03 May-
序章の通り、全く予定していなかった今回の旅。
行き先選定に入ったのは、4月15日だった。
GW後半の4連休に1日休みをくっつけて5日。
さて、5日で全てを堪能できるのはどこか。
5日というか、飛行機があるから、実質2日半がいいところか。
普通に考えればアジア・オセアニア圏内だろうな。
そこで、まずターゲットとしたのはネパール。
世界の屋根チョモランマを見て、バカボン並にチチチョビレテしまおうと考えた。
しかし、旅行社からはあっさり「5日では無理です」との回答。
偽「そんな!最初から無理と決め付けずに何とかして下さい!」
と食い下がったものの、やはりチョモランマの壁は高かった。
そこで改めてターゲットとしたのはイスタンブール。
アジアとヨーロッパの出会う街。
これは行きたい。
前回のオーロラツアーですっかり味をしめた我輩は、
もはやパックツアーなどには見向きもしない。
さっそくHISに航空券の空きを問い合わせたところ、どの便もキャンセル待ち。
せっかく帰国をGW明けに設定しているのに、経由地からの帰国便に全く空きが無いという。
ぐぬぬぬ・・・。
諦め切れず、違うHISの営業所に問い合わせたところ、
セントレア発着だが、ルフトハンザに空席があるという。
即キープしてもらい、最終決定まで2晩猶予をもらった。
ウーム・・・よりによってルフトハンザか。
金壱拾萬円也の金券をもらっておけば良かったと激しく後悔した。
しかし過ぎたことは仕方ない。
さっそく地球の歩き方トルコ編を購入し、熟読する。
それによると、実はトルコには結構見ドコロがあり、
実質2日の観光日程では明らかに足らないことが判明した。
基本的に同じ国に二度三度と行くつもりはないし、さらに言うなれば、かなり割高である。
やむなく行き先を再選定することにした。
長期間の休みで行くほどでない、多少ショボめではあるが、我輩の旅意欲を掻き立てるところ・・・。
こうして4次元的かつ多面的な行き先選定の結果、
今回の旅の行き先は、ポルトガルとなったのであった。
適度に狭い国土と、適度に少ない見ドコロ、さらに先端マニアにはたまらない、
ユーラシア大陸最西端の岬を持つポルトガル。
9連休の行き先選定だと他の魅力的な国々に劣後してしまう、
まさに5連休だからこそ行く旅先としては申し分ない。
決して水曜どうでしょうで行ったからとか、安易な行き先決定ではないことを、
まずは長々と述べさせていただいた。
ちゃんと自分の中で基準を持っていることは記しておこう。
さて、フランクフルト→セントレア間の座席は既に確保できていたので、
イスタンブールからリスボンへの目的地変更は容易に完了した。
さらに、これまた前回のオーロラ宿屋で味をしめた我輩は、自力で宿の予約も行い、
景色の良いらしいホテルを確保した。
所詮パックツアーであてがわれる駅前のビジネスホテルに、感動などあるハズが無いのである。
そしてそして、これまた前回のカメラ破損事件での経験から、保険にも忘れずに加入。
保証内容をよく読んだら、実はかなり役立つことが分かった。
みんな!保険にはちゃんと入った方が良いぞ!
と、ここまで準備して突然ダレてしまった我輩は、
結局2日前まで他に何の下調べをすることもなく、荷造りをすることもなく、
最終的に大慌てで電車の時間を調べたり、荷造りをするハメになってしまったのであった。
明らかに準備不足だということに気付いて、相当不安になったものの、
もはや時間も無く、バタバタと出国当日を迎えてしまった。
4:30起床。
ヒゲを剃り、顔を洗って、前回の教訓を活かし、余裕をもって駅へ歩く。
やっぱり1回1回学んでいかないとね。
ハッ。
折り畳み傘忘れた。
・・・まぁいいか。
切符を買ってホームへ。
ハッ。
地球の歩き方持ってくるの忘れた。
・・・まぁいいか。
良くねーッ!!
