いつものごとく、目覚まし時計の鳴る5分前の6:45起床。
・・・眠い。 だって寝てないもの。 デジカメ破損のせいで、すでに時差対Pはボロボロ。 ふぅ・・・。 さて、アイスランドは交通機関が貧弱なので、 自力で観光地を回るには、レンタカー以外ほぼ不可能。 しかし雪国育ちでもない我輩が、レンタカーなど怖くて予約できるハズもなく、 いくつかの観光ツアーに申し込んでいる。 まず第一弾として、今日は南海岸アドベンチャーツアーに参加する。 8:30にホテルの前でピックアップしてくれるらしい。 それまでに全ての準備を整えねば。 ちなみに、アイスランドのツアーはホテルまでの送迎付き。 交通機関の無い都市ならではのサービスといえよう。 さて、ひとまずトイレ・・・って紙ないぞ。 フロントでトイレットペーパーをもらってくるところから、2日目は始まった。 ・・・我ながら冴えないスタートだ。 朝食は6:00からと言っていたな。 腹ごしらえしてからツアーの準備をすることにする。 小さいながらもキレイなレストランでビュッフェ。 適当にパクついて腹を満たし、9時間のバスツアーに備えて酔い止めを飲んだ。 我輩が中学生時代より全幅の信頼を置く、アネトン。 これは効く。 この酔い止めに出会えたおかげで、 我輩は修学旅行のバスを生まれて初めて楽しむことができたのだ。 車に弱い方々、是非お試しあれ。 これで抜かりはないハズ。 マフラーやら手袋やらを持って、ツアーの前に街をぶらついてみることにした。 寒い。 ・・・けど、どうしようもないほど寒いというわけではないな。 ホテルの前の道はメインショッピングロードらしく、 少し広めの道の両側には店が建ち並ぶ。 それを左手に歩いていき、広場に行ってみた。 何でも、市民が散歩する時に好んで訪れる広場なんだとか。 ホテルからは徒歩5分。 広場の真ん中にはりりしい銅像が立っていた。 これはここから見た中心街。 日の出は10:00ぐらいなのでまだまだ暗いが、車が行き交い、活気がある。 さすがは首都といったところか。 で、ホテルに戻り、ピックアップを待っていると、 レイキャビクエクスカーションズ社のミニバスが迎えに来てくれた。 そのミニバスで昨日のバスターミナルまで送ってもらい、 ここから各ツアーへのバスに乗り換える。 南海岸アドベンチャーツアーは比較的マイナーコースなので、ミニバスだった。 ガイドがチケットを集めに回る。 「Mr.Nisesnufkin?You go Nothern Light Inn??」 偽「No,Skjarbreidホテルに帰るよ」 どうやら、我輩がメールで確認したことを知っている人のようだ。 Northern Light Innは明日泊まるホテル。 明日のツアー終了後、どうやってホテルまで行ったらいいのかメールで確認したのだ。 ま、このことは明日の分で詳しく触れよう。 9:00、ツアー出発。 ガイドはホニャララさん。 聞き取れない名前だった。 余談だが、アイスランド人には名字が無いことを記しておこう。 で、ガイドは英語とドイツ語。 当然ながら、我輩はひとっつも理解できず、 とにかくミニバスに揺られることとなったのである。 どこに向かってるのかも分からない。 完全お任せツアー。 かつてない投げやりっぷりであるが、 アイスランドのメインイベントはオーロラにあり。 観光は出来るだけでラッキー的な扱いなので、こんな扱いなのである。 出発後しばらくしてようやく空が明るくなってきた。 レイキャビクは思ったより都会だな~と思ったわけだが、 少し離れると、家一つ無い大自然・・・というよりは原野が広がっていた。 旅行記冒頭で書いたように、気温は暖かいようで、 思ったような雪が何メートルも積もってるというようなことはなく、 道路はちゃんとアスファルトが見えているし、 道路脇に雪が積み上げられているようなこともない。 