-第二話あらすじ
ようやく今回の旅のメイン、ギアナ高地のカナイマに到着した偽スナフキン。
到着してすぐに乗り込んだ遊覧飛行のプロペラ機で割り当てられたのは、
ガラスが汚い上に視界の狭い助手席であった・・・。
ブルンブルンとプロペラが回ってテイクオフ。
助手席といっても、前は見えないんだ。
座高が足りなくて。
背伸びして見ようと思ったけど、揺れて怖いからやめた。
切り立った崖のような山(こういうテーブルマウンテンを、テプイという)に沿って、
プロペラ機は飛んでいく。
その間にも我輩は、来たるべき時に備えて、カメラの設定。
うーむ、予想よりは揺れないけど、ガラスの汚れにピントがあったりしてしまう。
おまけに羽根を支える棒が邪魔で視界が狭いんだよ!!
引っこ抜いたろか!!(怒)
しばらく飛んでいくと、パイロットが、前方を指差した。
む!
いよいよか!
まだ心の準備がっ・・・。
おぉ~・・・コレっスか。
アウヤンテプイ(悪魔の山)から流れ落ちるエンジェルフォールだ。
滝の全景が見えるよ!
これでも高さ979メートルで世界一の落差なんだとさ。
下に落ちるまでに霧になってしまうから、滝つぼのない滝なのである。
む~晴れ渡っているのも良いけど、
若干は雲がないと、高さが分からんな・・・。
おっと、撮らねば。
あ~っとしかし視界が狭い!
視界が狭いです!
ガラスも汚いッ
偽スナフキン四面楚歌!
クマカカカカカッ
どうやって撮るんだ!!
ピントあってんのか!?
このシャッタースピードでブレないの!?
えぇ~いままよ!!
バチコンバチコンバチコンッ
ぶるるる~ん・・・。
次は左側に見せるのか?
何、よけてやるから撮れってか!?
いやいや、アンタそんなこと良いから、前向いて操縦してくれッ!!
チィィッままよ!!
バチコンッバチコンバチコンバチコンッ
ぶるるる~ん・・・
何だまた行ってくれんのか!
きょえ~~~ッ
ぶるるる~ん・・・。
終わった・・・。 一体何枚まともに撮れたのか・・・。 何にしても、このガラスではレタッチしないと無理だろうな・・・。 さて・・・酔ったよ。 かなり気持ち悪い。 もう降ろしてくれ。
わ~木がまるで絨毯のようだよ。
カラオ川の北側(写真の上側)は、地球の歩き方によれば、
先住民族が昔からの生活を送っており、観光客の侵入は許されていないそうである。
・・・早く着いてくれ!!
あぁ空港が見えた。
しかし油断してはならない。
ガキの頃吐きまくった我輩が断言しよう。
一番吐く危険があるのは、
そんなわけで、地面に降り立つまで気を張り続けたのだった。
「やぁどうだった?
そ・・・そうなのかい。
確かに滝へのアプローチ具合は完璧だったよ。
さて、現地のガイドをしてくれる男(以下猪木)に連れられて、ホテルに向かう。
ではまず、今回の拠点となるカナイマの地図を見てくれ。
いくつかのホテルは、カナイマのラグーン(右下ね)沿いにあり、
中にはプライベートビーチのあるロッジもある。
我輩が最初に打診されたのはそのうちの1つだったが、
我輩のホテルは、カナイマ村から少し離れた、ウカイマというところにあるウカイマロッジ。
少ない情報を確認したところ、ウカイマロッジは景色が良さそうだったのだ。
1万円の差なら、我輩は景色を選ぶ。
それに、ラグーンの周りは虫が多そうだしな。
ほら、川沿いなら水が流れているけど、ラグーンは水が停滞するからね。
で。
まず、ラグーンに流れ落ちる滝を眺める展望台に寄る。
カラオ川の水は、何だかよく分からないが、
木の成分だかが染み出していて、コーラ色なのだ。
もちろんコーラの味はしないけどな。
猪木は、我輩がバチコンバチコン写真を撮っているのを見て、
我輩が写真好きであることを理解してくれたようだ。
今日も明日もグッドピクチャーが撮れるところに案内してくれるらしい。
嬉しいね。
ウカイマロッジへは、ボートで上陸する。
味のある展開じゃないか。
少し休憩して、ランチを食ったら今日のツアーに出発だと。
部屋はコテージ。
川沿いで、素晴らしいロケーションだ。
荷物を片付けてベッドで横になっていると、ポツポツと雨が降りだした。
屋根にあたる雨音を聞きながら窓の外をぼーっと見ていたら、
何かが木の枝から落ちた。
ドスッという重量感のある音。
何だか長い尻尾が見えたぞ・・・と、外を見てみると・・・。
いぐあな。
(((; ゜Д゜)))ガクガクブルブル
なんじゃありゃ!
