-15 Out
6:30起床。
早朝の写真を撮ろうかと思ったら、空がモヤっていたのでやめた。
ホテルの朝食はビュッフェ。
美味しい。
いつものように、パンとココアと、フルーツ多め。
さ、空港に行きましょう。
海岸通りは、市街向きの一方通行になっていた。
両車線とも、3車線ある道路で、バスがどっちを走っているのか分からなかったが、
適当にビーチ側に立っていたら、フレスコンがやってきた。
手を挙げて停める。
やはり車内は寒い。
リオ・デ・ジャネイロの港や
コロニアルな街並を走り、ガレオン国際空港に到着。
もっとちゃんと見たい街だなぁ。
また訪れることができれば良いな。
その頃には、カメラをぶら下げて歩いても安全な街になっていてほしい。
さて。
今日は、旅の終着点、イグアスへ飛ぶ。
イグアスの滝を見るのが目的だ。
ブラジルとアルゼンチンの丁度国境にあり、それぞれの側から、違う顔を見れるらしい。
今日は、ブラジル側の町に下りて、バスでアルゼンチン側から見に行く予定である。
機内から滝が見えるかも、書いてあるので、窓側に座りたかったが、
通路側しか空いてなかった。
一大観光都市の玄関口にしては、ガレオン国際空港は実にシンプルな空港で、土産屋もろくにない。
遅延の常習犯らしきゴル航空だったが、定刻に離陸。
1時間半で、フォス・ド・イグアスに着陸。
ドルを両替したいのだが、空港なのに両替施設がないとは。
ホテルで替えるか。
市内バスに乗り、バスターミナルへ。
バスは面白い作りで、車輌の真ん中に切符を売る女性が座っていて、
切符を買って、ゲートの奥に進むようになっている。
バスターミナルまでは30分。
ターミナル近くのホテルへ行くのだが、バスターミナルからの道が分からなくて、
切符を売ってる女性に聞いたら、運転手にそのことを言い、
ホテルの前まで乗せていってくれた。
さ、貴重品を置いたらすぐ出なければ。
と、思ったら、セキュリティボックスが開かない。
どうも金を払わなければ使えないようで、
今はマネージャーがいないから暗証番号が分からないと言われた。
なんだよぅ。
しかも両替はツアー会社へ行けと言う。
微妙に間違った地図を渡され、探し回って両替を済ませた時には、14:00になろうとしていた。
これはマズイんじゃないか?
早足でバスターミナルへ行き、アルゼンチン側のプエルト・イグアス行きのバスを待つ。
偽「ここで待ってれば良いの?」
「うむ」
む~地球の歩き方だと、時間結構かかりそうだぞ。
大丈夫か?と、読んでるうちに、バスが一台行った。
「オイ、あれがアルゼンチン行きだぞ」
イカーン!!
走りに走って、信号待ちで捕まえた。
ヌハーッ
準備運動なしの全力疾走は、もう無理な歳なんですが!
車窓から見える道標には、「↑アルゼンチン」の文字。
こういうのを見ると、自分が異国を旅しているんだなぁというのを強く実感する。
やっぱり飛行機では感じられないものだよね。
しばらく走ると、まずブラジル側の国境に到着する。
ここの手続きがイマイチ分からない。
このままアルゼンチンへ旅立つなら、当然ブラジルの出国スタンプが必要だが、
我輩はとんぼ返り。
パラグアイに行く時は日帰りならスタンプいらないって書いてあるけど、アルゼンチンは書いてない。
降りてスタンプもらわなきゃいけないのか?
ダイヤモンド社!
ちゃんと書いておいてくれ!
バスは手続きを待ってくれないようなので、そのままブラジル国境を通過。
川を渡り、アルゼンチン側の国境で、入国審査を受ける。
ブラジルの出国スタンプはいるのか・・・?
「ユーゴーブエノスアイレス?イグアス?」
偽「アイゴートゥーイグアスオンリーディスアフタヌーン」
「オーケー」
バンッ!
ふぅー・・・。
そして、これでめでたく、偽スナフキン、30ヵ国目の入国であります!