かなり拍子抜けである。 何も分かりゃしないガイドを聞きながら景色を眺める。 レイキャビクの人口やら天気やらの話をしているようだが、サッパリだ。 ま、良いんだけどさ。 空は雲もなく、バキバキの快晴。 太陽王の力は、 何とか夜までもって欲しい。 で、何もない所でいきなり車が止まった。 どうやら朝日の写真撮影をしたい人はどうぞと言っている気がしたので、撮影。 現在10:00。 ゆっくりした日の出だ。 それからしばらく走ってEyrarbakki(エイラルバッキ) という町・・・というよりは村に到着。 海岸沿いで降ろされ、海辺の道を歩いて、あそこの教会の裏までおいで、とのこと。 別に見所も何もなさそうな小さな村だが、カンボジア旅行記で書いたように、 我輩はその土地ならではの町並みを見るのが大好きな男。 これは好都合ということで、ぶらぶらと歩いてみる。 こんな感じだ。 大多数の人が何でこんなトコで降ろされたんだろう的な顔をする中、 精力的に観光する我輩を見て、ツアーガイドも満足したに違いなかった。 さて、次はスコゥガフォス。 フォスとは滝。 スコゥガ滝だ。 どんどこどんどこ海沿いの道を走っていく。 たまに牧場がある以外何も無い。 牧場ではポニーっぽい馬が草を食んでいる。 あれは食用なんだろうか。 ところで、このツアーは左側に座るのが正解である。 右側には海しかないし、山とか内陸部の景観こそ楽しむべきだ。 右側に座ってても折り返しで見れると思うだろ? 帰りは窓ガラスがスッカリ汚れてしまうので、楽しめやしないのだ。 チッ。 さてさて、スコゥガフォス滝に到着したようだぞ。 ガイドは何も分かりゃしないが、 バスが停まる時に、ガイドが発する「15分」とか「11:00まで」とかいう 出発時間だけは必死に聞く。 こんな所で放っていかれたら、間違いなく死ぬからな。 さ、滝を見に行くべ。 おー。 那智の滝並に大きいぞ。 そして風強すぎ! ぶわっと風が吹くたびに恐るべき量の水滴が襲い掛かってくるので、 デジカメが濡れないように懸命に手で覆った。 たたでさえ電池ボックスのフタが壊れて内部機構が丸出しなのだ。 水滴が入ったらホントに壊れてしまいかねないからな。 そんなわけで、のんびり景色を楽しむというよりは、 風が止んだスキを見て写真撮影するという、やたらに忙しい滝見物となった。 で、そこから少し行ったミュージアムで小休憩となった。 これらの建物は、1940年ぐらいまで実際に使われていた家と倉庫だ。 雪が積もらないように急角度な屋根となっているんだそうな。 ・・・あ。 これから先、一応場所の説明書きはするけれど、 あくまで英語の聞き取りができない我輩の解説だからね。 間違っていても責任はとらないのでヨロシク。 この建物についてもナインティーンフォーティーと聞こえたから 1940年ぐらいまで~としたけど、 正しくは1940人ここに住んでいたということかもしれないので、 その辺は勘弁してくれよな! 中はこんな感じだ。 その建物の横にある近代的な建物では、 アイスランドで使われていたと思われる古びた電話機や車が展示されていた。 う~む・・・ここに着いてからドイツ語専用ガイドが現れ、 英語ガイドとドイツ語ガイドと別れてガイドしてくれているのだが、 ドイツ語ガイドに比べて、英語ガイド・・・つまりツアードライバーは 明らかにやる気がない。 ドイツ語ガイドは、あれはなんだこれはどうだと一生懸命ガイドしているのに、 英語ガイドは、好きなように見てってくれ状態。 聞いたって分かんないから別に良いんだけどさぁ~・・・ もうちょっとやる気を見せてくれよぅ。 ガイドがそんな感じだから、 我輩はいつものようにサラーッと見学してお店で土産を物色した。 ニットの帽子がなかなか可愛らしくて良い味出してるんだが、微妙に小さい。 まぁまだまだ買い物する機会はあるだろうから、 アイスランド土産はニット帽かセーターにしようと決めるにとどめて、 店を後にした。 