヘーイ(怒)」ってデカイ声で文句を言ったって振り向きやしない。

こいつらどういう育ち方をしてきたのだ。

で、南京東路駅から再び外灘の川沿いに行き、

夕方から1時間以上粘って粘って、撮影したのがこれ。

外灘地区のライトアップは、道路工事のせいであまり撮れなかったので、この2つだけね。


ってなわけで、思いの外頑張ってしまった。

やたり貧乏根性を出してしまったか。

メシは腹減ってないし、明日のパンと茶、

見たことない台湾紅茶のペットボトルを買って、ホテルに帰還。

紅茶はまるで砂糖を飲んでいるかのような甘さ。

うーむ、今日消費したカロリーは、これでチャラだな。(T_T)

 

 

 

 

 

19 七月-

22:00過ぎには寝てしまったので、5:00に目が覚めた。

シャワーを浴びて、ダラダラしているうちにまた寝てしまい、次に目が覚めたのは6:30。

・・・そういえば、今日は杭州へ行かねばならんのだったな。

チケットも買ってしまったし。

くそう・・・行きたくねぇ。

眠いし、まだまだ寝てたいじゃないか。

ウッカリやめてやろうかなとも思ったが、

せっかくチケットも買ったから・・・ということで、渋々出掛ける準備をし、7:00少し過ぎにホテルを出た。

上海駅には、7:40に到着。

駅は警備が厳しく、チケット検査と手荷物検査を受けてからでないと入れない。

我輩が乗る急行は、掲示板では1番乗り場だったが、実は4番乗り場だった。

慌てて乗り込む。

時刻表がないから杭州まで何時間か分からないし、

果たして着いたことが分かるのか不安であったが、

周りの人々が杭州の観光マップを開いていたのを見て、

こいつらが降りる時に一緒に降りれば大丈夫であろう。

ってなわけで、安心して寝入った。

杭州までは約2時間。

何だか天気はよろしくないが、暑すぎないのは歓迎だ。

杭州の見所は西湖。

駅からは3キロぐらいありそうだが、歩いてしまうことにする。

西湖大道を西へ西へまっすぐ行くと、どんつきが西湖

湖周辺の見所を、いくつか見て回ることにする。

いや、その前にメシにしよう。

丁度目の前にはカフェがあるし。

ランチセットのスパゲティをオーダー。

誰だ?

上海に来たら中華を食え何て言ってるのは。

だったら日本にいる間は米だけを食うんだな。

我輩は自分の食いたいものを食うのだ。

ちなみに、我輩はワールドスタンダードがお好みだ。

予定外のカルボナーラとコークを飲み干し、少し杭州観光のお勉強。

結果、歩いて見て回るのではなく、遊覧船観光が賢いと判断。

遊覧船乗り場に行く。

チケットを買うべく並んでいると、手漕ぎボートの呼び込が何人かやってきたが、

残念ながら、我輩は前述の通り、ワールドスタンダードがお好みだ。

チャイ語は解さないのでヨロシク。
↑これはかなり有効な手段だ。
チャイ語は分かんねぇってリアクションをすると、向こうには為す術がない。
追い払う時には、これが一番良いだろう。

船はまず湖心亭というところに着く

何があるのかと思いきや、建物は土産物屋と化しており、用はなかった。

続いて三日月島へ。

こちら湖上庭園といった感じ。

それなりに情緒もある。

フラフラと見て回り、対岸へ向かうべく船に乗ったら、元の岸に帰ってしまった。(T_T)

しかも雨が降り出してきたぞ。

これはいけない。

すぐさまワールドスタンダード、スタバへ逃げ込む。

ハイ、これで今日の運動はチャラだ。

やはり我輩は自分に甘いのである。

雨はドンドン激しくなってきたし、

行こうと思っていた展望台に行ってもろくな景色は見れまいということで、

しばらくスタバでくつろいで、帰ってしまうことにした。

また小一時間かけて駅まで歩き、駅前の家具のデパートをうろついて(涼んで)駅へ。

やはり駅では荷物点検が行われており、アリエナイ行列が出来ていた。

そしてそこに群がる、並ぶことを知らない者ども。

貴様らの辞書には並ぶという文字が無いらしいな。

いいだろう。

偽スナフキン、受けて立つ!

