05 Maio-
0:00に目が覚めたのでシャワーを浴びた。 ウーム、まだ酔ってるな。 やはり空きっ腹にワインは良くない。 結局この日も熟睡することなく寝たり起きたりを繰り返し、5:30起床。 どちらかといえば(個人的には)ゆるい行程なのに、疲れがとれないぞ。 これも老いか・・・。 シャキッとすべく顔を洗い、6:20出陣。 今日は昨日予約した7:00発の特急で、ポルトガル北部の街ポルトへ行く。 サンタアポローニア駅までは徒歩約30分。 昨日すでに確認済みだ。 夜が明け始めた街には、やはり意外にもたくさんの車が走っていて、 路面電車も走り始めていた。 で、泥棒市と呼ばれるフリマを見ながら歩いていたら、 駅に着いたのは、電車発車の5分前だった。 とりあえず喉が激しく渇いた。 コ・・・コーラ・・・。 チャリンチャリン。 ・・・どうやって買うねんコレ。 ・・・。 グリッ。 チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン。 何でこんなたくさんの小銭になっとんねんコレ!!(怒) チキショウ。 自販機にすらナメられるとは・・・。 屈辱にまみれて特急に乗車。 この特急はアルファペンドラムといって、ポルトとリスボンを3時間弱で結ぶ、 いわばポルトガル版新幹線である。 全席要予約。 車内はかなり混んでいた。 ポルトガルのみなさんは、ホントに朝早くから積極的に動き回っているのだな。 しばらくして極めて喉が渇いたので、 ラウンジカーでキットカットとファンタオレンジを買った。 ブハォッ! 生き返った! まさかファンタがこんなに美味い飲み物だったとは! 気分が良くなった途端に眠気爆発。 っていうか暴発。 目が覚めたらポルト・カンパーニャ駅のひとつ前の駅に着いていた。 この駅を出てしばらくすると、電車は橋を渡り、 ポルト・カンパーニャ駅に到着。 ここからはローカル線に乗り換え、ポルトの中心地に位置するポルト・サンベント駅へ。 10:10、定刻に到着。 サンベント駅には、アダレージョなる青い模様のタイル張りの絵が盛りだくさん。 ポルトの歴史を描いたものであるらしい。 ゆっくり眺めてから街に繰り出す。 準備不足で観光順路は全く決めていなかったため、 とりあえず近そうなグレゴリス大聖堂に向かって歩く。 この大聖堂の見ドコロは鐘楼。 我輩の海外旅行ではお決まりとなった、グリグリ階段を上って、 景色を見下ろすというものだ。 どれどれ。 ・・・逆光だな。 時間を誤ったか・・・。 やむなし。 仕方なくぐるぐる階段を下りて、適当に川の方へ歩いて行く。 すると、上手い具合に、世界遺産サンフランシスコ教会の前に出た。 教会正面の建物で入場券を買う。 教会内部は、かつてブラジルから持ち込んだ金でピカピカ。 この教会には「ジェッセの樹」というのがある。 小船に横たわるマリアに根を張った大樹をキリストの系譜になぞらえたものだ。 この発想がすごいねぇ。 その向かいの像もピカピカで圧巻なのだが、 残念ながらこの教会、内部撮影禁止だったらしい。 きらびやかな内装を目に焼き付け、絵はがきを買って出た。 世界遺産は、撮影禁止の所が多い。 保存状態の維持という意味合いよりも、絵はがきの売れ行きや、 写真の商用利用制限が目的と思われるが、 写真ぐらい寛容に見ていただけないものだろうか。 教会からさらに坂を下り、ポルトの歴史地区に向かう。 ・・・む。 犬だ。 犬が横たわって我が行く手をさえぎっておる。 しかもデカイ。 そそ~っ フーッギャウッギャウッ!! どわっ!! なっ何だ貴様! 吠えなくても良いだろッ! まぁ待て待て。 我輩は貴様の敵ではないぞ。 いや、かといって味方ではないが、何も吠える必要はないじゃないか。 ・・・。 どうしよう。 噛まれたら病気になるかも。 しかし戻るとなると、かなり手間だぞ。 ・・・。 何を怖気づくのか偽スナフキン! ひ・・・退かぬ!! すさささっと、見事我輩は脇を駆け抜けたのだった。 ふ~。 このクソ犬め。 我輩が犬猫が大の苦手と知っての狼藉か!? 人間様をコケにしおるとは。 今回は許してやるが、次は許さんからな!! 駄犬に罵声を浴びせながらも、冷や汗びっしょりになってしまった我輩は、 ようやくにしてポルトの歴史地区に到着した。 この一帯は世界遺産に指定されている。 といっても、あまり歴史的な情緒を感じさせるほどではないな。 