4 Gen-
翌朝、4:30起床。
5:55のヴァポレットで駅へ行くため、いそいそと準備を開始。
唇が何だかえらいカサカサだ。
不規則な生活のせいか?
ある意味、普段より規則正しいと思うのだが。
船着場に行くと、海面が高いぞ。
海面が高いっちゅうか、明らかに海が近い。
岸の濡れてる高さを見ると、これでも下がったらしい。
そういえば、サンマルコ広場には、高潮時に歩けるように使う足場がたくさん置いてあったな。
変な被害に合わなくてホントに良かった。
あんな汚水垂れ流しの運河の水が靴に染み込んでくるなんてアリエナイ。
アリエナイノヨッ!!
さて、ヴァポレットはグランドカナルを通り、駅まで約40分。
7:05発ミラノ行きの特急までは少々時間があるので、駅のBARで朝飯。
今日も驚愕の寒さだ。
カプチーノの暖かさも3分で吹き飛んでしまう。
ギリギリまでBARで粘り、特急に逃げ込む。
・・・が。
なぜ通路のドアが閉まらん?
どんどん冷気が入り込んでくるぞ。
もう無理。
無理っス先輩。
あまりの寒さに耐えられず、強引に閉めてみる。
どうやら何か引っ掛かっているらしく、
手ではビクともしないので、足で思いっきり閉めた。
オラァァアァッ!!
しかし10分も経たないうちに検札の車掌が力一杯開けて放置してくれた。
結局全くドアは閉まらず、ミラノまでの2時間半は、ガタガタと震えながら過ごすハメになった。
これが1等車の客に対するやり方か!!
えぇっ!?
金返してくれ!!
すっかり冷えきってミラノ中央駅に着いたのは9:30。
ここから地下鉄でドゥオモまで行き、まずはチェックインして身軽になる予定。
少々迷ったが、何とか無事ホテルに到着。
すると、部屋のセーフティボックスが壊れている。
クラークを呼んでも直らなかった。
・・・。
お客様がいらっしゃる前にチェックしとかんかボケが!!
スペシャリストを呼ぶから2時間待てと言われたが、何でそんなもん待たねばならんのだ。
無視して出発する。
まずはドゥオモ。 ミラノのシンボルのようなもので、異様なでかさである。 パチパチと写真を撮っていると、
やたらに黒人がミサンガを巻こうとしたり、鳩の餌を持ってくる。
偽「オレは鳩が嫌いなんだ!」
と奴らを蹴散らし、さらに写真を撮っていると、腕にミサンガを投げられた。
返そうとしたのが間違いだったな。
いらないと言っているのに、「ノープロブレム、動くな」 と言って、強引に巻きやがった。
そして小さい声で囁く。
「オレはセネガルから来たんだ。
周りで同じことをやってた2人も寄ってきた。
・・・。
こんな時、囲まれたからといって、慌ててはいけませんぞ。
偽「金?金か??」
とデカイ声で聞く。
何だ、そんなに嫌そうな顔をするなよ。
お前が言ったんだろ。
そして我輩に名案が閃いた(この間約3秒)。
小銭入れを取り出す。
予想通り、100円10円1円と10セントしか入っていなかった。
ジャラジャラと小銭を見せて勝利を確信。
この勝負、もらったぁっ!!
「おいおい、紙幣をくれ」
偽「ない」
「ウエストポーチがあるだろう」
偽「ない」
「両替してやる」
ほう、両替するってか。
面白い。
100円を取出し、
偽「これは1ユーロに等しい。やる」
「ダメだ。紙幣をくれ」
偽「ない。なぜダメなんだ。これは1ユーロだ」
勝負あり。
「ゴーゴー」
諦めてセネガルから来たという奴らは次のカモを求めて去っていった。
セネガルに寄付をするならやぶさかではないが、お前らの飲み代をくれてやる気は毛頭ない。
ァッキューボーイ、おとといおいで。
この後、何度か、子供連れやカップルなどが金を巻き上げられているのを見た。
腕にミサンガを放り投げるだけで、5ユーロ以上を儲ける。
悪人が金を集める手法だけはしっかり確立されているのだなぁ。
腕に置きにきたら、乗らないように払って落としてやれば良い。
我輩は2回払い落として無視した。
変に気を遣うと無駄な時間と金を盗られる。
何?