ところで昼時なんだけれど・・・このツアーメシ抜きか? このミュージアムにはレストランを少なからず期待していたのだがな・・・。 どうやら我輩好みのメシ抜き本気ツアーらしい。 良いだろう。 望むところだ。 受けて立とうではないか! 観光魂に火がついたところでミュージアムを出発。 トイレ休憩で立ち寄ったガソリンスタンドでおやつを購入することにした。 これぞいつもの我が旅スタイル。 偽「ポンド使える?」 「ポンド・・・って何?」 偽「いや何って・・・マネー・・・?」 「あーパウンド?イエスオフコース」 偽「・・・サンキュー」 ポンドはパウンドと言うのか・・・。 購入したのはファンタオレンジとチョコ。 このチョコ、中にゴムチューブみたいなのが入ってて、最悪にマズかった。 って、どわっち!! このドライバー運転怖すぎ!! 今ので死んだと思ったのは3回目。 もう少し早めにゆっくり車線変更をしてくれ! 思わず対ショック姿勢をとってしまったぞ! ひと息ついて窓の外を見ると、また海が見えてきた。 ワゴンは道を右に曲がり、海岸に着いたところで停まった。 解説が全く分からなかった我輩は、何でこんなトコで降ろされたのか理解不能なまま、 海岸の方へ歩いた。 っていうか走った。 もとい、強風に煽られて歩けなかった。 何じゃこの風はッ!? しかも海岸といっても、サラサラした砂ではなくて、 小さな砂利が敷き詰められた海岸で、風に乗って砂利が襲ってくるぞ! いででででっ!! カ・・・カメラが壊れる! 背中で砂利を受け、カメラを防御しながら撮影。 遠くに見える穴の開いた岩「Dyrholaey(ディルホゥラエイ)」と、 この岩が何やら有名らしい。 ・・・よく分からん。 波も与那国島を彷彿とさせる荒れっぷり。 しばらく景色を見て、そそくさとワゴンに撤退した。 やがて車窓は一段と僻地な景色になってきた。 道の両側にそびえる山はしっかり雪をかぶり、道も路面が雪で覆われている。 っていうか一部は凍っていて、先ほどから猛烈な横風が吹くたびに、 ワゴンが横に滑りながら走っている。 前方がしっかり見える2列目に陣取る我輩は、 フロントガラスの景色が横滑りする度に肝を冷やすのだが、 さすがは歴戦のツアードライバー。 暴れ馬となったワゴンを見事手なづけながら、 そんなに広いとはいえない道を疾走していく。 どうやら貴様も我がライバルとなる男だな。 先ほどの海岸から少し走って、折り返し地点となるVik(ヴィク)
という村に到着。 少し大きめなガソリンスタンドに停まった。 「少し休憩をするよ。レストランもあるし、あそこではお土産も買えるんだ」 メシ食うんかい!! チョコレート食っちまったからなぁとは思ったけど、 せっかくだから食べることにした。 もう我が旅ではお決まりとなったハンバーガー。 ・・・ホントはハムサンドが食いたかったのに。 チキショウッ!! ハンバーガーを食いながら、旅行社からもらったメールの注意書きを思い出した。 このツアーがレイキャビクに戻るのは19:00。 次のオーロラハントツアーのピックアップは19:30。 それぞれ違うツアー会社となるため、ドライバー同士は連絡を取らないので、 Skjarbreidホテルを最初に回ってもらうか、 19:30までにホテルに戻れなかったら、直接ツアー会社まで来てくれとのこと。 どこにあるかも分からないのに行けるかっちゅうの。 ガイドを捕まえて確認する。 偽「我輩は19:30から別のツアーに申し込んでいるのである。 19:00にレイキャビクに帰れるよね?」 「ヨッシャ、ちゃんと帰るよ」 よし。 ちゃんと帰ってくれよ。 メシを食っただけでは持て余すぐらい随分長い休憩時間だったので、 隣の土産屋に入ってみる。 セーターなんかの織物工場と一体になっていて、直売所みたいな感じだ。 