5 Mayー
いよいよラスベガスへ戻り始める日だ。
4日かけてきた道程を、2日半で戻らねばならない。
今日の移動距離は、この旅で最長の約500キロ。
早めに出ようと思ったら、オフィスは7:00から。
チェックアウトが出来ず、7:00まで待たされることになった。
チッ。
オフィスが開いたと同時に鍵を返し、出発。
まずは、キャニオンランズ国立公園へ。
行ってみると、中は広大で、ビューポイントまで50キロ。
しかも見所は2ヶ所あり、それぞれ方向が違うので、園内の移動だけで約100キロ。
今日の移動距離500というのは、
園内の移動を含んでいないので、とにかくベラボウに走ることになりそうだ。
さて、まずはメサ・アーチという、昨日のアーチーズのような岩を見る。
こっちの方が良いな。
思った以上の眺めに、しばし立ち止まってしまった。
次は、キャニオンランズ国立公園北側(アイランズインスカイというエリア)の 一番奥にあるグランドビューポイント。
朝早いせいか、誰もいない。
我輩は、ここからの眺めをちょっと楽しみにしていたので、
あまりゆっくりは出来ないが、じっくりと眺め、写真を撮りまくることにする。
持ってきたCFカード72ギガは既に限界。
しかし、これに備えてペイジで8ギガを購入済なのだ。
準備が良いな~オレ。
・・・。
ん。
コレSDカードじゃねぇか!!
昨日パッケージ開けた時には全く気付かなかったぞ!!
やべーコレ。
8ギガがある前提で鬼撮りしてきたから、もう空きが無い・・・。
いや、2日前にも書いたが、毎晩パソコンに取り込んでるから、
CFカードのデータを消せば問題ないのだが、
我が城でHDDに入れるまでは初期化したくない。
慌てて今まで撮った写真を見直し、手ブレの写真を消しまくり、何とか空きを確保。
ウーム、まぁ後で考えよう・・・。
「空の島」とはよく言ったもので、確かに島が浮いているように見える。
これが、とてつもない時間をかけて、グランドキャニオンになるのだろうか。
とにかく、眼福であった。
観光バスがやってきたので、我輩は去ることにしよう。
帰りながら、バックキャニオンと、 もう片方の突き当たり、ホースデッドポイントへ。
昔、アヒル形に突き出た先へ、馬を追い込んで捕まえていたようだが、
ある時、馬が落ちてしまって、その名が付いたそうな。
グランドビューポイントから遠いので、止めようか迷ったが、来て良かった。
さ、いい加減走りださないと、今日の観光ポイントに着くのが夜になってしまう。
キャニオンランズ国立公園のゲートまで50キロほど走り、本格的に出発。
モアブからだとまだ30キロぐらい。
今日のお宿と、この旅最後の観光ポイントがあるBryceまでは、
まだまだ470キロぐらいの走行距離がたっぷり残されている。
470キロがどれぐらいかというと、滋賀県内の名神高速に、東京まで450キロポストがあるのだ。
東京を出て、京都の手前まで・・・考えたくもない。
しかし・・・眠いんだこれがまた。
時間が無いので、少しだけ駐車スペースに停めて寝て、また走りだす。
根性入れて走りまくり、インターステート40号線が見えてきた。
久々の本格的な高速道路だ。
乗る前に、給油。
コンボイ(超大型トレーラー)も使うスタンドで、
我が相棒の小さなタンクが一気に満タンになって・・・というか吹き出して焦った。
しかし眠気は吹き飛んだので、一気に走る。
制限速度は75マイル(約120キロ)。
予定通り、快調だ。
日本の高速道路の制限速度もこれぐらいにすべきだよな。
実効性のない80キロ制限とかってさ、何を考えているのかね。
誰も守らない80キロなら、誰もがちゃんと守る100キロ~120キロの方が良いだろうに。
結局警察のネズミ取りの懐に入れたいだけなんだろうな。
おかしな国だよ、まったく。
しかしそんな腐った警察のことなんかより、
CFカードをどうするかで、我輩の頭の中は一杯だった。
数十キロ毎に現われるサービスエリアを見て、新しそうな所に寄ってみたが、やはり売ってはいなかった。
ぬ~・・・。
次第に道が峠道になるにつれ、我輩は眠くてCFカードのことすら考えられなくなった。
「←おばけ岩」「→ドラゴン岩」などなど、ビューポイントがいくつか設置されているが、スルーして先を急ぐ。
しかし、眠気が・・・イカーン!!