ミラノはおっかなくて治安が悪いとな?
こんなもんどこでもあるし、
大体スリがいるだけで治安が悪いと騒ぐ日本人は、町内から出ないほうが良いよ。
治安が悪いというのは、強盗がいるかどうかだな。
ナイフやピストル出されるようなことになったら、それは危ない。
何でもかんでも治安が悪いと括るのはどうかと思う、
というのが、いくつかの国を回って得た結論だ。
しかし10円玉ではなく100円玉を馬鹿正直に出してしまったあたり、我輩も詰めが甘い。
研鑽せねば。
ミサンガはどうしたかと?
引きちぎってホテルのゴミ箱に捨てましたよ。(笑)
さて、気を取り直してドゥオモ内を見学。
ここの大聖堂にはいくつもの絵が飾られている。
何の絵なのか分からないのが残念だ。
ステンドグラスも多数あって、柱に当たる光が何ともいえない美しさだ。
ミサが行われていたので、祭壇裏には近付けず。
でかいステンドグラスがあるようなので、後で来ることにしよう。
ホントは屋根の上のテラスにも行きたかったが、凍っていて閉鎖。
ファサードの上を歩いただけで終わった。
無念。
ドゥオモ広場からショッピングストリートを抜けて、ブレラ絵画館へ。
ミラノ一の美術館だそうだが、あーこれ知ってる!ってのは無かった。
はー、さすがに5日目ともなると、少々中だるみ。
中だるみっていうか最終日なんだけども・・・。
何だか気が抜けたような感じになっちゃって、
レストランかカフェに入りたくなってしまった。
今日のメインイベントまではまだ時間があるし、どーれ、ミラノにはどのぐらい見所があるんだっけ?
余裕があるならランチでも・・・。
む。
ホテルの隣に美術館があったのか。
まぁそんなに大したことが無いならパス・・・。
・・・。
行くか。
行くとなったら今度は時間が無い。
ちぃぃっ!
レストランやカフェの誘惑を振り切ってスフォルツァー城まで一直線。
ここにはミケランジェロの遺作となったピエタがある。
盲目の中で彫られたとのこと。
もはや何が何かよく分からない作品だった。
これでミケランジェロの4つのピエタは完全制覇だ。
スバラシイ。
またしてもミサンガを売り付けてくる黒人や、
なぜか日本の宗教勧誘を一切無視して地下鉄乗り場に急ぐ。
ドゥオモ駅で降りて、再びドゥオモを見学。
今度はバッチリ祭壇裏のステンドグラスも拝見できた。
こんな感じ。
よし、時間はないぞ。
続いてアンブロジアーナ絵画館。
最初に寄っておけば良かった。
やっぱり計画が甘いとムラができてイカン。
ここには、ラファエロの名画、アテネの学堂の「下書き」がある。
我輩には絵心が無いから分からんが、絵というのは、完成した絵より、下書きの方が価値があるんだそうな。
時間がないので大急ぎで見学し、「3階見た?」 なんて聞かれながら絵画館を後にした。
一旦ホテルに今日仕入れた画集を置き、身軽になる。
さて、いよいよオーラス。
急がねば。
この旅最後の絵画は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」
予約代行会社に予約を依頼したが、
信用できなかったので、3時間以上粘って希望どおりの時間を自力で確保したのだ。
予約のコンファメーションを握りしめ、サンタ・デッレ・グラッツェ教会に歩く。
外国で初めて音声ガイドを借りていざ中へ。
ほぉぉぉ・・・。
コレですか。
いや・・・これはね、大塚国際美術館じゃなくて、実物を見に来た方が良いと思われました。
色んな技法が使われているのですな。
音声ガイドも捨てたものではない。
テンペラという技法のために、完成してすぐに剥落が始まった名画。
修復に携わった方々に敬意を表します。
大満足の15分であった。
これにて、今回の旅の、全ての絵画見学は終了。
見事、最後を「最後の晩餐」で締められました。
パチパチパチ。
後は飯食って寝るだけだ。
ドゥオモ広場への帰り道に、いくつか見て回って観光もシメるとしようか。
ってことで、ダヴィンチ国立科学博物館に行っ・・・てはみたものの、何だか良く分からなかった。
行く必要はないと思う。
とりあえず時間制限のある観光はこれで終わり。
やっとカフェに入れる。
国立科学博物館の並びにあるカフェへ。
ふ・・・。
ひと目で気付いたね。
ここのチョコは美味いってことをな!!
