前々から書いてきた通り、
当初我輩が海外最初の一歩を踏み出すのは、 11月の「シャルル・ド・ゴール空港INおフランス」の予定であった。 ところが、実は今年のGWは、 休みの取り方によっては大型連休になることが判明した。 海外にだって行ける。 時は3月末。 海外に持って行く物なんて歯ブラシ以外持ち合わせていなかった我輩は、 海外見送りやむなしと思っていた。 いや待て。 またしてもワールドデビューのチャンスを逃すのか? 思えば、国内の敵は一度打ち倒した者ばかり。 国内に敵無しとなれば、 海外の猛者どもに挑むべし。(燃) ともすれば国内の弱い者イジメに走りそうな自分を奮い立たせ、 急遽世界に挑むこととなった。 ターゲットにしたのは、やはりヨーロッパ。 「情熱の国イタリィ」と「ハイジの故郷スイッツァーランド」 しかし、いずれも既にツアーの空きは無く、 一時はオーストラリアに行くことになりかけた。 だがやはりヨーロッパへの希望は捨てきれず、 やっとこ見つけたUKツアーに申し込んだのである。 せっかく中部国際空港がオープンしたというのに、 ツアーの関係上、出発は関西国際空港となってしまったため、 出発前日実家に帰って、 朝イチの電車で関西国際空港へと向かうことになったのである。 会社から飛ぶように実家に帰り、 教寧氏、Shimo氏と会食をして、荷物の準備が終わったのは0:00過ぎ。 起床予定は4:30。 すでに気合いが入り過ぎ、イレ込みの激しい偽スナフキンは ギンギンに目が冴えていた。 水曜どうでしょうを観ながらボーっとしていたら、2:00過ぎになってようやく寝れた。 そして4:30に起床し、一番電車で関西国際空港へと向かったのである。 予定では天王寺から「はるか1号」に乗る予定だったが、 「はるか」より9分前に快速電車があることが判明。 快速の方が先に着くかと思ったら、結局抜かされて 予定より8分遅れた7:18、関西国際空港に到着した。
ではここで、我輩の英語能力について記載しておこう。 18歳時 センター試験英語 192点 以上、出来るとは言えないが、別に苦手意識はない。 「多少は何とかなるだろう」 という甘い考えに、今後やられることになる。
で・・・、まずはJTBの団体窓口に来るように言われている。 簡単に窓口は見つかり、往復の航空券を受け取った。 帰りの券は帰りに渡せば良いのに、と思ったが、 そういうわけにはいかないということを知ったのは、もう少し後の話。 チェックインは終わっているので、パスポートの登録をしてくれと言われたものの、 一体何をしろというのか。 言うまでもないが、自力で飛行機に乗ったのは この間の沖縄が初めてだし、国外に出るのは人生初。 何も分からない。 パスポートの登録って何やねん。 とりあえず言われた通りに大韓航空の窓口に行くと、長蛇の列が。 ウンザリしながら聞き耳を立てていると、 どうやら荷物を預ける人のみ並ばねばならないらしい。 「トランジットがあるなら、荷物は機内持込だけにしろ!」 会社の先輩に強く言われていたので、我輩の荷物はリュックひとつである。 並ぶ必要はないらしいので、よく分からぬまま進入すると、 荷物チェックの終わるあたりから並ぶように言われた。 スイスイと窓口に進み、搭乗券とパスポートのチェックを受けた。 さて、腹巻の中にパスポートを入れていたのだが、実にかさばる。 首から提げる貴重品入れが欲しくなり、サンドイッチと一緒に購入した。 人目から隠れるようにして、パスポートとクレジットカードの入れ替えを行う。 とにかく万全を期すために便所も済ませておこうとしたら、 「今日の大韓航空はメチャ混みだから、早めに搭乗口に来てね」 という放送が流れた。 何とも焦るやんけ。 何と言ってもすべてが初めての我輩。 そんなことを放送されては、急ぐしかない。 リュックに放り込んだ搭乗券を取り出し、金属探知を通って出国審査へ。 何を審査されるのかドキドキしていたら、 搭乗券とパスポートを見せるだけで済んでくれた。 ようやく手続きもひと段落したようなので、ほっと胸を撫で下ろす。 時間は8:30。 空港に来て1時間あまりにして、既にクタクタだ。 そういや、まだ朝メシ食ってない。 サンドイッチは緊急用に残しておいて、スタバでモーニングココア。 周りは外人が多い・・・。 こんなに外人密度の濃い空間に身を置いたことがないからな・・・。 すべての人間が敵に見える。 歯ブラシセット、クッキー、予備の南京錠を買って、モノレールで17番搭乗口へ。 これか・・・コリアンエアーKE722便。 薄いブルーにキョンシーに出てきそうな勾玉マークが二つ、 尾翼に輝いてるじゃないの!! これが噂の2階建て飛行機か。 でかいな。 ファーストクラス、プレステージクラス、 そしてエコノミークラス45列目以降の客の搭乗が終わり、 いよいよ我輩のご搭乗となった。 エコノミークラスの席は、別に狭いとは思わなかった。 放送はまず韓国語から。 