とりあえずふらふらと歩いてみようか。 「船に乗らないか!?」 オッサンに構っているヒマはないのだ。 今日も良い天気だ。 良い天気の川沿いの景色というのは、とても好きだ。 渡し船らしき船も何とも趣深いではないか。 乗ってみようかなぁ・・・って、さっきの船はあれか!? ひ・・・退かぬ!! 仕方ない。 乗れぬなら、歩いて渡ろうホトトギス。 少し歩いたところにある、鉄橋を渡ることにする。 二段式で、上が鉄道と歩道、下が車と歩道になっている。 帰りは上を歩いて帰りたい。 一体どこから行けるのか、調べねばならないな。 対岸から見た歴史地区はこんな感じだ。 なるほど、こちらから見ると、なかなか風情がある。 にしてもだ。 暑い。 何だこの暑さは。 喉が渇いたぞ。 ここはイッチョ、クーッといきたいところ。 しかし我輩は先程から廁に行きたいのだ。 ポルトガルの街は風情があって我輩好みなのではあるが、 困ったことに世界のMがない。 我輩の見地からいえば、海外におけるMは、 メシを食うところにあらず。 廁のために存在しているのである。 海外には公衆便所などろくにないし、大体日本の公園の便所だって使わないのに、 海外の公衆便所なんて入りたくもない。 そこで役に立つのが世界のMというわけだ。 無いと困るんだよなぁ。 何の話だ。 そうだ。 我輩は喉が渇いたのだ。 我慢し切れず、客よせに黒ずくめの服を着た少女がウロウロしていた SANDEMANなるレストランで、昼飯を食うことにした。 ホットドッグとリプトンのレモンティー。 今日はキットカットしか食ったのもあって、 人目もはばからずにガッついてしまった。 そして渇いた喉にレモンティーが染み渡っていくじゃないか!! も・・・もう1杯!! ごきゅごきゅごきゅ・・・ ぷっはぁー! いやぁサイコーやねコレ! すっかり蘇ったぞ。 そうとなれば長居は無用。 お支払いをして、さっさと上っ側の鉄橋への道を探す。 何だかよく分からんが、脇道に突入してみるか。 道沿いにはアパートが建ち並び、道ばたでは子供がサッカーをしている。 これぞ庶民の空気を感じる旅。 と満足してアパートを改めて見上げると、 いつの間にやらオッサンが窓から顔を出してタバコを吸っていた。 ・・・。 ブリュッセルの悲劇以来、背後からの攻撃に対して極めて敏感な我輩。 いつ上空からタバコが降ってくるか分からないぞ。 オッサンを目で牽制しつつ、素早く下を歩き抜け、背中が無事であることを確認。 ・・・こんな風だからして、とにかく何かと気を遣う。 肩が凝るのもやむなしだ。 坂を上ってさらに適当に歩いていくと、難なく鉄橋に着いた。 2階部分の鉄橋は、路面電車と歩行者用。 テクテクと歩いて渡る。 橋を渡ると、すぐに大聖堂。 14:30まで見学時間は中断中。 現在13:30。 待つのもめんどくさいので、もう行ってしまうことにしよう。 ちょっと歩くとすぐにサンベント駅に着いてしまったので、 予定より早くリスボンへ帰ることにした。 ぐるっと街を歩いたわけだが・・・世界のMが1つもなかったな。 トイレに行けなかった。 (T_T) これは予定外の展開。 これでは世界のMとは言えないぞ。 どこかで行かねばなぁ・・・って、すぐに発車の電車があるじゃないか。 ・・・乗るか。 自販機で切符を買ったら、お釣りはペラリーノでもらえ、みたいな半券がついてきた。 しかしもはや時間も無いし、微細な金額なので無視。 ポルトカンパーニャ駅まで行き、リスボン行きの切符を買う。 丁度特急の無い時間帯で、急行で帰ることになった。 いやしかしだな。 もはや当たり前のように切符を買える我輩。 成長著しすぎるんですけど。 そして小銭を払って駅のトイレを使い、ブラブラと何もない駅前を歩いて、 14:42発の急行に乗り込んだ。 座った途端に即爆睡。 気付いたらもうリスボンの1つ手前だった。 18:00リスボン着。 いよいよ最後の夜がやってこようとしている。 毎度のことながら、いつも旅で一番寂しい瞬間だ。 さて、昨日行けなかった観光ポイントへ行かねばならん。 バイシャ地区にある展望台を目指して歩く。 バイシャ地区は繁華街であり、服だ靴だと色んな店がある。 当然メシ屋も山ほどあるので、今夜の晩メシはこの辺りで食うことにしよう。 展望台は、このエレベーターの上にある。 30分近く並んでエレベーターに乗り、てっぺんのカフェで景色を眺める。 ほぁ~。 