どけやボケども!!

どけどけーーッ!!

前に並んでいた連中を弾き飛ばしまくり、相当早く中に入った我輩を待っていたのは、

今度はホームに行く行列。

そしてそこに群がる・・・。

でりゃーッ!!

どけコラーッ!!

ここでも、いきなり最前列に割り込んでさっさとホームに行き、

難なく乗り込むことに成功した。

和諧号は、中国版新幹線。

ただ、この木製固定テーブルのセッティングが、いかにも中国っぽい
                                          ↑これじゃ前のテーブル開かないだろ・・・

新幹線と言っても、ローカル線と同じ線路を走るので、そんなに速くはない。

上海南には1時間半で到着。

とりあえず、明日のチケットを買いに行く。

筆談で蘇州までの往復券を購入。

行きは新幹線だが、帰りは鈍行しかないそうだ。

ウーム・・・。

まぁ無いものは仕方ない。

地下鉄乗り場でチケットを買う時に、新天地を通ることに気付いた。

せっかくだから、晩飯を食って帰ろう。

地下鉄を降りると土砂降りだった。

しかし人通りは思ったより多い。

新天地で何を食ったものかとしばし物色し、レストランに突入。

シェアテーブルでも良いのかというので、

待たされるよりは良いかと通されたテーブルでメニューを渡される。

・・・。

これがメニューか?

ドリンクとスナックしかねぇじゃねーか。

せっかく来たのに!

何も食わずに出るわけにも行かず、キウイスムージーと焼鳥をオーダー。

・・・ショボい。

ショボいぞこの晩飯!!

チキショー!!

 

 

 

 

 

・・・。

 

 

 

 

 

ぐすっ。

ぐすっ。

ちーん。

 

 

 

 

 

・・・。

 

 

 

 

 

何だ?

我輩の心の泣き声が?

 

 

 

 

 

ぐすっ。

 

 

 

 

 

何じゃ、シェアテーブルの女性が大泣きしておるではないか。

何なんだ一体。

何があったんですか。

泣きたいのはこっちだっつーの!

と、独りツッコミ独りボケをやってはみたが・・・。

何だか非ッ常~に空気が重いので、さっさと食って退散。

部屋に戻って爆睡。

メシに執着がないとはいえ、食いに行って食えないとちょいと虚しい夜更けなのであった。

 

 

 

 

 

20 七月-

何度か目は覚めたが、7:00まで寝た。

普段に比べたらかなり寝ているはずだが、眠くて眠くて仕方ない。

何とも気怠い。

今日も1日寝ていたい気分だが、チケットを買ってしまっているので仕方ない。

・・・このチケットを買うというのは、動機付けに良いかもしれないな。

またしても上海駅に向かう。

朝は比較的荷物点検の行列は空いていて、早めに駅に入ることが出来た。

朝飯にポッキーとウーロン茶を買って、和諧号のホームへ。

今朝の南京行き和諧号は、見るからに新幹線

行きは快適に蘇州へ行けそうだ。

蘇州までは約40分。

ポッキー食う間もないな。

む。

何だこのウーロン茶は。

何だか甘いぞ。

・・・とかやってる内に早くも到着っぽい。

そして、電車が減速の素振りを見せるや、出口に急ぐ人々。

何だろうね。

この誰よりも早く乗って誰よりも早く降りようというこの根性は。

国民性か?

