-13 Ocu

蒸し暑くて目が覚めた。

まだ1:00を少し回った時間。

外は凄い雷雨で、真っ暗な部屋が時折真っ白に光る。

まぁ・・・雨が降ってるから、すぐに冷えるでしょ・・・。

Zzz・・・

ガサガサッガサガサガサガサッ・・・

む。

ビニール袋がガサガサいうほど風は吹き込んでないぞ・・・?

ガサガサッガサガサガサガサッ・・・

イグアナかッ!?

枕元のライトでそばの棚をフラッシュ!!

・・・気のせいか?

と思ったら、顔を出したのはネズミ。

ぬをっ。

コレ・・・コレどうすんの?

ライトあてたら、光の方に向かってきたりするの!?

完全停止した頭でライトをあてたまま固まっていたら、壁伝いに走り出した。

おい待て!

そっちには一眼レフ・・・には興味なしか。

そしてコテージ到着時に懸念したドアの隙間から出ていった。

やはりそこか!!

まぁ出ていったならよかろう・・・。

そうか、あのビニール袋にはクッキーと飴が入れっぱなしだったな・・・。

ちっ。

Zzz・・・




















いや。

気になるぞ。

フラッシュ!!
















ッ!!

ライトが再び逃げるミッキーマウスの尻尾を捕えた。

コレはイカン。

雨宿りしたいのは分かるが、ベッドに来られたらヤバイ。

慌てて、マットを隙間に詰め込む。

クッキーは外に出しておいてあげようか迷ったが、

餌付けすると、後に泊まる人に悪いし、ミッキーマウスのためにもならないのでやめた。

これで安心だ。

Zzz・・・





















む、まだ3:30か。

普段睡眠時間が短いから、何度も起きてしまうぞ。

雨が止んで、また虫の声が聞こえる。

静かな夜だ・・・Zzz・・・。

起きたのは6:30。

テプイの朝焼けを見るために早起きの予定だったんだがな。

まぁ曇ってるし、大したものは見れなかっただろう。

朝飯は、ベネズエラ料理のサンドイッチみたいなもの。

コーンのバンズを上下にカットし、間にハムやらチーズやらを挟んで食う。

ベネズエラはトウモロコシの生産量が多いのか?

ちなみに、スイートコーンのような味ではないので、

とてもモッサリしており、これまた舌には合わなかったが、ホットココアは実に美味かった。

帰り支度をして、最後にウカイマロッジの写真を撮り歩く。

出発は、みんなと一緒。

みんなはプロペラ機で山へ行ってトレッキングするらしい。

そういうメニューがあるのは聞いてないな。

そういえば、猪木が見せてくれた写真に、山を登ってる写真があった。

滞在を延ばせばそういうプランを現地で頼むことができるのだろう。

トラックに揺られて飛行場に向かう。

何だか我輩が元気なさそうに見えるらしく、みんなが声を掛けてくれる。

いやいや、我輩は湿っぽいのは嫌なのよ。

飛行場では来た時に迎えてくれたガイドが待っていた。

「カナイマはどうだった?
 そうか満足したかい。ところで、名前変えたんだって?
 フェデリコ!ハッハッグッドネーム!」

そうか、ベネズエラ通貨はどうせ再両替はできないのだから、

記念分以外は使っとくかってことで、土産を買いあさった。

50ドル全然使わなかったから、ここに投入した。

土産屋のおばちゃんは良い客を捕まえたね。

「フェデリコ!」

ガイドの声だ。

さて・・・と立ち上がると、後ろからも「フェデリコ!」 の声。

ツアーのみんなが歩み寄ってくる。

何とベネズエラ夫は涙ぐんでいるではないか。

ぬっく・・・しかし我輩は泣かんぞ。

みんなと握手してさようなら。

偽「See you my friends!」

ガイドに連れられてプロペラ機に歩く間も、しっかり手を振った。

「フェデリコ、大きい飛行機だと思ったら小さいのだったよ。
 また君はスペシャルシート(助手席)だ!」

そ・・・そうかい。

おぉ・・・このプロペラ機はガラスがメチャクチャ綺麗じゃないか。

これで遊覧飛行をしてくれよ・・・。

ぶるん・・・ぶるん・・・ぶるるるるっ

あぁさようならカナイマ。

カナイマのフレンズ。

ぶるる~ん・・・。

チクショウッこのプロペラ機ガラスが綺麗すぎるよ。

カナイマの村が美しく見えるじゃないか。

何でこのプロペラ機で遊覧飛行に連れていってくれなかったんだ。

チクショウッ・・・。

そう、我輩はガラスが綺麗なのが悔しくて涙が出たのさ。

そうに違いない。

〈完〉


























違~う。

ギアナ高地というメインディッシュは終わったけど、まだデザートが残っている。

今日は来たのと同じルートでカラカスへ戻り、

リマ、サンパウロと乗り継いで、次なる目的地、リオ・デ・ジャネイロに向かう。

到着は明日の昼前。

今朝、ツアーのみんなにこの話をしたら、

話を聞くだけでゲンナリ・・・という顔をしていた。(苦笑)

