今年のGW、行き先をどうするか。

正直最近は行き先にあまり迷わなくなった。

なぜなら、行きたい、見たい、撮りたい場所がかなり限定されてきているからだ。

で、今回の候補となったのは、

クロアチアのドブロヴニクと、知る人ぞ知るフェロー諸島。

しかし、あまり迷うことなくフェロー諸島をチョイスすることにした。

フェロー諸島はかなり前から行ってみたかった島国で、

国としてはデンマーク領である。

だから、今回は訪問国数は増えない。

もう訪問国数だけを増やすだけのくだらない旅はしない。

見たいものを見、撮りたいものを撮る。

それが将来につながるわけで、イミフメイに足を踏み入れた国の数だけ増やしても、

何の蓄積にもならないと悟ったのだ。

さて、フェロー諸島は一体どこにあるのか。

サッカー好きの人なら、ヨーロッパの大会に、

フェロー諸島というチームが参戦していることを知っている程度ではないかと思われる。

フェロー諸島は、UK(いわゆるイギリス)と、アイスランドの間にある。

GoogleEarthでも拡大していかないと名前が表示されない島国である。

なぜここに惹かれたのかというと、

アイスランドへ過去2回言っているのは旅行記の通りだが、

我輩の持っているガイドブックは、アイスランドとグリーンランド、

そしてフェロー諸島が載っている。

そしてそこに掲載されている写真たるや、

こんな世界があるのかと思うようなフィヨルドだらけの島と、

我輩が好きな素朴なファンタジー世界のようなものばかりなのだ。

だったらもっと早く行けば良かったじゃないかという話だが、

ルートが限られているということと、あまり短い休み、例えば5日とかでは楽しめない。

さらに長すぎる休みでは少し手持ちぶさた。

というわけで、据え置いてきた経緯があった。

で、こんな機会はもう二度とないだろうから、準備を万端に整えた。

ルートをこんなに考えたのは、本当に久しぶりだ。

とにかく漏れなく、完璧に楽しみたい。

そう思いながら、出発の日を迎えた。












28 Apr -

旅立ちはやはり退社後すぐだ。

我が家に帰ってVSに荷物を乗せ、鹿児島空港へ。

今までは会社に荷物を持っていって、着替えて退社→バスで空港、という流れだったが、

鹿児島空港からの帰り、バスだとやたらに時間がかかってしまう。

VSの2倍以上の時間がかかるので、正直カッタルイ。

駐車代は少しもったいなくとも、疲れて帰ってきたらすぐ家に着きたいでしょう?

だからVSなのだ。

関西に帰省するという上司を乗せて空港へ。

余裕があったはずなのに、着いてみると全く余裕がなく、

慌てて手荷物預けに走った。

そしてギリギリ間に合ってスーツケースを預けてみると・・・。

「キャスターが1つ無いんですね。確認のサインをお願いします」

は?

見ると、ホントにキャスターが1つ無くなっているではないか。

さっきまで転がしてきたのに!?

え?

なんで!?

荷物は羽田でピックアップするつもりだったのだが、これではイチイチめんどくさい。

コペンハーゲンまで預けてしまうことにした。

出発してもいないうちからウンザリである。

これは最後に直したキャスターが外れてしまったに違いない。

メンテが楽になるように、ロックナットにアロンアルファを着けなかったのだ。

それが転がしているうちに軸ネジが回ってしまって、抜け落ちたに違いなかった。

あのスーツケースは、これまで何度も買い換えを考えてきながら、

やはり使い続けてきた年代物だ。

南アフリカへ行く前にはクレのスプレーを吹き、

カナダへ行く前にはキャスターを取り替え、帰り道に糸屑を巻き込んだキャスターを交換し・・・。

「もうオレは十分に働いたじゃないか。休ませてくれよ」と言っているのだろうか。

甘えんな!!

帰ってきたらきっとまた手術して旅に連れていくぜ!