ヒュ~ヒュ~ドンドンドンパフパフ~♪
20ヵ国ぐらいなら結構いるから、30を目標にしてきたので、素直に嬉しい。
足掛け5年半。
駆け足での達成だ。
アルゼンチン側では、バスはしばらく待ってくれていたので、同じバスに乗れた。
プエルト・オルダスは、ブラジル側のフォス・ド・イグアスとは全く雰囲気が違う町で、
赤土の道路にレトロな建物が並び、とても我輩が好きな町に見える。
フォス・ド・イグアスじゃなくて、こっち宿泊にできれば良かったのう。
バスターミナルでイグアス国立公園行きに乗り換え。
時間的にかなりヤバイな・・・。
こうなったら、何とかメインの滝だけでも・・・。
ターミナルから国立公園までは約30分。
入口付近で、入園料を支払わねばならないらしく、
降りて払おうとしたら、アルゼンチンペソじゃなきゃダメだと言う。
ないと言ったら、キャッシングしろとATMを指差すのみ。
バスの運ちゃんは急かすし、焦ってATMに行ったら、ポルトガル語表示!!
チケット売りの兄ちゃんを呼び、言われるがままに画面を進み、念のため200ペソスを借金。
クーッ相変わらず外国に来ると借金しています!
70ペソス支払い、国立公園入口にたどり着いた時には、16:30を過ぎていた。
まだ見れるのか!?
アルゼンチン側のハイライトは、
イグアス最大の滝、悪魔ののどぶえを、滝壺の上から見るというもの。
トロッコで近くまで行くことになるが、30分ごとの運転。
滝まで20分。
閉園時間は何時だ?
ヌーッ 17:00のトロッコしかないってか!
ヤバイんじゃないか!?
ブラジル行きの最終バスが19:30、しかもさっきのバスターミナルからだ。
ヤバイんじゃないか!?
まぁ焦っても仕方ない。
気を静めて待っていると、トロッコがゴトゴトやってきた。
大量に降りる客に対して、乗るのは4人だけ。
17:00、ゆるりとトロッコは走りだし、中間駅に到着。
入口で買ったポンチョを準備し、5DMK2をウォータープルーフに入れ、戦闘態勢整った我輩であった。
が、しかし。
だがしかし。
「はい、降りて下さいね」
偽「クローズ?」
「イエス」
ガッデム!!
まだ滝の「た」の字も見えてねぇよ!!
遥々ブラジルからやってきたってのに!!
遊歩道も至る所がクローズ。
それもそのはず、閉園時間は18:00なのだ。
ガックリ。
ポンチョ買ってトロッコに乗っただけかYO!
涙にくれつつトロッコを降り、出口までの遊歩道を歩く。
この国立公園は、沢山の鳥が見えることでも有名。
珍しいインコだけでも・・・と思ったが、それも見えず、
本当に借金してポンチョ買ってトロッコに乗っただけで、ブラジルへ帰ることになってしまった。
明日の朝、ブラジル側の眺めに期待するしかない・・・。
自分を信じよう。
帰りのバスは疲れて寝過ごし、終点から折り返してバスターミナルで下車。
フォス・ド・イグアス行きのバスに乗る。
アルゼンチン側の国境で出国審査を受け、ブラジル側へ。
降りなきゃいけないのかなぁ・・・と、思って周りを見ていたら、
日本のらしきパスポートを持った女性が降りるのが見えた。
降りるのか!!
慌ててバスを降りて入国審査。
昼間出国スタンプもらわずにアルゼンチンに行ったからなぁ・・・
大丈夫?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
「これからブラジルへ行くの?」
偽「えぇそりゃあもう」
「オーケー」
バスンッ
ふぉーっ。
何とか無事に帰ってこれた・・・。
さっきの女性がバス停に立っていたので、我輩にしては珍しく、少し話をしてみた。
会社を退職して、3ヵ月間世界中を旅してらっしゃるとのこと。
良いなぁ。
羨ましいッ!!
ユースホステルに近い、世界のMの停留所で降りるとおっしゃるので、
ブラジルの世界のMを征服すべく、我輩も下車。
世界のMへお誘いし、いつもの如くビックマックをオーダー。
「世界中の世界のMへ行って、何でご当地メニューじゃなくてビックマックなんですか?」
・・・!!