恐竜ちゃうんか!!
こっこれは・・・。
ハッとドアを見ると、下には少しながら、しかししっかりと隙間がある。
こんなの入ってきたら排除できねぇよ!
ま・・・まぁ・・・入ってきたら考えよう・・・。
改めて、心静かに横になる。
屋根を叩く雨音に、ザァーっと流れる川の音、時折吹く風・・・
に乗って香るフマキラーのニオイ。
自然の中にいるんだなぁ・・・。
最強に心地よく眠りに落ちた。
寝不足だった我輩はスッカリメシの時間を寝過ごし、みんなに遅れてランチを出してもらったのだった。
雨がやむと青空が一気に広がり、素晴らしい眺めだ。
ロッジからテプイが見える。
良い部屋に泊まれたものだ。
昼からのツアーは、サポツアー。
サポってのは滝の名前で、ラグーンの周りにある滝の裏側を歩いたりするそうな。
濡れるので、水着と濡れても良い服を持ってこいとは書いてあったが、
靴までは思いが及ばなかった。
一眼レフのウォータープルーフまで持ってきたのに。(苦笑)
やむなし。
中敷きだけは抜いて、後で乾かそう。
ツアー参加は、ベネズエラ夫妻とどこかの人(忘れた)。
みんなスペイン語が共通語(猪木はスペイン人)。
猪木とベネズエラ夫が英語を話せるので、
通訳してもらうか、我輩がよく分からずにニコニコ聞く展開になりそうだ。
こういう時に思うのだ。
日本語なんて無ければ良かったのにと。
そしたら英語では普通に話ができただろうにな。
まずはラグーンまで戻り、
カナイマのシンボルである3本のヤシの木を見る。
ロッジのプライベートビーチの近所なので、泳いでる人がいた。
無論、写らないように撮影。
ここからボートで対岸に渡る。
滝に虹が架かり、なかなかに綺麗だ。
ぐをっしぶきが!
このカメラ一応防塵防滴らしいけど、大丈夫なのか!?
しぶきは「滴」の範疇なの!?
頼むぞ5DMK2!
早くもビタビタになってから、対岸をトレッキングで滝の裏へ。
ぬおー、ホントに濡れそうだ。
っていうか、水浴びだ。
一眼レフをウォータープルーフに入れて、とにかく撮ってみる。
ちょっとケラレるけど、思ったより撮れるね。
この日のために買ったようなものだからな。
水が入らないことだけちゃんと確認して、ビシバシ撮りまくることにした。
滝の裏を歩いては丘の上に出て、また下りては滝の裏を歩くという繰り返し。
おかげ様で、今どこの滝にいるのかは分からずじまいだった。
2回目に丘の上に出た時に雨が降りだした。
もうビタビタだしカメラはウォータープルーフの中だし、別に降っても構わないが、寒い。
滝の水もちょっと冷たくなってきた。
「すぐにやむよ。じゃあまた撮ってあげよう。
猪木も写真好きのようだ。
昼に、カナイマの写真を見せてくれた時から、写真好きなのかなぁとは思っていたけどね。
5DMK2を知っているみたいだし。
まぁ写真好きなら、撮りたくなるカメラだとは思うよ。
これは別に上から目線の話じゃなくて。
逆の立場だったら触りたいもんな。
バチコンバチコンと写真を撮りつ撮られつ、トレッキングは進む。
くそー、雨がエグイ。
眼鏡っ子偽スナフキンにはツライ状況だ。
何だか雨に降られながら重いカメラを下げて歩いてる状況が笑えてきた。
偽「ハハハッ It's a fine day!」
みんなも我輩のザマが笑えたのか、一同爆笑であった。
これは地球上でギアナにしかない岩だ、
とか色々解説してもらいながら、また丘に登る。
そして最後の滝へ行った時には日が落ちそうになっていた。
満喫し過ぎなツアーだなこりゃ。
ロッジに戻り、着替えてメシ・・・のハズが、また眠りこけてしまい、猪木が呼びに来た。
どうも宿泊客は我々だけなので、みんなで一緒に食ってくれという話らしい。
それは失礼。
普段ディナーをろくに食わない我輩は、
ホントに腹が減っていなくて、もっと食えと言われながらも、少しだけでごちそうさま。
明日の予定を聞いて、少し雑談。
まぁみんながスペイン語で話をしているのを聞きながら、
たまに振られる質問に答えただけだけどね。
話をしているうちに、ピカピカと空が光りだし、すごい雨降りになった。
それを合図に解散。
パラソルを片手にコテージに戻り、デジカメのバッテリーを充電して横になる。
・・・。
Zzz・・・ |
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