ブラジルへは、イグアスの滝を見に行くわけだが、

イグアスは田舎なので、カラカスからの直行はない。

そこで、ブラジルの主要都市・・・というか、

サンパウロかリオ・デ・ジャネイロを経由することになる。

で、どうせ立ち寄るなら、風光明媚なリオ・デ・ジャネイロの景色が見たい。

またしてもアレコレと旅行社にワガママを言って、

リオ・デ・ジャネイロ経由のルートを組んでもらったのだ。

元々は、カラカスからリオ・デ・ジャネイロへ直行の予定だったのだが、

その直行便がキャンセルになってしまった。

で、カラカス→リマ→リオ・デ・ジャネイロのルートに組み直してもらったところ、

出発1週間前になって、カラカスのトランジットに余裕をもってくれ、という話になり、

カラカス→リマ→サンパウロ→リオ・デ・ジャネイロのルートとなったのだ。

南米大陸を一晩のうちにジグザグに飛び回ることになるわけだ。

まるでどこかの社長のようだが、

社長なら飛び回らずに何とかするだろうから、

やはり我輩は一兵卒なのだ。

プロペラ機は無事にプエルト・オルダスに到着。

ここからカラカスへの国内線が、最近大幅に遅延しているらしく、

カラカス→リマへのトランジット時間は、当初の3時間から5時間に変更され、

結果的にリマ→リオ・デ・ジャネイロの直行便に間に合わず、

サンパウロへワンクッション立ち寄ることになったのだ。

案の定、カラカス行きの便は、Delay。

トランジットに余裕をもったのは正解だな。

5時間もあれば、さすがに焦ることはない。

遅れて当然の風体でやってきたアセルカ航空機。

機内の態度の悪さも抜群だった。

日本人ツアー客が、荷物を棚に上げるのを手伝ってくれと頼んでも、

ゆっくりと首を横に振るキャビンアテンダント。

さすがにこういうのは見たことないな。

どこかで見たことある顔だな~と思ったら、和田アキ子だ。

和田アキ子に似ているのだよ。

なかなかにナメた航空会社であった。

カラカスへは割と早く着いた。

初めの予定だったリマ行きにも間に合う時間だ。

というわけで、5時間のトランジットタイム。

とはいえ、市内観光する時間はないので、おとなしく空港待機となる。

ちゃんと待っていてくれたガイドと合流し、分けて持っていった荷物をスーツケースに押し込む。

クリーニング屋のマイバッグはガイドにプレゼントだ(押し付け)。

良かったね。

残った通貨も、我輩には使い道がないから、プレゼント。

500円ぐらいだけど。

良かったね。

ガイドは来年日本に来るらしい。

築地で寿司が食いたいと言うので、かっぱ寿司にしておけとアドバイスしておいた。

くれぐれも時価に気をつけろと。

かくいう我輩は、内定をもらった日、レガ氏と晩飯に寿司を食い、出てきた値段に目玉が飛び出た。

冷静にお支払いするレガ氏を尊敬の眼差しで見た記憶があるよ・・・。

時価って、要はボッタクリますからヨロシクって意味だよね。

で、チェックインして、搭乗までロビー待機。

カナイマでの健康的な生活のおかげで全然眠くならず、ろくに店もないロビーは苦痛だった。

外が暗くなって、ようやく搭乗が始まった。

LANチリ航空リマ行き。

日本の団体客も、リマ→サンフランシスコ経由で帰るようだ。

カラカスの不便さが漂うな。

リマってちゃんと観光してみたい所ではあるんだよね。

観光っていうか、写真を撮りたいという方が正しいか。

旧市街のメインどころをちゃちゃっと連れていってはもらったから、

また写真を撮るためだけに地球の裏側まで来るのもなぁ・・・と思うから、実現可能性はほぼゼロだけど。

こんなこと思ってると、意外にヒマな神様がリマで足止めしてくれそうだから、今は忘れよう。

乗ってすぐに爆睡し、メシも飲み物も抜き。

小腹が空いていた我輩は、少々後悔した。

リマには22:00過ぎに到着。

何だか花火が上がっている。

めでたい日なんだろうか。

サンパウロ行きへのトランジット時間は2時間。

2年前に来たときは、Delay騒ぎで土産もろくに買えなかったので、2年越しのお買い物。

インカの伝統音楽CDを買わなくて後悔していたので、ここでしっかり穴埋めした。

サンパウロ行きは25:20発。

本日リマから飛び立つ最後の飛行機だ。

サンパウロには、翌朝8:30の到着予定。

搭乗前に、ブラジルビザの検査があった。

出発間際、ギリギリに取得したビザだ。

顔写真付き。

こういうビザが沢山パスポートに貼ってあると、箔が付いて嬉しい小市民偽スナフキンである。