確かにおっしゃる通り・・・。
ぐぅの音も出ねぇっス。
いつもの味のビックマックに舌鼓を打ち、しばし談笑。
これから、イースター島とマチュピチュに行くそうな。
クスコでの酸欠の教訓をお伝えし、我輩は旅の話を聞かせてもらった。
会社を退職した人って、本当に良い顔で笑うよねぇ。
今会社を辞めたら、笑って旅できるだろうか・・・。
絶対無理だな。
重ね重ね羨ましく思った。
で、あちらはユースホステルへ、我輩はホテルへ帰った。
ベッドで寝るのは、これがこの旅最後。
あとは、また丸2日かけて帰るのみだ。
荷物を片付け、早々に休むこととした。
Zzz・・・
-16 Out
翌朝6:30起床。
顔を洗って最後の荷物の片付けを済ませる。
今日は日本へ帰り始める日だ。
フォス・ド・イグアスの空港へ行く時間を考えると、12:00にはホテルに帰ってくる必要がある。
朝イチからの行動あるのみだ。
国立公園の開園時間に合わせ、8:00のバスに乗るべくチェックアウト。
超曇天。
マジか・・・。
一気に下がるテンションを、何とか再燃させようとしたが、それは無理ってなもんです。
なぜなら、綺麗な写真が撮れないからさ。
バスターミナルからブラジル側イグアス国立公園へは、約40分。
チケット売り場は9:00からで、結構待ってチケットを購入。
「どこから来ましたか?」
偽「日本から来たフェデリコである」
変なことを聞くなぁと思ったら、
入口では日本語で挨拶をしてくれた。
チケットに国名が印字してあるのだ。
粋な計らいである。
ブラジル側は、トロッコではなくバスで移動する。
大体、途中の停留所で降りて、最後に悪魔ののどぶえを見に行くというのが
推奨ルートらしいが、我輩には時間がない。
まず一気に悪魔ののどぶえまで行って、余った時間で遊歩道を歩くことにする。
バスを降りると、もうそこは展望台。
おー。
凄い水量だ。
それもそのはず、今は水量が多いベストシーズン。
豪快な滝が・・・。
豪快すぎてろくに見えん。(T_T)
何じゃコレ。
一眼レフ、ウォータープルーフに入れてきて正解だったよ。
昨日見れなかったアルゼンチン側は、
悪魔ののどぶえを上から見下ろせるのだが、
ブラジル側は、滝壺に作られた遊歩道から、イグアスの滝を一望できる。
さっそく遊歩道を下りていく。
むをーっ凄い水煙りだ。
シャワーじゃないか。
クソーッ雨のせいで水量増えてんじゃないの!?
悪魔ののどぶえが見えないぞ!
意を決して何度かウォータープルーフのレンズカバーを外して撮る。
すぐに水滴だらけになるので、レンズを拭いては撮り、拭いては撮り。
ヌーッ これが限界か!!
疲れてしまったので、いい加減遊歩道を戻る。
対岸はアルゼンチン。
昨日あそこに行けていればなぁ・・・。
バチコンバチコン撮りまくり、さすがに帰らねばならない時間になった。
無念イグアス、2日間でろくな写真を撮れなかったよ。
ホテルに帰って荷物を受け取り、さぁいよいよ帰国だ。
フォス・ド・イグアス→サンパウロ→ニューヨーク→関空。
丸2日の移動となる。
全部窓側をリクエストしたら、サンパウロから先はサンパウロで言え、とのこと。
荷物は関空までダイレクト・・・らしいが、本当か?