結局、パーキングエリア2ヶ所で10分程度ずつ眠り、さらに走ると、景色が砂漠から一転。
たまに町が見えだした。
あそこにはCFカードあるのかなぁと思いながらも、
止まることなく走り続け、ようなくインターステートの出口に到着。
一般道に入る。
周りの景色が良く、道沿いに流れる川や、
牧草地など、
車を停めては写真を撮り、
車を停めては写真を撮り・・・
撮っては手ブレデータを消し、撮っては手ブレデータを消し・・・
クソッもう手ブレがねぇ。
今日のメイン観光の写真はどうするんだ!
今夜のお宿があるブライスまでの道中で、
最後の大きな町に賭けたが、
スーパーには売っていなかった。
この町の写真愛好家は、CFカードが欲しくなったらどうするんだろうかと思ってしまった。
・・・いや、そんなことはどうでも良い。
あきらめて1枚初期化しようかなぁと思ってる間に、ブライスに着いてしまった。
町の入口にあったスーパーのショボさに、覚悟を決め、ホテルへ走る。
・・・すると。
ホテルの向かいに大型の土産屋が。
「Goods、Souvenir・・・Photo medias」
うをぉぉおぉっ!!
チェックインすら後回しで駆け込み、無事CFカード8ギガを購入。
これで210枚の余裕が出来た!
素晴らしい!
そんな素晴らしいお店の名は!
Ruby's Inn!
いやー素晴らしい!と連呼しながら、
向かいのBryce View Rodgeにチェックイン。
思った以上に大きくて立派なホテルだった。
さ、既に17:30前。
くつろぐのは日が落ちてからだ!
すぐに再出発し、ブライスキャニオン国立公園へ。
グランドサークルを旅した人々が、一番良かった場所としてよく挙げるのが、
このブライスキャニオン国立公園らしい。
ホンマかい。
あのモニュメントバレーよりも、あのグランドキャニオンよりも素晴らしいというのかブライスキャニオン。
期待しながら園内を歩いていくと・・・迎えてくれたのは、雪国マイタケのようなビュートたち。
・・・。
いやいやいや、何でこんな形なのコレ。
わけ分からんな。
ビュートの谷間に下りるトレッキングがオススメのようだが、今日は既にクローズ。
今日は上からの眺めのみか。
夕暮れが近いので、撮影ポイントを探しながら、リムトレイルを歩く。
サンセットポイントからサンライズポイントへ歩き、
戻りながらインスピレーションポイントまで歩いた結果、
おとなしくサンセットポイントから撮るのが良いだろうと、三脚を据えた。
ひたすら夕暮れを待つ。
これが今回の旅最後の夕暮れになるのか。 バチコンバチコン。
何となくしんみりする中、シャッター音を轟かせた。
グランドキャニオンのように、
日が落ちて青くなってからの景色もキレイなんじゃないかとかなり粘ったが、
ここの夕闇の景色はあんまりだった。
すっかり暗くなってから駐車場に戻り、ホテルへ走る。
空が群青色になってキレイだなぁ・・・と。
おぉっ!?
Uターンッ!!
ぬ~望遠でズームすれば、月がもう少し大きくなるのか?
しかしセンサーにゴミ入れたくないし、
下から見上げるアングルだから良い感じな気もする・・・。
そうこうしているうちに、まぁ良いか、という気分になったので、終わりにした。
旅の最後の夜に相応しい、良い写真が撮れたわい。
さ、最後のディナーとしよう。
我がホテルに隣接しているレストランで食おうと思ったが、既にオーダーストップ。
ディナーのカウボーイミュージックショーは、今まさに終わるところ。
「最後の曲だから聞いていけば?」 と言われ、厚意に甘えて聴き、お礼にCDを買った。
こういうカウボーイミュージックを聴きながらドライブしたかったんだよなぁ・・・と、
今さらながらに思った。
で、ディナーをどうするか。
すると、まだ明かりのあるレストラン発見。
そんな素晴らしいレストランは・・・
そう!Ruby's Inn!!!
ビュッフェも美味いじゃないか!!
大満足だよ我輩は♪
素晴らしいなRuby's Inn!!!
ここに泊まれば良かったなー。
まぁしかし、我輩のお宿は向かい側。
明日は飛行機に乗って帰る日。
荷物を預けと手荷物に分け、しっかり支度をしてから寝た。
今日はさすがに疲れたわい・・・。
Zzz・・・
本日の走行距離 367.5マイル
5:50起床。 また寝坊かよ。
旅の最中ずっと寝坊だったな。
たるんどるッ(激怒)!!
