寒くて何度も寝たり起きたりを繰り返して、6:30起床。

うーむ・・・眠い。

ある程度は承知の上とはいえ、やってみるとツライ。

顔を洗って寝まきを着替え、荷物を入念にトランクにしまう。

今日は、アイスランドに来る観光客の9割近くが参加すると思われるメジャーツアー

「ゴールデンサークルツアー」に参加した後、

今夜の宿泊先「Northern Light Inn(直訳するとオーロラ宿屋)」へ向かう。

ここには戻ってこないので、全てを完璧に整理せねばならん。

部屋を見渡して荷物が無いことを確認し、朝飯を食いに行った。

いつもフレークを食いたいとは思うのだけど、

牛乳やヨーグルトで食べることにメチャクチャ抵抗があって食えない。

日本の乳製品の方がうさんくさいとは思うのだけど、

万が一にも当たってしまったら・・・と思うとね。

石橋を叩き潰して川底を歩く我輩は、

今日もパンとフルーツのみを頬張るのであった。

うむ、予想通り美味くも不味くもない。

これでいいのだ。

今日のピックアップも8:30。

まだまだ時間があるので、散策に出かけることにした。

うお。

ホテルを出ると、道一面にビール瓶の破片が飛び散っていた。
REYKJAVIK10.JPG - 3,114BYTES

何じゃこりゃ。

まるで大乱闘の後だ。

まさにつわものどもが夢の跡。

昨夜の大騒ぎを思い出し、そりゃあ大騒ぎになるわけだとしみじみ思った。

レイキャビク市政の中心地に向かうべく道を歩いていくと、

前を歩いていた女性が、ふと道端に目を止めた。

何かあるのかと我輩も見てみると・・・ごわっ!

お前は昨日失踪した三脚の袋!!
HUKURO.JPG - 6,737BYTES

我輩は昨日こんな所を歩いた覚えはないぞ!

一体どんな経緯でここまでいらっしゃったのか・・・。

こんなボロ雑巾になって会いに来たというのか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私、貴公子のようなあなたが好きだったの。

ボロ雑巾に用はないわ。

さようなら。

そのまま放置してズンズン歩いていく。

市政の中心とはいっても、最古の教会や

市庁舎、

国会議事堂なんかがあるぐらい。

こんな感じだ。

サクッと見て回って、最後に住宅街を見学してホテルに戻った。

やけに重く感じるトランクを引きずり、ホテルの前でピックアップを待つ。

レイキャビクエクスカーションズ社のピックアップは時間どおりにやってきた。

やはりこちらのツアー会社の方が優れているらしい。

2、3つホテルを回ってピックアップし、バスターミナルに到着。

さて、まずは確認と荷物の保管依頼だ。

偽「ハロー。今日、ツアーの後、オーロラ宿屋に行きたいんだけどね。

  移動料金はツアー代金に含まれてると聞いたんだよ。

  でね、どうやって行くの?ここへ一旦戻るの?直接行くの?」

「料金はツアー代金にコミコミになってるわのよさ。

 ここに帰ってきて、

 18:00のブルーラグーン行きに乗りなさいアッチョンブリケ」

偽「了解。戻ってくるまで荷物は預かってもらえる?」

「モチロンのココロ」

ってなわけで年老いた人々でないと分からないようなやり取りを交わして、

荷物を預けることに無事成功した。

最悪持ち歩く覚悟でいただけに、これはありがたい。

ひと安心してターミナル内のコンビニで水を買い、バスに乗り込む。

今日は大型バス。

昨日のツアーを教訓に、進行方向左側の窓側を確保。

混み合っていることもあって、隣の席にも人が乗ってきた。

チッ。

すぐにバスは発車。

昨日と同じような道を走っていく。

今日のガイドも英語とドイツ語のみ。

やはり何も分からない。

というわけで、今日もどこへ行くのか、

そこが何なのか何も分からないツアーが始まったのである。

昨日のオーロラツアーのせいで眠気満点。

うとうと~っとし始めたところで、今日最初の観光ポイントに着いた。

何だかよく分からんが、いきなり顔が出迎えてくれるエデンとかいう熱帯植物園。

何でこんなトコを見学せねばならんのだとやや不満顔でササーッと見学。

まだショッピングの時間なんていらねーって。

早く次に行こうぜ次に!