これがリスボンの夕暮れだ。 何とも趣深く、そして旅の終わりを感じさせる憂愁の景色だ。 もう旅が終わってしまうのかと思うと、かなり寂しい。 まだまだ帰りたくはないが・・・。 しばらく暮れなずむ街並を眺めてからエレベーターで下りた。 まだそんなに遅い時間ではないのだが、店はほとんどが閉まり始めていた。 ウィンドーショッピングをしながら、名著地球の歩き方を頼りにメシ屋を探す。 すると、「ジャパニーズ?メニューあるYO」 と声を掛けられた。 渡されたメニューには、ポルトガル語に英語と日本語が並記されていた。 こりゃあいい! 昨日の「わらじとんかつ」に懲りてしまった我輩は、アッサリこの店に決めた。 スイスでも思ったが、日本語のメニューがあるというのは、本当にありがたい。 席につくなり、魚介類からダシをとったらしいスープとアンコウのリゾットをオーダー。 スープは美味い。 あまりの美味さにがっついてしまったではないか。 続いて出てきたアンコウのリゾット。 む。 これも美味い! 美味いぞ!! 正直外国でさして美味いものに出会ったことのない我輩にとって、 これは衝撃的な出会いだ。
・・・と思ったのだが・・・。 ぽり。 む。 ぽり。 もわっ。 ぽり。 ・・・。 何だこの豆のような物体は。 こいつを噛み砕くと、口一杯に市場の臭いが充満するぞ。 リゾット自体は大変美味いし全く残すつもりは無いのだが・・・。 ぽり。 ぐへあっ!!(死) 口が・・・口が野菜市場の臭いに満たされるっ!! ・・・もうダメじゃ。(T_T) 偽「Finished. Check please.」 「ノーノー。コーヒー飲んでいかないのか?デザートは?」 偽「じゃあコーヒーを・・・」 出てきたのは、昨日カフェで飲んだ小さなカップに入った激苦コーヒーだった。 しこたま砂糖を入れて飲み干し、店を出る。 まさか2日続けてメシを残すことになろうとは・・・。 やっぱり外国のメシなんかに期待すべきではなかった。 いつの間にか、すっかり閑散としてしまったバイシャ地区を歩き、下町のアルファマ地区へ。 スペインのタブラオ(フラメンコが見れるクラブ)みたいなものがポルトガルにもあって、 ファドという歌を聴くことができるらしい。 ただ、タブラオ同様、始まる時間は極めて遅く、本番は23:00~2:00頃である。 ただ、地球の歩き方によれば、20:00頃からやっているらしいので、 とりあえず行ってみることにする。 店はやはり名著地球の歩き方からチョイス。 偽「席は空いている?」 「ディナーか?」 偽「いや、晩メシは食った」 「残念だがな、坊主。ドリンクは23:00~しか入れねんだ」 偽「23:00!?」 明日の飛行機は早いんだよなぁ・・・。 もうやめておくか。 あまり強欲をかいて痛い目にあうわけにはいかん。 我輩も大人になったものよ、としみじみ思いながら、 昨日と同じ道を歩いてホテルに帰った。 しばし夜景を眺めた後、荷物の片付け。 はぁ・・・。 分かっちゃいたが、やはり5日の旅は短すぎた。 といっても、仮にあと3日あったとして、別に行きたい所もないが・・・。 やっぱりポルトガルは5~6日もあれば十分な国だと思う。 で、バーへ行ってコーラを飲み、フロントで宿代の清算と、 明日は朝4:30にタクシーを呼んで欲しい事を伝え、早々と眠りについた。 Zzz・・・
翌朝、3:00起床。 のんびり仕度をし、4:30、タクシーを呼んでもらった。 街中で見かけた白いメルセデスのタクシーじゃなかったので少々心配したが、 安全運転でちゃんと空港まで送ってくれた。(9.25ユーロ) わずかばかりだが、お釣りはくれてやることにする。 すぐにチェックインを済ませ、最後のお買物・・・といきたかったが、 当たり前のことながら、こんな朝早くから店が開いているわけもなく、 6:00になってかろうじて開いた免税店でチョコを買うのみとなってしまった。 ポルトガル名産黒い鶏の置物を買えなかった。 昨日何度も買う機会があったのに、空港で買えば良いやと手を抜いた罰が当たったか・・・。 しまったな・・・。 やはり神様は厳しかった。 カフェで朝飯を食い、しばらく時間を潰して7:10搭乗。 もうホントにコレで西欧は最後になるであろう。 そして次に目指すべき大陸はもう決めてある。 秋。 秋の長期休暇こそ、本気の戦いとなるであろう。 待っちょれ世界よ!! その首、 偽スナフカーンが |