04 Maio-

2時間置きぐらいに目を覚まし、あまり熟睡できないまま起床。

現在午前4:00。

今日も朝早くから頑張ってしまう予定だ。

地球の歩き方を読みながら時間を潰し(決して寝たりはしない)、

準備を整えていると・・・パスポートが無い。

昨夜チェックイン時に渡して・・・あれっ!?

夜景を見て喜んで・・・返してもらわなかったっけ!?

悠然とした朝の出発が一転、バタバタとフロントに駆け込んでパスポートを回収し、

6:30、ホテルを出・・・たら、デジカメ用の電池を忘れ、6:45、改めて出発。

ふぅぅ・・・。

冷や汗が吹き出したわい。

夜明け際の景色の写真を撮り、地下鉄の駅まで狭い路地を下っていく。

サンマルティン駅までは徒歩10分。

夜だと相当怖そうな道だが

この時間なら、強盗屋さんは眠りにつく頃だろう。

こんな朝早くから起きてて良いのは、

豆腐屋と新聞屋と偽スナフキンだけなのだ。

と思いきや、結構たくさんの人が歩いている。

これは意外だ。

地下に下り、早速切符を買おうとするも勝手が分からず、

結局何だか無駄に金を払って購入した。

最初に出てきた切符は一体何だったのだ・・・。

やってきた地下鉄も割に混んでいた。

リスボンの民は勤勉だな。

などと感心しながらも、扉のトコに立っていると、突き刺さるような視線を感じる。

もう慣れたけど、あまり良い気分ではないね。

アレエイロ駅で下車、国鉄に乗り換える。

外は良い天気だ。

それ見たことか。

誰が曇時々雨ぞ。

太陽王の手にかかればこんなもんだ。

さて、今日はシントラという世界遺産の町から

ユーラシア大陸最西端であるロカ岬を経由し、

ぐるっと輪を描くようにリスボンへ帰ってくるという行程なのだが、

このルートを回れる周遊券、その名も「Bihete Train & Bus」というものがあるらしい。

その名の通り、上記ルート上のバス、国鉄に乗り放題となるらしい。

しかし駅の窓口でお買い求めようとしたところ、「切符しか売ってないよ」 と一蹴され、

明日の特急の予約も「ここではできない」 と断られてしまった。

この役立たずめ。

「シントラに行きたいの?マシーンで買いなさい」 と言われたので、

自動券売機を見に行ったら、行き先を押せば買える機械だった。

こういう難しい操作のいらない機械は助かるね。

っていうか、ではさっきの窓口は何のために存在しているのだ。

うーむ。

切符を買ってホームへ上がると、すぐに電車がやってきた。

そして定刻より2分も早く発車してしまった。

遅れるのは困るが、定刻より早いってのはどうなんだろうか。

まぁ我輩にとっては好都合なんだが・・・。

さて、なぜか窓はマジックミラーになっていて、外からは中が見えない。

そして中からの景色は悪い。

何てつまらない鉄道の旅なんだ。

シントラまでは約40分。

すぐに着いた。

 

 

 

 

 

・・・あれ。

一気に曇天ですけど。

まぁいい。

どうせ晴れるだろう。

何せ我輩は太陽王であるからな。

で、シントラでは、ペーナ宮のみ見学する予定。

他にも王宮やらがあるにはあるが、

これまでの経験から、それほど見たいとは思わない。

よってパスだ。

ペーナ宮行きのバスの時間までは、シントラの王宮周辺をぶらつくことにする。

とりあえずコレ。

これが世界遺産シントラの街並よ。

2本の煙突みたいなのがあるのが王宮だ。

何となくスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラを思い出させる景色だね。

王宮までは徒歩15分。

特に何があるわけでもないので、さらに歩いて

レガレイラ宮殿まで行き、折り返して駅まで帰ってきた。

さて、9:30になったし、観光案内所が開く時間だ。

偽「ハロー。周遊券プリーズ」

「バスの営業所で買え。出て右のアクロスザストリートだ」

バスの営業所・・・あれか。

「12ユーロ。ノーVISA

げ。

Bihete Train & Busは無事ゲットできたが、金が飛んでいってしまったではないか。

嫌な予感がするな。

とりあえず少し多めに持ってきて良かった。

で、腹が減った。

かなり。

駅前のカフェで朝食としよう。

オッサン2人でやってる割には、ピンクのイスで可愛らしい店

パンとエスプレッソで1.65ユーロ。

かなり安くあがったぞ。

ちなみに、ポルトガルでは食後にエスプレッソを飲むようで、

とても小さいカップにクソ苦いコーヒーが注がれて出てくる。

これぐらい少ない

ほんのちょっとお口直し程度。

が・・・。

ぐぇぇっ苦すぎる。

超神水かこれは。

まるで眠っていた力が湧き出るかのような苦さだ。

コーヒーの量の半分ぐらい、ザブザブと砂糖を入れ、甘~くしてから飲んだ。

ついでにトイレを使わせてもらってから、434系統のバスでペーナ宮へ。

ペーナ宮まではグネグネ山道で15分。

宮殿の麓にある庭園前で下ろされる。

入場券を買って入ると、小さなバスがあって、ペーナ宮まで乗せてくれるとのこと。(有料)