バスに乗り込むやいなや、またしてもうとうと~っとしていると、

また随分と田舎にやってきたようだ。

見渡すかぎりの原野ICE5.JPG - 8,392BYTES

そしてバスは、ロータリーのような所で停まった。

火口を眺めるらしい。

ほほーぅ。

火口ですな。

・・・以上。

さぁ次行くべ次。

またしてもうとうと~っとしているうちに着いたのは、Gullfoss(グトルフォス)。

お~っコイツはすげぇ!

ナイアガラの滝みたいだ!

・・・見たことないけど。

いや~風が強い。

昨日のスコゥガフォス同様、風が吹くと眼鏡もカメラのレンズも水滴だらけ。

ぐぬぬ・・・。

確かに景色が良いのは認めるが、不快だ。

衣服も含め、ビタビタになってしまった。

おや。

上からも眺められるのか?

・・・見える景色はそんなに違わないんだろ?

・・・まぁせっかくだし行くか。

せっせと階段を上り、展望台から滝を眺める。

ごわっ!

やはり凄まじい水滴がぁっ!!
(T_T)

も・・・もういいから帰ろう。

まるで雨に打たれたかのように濡れてバスに戻る。

さ・・・寒いっス。(T_T)

ガタガタ震える水も滴る良い男を乗せて、バスはまたひた走る。

・・・どこへ向かっているのかサッパリ分からんが、景色はずっと原野のまま。

見渡すかぎりの原野が広がっている。

うーむ・・・これはこれで趣深い景色ではあるのだが、

ずっと見せられるとさすがに飽きる。

眠気も去り、ぼけーっと景色を眺めていると、

早くも次のポイントに到着したようだ。

間欠泉「Geysir(ゲイシール)」のある所らしい。

メシ休憩も含めて2時間近く停車するようだ。

そんなに休まなくても良いんだが・・・。

バスを降り、とりあえず土産屋に入る。

昨日に続いてお手頃なニット帽はないものか探すものの、

気に入ったのはサイズが小さかったり、異様に高かったり。

結局何も買うことなく、間欠泉を見に行くことにした。

ゲイシールは、英語で言うところの間欠泉「ゲイザー」の語源ともなったぐらいで、

60メートル以上もの高さまでお湯を噴き上げていたという

まさにキングオブ間欠泉なのだが、残念ながら現在1日数度、数メートルを噴き上げる程度。

代わりに、近所にある若い間欠泉「Strokkur(ストロックル)」が、約5分に1度、

30メートル近く熱湯を噴き上げ、観光客を楽しませている。

ぬ。

泡がブクブクしてきた。

さぁ行くぞ行くぞ!

モリモリモリモリ・・・びしょわーっ!!

おー。

これはなかなか見応えあり。

びしょわーっ パシャツ

びしょわーっ パシャツ

びしょわーっ パシャツ

びしょわーっ パシャツ

4カットもいただければもう十分だ。

最後に今はお休み中のゲイシールを見てレストランへ。

なるほど、普通のメニューとビュッフェ形式があるのか。

いかにもしたり顔で席につく。

さぁて、早く何か聞きに来てくれたまえ。

 

 

 

・・・。

おや、我輩が来たのが見えなかったのかな?

どれ、わざとらしくダウンジャケットを椅子に掛け直してやるか。

 

 

 

・・・。

うぅーん。(←ノビ)

 

 

 

・・・。

いいです。

帰ります。(T_T)

屈辱にまみれた我輩は、最初に入った土産屋のフードコートで、

涙ながらにフランクフルトを食い、まだ満たされなかったのでチョコも食った。

こんなメシばかり・・・太るな、オレ。

やはり食にはよほど縁が無いらしい。

この屈辱・・・忘れはしないぞ。

フランクフルトを食い終えると、丁度良い時間になったので、バスに戻った。

我輩が席につくと、隣のおばはんも戻ってきた。

・・・あのお食事は美味かったかい?

我輩は見ていたよ。

あなたが美味そうにメシを喰らうのをね。(恨)