電車の時間まであと10分。
・・・。
チィィッ!!
アレが無くては話にならん!
ということで、我が城にダッシュ!!
・・・しかし電車に遅れてしまっては致命的だ。
それこそ話にならん。
・・・チィィィッ!!
やむなく電車に乗った。
こうなってしまった以上、セントレアの本屋に期待するしかない。
っていうか、こんな早くからやってんのか?
何でこんなことに・・・。
うぅぅ・・・胃が痛い。
これは昨日からの下痢とは無関係だな。
ううう。
新幹線→名鉄と乗り継ぎ、セントレアまでは約2時間。
下車時に切符を紛失し、何とか見つけはしたものの、早くも精神的に疲労困憊。
荷物を引きずり、ようやく駅を出ると、見たような顔が。
おぉっ!元会社の先輩ではないか!
何でも、新婚旅行でイタリィへ行くとか。
やー、メデタイですな!
チェックイン後の再開を誓い、我輩はそそくさと本屋へ歩く。
えー・・・あったあった!
ありましたデス!!
無事地球の歩き方ポルトガル編を購入し、胃の痛みを和らげてから、
HISのカウンターでe‐Ticketを受け取る。
ルフトハンザのカウンターはスカスカだったので、さっさとチェックイン。
出国の保安検査もスカスカだったので、あっという間に出国してしまった。
まだ8:30。
フランクフルト行きLH737便は10:30発だから、相当な時間が残されている。
とりあえず先輩が出国するまで折り畳み傘やら何やらを購入。
間際になって、ようやく準備万端。
我輩の心もようやくにして燃えてきた。
そして先輩と合流して、毎度のごとくスタバで出陣式。
ホットココアが無かったので、ホワイトホットチョコレートとチョコチャンクスコーンだ。
これさえ食っとけば、旅先の晴天は間違いない。
ただ今日はホットココアじゃないから、少し曇るかもしれないけど・・・。
まぁそこは太陽王には丁度良いハンデだ。
では・・・。
オホン。
♪人間五十年~
互いの無事を祈りつつ、先輩はイチャイチャとパリ行きに乗り込んでいった。
ポツンとロビーに残された偽スナフキン。
搭乗ゲートで写真を撮り合いっこしている先輩を遠くに眺めながら、
我輩はこの惨めさをパワーに変えるべく、
魂を燃えたぎらせていた。(炎) 何? 寂しいのかと?
何を今さら。
我輩はいつだって独りなのだよ。
地球育ちのサイヤ人の如く、一気に戦闘力を高めた我輩は、10:40、フランクフルト行きに乗り込んだ。
随分遅れたな。
フランクフルト空港には嫌な思い出があるから、早く飛んで欲しいものだ。
確保した窓側の席は羽根の後ろ。
久々に景色を楽しむこともできそうだ。
っていうかテレビ付いてないし、景色が見えなかったら苦痛極まりないな・・・。
テレビぐらい付けとけ!!
と、悪態をついているうちに、LH730便は、離陸準備が整ったようだ。
シャーッ!!
ジュドー・アーシタッ
ガォォオオン・・・
こうして11:33、我輩は一路半年ぶりにフランクフルトへ向かったのである。
離陸すると気合いが入るせいか、いつも下痢は回復してくれる。
今回もそうなってくれそうだが、油断は禁物。
リンゴジュースや昼飯はゆっくりゆっくりいただいた。
さて、前から思っていたのだが、行きの飛行機の描写が長すぎるよな。
以前はこの間もピリピリしていたし、ヒマだからいくらでも書くことはできるのだが、
大きく ''はしょる'' ことにしよう。
とりあえず、コチラが今回の車窓。
デンマークの橋。
ミスター、何で橋の作りが途中から違うのかな。
それはね、大泉君。
の橋だ。
・・・というわけで、本を2冊読み、うち1冊があまりにつまらなくてムカムカし、
ニンテンドーDSを持ってこなかったことに激しく後悔している内に、
日本時間23:04、現地時間16:04、我輩はフランクフルトに降り立った。
グーテンタークドイツのみなさま!