産地で買えば安いのかと思ったが、値段は相当高い。 セーター1着で12,000ISKだというから、約15,000円か。 う~む・・・。 やっぱりニット帽にしておこうかな。 小物もどうしようかと迷った挙げ句、結局何も買わずに店を出た。 ヒマだ。 こんなことしてる間に、もっと色々観光させていただきたいものだ。 ブラブラしまくって時間を潰し、他のツアー客がワゴンに乗り込んでいくのを見て、 我輩もワゴンに乗り込んだ。 来た道をどんどこ帰っていく。 さすがに眠気がピークに達し、今晩はオーロラツアーに参加することも考慮して、 少し眠ることにした。
・・・ガリガリガリッ。 ガリガリガリガリッ。
ぬ。 目を覚ますと、ワゴンは雪深い道にはまり込んでいた。 ガリガリガリッ。 いつの間にこんな雪深い所へ・・・。 「ペラペラペラペラペラリーノ」 ガイドは何か言うと、ワゴンをUターンさせた。 多分、ヘィマヨークトル氷河に行く予定だったんだけど、 雪深いから帰ります的なことを言ったと思われる。 無念。 しかしあれ以上行ったら本当に帰れなくなった可能性高し。 無理を承知で一応チャレンジしてくれたガイドを讃えたい。 また往きに走った道に戻り、西へ西へ。 幸い天気はかなり良くなった。 これならオーロラツアーにも期待ができるぞ! 車窓にまた牧場が見えるようになってきたところで、 またガイドが何か言ってワゴンを停めた。 多分「牧場の馬を見よう」 と言ったと思われる。 とりあえずみんなと一緒にワゴンを降り、馬を見る。 ポニーか? しかし、馬よりも周りの景色に目が行ってしまう。 そそり立つ崖にへばりつくように家や教会が建つ。 きっと集落の人以外訪れることはない教会。 なかなか味のある景色ではないか。 何となくぼけ~っと眺めていたい景色ではあるが、 みながもういいかな的な空気になったところで出発。 少し走ると、崖から流れ落ちる滝が見え始め、 それらの滝の親分に位置するSeljalandsfoss(セリャラントフォス)に到着。 ガイドいわく、「コンディションが良ければ滝の裏にも行けるんだ」 とのこと。 ほほぅ。 行ってみると、ちょうど崖の影になっていて、すごい積雪。 ウッカリ膝までハマってしまった。 残念ながら今の時期裏側には回れないようだ。 仕方なく、滝壺を見下ろす展望台に行ってみた。 すると、階段は足場から手摺りまで飛び散る水滴で凍り付いていて、 完全に氷の階段と化していた。 何度も滑り落ちそうになりながら懸命に上って滝壺を見下ろし、 これまた上り以上に滑り落ちそうになりながら階段を下りた。 危険度が高いチャレンジの割りには大したことない眺めであった。 階段と死闘を繰り広げた結果、ワゴンに戻ったのは一番最後。 さらに疲れたので軽く寝ているうちにまたしてもワゴンは雪深い道に入り、 Urridafoss(ウリダフォス)という所に着いた。 ウリダ滝。 滝というよりは渓流かな。 なかなかに豪快な眺めだ。 しかし・・・滝しかねーのかと 少々ガッカリ気味なのは否めない。 我輩の気分同様太陽も沈んできたところで、 ツアーは全ての観光地を回り終えたようだ。 近いところのホテルから順に回って送ってくれるらしい。 ヘィマヨークトル氷河に行かなかったこともあってか、 予定より1時間近く早い18:10にホテル着。 靴下を2枚重ねにするなど防寒を万全にし、19:30のピックアップまで街をうろつく。 予想通り店という店は既に閉店しており、つまんねーなーと思いながら歩いていると、 小粋なカフェ発見。 ガイドによれば、レイキャビク最古のカフェだそうな。 ろくなメシも飲み物も食していないので、 ここはバキッとカフェることにしよう。 ・・・おや。何だか良い雰囲気ではないか。 カプチーノをいただく。 ほー。 実に落ち着くぞ。 かつて日記に書いたが、我が城の近くに欲しいのはこんなカフェだよ。 