まだ全然着かねーだろってのに、通路には行列が。

さすがにねぇ・・・。

我輩はのんびりゆったりと和諧号を降りた。

ね、最後尾でもちゃんと降りられるんだから。

で、駅を出てはみたものの、イマイチ道がよく分からん。

普通旅行者は行かないだろうというような工事中の道を突き進み、山塘街に着いた。
↑だって地図では間違いないんだもの。

見ての通り、水路のある我輩好みの町だ。

新幹線の中で綿密に調査した結果、

ここから虎丘という所まで遊覧船が出ているらしいので、それで移動することに決めている。

まずは町を見て回る。

何だか風情があるじゃないか。

・・・お。

あれは調べたところによると、結婚アルバムの写真を撮っている人々。

女の人のチャイナはまぁ分からなくもないが・・・なぜに男は学ラン?

・・・これも国民性か。

しばらく町を見学し、遊覧船に乗る。

船はドコドコいうような無粋なものではなく、

静かな電気音で走っていくので、非常によろしい。

こんな景色がするすると流れ、かなり気持ち良い。

すっげー眠くなるぞ。

ふわーっと虎丘近くまで行くと、遠くに塔が建っている。

あれが目指す東洋の斜塔だ。

運転手も、我輩にあれを見ろと語り掛ける。

おー、分かってるぜ、今から行くトコだ。

そして、すぃーっと方向転換する遊覧船。

 

 

 

 

 

・・・ん。

 

 

 

 

 

何だ降ろしてくれないのか?

オイオイどんどん帰っちゃってるじゃないの。

しかし、ここで降ろしてくれと騒がないのが偽スナフキン流。

まぁいいか、帰ってしまおうホトトギス。

結局同じ所で下船、改めて虎丘を目指すこととなった。

タクシーを捕まえて、聞いてみる。

偽「タイガーヒル。ユーノー?」

「?(書くものは無いかというジェスチャー)」

虎丘、と書くと、あー分かったというリアクション。

マジで英語が通じないな。

ブルガリアよりヒドイ。

まとめて書いておくが、

この後、レイルウェイもトレインもステーションも通じなくて面倒であった。

真面目に、英語はかなり通じないと考えた方が良い。

通じなさがハンパじゃない。
↑ちなみに前述のタイガーヒル、道標にはちゃんと「TIGER HILL」と中国語の下に書いてあるので、
  別に我輩が間違っているわけではない。

しかも中国人は、遠慮無く中国語でどんどん話し掛けてくる。

こんなんで、ホントにオリンピックや万博にやってくる外人をもてなせるのだろうか。

・・・ま、無理だな。

どうでもいいけど。

で、何とかたどり着いた虎丘。

ここには、東洋の斜塔があるそうな。

イタリアでは見に行けなかったが、こちらは見ておこうというわけだ。

なるほど、遠めから見てもしっかり傾いている。

東洋の斜塔に偽りなし。

近づくと、さらによく分かる。

↑でも写真だとよく分からない・・・。

地盤沈下によるものだそうだ。

ここには他にも見所が設定されているが、他はたいしたことないので割愛する。

またタクシーを捕まえて、やっとこ駅に向かわせる。

本当は北塔報恩寺とやらに行きたいのだが、何とも発音の仕方が分からんのでね。

一旦駅に戻って、そこからまた徒歩で15分ぐらいで到着。

中央に写っている立派な塔には上ることができるらしい。

世界中様々な塔に上ってきた我輩が、上らないわけにはいくまい。

九層建てということで、楽勝かと思いきや、一層毎の高さが思った以上に高く、思った以上に厳しかった。

そして、上った末に見えた景色のショボイこと!

風光明媚な景色でも見えるのかと思ったら、中途半端に開発された町並みがみえるだけであった。

上る価値無し。

ハッキリ言い切ってやろう。

時間の無駄だからね、オススメしないよ。

さて・・・もうお昼だ。

いくら食に興味がないとはいえ、中国まで来て中華の一つも食わずに帰るほど興味がないわけではない。

ここは一丁、地球の歩き方を基に中華を食べることにする。

当初目星をつけていたラーメンはお昼休みに入ってしまったので、小籠包を食いに行くことにする。

これまた歩くこと20分、蘇州で一番らしい繁華街の、有名っぽい小籠包店へ。

・・・。

何て発音するんだ??