またやって来ましたYO!!
・・・おげー。
着陸の揺れで酔っちまったYO。(T_T)
おげー。
フラフラした足取りで歩いていくと、前回にも通過したトランジットの保安検査前に着いてしまった。
「この先はノーショップノーレストランYO!」
そう言われたことを思い出し、フラフラと時間を潰すこととなった。
・・・しかしこいつも分かっていたことだが、やはり見るべき店など無い。
チキショウフランクフルト!
少しは成長した姿を見せて欲しかったぜ!!(T_T)
やむなく半年前と同じマクドでマックフルリーを食う。
一回食ってみたかったんだよなー。
しかし日本で予習してくるべきだった。
オーダーの仕方が分からず、「キットカットを乗せてくれ」 と言うまでに時間がかかった。
アイスランド旅行で余った20ポンドをユーロに両替すべく渡したものの、律儀にポンドでお釣りをくれた。
っていうか、コレいくらだったんだ?
ま・・・良いか。
やたらにデカイスプーンでマックフルリーを食い、飛行機が飛んでいくのをぼーっと見る。
何だかどこかで見た景色だ。
半年前はこれから始まる大冒険に思いを馳せたものだが、
正直今回は、気合いが乗り切っているとは言い難い。
だって5日だもんな・・・。
17:45、時間を潰し飽きて保安検査へ。
セントレアでもだったが、今まで引っ掛かったことのない、デジカメの充電器が引っ掛かるようになった。
面倒なことだ。
すぐに搭乗口かと思ったら意外と歩かされ、ゲートに着いたら良い時間だった。
日本時間にして25:40。
これは眠い。
ここまでの機内で結構寝たつもりなんだが、それにしては今にも寝てしまいそうな眠気だ。
シャングリラ魂で何とか搭乗までは目を開けていたが、座った瞬間に眠気が襲ってきた。
ぐぬぬぬ・・・。 もはやMC5(まぶたがチューする5秒前)だ。 となりのドイツ人らしき若者とハローの挨拶をし、日本時間26:24、離陸を確認してから眠りについた。 Zzz・・・。 「・・・Sir?・・・Sir?」 おう何だT氏、何で英語を話すんだ? 「Sir?」 おわっ夢か! 何ですかドイツ人らしき若者!
あ・・・あぁ飲み物ですか。
ではコーラを・・・。
ウーム、眠すぎる。
もう一度眠らせてもらうよ。
Zzz・・・。
「・・・Sir?・・・Sir?」
おう何ですかドイツ人らしき若者!
あ・・・あぁメシですか。
アルミに巻かれたねっとりチーズたっぷりのチーズサンド。
これは重い。
半分残して、また眠りについた。
次に目が覚めたら、早くも着陸態勢に入っていた。
あぁぁっ!
油断したスキに耳がつまっておる!
あくびをするとバリバリ言うぞ!!
あががが・・・。
眼下にはポルトガルの街の明かりが煌めいている。
これはなかなかキレイなもんだが・・・あががが。
涙ながらに耳抜きをしながら、日本時間29:03、ポルトガル時間21:03、
LH2176便はリスボア国際空港に到着した。
ボアノイテ、ポルトガルのみなさま!
我輩が偽スナフキンならぬ偽スナフカーンである!!