小さな空港のロビーでサンドイッチを食う。
よく考えたら、リオで朝飯食って以来、世界のMしか食ってないな。
何でコレで痩せないのだろう。
結構歩いていると思うのだけど。
まずはサンパウロへのフライト。
窓側だったが、期待したイグアスの滝は見えなかった。
サンパウロへはすぐに到着。
もはや、1時間半なんて、一瞬の感覚である。
ここで5時間の、余裕たっぷりなトランジット。
あとの乗り継ぎは全く余裕がないので、お買物はここしかないわけで。
とりあえずブラジルレアルをドルに再両替し、空港内をぶらついてからデルタ航空のチェックイン。
「あー、英語分かりますか?あなたはニューヨークで荷物をピックアップしなければならない。
偽「あーえーうん。ピックアップしてどうするの?またチェックイン?1時間しかないけど十分なの?」
「トランジットのベルトに乗せるだけだから大丈夫」
偽「はい。右側の窓側で、羽根の上じゃなければさらにグッド。写真撮りたいから」
「オーライ(ニッコリ)」
初めて具体的にリクエストしてみたけど、これからはこうしてみよう。
どうせ乗ったらすぐメシなんだけど、どうせならちゃんと食いたいものが食いたい、とふと思ったら、
目の前にピザーラが。
食お♪
ブラジレイラという超チーズィなピザをオーダー。
・・・このへんに、いつもろくにメシ食ってないのに痩せて帰れない答えがありそうだな。
満腹になって出国手続き。
EXIT BRASILのスタンプが静かに押される。
旅の終わりを宣告される時は、いつも悲しくもあり、ホッとした気分にもなる。
ブラジルといえば、ボッサだろ、とブラジルミュージックのCDをしっかり買い、
いつものことながら、馬鹿馬鹿しいなぁと思いながら、
安くて量の多いチョコレートを会社の土産に買った。
馬鹿馬鹿しくても、買わなきゃならないサラリーマンの、悲しいサガだ。
深夜22:40、ニューヨーク行きは、無事定刻に離陸。
サンパウロ、グアルーリャス空港は、世界でもトップクラスに遅延する空港と聞いていたので、かなりホッとした。
隣の席が空いていたので、これまたゆったりできると思ったら、
なぜか後ろの男が隣に座っても良いかと移ってきた。
別に良いけど、何が違うの。
しかも君、ゲホゲホと。
風邪かよ。
「水曜から調子が悪くてね」
こじらせてるやんけ!!
無駄に移動してこられると、変に警戒してしまうよ。
まぁ寝るけどさ・・・。
深夜。
ベネズエラに差し掛かり、窓を開けると、
眼下には月明かりに照らされたアマゾンの大河と、稲光が光る雷雲があった。
カナイマでの2夜を思い出した。
雨の音、雷の光、ネズミの目、そして・・・フマキラーのニオイ。
あの夜はもう来ないのだな・・・。
翌朝早く、メシで起床。
NYといえば自由の女神!
どこにあるの!?
目を皿にしたが見つからず。
ちっ、また見に来なければならんか・・・。
ニューヨークには定刻着。
時間がないぞ!
しかし入国審査場が混んでいて、全く進まない。
クソーッ乗り継ぎの時間ないんですけど!!
ガッツリ並ばされて、焦りまくってターンテーブルからスーツケースをピックアップ。
「君の目的地は?」
偽「シアトル経由で大阪!」
「そこに置きなさい」
偽「ここ?ここで良いんだな?」
「そうそう」
ガシャッ あとはよろしく!
タタタッ・・・む。
をおおおおおぉをおっ
これは・・・これこそ我輩がちゃんとした写真集を作るにあたって、扉に欲しかった写真ですよ!!
最後の最後に、神が降りてきてくれました!!
バチコンッ
ヨッシャキタコレ!!
ほくほく顔で走ってゲートに行ったら、まだ搭乗前だった。
良かったー・・・さぁ少ない時間で買い物だ!
NYといえば、ゴスペル?
しかしそんなCDはなく、サンフランシスコの地図を買って、ゲートに戻ったら、もう誰もいないし!
相当焦ったぞ!!
すいませんっぷり全開でシアトル行きに乗り込む。
さ・・・いよいよ今回の旅行記もフィナーレである。
シアトル経由だし、まだまだ道のりは長い。
何枚か写真も撮るだろう。
しかし、もはや先ほどの写真で満足だ。
素晴らしい一枚だったよ。
では、そろそろ〆ますか。
遅延しなかった全ての航空会社、ありがとう。
おかげで旅が満喫できたよ。
色々わがままを聞いてチケット手配をしてくれた旅行社のT橋様、ありがとうございました。
そして、今回の旅で出会った全てのマイフレンズ、ありがとう。
フェデリコの名前、大切にするよ。
またどこかで会おうね。
-関空にて
偽「あのー、スーツケースがないんですが」
「申し訳ございません。シアトルから成田へ行ってしまったようで・・・」
ふっ。(´・ω・`)
<完>
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第一話 前書き~サンフランシスコ 第二話 サンフランシスコ~ギアナ高地カナイマ |