そう思いながら鹿児島空港の中を探し回るも見つからず、

今回の旅でスーツケースを押している姿を思い浮かべてはゲンナリして、

羽田へ飛び、2時間の乗り継ぎでフランクフルトへ飛んだのであった。












29 Apr -

機内では爆睡し、ちょうど良い具合に時差調整ができた。

そして目が覚めてから「杉原千畝」を観て涙し、フランクフルトに到着したのは6:00前だった。

ここからデンマークのコペンハーゲンを経由して、

目指すフェロー諸島に着くのは20:00の予定である。

フランクフルトの街中へ行く時間はないので、空港で時間を潰しながら、ウィンドウショッピング。

実はスーツケースのキャスター以外にも我輩の持ち物にはガタがきていて、

カメラバッグのファスナーは閉まらないし、

カメラケースのファスナーも直したのがまた壊れてしまって閉まらない。

いずれもさっさと買えば良いのに、相棒を捨てるのが気が引けて、不自由を我慢しているのだ。

しかし、さすがにカメラケースの方は無理だ。

この度の途中で、良いのがあったら買ってしまうだろう。

もっとも、日本のようには売ってないだろうがね。

フランクフルトからの便は20分遅れで離陸し、11:15、コペンハーゲンに到着。

フェロー諸島への乗り継ぎ便は18:50である。

もっと早い乗り継ぎ便もあるのだが、

もしも遅延したら涙が出るのと、コペンハーゲンはもう一度ちゃんと見たいってことで、

夕方の乗り継ぎにしたのだ。

雨の予報だったが、完璧な快晴。

しかし薄く雲が出てきているので、素早い行動が必要だ。

スーツケースは一番最初に出てきた。

キャスターがなくて引っ張ることはできないので、

キャスターのない所が地面につかないように、3つのキャスターで押していく。

インフォメーションでバゲージクロークがないか聞いてみると、レンタカー屋の近くにあるという。

これは助かった!

デカイロッカーにぶちこんで、メトロで市内へ。

まずはニューハウン。

ここは前回にも訪れている。

小さな運河の両側にカラフルな家が建ち並ぶ。

空が青いうちにと急ぐ。

うーむ、だんだん雲が出てきたぞ。

チッ。

とりあえず撮る。

そして、前回何で撮らなかったかなぁという真横から撮影。

前回は多分何か障害物があったんだろうな。

ふむ、まずまず。

満足したら一気に空が白くなってきた。

オイオイ・・・。

続いてクリスチャンハウンにある救世主教会の塔を登りにいってみる・・・と、強風で閉館。

(T_T)

やむを得ず市街へ戻ってラウンドタワーという展望台へ。

まぁそこまでオーッという景色ではなかった。

これでやりたいことは終了。

コペンハーゲンは中途半端に都会で、

そこまで見たい撮りたいというものもない。

仕方がなくブラブラしていると、クリスチャンスボー城に入り込んでしまい、

ついでだから塔へ上がってみた。

まーこっちからの方がマシかなぁ・・・というレベルだ。

まだ少し時間はあるが、疲れたのと飽きたのと天気も微妙なので、

早めに切り上げて空港へ。

カフェでココアを飲み、時間を潰してからチェックイン。

いよいよ・・・いよいよだな!

この日の座席は、景色を堪能できるように、

座席は窓側2Fを確保済みなんだぜ!

ではここからが本番だ!

行くぜフェロー諸島!

ひぁうぃごぁおーーー!!

途中スカンジナビア半島の景色を見ながら2時間のフライト。

ようやくフェローの島々が見えてきた。

凄い海岸線・・・というか絶壁だ。

やはりまだちょっと草が緑になりきっていないか・・・。

チッ、早すぎたんだ from ナウシカ。

そしてヴァーグル空港には20:00に到着。

レンタカーの手続きを終え、転がらないスーツケースを押しながら車を探しまくり、

ようやく出発するまでには30分近くを要してしまったのであった。

さて、今夜のホテルがある首都Torshavn(以下トシュハウン)へは約50キロ。

しかし今日は天気がそこそこに良いので、反対方向にあるGasadalurという村へ行ってみる。

空港を出て左折し、少し行くと、左手にTindholmur(以下ティンドホルムル)という島が見えてくる。

この島こそが、ナショナルジオグラフィックで紹介されて、フェロー諸島を一躍有名にした島だ。

何という禍々しい姿であることよ・・・。

これマンガとかだったら絶対悪いヤツが住んでるよな。

そして道々に広がる草っぱらで草を食ってる羊の多いこと多いこと。

そこらじゅうにおる。

何とか羊とティンドホルムルを上手く撮りたかったのだけど、上手くいかない。

残念。

そこからさらに進み、一車線のトンネルを抜けると、眼下にGasadalur村が見えてくる。

空港があるVagar島(以下ヴァーガル島)の西端に位置し、滝のある景色を何かで見て以来、

一度この目で見るしかないでしょう!