自分のトークがオモシロイと思い込んでいる、 かわいそうな横の女のデカイ声にウンザリしながら産経新聞を読んでいると、 KE722便は動き出しやがった。 ぐりぐりと飛行場内を走って、一旦停止。 ポーン 「ペラペラペラペラペラリーノ」(韓国語) 何言ってるかはチンプンカンプンだが、 あの「ポーン」は離陸の合図のハズ! 「ミナサマ、当機ハ マモナク・・・」 いよいよ・・・いよいよ行くのか!? こんなデカイ図体で行けるのかッ!? うをーっ 懐かしいこの加速はぁッ!! 飛んだ・・・飛んでしまいやがった・・・。 9時57分24秒。 こうして我輩は日本を後にしたのである。 正面TVには地図が映し出されていて、 あっという間に岡山付近に差し掛かると、機内食が出てきた。 何や、あるなら先に言っとけよ。 しきりにビールを勧めるスッチー達であった。 スタバが腹に残っていたので、ほとんど食わずに返却。 すると、スチュワーデスが「カムサハムニダ」と言って我輩のトレーを下げた。 他の客には「アリガトウゴザイマシタ」って言ってるのに。 どうやら我輩は韓国人っぽく見えるようだ。 糸目でムスッとしているからだろうか。 しかし女うるさい。 激しくうるさい。 テメェの恋愛感などどうでもいい。 もう1人が「あんたって本当に面白いね」なんて煽るもんだから、 事態は最悪である。 図に乗ること極まりないクソボケ女。 貴様のトークなぞクスッともこねぇぞ。 山田君、彼女ごと 持ってっちゃいなさい!! どうやら朝鮮半島に入ったようだ。 地図上の日本海にある「East Sea」っていう文字が、 この飛行機が日本の物ではないことを 強くアピールしているように思えて仕方なかった。 11:16、どうやら着陸するらしい。 必死に耳の空気抜きをしながら、11時23分23秒、 ソウル・仁川(インチョン)国際空港に到着した。 我が人生において、初海外の地である。 とりあえずトランジットのため、「Transfer →」の方へ進む。 荷物チェックの先頭になってしまった。 言われるがままに、パスポートと搭乗券を渡す。 自慢のOAKLEYの腕時計を外し忘れて引っかかったが、 とりあえず荷物チェッククリア。 まずは乗換えとなる、 これまたコリアンエアー・KE907便の搭乗口を探す。 1時間ほどあるようだが、油断する余裕は全くない。 ふと頭をよぎる、映画「ターミナル」 男は待ち続けた。 4日後のコリアンエアー・KE721便、関西空港行きを・・・。 将たる者、常に最悪のシナリオを頭に入れておかねばならない。 ドキドキしながら掲示板を見ていると、 「KE907 LONDON」の文字が一瞬だけ見えた。 英語表示の何と短いことよ。 14番ゲートか。 ちゃんと行ってみて、 確かに14番ゲートから出発することを目視にて確認。 ようやく一息ついたところで、空港ウォッチング。 その前にトイレか。 リュックだけとはいえデカイので、 下ろすためには「大」に入らざるを得ない。 中でパスポートやらのチェックをしていると、 ドアの向こうにいるらしき人物が、 やたらに我輩にプレッシャーをかけてくる。 靴のつま先がドアの中に入ってくるやんけ。 さらに、しきりにドアを爪で引っかいてくる。 私にプレッシャーをかけるとは・・・ 一体何者なんだ!? これはヤバイと思いながらも、しかし鉄仮面である我輩は、 極めて冷静を装って、ドアを開けて出てみた。 かかってこんかい!! すると、ドアの前にいたのは、パツ金の小さな坊やであった。 どうやら隣に入ってた父親と間違って 我輩にプレッシャーをかけていたらしい。 驚いて見開かれた目が、ピクリとも動かなくなってしまっていた。 そんな坊やを横目に、空港ウォッチング再開。 当然のことだが、ポスターのタレントは見たことないヤツばかり。 まぁわかるといえば、「ペ」ぐらいか。 あ、ヨンジュンのことな。 こいつの評価は、世界ではいかほどのものなのであろうか。 売っている物の値段は、全てUS$。 高いのやら安いのやらサッパリ分からん。 すると、掲示板のKE907便が「Go To Gate」になったので、 ターミナルになることを避けるためにも、さっさとゲートへ向かった。 ロンドン本を出して待機する。 やがて案内の放送が始まった。 しかし・・・。 「ペラペラペラペラペラリーノ。 Thank youfor your cooperation.(ご協力お願いします)」 あん? まさかこんなに分からんとは。 何も分からなかったぞ。 これは厳しい。 予想以上に厳しい戦いを強いられそうな予感満点である。 我輩の席は、3つに分かれた列の真ん中。 4席のうち、一番の左側であった。 ソウル発ロンドン行だから、日本語なんて一切ないのかと思ったら、 意外にも日本語放送があって感動した。 そうこうしているうちに、離陸。 一抹の不安を感じ始めた我輩を乗せて、 KE907便は、13時25分33秒ロンドンに向けて飛び立ったのであった。 |
行程表を見る |