チョコののったクッキーと、チョコラテをオーダー。
うおー。
このチョコラテは美味そうだぜ!!
しかし楽しみは取っておく主義なんだ。
先にクッキーをいただくと、クッキーも美味いじゃないか。
俄然チョコラテに期待が高まっちまうじゃないか!
そして・・・注目のチョコラテは・・・美味い!!
まったり絡み付く甘ったるさが最高だ!!
体力回復。
まさにベホマ。
足取りも軽く・・・はならん。
足の裏はもう痛さで痺れておる。
皮が押し潰されて身長縮んでるんじゃ無かろうか。
前日と同じく足をバッタンバッタンいわせながら、ミラノの守護聖人アンブロージョを祀る教会を見学し、
ミラノ観光終了。
そしてそれは、この旅の観光の終わりを意味する。
ぶはー、疲れた疲れた。
さぁメシだメシ。
いつもは晩飯なんてどうでもいいんだが、今夜は多少お疲れだ。
一旦ドゥオモ広場に戻って、夜の写真撮影。
ドゥオモにツリーに様変わりしたショッピングセンター。
この旅の最後に相応しい夜景であった。
晩飯はファーストフードのピザ屋をチョイス。
やっぱり一度ぐらいはファーストフードを食わないとな。
こういうピザの方が美味く感じるあたり、我輩の舌はどこまでも子供舌である。
子供舌バンザイッ!!
メシを食ったら、いよいよお買物♪
円高に乗じてガッツリ両替してきたのだ。
しっかりお買い求めてやるぜっ!!
・・・て、閉まってるやんけ!!(T_T)
何やねんミラノ。
せっかく買い物してやろうと思っていたのに。
・・・まぁしかし。
いざとなると欲しい物がないのも事実。
フェラーリショップでプライスダウンしていたバスローブが若干欲しかったが、
一体いつ着るんだと思ったら買えなかった。
本気で欲しかったロナウジーニョグッズは見当たらないし。
お買物なんてそんなもんだな。
足音もバッタンバッタンと高らかにブラつきながら、
シャッターの下りたブランドストアを見てはそう思った。
そのままミラノ中央駅まで行って明日の空港までのシャトルバス乗り場と時間を確認し、
駅のBARでカプチーノを飲んで一服。
ベンチに座って、発車していく列車と駆け込んでいく人々を何とはなしに眺める。
ふむ・・・。
我輩がしたい旅というのは、本来こうしてぼけーっと町を眺める旅なんだ。
朝から晩までギッシリ観光するのも結構だが、
これを忘れちゃイカンと思うのであった。
こうして何をするでもなくミラノの夜は更けていき、帰国の日を迎えようとしていた。
ほう、CNNの天気予報では、明日のパリは雪か。
一発どか雪でも降って飛行機が飛ばなくなったらルーヴル美術館が見に行けるなぁ。
Zzz・・・
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