・・・。

書くしかねぇな。

必死に書き書きしてレジで渡す。

どうやら伝わったようだが、

これでパスタが出てきたら、中華料理は諦めよう。

と、待つこと5分。

バッチリ小籠包とワンタンが出てきた。

まともなメシは、行きの飛行機の機内食以来。

一気にガッツいて平らげる。

プハーーーーッ!!!美味い美味い。

生き返るね。

これで心置きなく上海に帰れるよ。

ちなみに食い終わってから周りを見ていて気付いたのだが、小籠包は、蓮華にのせて食うのが正解らしいよ。

中の汁がこぼれちゃうからね。

もっと早く気付くべきであった。(T_T)

その後ブラブラと繁華街を歩き、実はタクシーが捕まらなくて相当焦ったが、何とか駅に戻ってホームへ。

帰りは鈍行の硬座。

書いて字の如く、硬い席。

・・・これは厳しい。

向かい合うボックス席で、前の人との間隔は狭い上に、イスは硬い。

座った瞬間からムカついていた我輩は、1時間半の苦痛に耐えるのに必死であった。

よほど人と触れ合いたい人以外は、やめたがいいね。

苦痛なだけだ。

MB5(マジで爆発5秒前)で上海駅に帰り着いた。

いよいよ最後の夜である。

テレビ塔に上る前に、昨日見つけた、ホテルの近くの上海蟹の店に行く。

その名も蟹王府。

いかにもイカツイ。

見た目以上に立派なレストランで、独りで食いに来てるのは我輩だけだ。

そして、いつもの如く案内される特等席。


↑真ん前で演奏している。

フラメンコといいココといい、これはツいているのか、見せしめなのか。

誰もが演奏を見る時、独りでメシを食っている我輩を見ることになるわけだ。

・・・。

別に良いんだが・・・周りの視線が気になるぜ。

で、その蟹。

小さいんだな。

一体どこを食うのかと思っていたら、女の子が寄ってきて、食い易いようにしてくれた。

ミソだけかと思ったら、細~い足の身まで食うのか。

残念ながら、足の身に味はない。

ミソは確かに美味しかったけどね。

ま、何ていうか・・・食い方の分からない蟹より、

蟹カマの方が美味いってもんよ。

もうあの蟹を食うことはないだろうな。

食い終わった後、面倒見てくれた女の子としばらく話し、上海最後の観光地はテレビ塔だ。

陸家嘴駅まで地下鉄で行き、徒歩5分。

こいつが有名な東方明珠塔である。

何だか余計な催し物がされていて、写真が上手く撮れなかったのが残念だ。

加えて言うなら、初日から三脚の脚がグラグラでね。

ネジの形が特殊で締められないという事態が発生していたのだ。

次の大冒険の前に小旅行をしておいて良かったよ。

上海に来て、これに気付いたのが一番良かった事かもしれないな。

チケット売り場で一番上まで行くチケットを買い、てっぺんから外灘の夜景を眺める。

なかなか綺麗ではないか。

残念ながら、もう一つ高いビルの展望台に行く時間はなさそうだ。

この写真の、真正面のビル。

本当にココが最後の観光になったか。

ま、良いでしょう。

こうして、上海の夜は更け、翌日、日本への岐路に着いたのであった。

最終的には気合を入れ気味に色々と見て回ったが、そんなに楽しくはなかったな。

やっぱり世界遺産が見たい。

といっても、世界遺産の庭は、ご遠慮させてもらうか・・・。

ま、総括すると、つまらなかった。

以上。

<完>

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