まぁしかしそんなに距離も無さそうだったので、テクテク歩いていくと、

バスより早く着いてしまった。

これがペーナ宮。

見ての通り奇抜な建物。

昨年行った、ドイツの白鳥城ノイシュバンシュタイン城を建てた王さまの

イトコが建てた宮殿だそうだ。

ウーム、何とも悪趣味な彫り物だな。

とりあえず写真を撮りながら上っていくと、上に着いた時には雲がかかってしまった。

肝心な写真はガスだらけ

チィィィッ(T_T)

落胆のうちに内部を見学。

予想した通り別に面白くも何ともなく、ササッと見学終了。

足早に宮殿を後にして、駅に戻ることにした。

「外からしか見なかったのかい?中も見てくれば良かったのに」

うるせぃ。

見たんだよ。

バスの運ちゃんの呆れ顔とともに駅に舞い戻った偽スナフキン。

すると、ペーナ宮行きのバス乗り場は長蛇の列となっていた。

一般の観光客がこれから見学に行こうという中を、早くもシントラを後にする我輩。

次は予定より1時間早く、403系統のバスで、ユーラシア大陸の最西端、ロカ岬へ行く。

今回の旅のハイライトだ。

ペーナ宮が思ったよりヘチョかったので、

うまくいけば、今日中にリスボンの見学もできるかもしれない。

良い展開だ。

シントラの街中を抜けると、予想外にウネウネの山道に入った。

うぬぬぬぬ・・・これは随分とクネクネしているな・・・。

ぐむぅ・・・くぺぺぺぺぺ。(T_T)

小さな町をいくつも経由し、我輩がもはや限界に近づいた頃、

バスはようやくロカ岬に到着した。

はっ・・・ひっ・・・ばっふぉー。
(↑深呼吸の音)

つ・・・着きましたか。

やっと着いたぜ人生5つ目の最果ての地。

まずは観光案内所で、到達証明書を発行してもらう。

10ユーロのと5ユーロのがあり、

10ユーロの方はカラー写真付きであまりに観光チックなデザインだったので、

5ユーロのにした。

ロウでくっつけたみたいなハンコが良い味を出しておるね。

折れないように持ちかえるために持参した、

ダイソーのA4プラスチックケースに収納・・・

って微妙に入らね~ッ!!(T_T)

結局角が軽く曲がってしまった。

あぁ哀れや小市民偽スナフキン。

悲しみにくれながら観光案内所を後にしたのだった。

・・・コレ。

これが最果ての碑だ。

なかなか立派なモンじゃろう。

碑には、誰かさんが詠んだ「陸尽き、海の始まるところ」という詩が刻まれている。

エエこと言うのう!

なるほどそんな気がするわ!

これでまた我輩に偉業の1ページが加えられたわけだ。

スバラシイ!!

ゲロ吐きそうになりながらでもやってきた甲斐があったというものだ。

しばらく碑の周りをブラブラ歩いて時間を潰し、カスカイス行きのバスに乗る。

天気も良くなってきたし、良い感じだ。

隣に座っていたジイさんに「カスカイスだぞ」  と教えてもらい、慌てて下車。

駅前のマクドに行きたかったが、すぐの電車があったので断念。

走って乗り込み、ベレンへ。

ウーム、乗り物に乗っている時間が長いとはいえ、休みが無いのはツライな・・・。

まぁ・・・いつものことだけど。

ベレン駅からちょっと歩くと、ジェロニモス大聖堂がある。

ゴッツイ造りの世界遺産だ。

入口の場所が分からず、相当歩き回って入館。

キレイな中庭と、

この回廊が見ドコロらしい。

例によって中の展示物はサラッと見て退館。

疲れてきたが、次々行かねばならない。

線路を挟んだ所にある発見のモニュメントを見に行く。

船と、数々の有名な航海士の像。

ちょっと拡大してご紹介すると、

先頭で船を持つのはエンリケ航海王子。

3人目がバスコダガマ、5人目がマゼランである。

そして見落としがちだが、足元には世界を発見した年を記したタイルがあったりもする。

日本は1541年に見つかってしまったようだ

モニュメントの後ろに見えるのは4月25日橋。

対岸に建っているのがイエス像だ。

というわけで、駆け足でベレン観光を終了。

来た道を歩くのもつまらなかったので、ベレン塔とやらを見ながら1駅戻り、

アルジェス駅から再び国鉄に乗り、カイスドソドレ行きで終点まで。

予定外にベレン観光に時間が掛かったが、

それでも当初の予定よりは早くリスボンに帰ってこれた。

明日の行程を軽くするために、リスボンを見て回ることにする。

まずは駅正面の坂をエッチラオッチラと上る。

リスボンは坂の街。

その坂の4つにはケーブルカーが走っていて、

中でも最もメジャーな「ビッカ線」というのを見に行く。

しかし・・・ケーブルカーが名物になるだけあって、ツライぞこの坂。

どんだけ急やねん。

地元の人々が軽々と坂を上っていく中、ヒィコラと息を切らせて歩く我輩。

年寄りにいたるまで、随分健脚だなんだな。

ふむ・・・。

やっとこ上りきったところに、小さなケーブルカーが停まっていた。

しばらく深呼吸をしながら眺めていると、ケーブルカーはゆっくり坂を下っていき、

すれ違いでもう1台が上ってきた。

オー、確かに味のある景色ではないですか!