となったのが、今回この島にやって来た理由でもある。

道路から脇道に入って降りる。

寒い!!!

何じゃこら。

しかしとりあえず撮りに行ってみる。

おおお・・・、まさしくこの景色ですがな!

すげー。

すげーっス!

しかし・・・寒すぎる!!
↑外気4度。

これはイカンということで、早速スーツケースを開けてフリースと手袋、ニット帽を着用した。

夕焼けまでの時間はもう少しある。

しばし車の中で待機したりしながら夕焼けを待つ。

雲が出てきているので、真ん丸な太陽が沈む姿は望めないが、

雲が赤く染まりそうな予感がある。

これは帰れませんわ。

日没は21:44。

そして日没後少し経って、雲が赤ーく染まった。

これこれ、コレでんがな!!

ガッツリ撮った。

まだ粘る人もいたけど、我輩的にこれ以上空が染まることはないと判断。

トシュハウンへ向かうことにした。

当然街灯は町中以外にはないので、あまり踏まないで行く。

既に22:00を回っているし、ホテルがウッカリ閉まったりすると大変ではあるが、撮るべきモノは撮っていく。

これはSandavagur村。

美しいねぇ・・・。

その村を過ぎてどんどこと山道を行くと、海底トンネルを通る。

フェロー諸島というだけあって、島々から成り立つこの国は、いくつかのトンネルと橋で繋がっている。

もちろん繋がっていない島もあるがね。

で、空港のあるヴァーガル島と、

トシュハウンのあるStreymoy島(以外ストレイモイ島)はトンネルで繋がっているらしい。

ロードサイドにある看板には、

近くのサービスステーションで金を払え と書いてある。

フムフムなるほど。

っていうか、サービスステーション・・・って・・・?

トンネルを抜けてしばらく行くと、ガソリンスタンド発見。

これのことか?

腹が減ったのと、多分レストランとかでの食事は難しかろうと思い、スニッカーズを2本購入し、レジで聞いてみる。

偽「トンネルの金はここで払えるの?」

「イエス。小さい車か?100クローネだ(約1,700円)」
↑乗用車とトラックで値段が違う。

ちなみに通貨はフェロークローナというが、デンマーククローナでも支払えて、等価換算である。

偽「このチケットは片道分?」

「来る時だけ払って、帰りはフリーだ」

なるほど。

色々と自分で解決していかねばならんのは楽しいもんだ。

さらに走ってラウンドアバウトを右折。

「トシュハウン」の道標を頼りにどんどんと行く。

しばらく海岸線を走って、23:00前にようやくトシュハウンの中心地に到着した。

ホテルは幸い走ってきた道路の少し先にあったので、さっさとチェックイン。

レストランはあるかと聞いてみたが、時間が遅いのでピッツェリアしかないという話。

雨も降ってきたし翌朝も早い。

疲れてめんどくさかったので、スニッカーズを食って寝ることにした。

おっと、その前に。

このホテルには屋上があるのを知っているぜ!

・・・なんだ。

非常階段じゃねぇか。

まぁいい。

写真は撮るんだ。

と、撮っていたら、ドアがバタンと閉まった。

何気なく振り返ると、何とノブがない。

外側からは開けられない!?

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

ど・・・ど・・・どないしよ。

ひたすら下りていくと、何だかよく分からない部屋がある。

しかし、部屋はあるのにロビーには繋がっていない。

ええ?

この部屋・・・誰が泊まるの・・・?

裏手の路地に通じる通路はカギがかかっていて開かない。

まぁそりゃあそうだ。

危ないもんな・・・ってそういう状況ではない!

これは柵を乗り越えるのもやむなしか・・・。

いや、それはさすがに最終手段や。

もう一度よく調べてみよう。

雨も降ってきてるし、もう最悪や。

階段を上ったり下りたりしているうちに、

2階の通路に入ることができた。

ぶはぉぉぉ・・・。

無駄に疲れた。

もう寝る。

Zzz・・・

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第一話 フェローとは羊のことらしい  第二話 船旅

第三話 風が強すぎてイミフメイ  第四話 オーロラハンター

第五話 全く上手くいかない  第六話 ミュンヘン坊や

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