いよいよブラジルへ行くのか。

ブラジルには、変な憧れのようなものがある。

幼少の頃、というか、小学校5年まで、我輩は夏といえば三重県鳥羽へ連れられていたのであるが、

そこに「ぶらじる丸」という、商船三井の移民船が係留されていた。

鳥羽に行ったら水族館とぶらじる丸というのがお気に入りルートで、

何度となく乗り込んでは見学して歩き、客室なんかを見ては、この船でブラジルに行ってみたいと

子供ながらに思ったものだったのである。

・・・オレ様にだってそんな純粋な頃があったのさ。

離陸後、すぐに機内食を配りに来た。

「食事いりますか?」

偽「いります!飲み物は、インカコーラね!」

メシをがっついたら、即熟睡。

起きたらもうすぐサンパウロだった。

サンパウロは、南米最大の都市。

翼くんがFCバルセロナの前に所属していたのがFCサンパウロだね。

レナートがカルロスのミラージュシュートを止められなくてさぁ・・・。

あぁいや、こっちの話だったよ。

サンパウロからイグアスへ向かえば楽なのだけど、

ブラジルまで来てリオ・デ・ジャネイロの景色を見ないわけにはいかない。

なわけで、すぐのトランジットで国内線のリオ・デ・ジャネイロ行きに乗らねばならないのだが、

入国審査と荷物のピックアップがあって、かなりギリギリだった。

残念ながら通路側。

リオ・デ・ジャネイロの街を空から見れるかもと期待していただけに、残念だ。

チョコレートをもらってすぐに眠った。

リオ・デ・ジャネイロまでは、1時間。

サンパウロで入国したのに、また入国審査に並ばされ、無駄に時間を消費してしまった。

さてと。

リオ・デ・ジャネイロだ。

気合いを入れ直す。

何しろ危険都市の常連だからな。

我輩のスーツケースは、ターンテーブルから出てきた最初の荷物だった。

珍しい。

ドアを出たところで両替え。

あとで計算したら、凄くレートが悪かった。

振り向くと、タクシー屋ブースの黒人のネエちゃん達が、指をくねらせながら、

「タァクシスイ~?」 とやっている。

我輩はバスなので無視。

フレスコンというエアコン付のバスで、ホテルの傍まで行けるらしいのだ。

フレスコンの乗り場はすぐに見つかって、さほど待たずに乗れた。

・・・のは良いのだが。

ホテルの地図をプリントアウトしてくるの忘れた!!

ヤバイ。

地球の歩き方には載ってないホテルにしたんだよ。

掲載されているホテルの住所から当たりをつけて、あとは目視するしかない。

荷物引いて歩くのが怖いから、わざわざバス道沿いにしたのに。

チッ。

バスはリオ・デ・ジャネイロ北部にある空港から、

ダウンタウンを抜けて旧市街、新市街と、ノロノロ走る。

車窓は、見るからにワーカーの町が終わると、

コロニアルな建物が並ぶ旧市街

そして近代的なビルへとゆっくり変わっていく。

道路混み過ぎだぞ。

まぁおかげで景色が見れるのだが。

新市街のトンネルを抜けると、ビーチに出る。

長さ4キロのコパカバーナビーチだ。

バスは海岸道路を走っていく。

そろそろかな・・・あれか!!

停めてー!

結構走ってから停まった。

スーツケースを引きずり、ホテルにチェックイン。

コパカバーナビーチ沿いだが、あまり高くないホテル。

他と☆1つ分ぐらい値段が違うが、部屋はかなり綺麗で、豪華すぎるぐらいだ。

貴重品を全てセキュリティボックスに入れて、まずはひと安心。

カメラを持って外へ出る前に屋上へ。

このホテルにしたのは、バス道沿いで安全そうってのと、もう1つは、屋上にテラスがあること。

見ろ、まさに想定どおり、コパカバーナビーチが一望できるぞ♪

上から一望したら、同じ高さへ。

砂がサラッサラで歩きづらい

みんな遊んでるけど、まだ寒いんじゃないの?

水着だらけの中を、ハイネックの長袖にジーパン、

ティンバーランドのゴツイ靴で浮きまくる我輩。

写真だけ撮ってオサラバした。

早くリオ観光に行かねば。

では、長くなってきたので、リオ観光はまた次回。

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第一話 前書き~サンフランシスコ  第二話 サンフランシスコ~ギアナ高地カナイマ

第三話 ギアナ高地カナイマ初日  第四話 ギアナ高地エンジェルフォールツアー

第五話 さらばギアナ高地  第六話 リオ・デ・ジャネイ

第七話 イグアス~帰国 旅行記選択ページへ  TOPへ