腹は大して膨れなかったが、やはり眠気は満点。

すぐにうとうと~っとし始め、気が付くと、バスは湖畔を走っていた。

「ペラペラペラペラシンクヴェトリルペラリーノ」

よく分からんが、Þingvellir(シンクヴェトリル)に着くらしい。

バスを降り、ガイドに言われたとおり、ギャウと呼ばれる裂け目を行く。

現在、アイスランド唯一の世界遺産シンクヴェトリルは、

西暦930年、世界で初めて民主議会が行われ、憲法が制定された所らしい。

こんな何もない大自然の中で、

どのように議会が行われたのか多少疑問が残るところだが、ま、そういうことだ。

ギャウを上りきったところの駐車場でバスに乗り、シンクヴェトリルを後にした。

これで全ての観光ポイントは終了したようだ。

ガイドが、一人一人乗客のホテルを聞いて回る。

どうやらちゃんとホテルまで送ってくれるらしい。

我輩はバスターミナルで降りて、別のバスに乗り換えることになる。

シンクヴェトリルは意外とレイキャビクに近いようで、

うとうとしているうちに、早くも景色は市街地になっていた。

バスターミナルまでのんびり乗っても良いところだが、

せっかくだからちょっと歩いてバスターミナルまで行くか。
(↑目覚めてから決定まで30秒)

偽「ここで降りて、バスターミナルまで歩いていくよ」

「オーイエス!バーイ!」

降りたのは、朝散歩した市政の中心地の近所。

さ、ではレイキャビク最古の家を見に行くか。

あ、最古の教会の写真も撮っていくか。

ん。

カメラは?

・・・。

無い。

無いってオイ!!

バスを降りた時に、何だか手荷物が少ないなぁと思ったんだよ!

あぁっバスッ!

行くなッ!!

そこで待てッ!!

ぶぅぅ~ん・・・。(←バス去る)

はうあっ(T_T)

走りに走ってバスターミナルに向かう。

はっはっひっ・・・カ・・・カメラをバスに忘れた!

「どんなバス?」

偽「長いやつ!」

「後20分ぐらいで戻ってくるから、しばらく待ってて」

20分・・・ってことは、17:00過ぎか。

ハトルグリムスキルシャの見学時間は17:00まで。

終わった。(T_T)

もう見れない。

いやいや、泣いているばやいではない。

今心配すべきなのはカメラの行方だ。

デジカメ無くしたら・・・考えるだけでも恐ろしい。

あっちをウロウロこっちをウロウロ、日頃の鉄仮面ぶりはどこへやら。

明らかに動揺してますっぷりを露呈させてバスターミナルを歩き回っていると、

見たようなバスがやってきたじゃないの!

アレかーッ!?

ダッシュで駆け寄り、運転手に噛み付かんばかりの勢いで問い詰める。

偽「カメラはッ!?カメラあったでしょ!?

  返せよオレのカメラ!!」

「これか?」

偽「そうそれ!!それなの!!」

コメツキバッタも真っ青なぐらいに頭を下げ、

こうしてめでたくデジカメは、我が手元に帰ってきたのだった。

あぁ良かった・・・。

いやぁマジで気が弛みまくっている。

次に無くすのはホントにパスポートかもしれない。

思わずぎゅっとパスポートケースを握り締めた。

さて・・・ではブラつくことにしましょうか。

家並を見て歩くのが大好きな我輩は、

閑静な住宅街からハトルグリムスキルシャを眺めつつメインストリートを抜け、

           (↑中は結局見れず仕舞い。尖塔には上ることもできる)

また市政の中心地にやってきた。

ここには色々と最古の建物があって、前述のレイキャビク最古の教会。

そこから少し西の通り。

これがレイキャビク最古の通り。

さらにそこに建つこの建物。

こいつはレイキャビク最古の家。

等を見ながらブラブラ歩いていると、何とも奇妙な光景を目にした。

市庁舎の前にある池の上を歩き回る人々。

我輩も恐る恐る立ってみるONTHEICE.JPG - 6,332BYTES

うおぉおおぉう。

凄い。

伊賀忍法あめんぼの術が体験できるとわっ!!

今ならハットリくんにだって勝てそうな気がするな。

そろりそろりと池の上を、バスターミナルへ向けて歩く。

いきなりガボッといったら・・・というほど薄いものではなく、完璧に凍り付いている。

荒川静香が10万回イナバウアーしても大丈夫。

やっぱり寒い国なんだなぁ。

しかし・・・恐るべき青空だ。

雲一つないSKY.JPG - 973BYTES

今夜のオーロラ観測は大変なことになりそうだ。

期待を胸に、バスターミナルで預けていた荷物を受け取り、

18:00発ブルーラグーン行きのバスに乗る。

ブルーラグーンとは、世界最大級の温泉。

入浴施設の営業時間は20:00まで。

時間的には厳しいが、わざわざ水着を持ってきたのだ。

何とか入浴したいところ。

バスは海岸沿いの道路を走り、ブルーラグーンを経由して、

今夜のお宿、その名も「Northern Light Inn(オーロラ宿屋)」に到着したのであった。

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