21 九月-
・・・寒い。
寒過ぎる!!
冷房入れたまま寝たらこんなに寒いのか!!
慌てて冷房を切り、服を着込む。
ガタガタブルブル・・・寒ぃ・・・。
しかしガタブルやっとるばやいではない。
今日は万里の長城ツアーの日。
万里の長城は、長城なだけに、当然のことながらいくつも行けるところがあって、
おそらく一番多くの人が行くのは、北京に近い八達嶺。
しかし、せっかく行くのだ。
マイナーな、且つ良いところに行きたい。
そこで、北京から3時間ほどかかる、金山嶺長城と司馬台長城を12キロ歩くというツアーに参加することにした。
これらの長城へ自力で行くには、承徳なりの近場の町からタクシーになるらしく、
1日チャーターすると1万円ぐらい。
しかしこのツアーは5500円とリーズナブル。
普段はツアーなんて御免な我輩も、この効率の良さなら一択だ。
5:50、ホテルに迎えが来て、そこから集合場所へ行き、大型バスで移動。
メンバーはほとんど欧米人の英語ツアーで、説明がイマイチよく分からん。
「チーシャリンアンドシーマタイ(金山嶺と司馬台)・・・チェックポイントがあって・・・
・・・まぁ何とかなるわな。
バスの中ではとにかく爆睡。
途中の休憩で起きた以外は寝続けた。
そして、ようやくチーシャリン(金山嶺長城)のゲートに到着。
まず、完全に登山するか、最初はロープウェーに乗るかを選ぶ。
そりゃあわざわざこんな遠くまで来たんだから、
ロープウェーでしょう!!
歩いたら2キロ距離が増えるなんてまっぴらゴメンよ!
迷わず文明の利器を使わせていただくことにする。
ずぃ~っと登っていくと、見えてくる長城。
マジか~。
こりゃあ本物はすごいや。
見たまえこの峰々に連なる長城を!
これは盛り上がるじゃないか!!
しかし・・・
マジであんなのを行くの?
いやいや、見てごらんよあの傾斜。
どうなっとんねんアレ。
12キロって・・・ゴールはどこなんだろうか。
ムチャクチャに不安だ。
まぁここまで来たら行くしかない。
いよいよ万里の長城に踏み込む。
さすが若干マイナーなポイントだけあって、あまり人がいない。
写真に人が写り込むのが大嫌いな我輩にとっては、最高の長城といえる。
テクテクと歩いていくうちに、同じツアーの日本人と歩くことになった。
どう見ても我輩より若いのに年上。
汗をハンカチで拭う姿がハンカチ王子を彷彿とさせる、
「すごい!」が口癖の「Mr.すごい」である。
最初のうちは、視界に入る万里の長城があまりに素晴らしく、バチバチ写真を撮っていた我輩。
が、予想どおり激しい起伏に、段々とやられていった。
これはですね、足腰があまり強くない人には、本気でオススメしない。
階段がなかなかに急なのと、下り坂がダラダラ続く区間があり、結構ヒザにきた。
また、途中でギブアップできないので、歩き切るか、少しだけ見て折り返すしかない。
写真を撮りながらではあるが、休まずに一生懸命歩いて、バスの時間に丁度ぐらいだった。
ただ、前述の通り観光客が少ないので、静かに歩くことができる。
八達嶺を見てないから単純比較はできないが、かなりオススメである。
風景はこんな感じだ。
ちなみに、ゴール手前に、ワイヤーに引っ掛けたリフトみたいなのに乗って、 一気に川を渡ってショートカットみたいなことができる。
が。
金を徴収してた管理人っぽいオッサンがうさん臭くて、
「ダイジョブ!10年切れてないYO!」
的な感じ。
我輩がやった瞬間に切れない保証はないので、やめておいた。
ゴール地点では、地元の食堂で昼飯。
うどんのようなヤキソバと野菜のバイキング。
ここで、Mr.すごいが言った。
「中国の野菜は農薬まみれなので、野菜用の洗剤があるらしいですよ」
・・・。
そんなことを聞いたら、元々ない食欲が、余計なくなるじゃないか。
しかも、ふと視界に入った食堂の認定証。
びー級・・・?
びー・・・。
結局、全く舌に合わなかったこともあって、半分以上残した。
この後Mr.すごいは便所に行こうとしたのだが、
ドイツ人に「汚すぎて無理だ」 と忠告され、行かずに帰ってきた。
安宿ドミトリーでも平気な、屈強な欧州人バックパッカーにすら無理といわしめる便所・・・。
恐るべし。
しばらく休憩したのち、またバスで北京へ。
我輩を含む疲れ果てたツアー客は、とにかく爆睡。
目覚めたらBeijingに着いていた。
我輩にしては珍しく、今夜は美味いものが食いたい!!的な気分になったので、
Mr.すごいを誘って北京ダックを食いに行くことにした。
値段が手頃そうな、王府井のダック屋に行ってみる。
想定以上に安く、1羽160元。
むしろフカヒレスープが高くて180元。
両方食いたい我々は、北京ダックをハーフにし、チャーハンに焼き菓子をオーダー。
一人250元だから4000円ぐらいか。
まぁこれぐらいなら許容範囲だ。
むしろ、前々日のワンタン、前日のカップ麺という晩飯を足して3日で平均すれば、
決して高い食費ではない。
で、注目の北京ダック。
目の前でこんな風にさばいてくれる。
皮だけを食うのかと思っていたが、ちゃんと肉も食うんだな。
薄い餃子の皮みたいなのに、ネギと一緒に巻いて、春巻のようにしていただく。
これが実に美味かった。
Mr.すごいは、明日も食いたいっ!と、
世界鴨愛護団体から訴えられそうな発言を連発していた。
フカヒレスープも美味くて、ペルーのガーリックスープ以来、久々に満足な海外のディナーだった。
これにてMr.すごいとは別れ、我輩は王府井の夜景を撮り撮り、
宿に帰るなり爆睡した。 Zzz・・・
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