男一人で入っても平気でかつ小粋なカフェ。 毎週日曜の朝飯を食いに行き、 座ったら黙っててもさして美味くもなく不味くもないココアが出てくるカフェ! 日本の、しかも我が城の近くに進出してくれ! 毎週来るぞ! しばしのんびりした後、ホテルの前に戻り、ツアーのピックアップを待った。 今夜も実に良い天気。 これは期待が持てるじゃないか! オーロラツアーは、レイキャビクエクスカーションズ社と アイスランドエクスカーションズ社が取り扱っていて、 我輩はよりツアー時間の長いアイスランドエクスカーションズ社の ツアーをチョイスした。 時間が長ければ長いほどチャンスは広がるに違いないからな。 で、待てども待てども迎えが来ない。 すると、隣で同じくピックアップを待っているらしき家族が声を掛けてきた。 ホントはこちらから声を掛けたかったんだがね。 すいません、ボキャ貧で。 家族は我輩と同じツアーに参加するようで、 今さっきアイルランドから来たんだそうな。 同じ島国育ち、共にオーロラを見ようではないか。 しかし、我輩があまり英語を話せないと分かると、微妙な空間になってしまった。 懸命に話そうとするも、会話が続かない。 こんな時・・・我輩に現状を打開できるだけの語学力があれば・・・。 無知とは罪なり。 15分ほど待っているとワゴンがやってきた。 乗せられて向かったアイスランドエクスカーションズ社前で、 大型のバスに乗り換える。 レイキャビクエクスカーションズ社は バスターミナルを備えた事務所を持っているのに対して、 アイスランドエクスカーションズ社の事務所はかなり地味。 どうやら両社間にはかなり力の差があるように思えた。 ツアー参加者は結構いるけど、 怪しくてひねくれた東洋人の横にはやはり誰も座ってこない。 おかげでFlybus同様ゆったり座ることができた。 バスはすぐに発車。 オーロラ狩りのスタートである。 ツアーガイドがオーロラのことを色々解説しているようだが、 やはりサッパリ分からん。 事前に予習してきたのは正解だったな。 バスはレイキャビクの市街地を離れ、街路灯ひとつない道を突き進んでいく。 車窓からはオーロラらしきものは確認できない。 じれったいのぅ。 っていうか、車内の電気を消してくれよ。 外がよく見えんだろうが。 窓ガラスにおでこをへばりつけて観測していると、ガイドが話し始めた。 「ペラペラペラペラペラリーノ ディナーワンナワーペラリーノ」 耳を疑った。 メシ休憩? 今メシ休憩と言ったのか? なぜメシ休憩を1時間も!? 疑問符だらけの東洋人のことなど相手にもせず、 バスはフードコートみたいなレストランに到着。 レイキャビクエクスカーションズ社のツアーより長いのはメシの時間じゃねぇかッ!(怒) しかもメシならもっとしっかりした所で食わせろ!! しかし、これはまだまだ最悪なツアーの序章に過ぎなかったことなど 当時の我輩が知る由も無い。 ここで食っては思うつぼと思い、独り外を歩きながら懸命にオーロラを探した。 クソッ 明るすぎて星も見えやしない。 本当に1時間も設けられた無駄な休憩にイラつき、悪態をつきまくって再出発。 最初からこの時間に出発すれば良かったやんけ。 ムカムカしながらやはりおでこを窓にへばりつけてオーロラ観測。 走り回ることしばらく、 ようやく我が窓にうっすらとオーロラが姿を現した。 きたっきたぞっ!! さぁ早く停めてくれ! 写真をッ!! おっ止まったぞ! おもむろにバスを降り、高らかにオーロラ出現を伝えるツアーガイド。 分かっとるっちゅうねん。 さぁ早く降ろせ。 「ペラペラペラペラペラリーノここでは止まれない もう少し行くと坂があるからペラリーノペラリーノ」 バスはまったく止まる気配すら見せず、むしろオーロラは山陰で見えなくなった。 何で止まれへんのじゃ。 よく分からない状況に、さらに苦虫を噛んでいると、 ようやくバスが止まり、またおもむろにバスを降りるツアーガイド。 