ほけ~っとケーブルカーが上ってくるのを見ていたら、

腹が減っていることを思い出した。

今日も朝からロクに飲み食いせずに歩き回ってきたからな。

腹が減るのもやむなし。

少し歩いたところにあったパン屋で、パンとコーラを立ち食いすることにした。

どうだこのリスボンっ子と見まごうばかりの立ち振舞い。

もはや海外で軽く腹を満たすことなど朝メシ前よ!

しっかり腹を満た・・・す程ではないが、腹の虫を納得させ、

展望台へ歩いていこうとしたら、

またケーブルカーが発車するところだったので、のんびり見学。

何度見ても味のある景色じゃのう。

しかし3回目はさすがに飽きそうだったので、さらに坂を上って展望台に行く。

かつて天正遣欧使節団(日本史でやったなぁ)が

滞在したという教会の裏にある展望台は

数あるリスボンの展望台の中でも最もメジャーな展望台兼公園なんだが、

残念ながら工事中。

・・・っていうか、こんだけ上らせて工事中とはどういう了見やねんコラ!!

坂の下に工事中と書いとかんかい!!(T_T)

まぁ・・・書いてあったとしても、読めたとは思わないがな。

ただ、公園の裏手に回ってみたら、一応眺めを楽しむことはできた。

ふむ、まずまずの眺めじゃ。

向かい側の一番高い丘の上にあるのが、我がホテルだ。

眺めが良いのも納得だな。

で、眺めから分かる通り、中心街を挟むようにして丘のあるリスボンの街。

今度は反対側の丘を攻略に行く。

坂を下って路面電車に乗り、ゴトゴト揺られて丘の麓にあるカテドラル前で下車。

カテドラルは既に見学時間終了なのでスルー。

その脇の道を歩いていくと、リスボンの下町地区。

中世以来の街並らしく、細い路地の入り組んだアルファマ地区である。

まだ日は高いとはいえ、既に18:00過ぎ。

細い路地に入り込むと、少し身構えてしまうな。

十分に警戒しながら、明日の特急の予約のため、サンタ・アポローニア駅まで歩く。

明日は早朝に駅まで行かねばならないので、ある程度道を覚えながら歩いた。

サンタ・アポローニア駅は薄い水色という変わった色使いの駅。

さっそく窓口で用意してきた紙を渡す。

偽「この予約がしたいんだけど」

「オッケイ。VISA?モチロン使えるわよ」

難なく切符をゲット。

やはり我輩は成長著しいな。

無くさないようにしっかりカバンにしまって、くちばしの家とやらを見学。

地面の模様がくちばしみたいだからくちばしの家。

何やそら。

まぁとにかくこれで観光終了。

予定以上に見て回れたので、明日の行程は随分楽になったぞ。

こういった前倒しは、仕事同様、明日の我輩をかなり楽にしてくれるのだ。

で、またアルファマ地区を抜けてホテルまで歩いて行くと、

想定外に展望台があったので、またパシャパシャと写真を撮る。

丘の街というだけあって、展望台には事欠かないリスボンである。

やはり美瑛にしろリスボンにしろ、丘の町は良いね。

そして細い路地をくねりながら走る路面電車のある景色が、

こんなに味のあるものだとは。

我輩は、「これぞ旅情!」と確信しながらホテルに帰ったのであった。

すでに19:30。

13時間観光しっ放し。

腹も減ったし、メシは良い物を食おう。

幸い、近くに名著「地球の歩き方」掲載のレストランがある。

黄昏時の景色を楽しんだ後、さっそく行ってみることにした。

メニューは全てポルトガル語。

何も読めやしない。

とにかく何か知ってる単語が無いかと懸命に探してみると、

「ESPAGUETE」というのが見つかった。

エスパグエテ。

これはスパゲティだろ!!

スパゲティ食いたい!!

迷わずスパゲティとスープ、そして無謀にも一番安いワインをオーダー。

まぁグラス一杯ぐらいはね・・・ってボトルやんけ

軽く飲んだら意外と飲みやすくて、キューッといってしまった。

そして酔った。

酔いを薄めるため、ポテト風のスープを飲み、スパゲティを待つ。

ウーム、気持ち悪くなってきた。

そんな我輩にトドメを差すべく出てきたのは、スパゲティがちょっとだけ盛り付けられた、

わらじのようなトンカツ3枚であった。

何ですかコレは。

メシもなく、トンカツだけを食えと。

食えるかーッ!!(怒)

結局わらじ1枚とワインは半分も残すこととなった。

デザートと食後のコーヒーを薦められたが、酔った頭で丁重にお断わりし、

ホテルに着いた途端に爆睡となった。

Zzz・・・

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