眠れたおかげでオメメもパッチリ。
荷物を受け取り、意気揚々と入国。
さて、リスボア国際空港は、リスボン市内から7キロ程度と素晴らしい立地であるものの、
交通アクセスはバスしかなく、停留所からホテルまではかなり遠い。
そこで選択肢はタクシーとなるわけだか、
ポルトガルには「タクシーバウチャー」というありがたいシステムがある。
観光案内所で行き先を告げ、あらかじめ料金を払っておけば、追加支払いは一切無いというもの。
我輩の宿泊予定であるSenhora do monteまでは18.44ユーロ。
通常、市内までは10ユーロらしいから、若干高めの設定ではあるが、
いくらでもボッタクリたいタクの運ちゃんも、これで我慢しなさい的な値段設定なのであろう。
ひと通りの手続きを終えると、観光案内所のネエちゃんがタクシー乗り場まで連れてってくれ、
1台のタクシーを呼んだ。
降りてきたのは明らかに怪しい運ちゃん。
バウチャーでなかったら、ただちにご勘弁願いたい顔つきだ。
ネエちゃんは早口で行き先を伝え、バウチャーにタクシーのナンバーを控えて、写しをくれた。
「オブリガード」
おぉっ!
この挨拶は昔大河ドラマ織田信長の最後の挨拶で聞いたことがある!
♪人間五十年~・・・
浮かれていたのもつかの間。
やはりこの運ちゃんは要注意人物であった。
疾きことジェットコースターの如し。
アクセル踏みまくり。
車線を変え変え、片側3車線の広い道路を縦横無尽に走り回り、
とにかく恐るべきスピードで走っていく。
何かの3流アクション映画で観たような光景が、視界に広がる。
ぐををっ!!
コレはハンパじゃなく怖ェェッ!!
ギュインギュインとカーブを曲がり、どうやら市街地に入ってきたようだ。
道も狭い。
しかしこの運ちゃんの辞書に、ブレーキという文字は無いらしい。
ひっ 人が出てきたら絶対死ぬ!
頼むから出てこないで!!
キキーッ キキーッ
あぁオイ!!
今隣の車線で事故ってなかったか!?
お前の運転のせいで!!(脅)
景色を見る余裕もなく、脂汗をかきながら足を突っ張り続け、ようやくホテルに着いたのは21:50だった。
ばふぉー。(←タメイキをつく音)
「Have a nice day!」
偽「あ・・・あぁおぉセンキュー。バーイ」
あー膝が笑うわい。
偽「チェックインプリーズ」
何だかチョイワルオヤジみたいなオッサンから色々と説明を受ける。
朝飯は7:00~。
おそらく一度も食うことはないだろう。
通された部屋は、1階の奥。
シングルだと伝えたハズだが、バッチリダブルベッドが置かれていた。
で、チョイワルオヤジはおもむろに窓を開け、サッシを上げた。
そこにはリスボンの夜景。
偽「オー!」
これは思わず感嘆の声もやむなし。
チョイワルオヤジが去るやいなや、すぐさま写真撮影。
遠くにポツンと建っているのは、ブラジルのを模したキリスト像である。
左上に見えているお城は、サン・ジョルジェ城。
まぁ我輩の別邸のようなものだ。
ウーム、余は満足じゃ。
多少金を払った甲斐があったというものだ。
そう、部屋からの夜景すら楽しんでしまおうという魂胆なのだ。
バシバシ写真を撮り、少し出歩いてみる。
本当は木曜(つまり今日)の22:00から闘牛が見れるらしいので、
余裕があったら行くつもりだったのだが、少し無理っぽいので断念した。
まずはホテルから少し坂を上ったところにある、セニョーラ・ド・モンテ展望台。
徒歩3分のこの展望台は、数あるリスボンの展望台の中でもかなりの高所に位置しているらしい。
ナルホド良い眺めだが、部屋からの景色と大差はなかった。 ていうかね、展望台からの景色と我が部屋の景色が同じだ
ということを自慢しているんだよ、我輩は。
察してくれよな。
ノワッハッハッ。
今度は坂を下り、グラサ展望台。
これも徒歩5分ぐらい。
んー、まぁどこもそう大差ない眺めではある。
さて、ユーロ圏では比較的安全と言われているらしいポルトガルであるが、
やはり夜半にブラつくのは多少の緊張感が伴う。
長時間のフライトと、街歩きに疲れてしまったので、初日はこのへんでお開きとすることにした。 Zzz・・・ |