そして戻ってきたと思ったら、またバスは走りだした。 何やねんコレ。 どうしたいねん。 またしばらく走り、再び山陰からオーロラが姿を現した。 そしてまたガイドがおもむろにバスを降り、 随分時間が経ってから「さぁ降りよう」的な雰囲気になった。 さっそく三脚とカメラをドッキング。 ガイドの説明は全く無視して、写真撮影を開始。 それがコレ。 空港の写真よりはしっかり写ってるやろ? もう行くよと言われるまで、鬼のようにシャッターを切りまくった。 はぁ~良かった良かった。 せっかくオーロラが出ているのに、何もできずに終わるトコだった。 さて、再出発。 オーロラハンティングはまだまだ続くのだ。 そのために長時間のツアーに申し込んだのだからな。 またしばらく走ったところでバスは止まり、 またまたおもむろにバスを降りるツアーガイド。 ヤツは一体何をしているのだろうか。 お前が降りるんじゃなくて、 オレらが降りるんと違うんか。 そしてツアーガイドが戻ると再び走りだすバス。 オーロラが今まさに出ているのに降ろしてくれない理不尽ツアー。 しばらく行って、また止まり、今度は降ろしてくれた。 ずりゃっ!! 慌ててバスを降り、写真撮影を開始したら、もう行くと言う。 早すぎるやろ!! ものの何分やねん!!(怒) 抵抗虚しくバスはすぐに走りだした。 これはどういうことやねん。 ギリギリギリ・・・。(←歯ぎしりの音) 次にこの日一番のオーロラがバキッと姿を現した時には、 車内で見せられただけで、降りることは叶わなかった。 ・・・ツアーガイドだけはしっかりバスを降りていたがね。 ツアーガイドだけが外でオーロラを見れる、 実に本末転倒なツアーだった。 ツアー会社のチョイスをミスったかもな。 帰りはハトルグリムスキルシャ前で降りた。 っていうか、Skjarbreidホテルはここが一番近いと降ろされた。 ここからは10分弱かかる。 ひどい仕打ちだ。 やはりツアー会社を間違ったな。 トボトボ歩きながら大聖堂を見上げると、 鐘楼の屋根がライトアップされていたので、記念に写真を撮ることにした。 ビシバシ撮る。 ビシバシッ。 「ハーイ」 「ハーイ」 オレか? 振り向くと男女が立っていた。 「寒くない?」 「どこから来たの?」 偽「大日本国である。そしてとても寒いである」 「オー、ジャパン?札幌に友達がいるのよ」 「ヘイ写真を撮ってよ」 めんどくせ~な~と思いながらシャッターを切る。 あぁもう動くなよ。 幽霊みたいじゃないか。 「わぉセンキュー!これからパーティーがあるんだ!カモンYear!」 偽「せっかくで悪いけどとっても眠いんだよ」 「そうか眠いのか。Have a nice trip!」 ぶふぅ~・・・。 会話が終わるとホッとする。 まだまだ修業が足りんわい。 さて・・・多少眠いがレイキャビク市内は今夜が最後。 思い残すことの無いよう、夜景を楽しんでからホテルに帰ることにする。 もう25:00だというのに、街は随分にぎやかだ。 バーにはかなりの数の若者が集まっていて、 ビートの効いたご機嫌なミュージックをズンドコいわせていた。 それもあちこちで。 アイスランド人って、もっと静かで質素なイメージがあったから、 少々意外だった。 どこの若者も騒ぐ時は騒ぐもんだね。 ・・・あれ。 三脚の袋がどっかいった。 どこで落としたんやろか。 少し歩いて戻ってみたが、結局見つからなかった。 今回の旅は油断しすぎているぞ。 気を引き締めていかなければ。 あちこち歩いて写真を撮り終え、ホテルに帰ってシャワーを浴び、翌日の準備。 明日は違うホテルに泊まるので、荷物を全部持って出ねばならんからな。 バタバタと荷物を片付け、横になる。 「ギャハハハッ」 「ワーォッ」 まだまだ外が異様にやかましい。 意外と眠らない街、レイキャビクの2日目は騒がしく終わっていった。 |