しかし怒るのは後だ。
10分で出発。
サンライズポイントの駐車場に突撃し、昨日決めておいたポイントで朝日を待つ。
・・・が、今日はうっすら雲がかかっている。
ま、1週間ずっと快晴の朝日を見ようという方が無理な話。
モニュメントバレーの夕焼けと朝日がバッチリだった時点で、
天気の文句を言うのはやめようと心に決めていたので、曇りだろうが気にしない。
しかしまぁ得てしてそんな時ほど晴れるもんだ。
キレイに日の出は見えた。
すぐに薄い雲がかかってしまったがね。
少し場所を移動しながら何枚も撮り、
昨日はクローズしていたトレイルにも少しだけ下りてみる。
みるみる雪国マイタケビュートが目の高さになった。
下から見ると、またちょっと違うな。
どこまで下りるかな~、と坂を下りながら、ふとグランドキャニオンの教訓を思い出した。
イカン、今日はラスベガスへ帰らねばならん。
あまり下りては大変だ。
今日は潔く引き返す。
しかし、少し下りただけなのに、傾斜がキツくて疲れた。
危うかったわい。
ホテルに戻り、支度をして帰路につく。
・・・前に、追加でまた4ギガのCFカードを購入。
買ったお店は・・・そう!
Ruby's Inn!
今日も素敵なホテルだね。
っていうか、撮り過ぎだな。
持ってきたメモリーの範囲内で収めるというのも、今後の重要な課題だ。
何しろこれで手元のメモリーは84ギガ。
DVDにするだけで約22枚。
さすがにな・・・。
まぁまた今度考えよう。
今日も約400キロの道程だ。
遠いが、15:00にはラスベガスのレンタカー屋に返却せねばならない。
しかも19:50には空港にいなければならないので、油断ならないのだ。
9:00過ぎに出発。
来た道を戻るのかと思ったら、ナビは途中で西に折れた。
順光で昨日の町を撮り直したかったので、ちと残念だがやむなし。
昨日買ったカウボーイミュージックを鳴らしながら突っ走る。
山を越えて、インターステート15線に合流。
今日の行程も、ほとんど高速道路なので、時間的にはあまり心配していない。
制限速度は75マイルから85マイル(120~140キロ)。
眠くないので、かっ飛ばす。
予定より快調に走ってきたので、昼休みにインターチェンジのアウトレットモールに寄り道。
スタバでフラペチーノを食い、さらに目が覚めて快調に走る。
ナビの残り距離数を淡々と削っていく作業は得意なんだ。
情緒がない?
そんなことはないぞ。(笑)
やがて、砂漠の向こうに、ラスベガスのビル群が見え始めた。
いよいよ旅が終わるのか。
しんみりするかと思いきや、それまでスカスカだった高速道路に車が溢れた。
しかも、みんな制限速度の90キロ前後で車線変更をしまくってくる。
ゲームのように車をかわし、ラスベガスインターチェンジで下りると、
懐かしいストリップのメインストリートに出た。
まだ早かったので、マッカロン空港をぐるりと回ってから、Hertzの駐車場に入れた。
思い返せばあっという間な旅だったな。
偽「ガソリン満タン返しじゃないよね?」
「そうよ」
というわけで、予定通り14:00にキー返却。
カジノで遊ぶにはスーツケースが邪魔だったので、すんなり空港へ。
待ち時間で買い物でもしようかと思ったのに、ロビーにはコンビニしかなかった。
何てアッサリな空港なんだ。
予定外にやる事が無くなってしまった。
店は無いのに、カジノがあるわけだが、
きっと損をするだけだ。
完璧に自制し、搭乗までの間に、写真の整理。
そして日がだいぶ傾いてから、ようやくの搭乗となった。
今回の旅は、かなり写真撮影に重きを置いた旅路にしてみた。
段々、旅の中における写真の割合が大きくなってきた気がする。
それはそれで、旅の目的だから良いけどね。
さ、次はどこへ行こうか。
熱い脳内行き先トーナメントは、既に始まっているのだ。
次の旅をお楽しみに。
<完>
本日の走行距離 283.0マイル
この旅の総走行距離 1633.3マイル |
第一話 ひまつぶし 第二話 右側通行 第三話 トルネコのように |